JPH04247973A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH04247973A
JPH04247973A JP776891A JP776891A JPH04247973A JP H04247973 A JPH04247973 A JP H04247973A JP 776891 A JP776891 A JP 776891A JP 776891 A JP776891 A JP 776891A JP H04247973 A JPH04247973 A JP H04247973A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクを吐出して記録媒
体に記録を行うインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紙、OHP用シート等の記録媒体
(以下記録紙または単に紙ともいう)に対して記録を行
う記録装置は、種々の記録方式による記録ヘッドを搭載
した形態で提案されている。この記録ヘッドには、ワイ
ヤードット方式、感熱方式、熱転写方式、インクジェッ
ト方式によるものなどがある。
【0003】この中でも、特にインクジェット方式は、
記録用紙に直接インクを噴射するものであり、ランニン
グコストが安く、記録動作が静かであるなどの利点を有
した記録方式として注目されている。
【0004】また、近年のインクジェット記録装置、と
りわけ記録ヘッドにあっては、その製造が、半導体デバ
イスにおける成膜技術やマイクロ加工技術によって行わ
れるようになり、より小型でかつ廉価な記録ヘッドが実
現されつつある。これに伴い、装置自体の構成も小型か
つ簡潔なものとされる。
【0005】一方、以上述べたような数々の利点を有す
るインクジェット記録装置は、電子タイプライター、ワ
ードプロセッサ、ファクシミリ、複写機等、種々の装置
の記録装置として広範囲に用いられつつある。この場合
、インクジェット記録装置は、これら装置固有の機能、
使用形態等に対応した構成を具える。
【0006】また、電子タイプライタ、ワードプロセッ
サ等では、小型かつ軽量で携帯可能なものが、その傾向
の1つとしてあり、この見地からも、これら装置に用い
られるインクジェット記録装置の小型かつ簡潔な構成が
望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとしている問題点】以上述べたよう
な近年のインクジェット記録装置の1つの傾向として、
装置の小型化、簡潔化を実現するために、インクジェッ
ト記録装置を構成する要素そのものの簡潔化やこれら要
素各々を関連づける機構の簡潔化を要請されている。
【0008】ここで、記録ヘッドと記録媒体間の距離設
定に関しては、該距離が記録品位に直接的影響を与える
ことから重要である。しかしながら、記録ヘッドのイン
ク吐出速度が有限であり、さらに記録装置全体の部品精
度もある範囲の製造公差を有しているため、記録ヘッド
と記録媒体間の距離を一定に定めると各々の装置により
記録品位に個体差が発生するという問題がある。また、
前記距離を近付け過ぎると記録ヘッドが記録媒体と接触
してしまい、記録媒体を汚損したり、ひいては記録ヘッ
ドの破損を招くおそれがあり、記録ヘッドと記録媒体間
の距離に関しては個々の装置に応じて最適な値に設定す
ることが望ましい。
【0009】本発明は上述の課題を解消するためになさ
れたものであり、その目的とするところは、装置組立時
に記録ヘッドと記録媒体間の距離を各装置個体に応じて
調整可能とすることにより、高品位な記録の確保が可能
なインクジェット記録装置を提供することにある。
【0010】
【問題点を解決するための手段及び作用】そのために本
発明では、記録ヘッドと記録媒体間の距離の調整を行う
距離設定手段をキャリッジ上に搭載し、組立時に前記距
離を各装置個体に応じて調整可能とすることにより、各
々の装置個体差にとらわれずに高品位な記録品位の確保
が可能となる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0012】図1は本発明の一実施例にかかるインクジ
ェット記録装置の模式的外観斜視図である。図1におい
て、2001は装置ケースの一部をなすメインケースで
あり、図2にて後述されるインクジェット記録装置のフ
レームの一部に固定されこの装置の両端部分、すなわち
、記録紙が搬送される搬送経路の幅に対応した部分を除
いた部分を被覆する。この両端部分のうち一方には記録
ヘッドのホームポジションが規定され、非記録時等にこ
の位置にある記録ヘッドやこの位置で記録ヘッドの吐出
口面のキャッピング等を行う吐出回復ユニットがメイン
ケース2001によって覆われる。これにより、装置ケ
ースの一部が開けられ装置の保守点検等が行われるとき
、不用意に記録ヘッドや吐出回復ユニットに触れ、これ
らに位置ずれを生じたり、これら自体を傷めたりするこ
とを防止することができる。
【0013】2003は同様に装置ケースの一部をなす
中ケースであり、主に記録時に記録ヘッドが移動する部
分を覆う。中ケース2003は簡易に着脱できるように
設けられ、また、その一部には後述の排紙ローラに対応
して設けられる拍車が取付けられており、中ケース20
03の装着によりこの拍車は適切な押圧力をもって排紙
ローラに圧接する。2005は、装置ケースの一部をな
し開閉自在に設けられている給紙蓋である。給紙蓋20
05は、その略矩形の形状における図中手前側の辺の両
端が軸支され、これを回動軸として図中上方側へ開けら
れ所定の角度で保持されるように設けられる。給紙蓋2
005はこの角度で保持された状態で後述の給紙トレイ
とほぼ直線状となり、記録紙を載置することが可能とな
る。2007は装置手前側に設けられた装置ケースの一
部を構成するインク蓋である。インク蓋2007は装置
手前側の下部に設けられる軸に寄って回動自在に軸支さ
れ、必要に応じてインク蓋2007を手前側に開けるこ
とができる。これにより内部に収納されるインクカート
リッジの装着及び取外し等の脱着動作を行うことが可能
となる。
【0014】2009は装置に対して着脱自在に装着さ
れる排紙トレイである。排紙トレイ2009は装置後部
に所定の角度を有して装着され記録を終了した記録紙を
順次積層することができる。2011は操作部であり、
装置手前のメインケース2001の一方に設けられる。 操作部2011は装置の状態等を表示する表示部201
1Bと装置に対する各種指令を入力するためのキー20
11Aとを具える。
【0015】図2および図3は本発明の一実施例にかか
るインクジェット記録装置を図1に示した装置カバーを
除いて示す側方断面図および上面図である。なお、図3
は記録ヘッドとこれを載置して移動するためのキャリッ
ジ、およびこれらの移動のための駆動系が省かれた状態
を示す。
【0016】図2および図3において、601は給紙ト
レイであり、図1に示した給紙蓋2005が開けられた
状態(図2および図3には図示されない)でこれととも
に給紙部を構成する。給紙トレイ601は、その給紙方
向における後端部に設けた回動軸601Aが、装置フレ
ームをなす側板2017に寄って回動自在に軸支され、
また、給紙トレイ601の前端はばね602によって図
2中上方に付勢されている。これら構成により、給紙ト
レイ601上に積層されている記録紙(図2および図3
には図示されない。また、以下において、記録紙はプラ
スチックシート等を含み、広く被記録媒体を意味する)
はその先端をピックアップローラ604に押圧される。 なお、上述した給紙機構において、図3に示される60
1Cは記録紙のサイズに応じて給紙を案内するガイド板
であり、601Dはガイド板601Cが記録紙のサイズ
に応じて移動するための溝である。
【0017】ピックアップローラ604は、半月ローラ
604Aおよびアイドラローラ604Bという一対のロ
ーラからなり、半月ローラ604Aは図2に示されるよ
うにその横断面が円の一部を切り欠いた形状を有し、ア
イドラローラ604Bは、その横断面が半月ローラ60
4Aの円周部分の径よりわずかに小さな径の円形状を有
する。これら一対のローラからなるピックアップローラ
604は給紙トレイ601の前端近傍に所定の間隔をお
いて2対設けられ、これら2対のピックアップローラ6
04は、記録紙が給紙される方向と垂直な方向に延在す
るピックアップローラ軸604Cに固定される。ピック
アップローラ軸604Cの一端はフレーム2017の一
部に回動自在に支持され、他端はクラッチ619と接続
する。これにより、不図示のモータの駆動力はクラッチ
619を介してピックアップローラ軸604Cに伝達さ
れ、ピックアップローラ604を回転させることができ
る。
【0018】給紙トレイ601上に積層される記録紙は
、上述のようにピックアップローラ604に押圧されて
いるため、ピックアップローラ604が回転すると、記
録紙はまず、半月ローラ604Aの切欠部と円周部の連
結部である肩の部分によって押し出され、さらにピック
アップローラ604と図17にて詳述される分離板60
5との協働によって記録紙搬送路へ送り出される。
【0019】606は、記録紙搬送路上のピックアップ
ローラ604の下流側に配設される紙送りローラである
。紙送りローラ606は、図3に示されるように、搬送
される記録紙の幅方向において所定の間隔を有して4個
配設され、これら4個の紙送りローラは紙送りローラ軸
606A(図3には図示されない)に固定されている。 これにより、不図示の紙送りモータの駆動力が紙送りロ
ーラ軸606Aに伝達され、紙送りローラ606を回転
させることができる。
【0020】607は紙送りローラ606のそれぞれに
対応して設けられるピンチローラであり、その円周面を
紙送りローラ606の円周面に当接するように配設され
る。611はピンチローラ607のそれぞれに対応して
設けられるピンチローラホルダであり、その一方の端部
でピンチローラ607を回動可能に軸支する。613は
キャリッジレールであり、後述されるキャリッジの移動
領域にわたって延在するように設けられる。ピンチロー
ラホルダ611はその他方の端部をキャリッジレール6
13によって軸支され、また、キャリッジレール613
とピンチローラホルダ611との間に保持されるばね6
14によって、図2中斜め下方に付勢されている。これ
により、ピンチローラ607は紙送りローラ606との
間に搬送されてくる記録紙を紙送りローラ606へ押圧
し、紙送りローラ606はこの押圧力によって生じる摩
擦力によって記録紙を搬送することができる。
【0021】608は記録紙の記録面を規制するための
プラテンであり、記録紙搬送路上において紙送りローラ
606等の下流側であって後述の記録ヘッドに対向する
部位に配設される。さらに、プラテン608の下流側に
は、排紙ローラ609が設けられる。排紙ローラ609
は図3に示すように、搬送される記録紙の幅方向に所定
間隔を有して9個配設され、これらは排紙ローラ軸60
9Aに固定される。排紙ローラ軸609Aは不図示のモ
ータによって回転し、図1に示した中ケース2003に
よって保持される拍車との協働によって図1に示した排
紙トレイ2009へ記録紙を排紙する。
【0022】以上説明した記録紙搬送路において、給紙
トレイ601上に積層される記録紙はピックアップロー
ラ604と分離板605とによって一枚づつ分離されて
搬送路へ給紙され、この給紙される記録紙は紙ガイド6
08Aによって案内されながら紙送りローラ606とピ
ンチローラ607との間に搬送される。この搬送の間に
、記録紙は、紙端部検出レバー615の一端に接触し、
これによるレバー615の他端の動作が紙端部フォトセ
ンサ617による検出状態を変化させることにより、記
録紙の端部を検出することができる。
【0023】紙送りローラ606は、記録ヘッドによる
記録動作に応じてプラテン608上へ、例えば、記録ヘ
ッドによる記録の1ライン分づつ記録紙を搬送し、これ
によって記録紙上に文字、画像等の記録がなされる。こ
の際、記録紙は紙押さえ板ばね621によってプラテン
608方向へ付勢され、記録紙の記録領域を平担に保つ
ことができる。記録のなされた記録紙は排紙ローラ60
9によって排紙トレイ2009上に排紙される。
【0024】以上示した給紙トレイ601から排紙ロー
ラ609、さらに図1に示した排紙トレイ2009にい
たる記録紙搬送路は、図2から明らかなように、緩やか
なV字状をなしているため、記録紙の腰によって記録紙
がプラテン608に密着することができ、これにより記
録紙上の記録領域を平担に保つことができる。
【0025】図2において、1は記録ヘッド部であり、
図6にて詳述される各インク色に対応した4個の記録ヘ
ッドチップを具える。これらヘッドチップは容易に着脱
できるようキャリッジ部200のキャリッジ本体201
に装着される。203はキャリッジカバーであり、また
、205はヘッドカバーである。これらカバーがキャリ
ッジ本体201に装着されることによって、上記記録ヘ
ッドチップへの電気的接続および上記チップの位置決め
、固定等がなされる。また、300はキャリッジ本体2
01の一部に取付けられるサブインクタンクであり、サ
ブインクタンク300によってインク供給系内の気泡の
捕集およびキャリッジ移動に伴ってインク供給系内に生
じる圧力変動の緩衝を行い、気泡や圧力変動による影響
を記録ヘッドの及ぼさないようにすることができる。 上述した記録ヘッド部1以下、キャリッジ本体201に
搭載される各要素は、キャリッジ本体201がガイド軸
213(図2にはその断面のみが示される)と摺動可能
に係合し、キャリッジ本体201とその一部が接続され
るベルトが不図示のキャリッジモータによって駆動され
ることにより、ガイド軸213に沿った移動が可能とな
る。
【0026】また、図4において、299は設定軸であ
り、キャリッジ本体201の移動方向両端部に設けられ
た軸受部201Y及びその間に設けられた複数個の軸受
部201Zに支持されている。設定軸299は回転支点
に対して偏在した中心をもった円弧状突起部299Aを
有している。また、設定軸299の一方の端部には歯車
部299Bが一体的に設けられ、キャリッジ本体201
内に設けられたラッチ部201Xと噛合いによってその
回転方向の位置を保持している。また、歯車部299B
はその側端に凹部299Cが設けられている。
【0027】以上のような構成から、設定軸299の回
転方向の位置(即ち歯車部299Bのどの歯がラッチ部
201Xと噛合しているか)により突起部299Aの突
起量(図5における距離X)が可変であり、適宜設定す
ることができる。このようにして設定された突起部29
9Aがキャリッジレール613の上面と摺動可能に当接
する。さて工場における装置組立時に作業者が行う設定
軸299の回転方向の設定は作業者が凹部299Cにド
ライバ等の工具を挿入し歯車部299Bを回転させて行
う。この際歯車部299Bはラッチ部201Xを弾性的
に変形させて回転する。そして回転を終了すると、ラッ
チ部201Xは弾性的に復元し、歯車部299Bとの噛
合いが復帰し、歯車部299Bの所定の歯がラッチ部2
01Xと嵌合し設定軸299の回転方向位置が規制され
る。そこでヘッドの吐出口と記録紙との間隔を所望の間
隔とすることができる。なお歯車部299Bの一歯分は
突起部299Aの偏心回転に対応し、調整最小単位とし
て設定すればよい。本実施例では歯車部299Bの1歯
あたり0.07[mm]距離Xが変化し、また、ヘッド
10の吐出口とプラテン608間の距離Yは1歯あたり
0.05[mm]変化する。そこで、歯車部299Bは
合計10歯有しているので、キャリッジ本体201はガ
イド軸213を中心に摺動して距離Xは0.7mm、距
離Yは0.5mm変化する。
【0028】以上のような構成により、記録ヘッドと記
録媒体間の距離設定に関して、記録媒体の汚損を防止で
き、かつ記録品位を確保できる距離に設定を行うことが
できる。
【0029】また、図2において、211は操作者が手
動によってその位置を変えることができるポジションレ
バーであり、その両端部が設定軸299(図2には不図
示)内の軸受部によって回動自在に軸支される。また、
ポジションレバー211の他方の端部には半球状の凸部
211Bが設けられ、これがキャリッジ部200の側板
(不図示)の3個所に設けられた凹部と係合することに
より、ポジションレバー211は3つの位置で固定され
得る。ポジションレバー211が図2に示される位置I
およびIIの位置にあるとき、キャリッジ本体201、
すなわち、これに搭載される記録ヘッドチップは、これ
ら位置のそれぞれに応じてガイド軸213を回動軸とし
て変位し、ポジションレバー211とキャリッジレール
613との当接に応じた位置をとる。すなわち、図2に
示すポジションレバー211の位置Iでは、図6にて詳
細に示されるように設定軸299の一部がキャリッジレ
ール613の上面とこの上を摺動可能に当接する。この
当接関係においては記録ヘッドチップはプラテン608
と比較的近い位置にある。これに対して、ポジションレ
バー211が位置IIにあるとき、ポジションレバー2
11と一体に設けられた押さえ部材211Dがキャリッ
ジレール613の上面に当接する。これによりキャリッ
ジ本体201は、この当接部位を作用点とし、また、ガ
イド軸213を支点として図2中上方に回動し記録ヘッ
ドチップはプラテン608から比較的大きく離間した位
置をとる。
【0030】以上示したポジションレバーの構成におい
て、例えば比較的インク吸収特性の劣る記録紙を用いる
場合は、ポジションレバー211を位置IIとすること
によって記録ヘッドチップをプラテン608から比較的
大きく離間させる。なぜなら前述の場合、記録によるイ
ンクによって記録紙が波打つ等の現象を生じ、これによ
り、例えば記録紙が記録ヘッドチップの吐出口面等を擦
り、これを損傷するといった問題が発生することがある
が、ポジションレバー211を位置IIとすることによ
り、この問題の発生を防止することができるからである
。また、比較的インク吸収特性に優れた記録紙を用いる
場合にはこのような考慮を必要とせず、ポジションレバ
ー211を位置Iとすればよい。
【0031】なお、ポジションレバー211の回転支点
は設定軸299内に設けられ、かつ突起部299Aの中
心と同軸上に配置されているため、記録ヘッドと記録媒
体間の距離設定がどの位置に行われても、ポジションレ
バー211の突起部211Dの突起量は不変である。す
なわち突起部299Aの円弧部の中心とレバー211の
回転中心を一致させているので、突起部299Aの円弧
をどこに調整しても、レバー211による離間距離は変
らない。
【0032】また、ポジションレバー211の位置II
Iは、キャリッジ部200がホームポジションにあると
きキャリッジ部200が右方向に移動するのを防止する
ための位置である。すなわち、図3に示されるように、
キャリッジレール613の左端近傍に設けられた掛止孔
613Bにポジションレバー211の先端に設けられた
突起211Dが係合し、キャリッジ部200(図3には
図示されない)の右方向への移動が防止される。
【0033】なお、上記ポジションレバー211の位置
にかかる表示または音等による報知を行うこともできる
【0034】すなわち、ポジションレバー211は上述
したように本装置の操作者が手動によってその位置を変
えるものであり、例えば、キャリッジ部200がホーム
ポジションにある場合にポジションレバー211が位置
IIIにあるのを忘れたまま記録を行おうとすると、ポ
ジションレバー211による掛止を解除する旨の表示を
行うようにすることもできる。
【0035】また、ポジションレバー211の3つの位
置に応じて、ポジションレバー211の現在位置を表示
するようにしてもよい。
【0036】さらに、装置運搬時等において装置に所定
以上の振動が加わった場合等にこれを検出すると同時に
ポジションレバー211の位置を検知し、これが位置I
II、すなわち、キャリッジ部200を固定する位置で
ない場合にはその旨をブザー等の音で報知するようにし
もよい。
【0037】このキャリッジ移動防止の構成によれば、
本記録装置の運搬時等にキャリッジ部200や記録ヘッ
ド部1が不必要に動き、これらや装置の他の部分が損傷
する等の事故を防止することができる。
【0038】図2において、230は装置フレームに固
定されるカバーであり、キャリッジ部200の移動に伴
ってこれに追動するインク供給チューブ、フレキシブル
ケーブル等を保護する。
【0039】図2および図3において、701Bk、7
01C、701M、701Yは、後述のインク供給ユニ
ット内に装着されるインクカートリッジであり、それぞ
れインク色が黒(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M
)、イエロー(Y)のインクを貯留するインク袋および
吐出回復処理におけるインク吸引等によって排出される
インクを貯留するための廃インク袋を格納する。インク
カートリッジを装着するインク供給ユニットの下部には
インク吸収体911が配設される。インク吸収体911
は押圧などの外力に対し復元力を有するものであり、供
給ユニットを構成するフレーム913の凹部と装置フレ
ームをなす底板2015との間に圧縮された状態で介挿
される。これにより、インクカートリッジ701からイ
ンク漏れが生じたとしても、吸収体911によってこれ
を吸収することができる。また、底板2015等を介し
て伝達されるモータの駆動に伴う振動は吸収体911に
おいて吸収することができ、これにより、装置の駆動に
ともなって生じる騒音を低減することができる。
【0040】なお、振動吸収のために用いられる吸収体
は、必ずしも上例のごとくインク供給ユニットの下部に
配設される必要はなく、装置騒音を低減するためのさら
に有効な部位に設けることができる。
【0041】図6は上述したキャリッジ本体201に搭
載される記録ヘッド部1の詳細を示すキャリッジ部20
0および記録ヘッド部1の断面図である。
【0042】図6において、10は4色の各インクに対
応して設けられる記録ヘッドチップであり、図と垂直な
方向に4個設けられているため図6の断面図には1個の
みが示される。記録ヘッドチップ10は、同図に示され
る形状でかつ板状をなすAlよりなる基体状にSiより
なる基板が積層される形態で接続され、さらにSi基板
上には吐出に利用される熱エネルギを発生するための電
気熱変換体およびこれに電力を供給するための電極配線
、さらには上記電気熱変換体を記録信号に応じて駆動す
るためのヘッドドライバが形成され、さらにこの基板に
、基板と共に吐出口およびこれに連通する液路、さらに
は液路へインクを供給するための共通液室を形成するた
めの凹部を有する天板が凹部を内側にして接合されるこ
とにより、記録ヘッドチップ10が構成される。本例の
記録ヘッドチップはその前面の吐出口配設面に64個の
吐出口を有する。これらの吐出口が設けられた領域に対
応して開口を有する前面プレート11が、記録ヘッドチ
ップ10の前面側に配設される。これら吐出口の各々に
連通するインク液路内には上記電気熱変換体が配設され
、この電気熱変換体は電気パルスの印加に応じて熱を発
生してインク中に膜沸騰を生じさせ、この膜沸騰による
気泡の生成に基づいて吐出口からインクが吐出される。
【0043】記録ヘッドチップ10の装着部材の1つを
構成するキャリッジカバー203には、記録ヘッドチッ
プ10の電気配線端子と電気的な接続を行うためのコネ
クタ207が記録ヘッドチップ10に応じて4個が一体
に保持されており、カバー203の装着の際、すなわち
、図3の二点鎖線で示されるカバー203が取り外され
た状態から、直線的動作によって実線で示される装着状
態に至る間にコネクタ207がそれぞれの対応する記録
ヘッドチップ10に接続する。この接続は記録ヘッドチ
ップ10の端子が、コネクタ207の凹部に挿入される
ことにより行われる。
【0044】この時、4つの記録ヘッドチップ10はキ
ャリッジ本体201の所定の部位に正確に位置決めされ
た状態で装着されており、コネクタ207はこれに沿う
ように接続する。このため、コネクタ207の上記凹部
は上記端子の挿入がスムーズに行われるよう、凹部の挿
入口がR状に形成されている。
【0045】なお、キャリッジカバー203の動作は、
図2に示されるように、キャリッジ本体201に設けら
れた軸221に、キャリッジカバー203の一部に形成
された長穴223が係合することにより、その動作が案
内される。このキャリッジカバーによって、とくに、記
録ヘッドチップおよびその端子部分を保護することがで
きる。
【0046】図7(A)〜(C)は、記録ヘッドチップ
10の装着の仕方を説明するための図であり、同図(A
)はキャリッジ本体201および記録ヘッド10の正面
図、同図(B)は、キャリッジ本体201の側方部分断
面図、同図(C)は記録ヘッド図2(A)および(B)
10の斜視図である。
【0047】これら図において、15は記録ヘッド10
に形成されるガイド溝であり、記録ヘッドチップ10の
装着時に、キャリッジ本体201のヘッド装着部に設け
られるガイド215と係合する。13は記録ヘッドチッ
プ10内の共通液室にインクを供給するためのインク供
給管であり、上記装着時に、この装着動作に伴ってキャ
リッジ本体201に設けられた供給口219に挿入され
る。この構成により、サブインクタンク300から、供
給チューブ311、供給口219および供給管13を介
して共通液室へインクの供給が行われる。
【0048】記録ヘッドチップ10のキャリッジ本体2
01への装着について図7(A)を参照して説明する。 記録ヘッドチップ10の装着に際して、まず、記録ヘッ
ドチップ10のガイド溝15がキャリッジ側のガイド2
15と係合することにより、この係合に応じて記録ヘッ
ドチップ10は下方に移動され、供給管13がキャリッ
ジ側の供給口219に挿入される。この供給管13の供
給口219への挿入は上記ガイドによってスムーズに行
うことができる。そして、この移動は記録ヘッドチップ
10の底部の一部がキャリッジ側のヘッド装着部の底面
の一部に突き当たることによって停止する。なお、この
時、記録ヘッドチップ10の一部は図6に示されるよう
に、キャリッジ本体201に形成される凹部に挿入され
、ヘッド10の吐出方向の位置決めがなされる。その後
、図5に詳述されるヘッドカバー205の装着によって
、個々の記録ヘッドチップの位置およびこれらチップ間
のピッチが定まる。
【0049】図8(A)〜(C)はヘッドカバー205
の詳細を示す図であり、同図(A)はヘッドカバーを裏
側から視た正面図、同図(B)は側方から視た斜視図、
同図(C)は上方から視た部分断面図である。
【0050】以下、ヘッドカバー205による記録ヘッ
ドチップ10の位置決めについて、図6、図7(A)お
よび図8(A)〜(C)を参照して説明する。
【0051】図7にて説明したように、キャリッジ本体
201に装着された状態の記録ヘッドチップ10に対し
てヘッドカバー205が、図6に示されるように記録ヘ
ッドチップ10の側部を覆うようにキャリッジ本体20
1に装着される。この装着によって、図6および図8に
示されるヘッドカバー205の板ばね221および22
3はその弾性力によって、記録ヘッドチップ10をそれ
ぞれ図7(A)に示す基準面217および図7(A)に
示すヘッドチップ装着部の底面221へ向けて押圧する
。これにより、記録ヘッドチップ10は、その配列方向
(図7(A)中上下方向)の位置決めがなされる。この
とき、図7(A)に示す4個所の基準面217および底
面221は互いの位置関係が正確に定められているため
、ヘッドカバー205の装着によって各記録ヘッドチッ
プの吐出口列間のピッチおよび上記上下方向の位置関係
が正確に定められる。
【0052】図9はヘッドカバーによる位置決めの他の
実施例を示す断面図である。
【0053】図9に示すように、ヘッドカバー205に
は図8に示した板ばね221の代わりに、各ヘッドチッ
プに対応して板ばね225が設けられる。板ばね225
はヘッドカバー205の端部に取付けられ、ヘッドカバ
ー205の装着によって記録ヘッドチップ10の面取り
した部分を押圧する。これにより、この押圧力は吐出方
向および吐出口配列方向の分力を生じ、記録ヘッドチッ
プ10におけるそれぞれの方向の位置決めを行うことが
できる。
【0054】図10(A)および(B)はそれぞれ図2
(A)等に示したサブインクタンク300の詳細を示す
斜視図であり、同図(A)はキャリッジ本体201への
取付側の面を示し、同図(B)はその反対側の面を示す
。また図8は、上記サブインクタンクを分解して示す部
分斜視図である。
【0055】これら図に示すように、サブインクタンク
300は3つの部分からなる。即ち、インク室および空
気室を構成するためのタンク部材331、連結孔が形成
された中板333、および連結溝および接続管が形成さ
れた接続板335からなる。これら各部材は、例えば樹
脂材をモールド成型することによって得ることができ、
各部材間は超音波溶着によって接合することができる。
【0056】タンク部材331は各色のインクに対応し
て4つの室331Bk、331C、331M、331Y
を有している。
【0057】中板333には、図11にその詳細が示さ
れるように、タンク部材331の各室と接続板335の
連結溝とを連結する連結孔が形成され、これら連結孔の
うち符号341で示されるものは、図10(A)に示す
接続管321に連結し上述したインクカートリッジ70
1から供給される各インクの流路の一部を構成し、符号
343で示されるものは、図10(A)に示す接続管3
23に連結し後述される吐出回復ユニットの吸引力によ
って上記各室から吸引される空気の流路の一部を構成す
る。また、図11に図示されないが、図10(A)に示
される各接続管325の位置に対応して記録ヘッドチッ
プ10へのインク供給孔が形成されている。
【0058】接続板335には、図10(A)に示され
るように、3種類の接続管が設けられる。すなわち、符
号321で示される接続管は上述したインクカートリッ
ジ701からのインク供給チューブが接続され、符号3
23で示される接続管は吐出回復ユニットの吸引ポンプ
へのチューブが接続され、符号325で示される接続管
は記録ヘッドチップ10へのインク供給チューブが接続
される。
【0059】さらに、上記接続管の配置は以下のように
して定められている。図7(A)および(B)に示され
るように、まず、キャリッジ本体201に対してサブイ
ンクタンク300はその長手方向が各記録ヘッドの配列
方向に沿うように取付けられる。このとき、接続管32
5の各々は、対応する記録ヘッドチップ10の下方に位
置するように接続板335において配置される。これに
より、それぞれの接続管325と各記録ヘッドチップ1
0を連結するインク供給チューブ311は図7(B)に
示すように、同図の平面内で屈曲するのみでスムーズな
インク供給が可能となる。また、チューブ311の屈曲
の方向が上記平面内に限られるため、インク供給に対す
るキャリッジ移動の影響を少なくすることができる。以
上示した接続管325の配置位置条件において、タンク
部材331の各室から各接続室への最短経路およびキャ
リッジ移動の影響を考慮すると、接続管325の配設位
置は図10(A)に示すように、サブインクタンク30
0の長手方向に配列する位置となる。このため、中板3
33には上述したように各接続管325に対応した位置
に連結孔が設けられる。
【0060】接続管321および323の配置について
は以下のように定められる。
【0061】まず第一に、これら接続管に接続されるチ
ューブが、サブインクタンク300の長手方向、すなわ
ち、図10中矢印Aで示されるキャリッジ部の移動方向
に沿うように接続管の位置が定められる。第二に4色の
各インクに対応したチューブが一体で接続管に接続され
るように接続管の配置が定められる。以上第一および第
二の配置条件より、接続管323および325の配置は
、それぞれキャリッジの移動方向に垂直な方向に配列す
るように定められる。
【0062】図13は接続管321および323に接続
するチューブユニットを示す上面図であり、接続管32
1および323に接続するそれぞれジョイント351お
よび353が示される。同図中矢印Cで示される方向の
キャリッジの移動に応じて、これらチューブ355およ
び357はこれに追動するものであり、以上示した接続
管の配置によりチューブを一定方向(キャリッジ移動方
向)に延在させることができ、チューブのこの追動する
部分においてチューブは所定方向のみに屈曲するだけで
ある。これにより、インク供給等に及ぼすキャリッジの
移動の影響を少なくすることができる。
【0063】以上示した接続管321および323の配
置に応じて接続板335には図11に示されるような溝
337および339が形成され、これら接続管の各々と
各タンク室331(Bk、C、M、Y)とが連結される
【0064】図12はサブインクタンク300の他の実
施例を示す断面図である。同図に示すように各タンク室
と接続管を連結するための溝を中板333に形成するこ
ともできる。
【0065】図14および図15は、それぞれ図2およ
び図3に示した紙送り機構の詳細を示す断面図であり、
図14は薄紙を搬送する場合を示し、図15は厚紙を搬
送する場合である。
【0066】これら図においてピンチローラ607はピ
ンチローラホルダ611によって回動自在に軸支され、
ピンチローラホルダ611は、キャリッジレール613
に対して端部611Bにおいて回動自在に係合する。ま
たピンチローラホルダ611とキャリッジレール613
との間にはばね614が介挿され、さらに、キャリッジ
レール613は、図3に示されるようにその両端部の掛
止部613Bに掛止されたばね631によって図14お
よび図15中下方に付勢されて不図示の装置フレームの
一部に突き当てられている。この結果、ばね614の弾
性力によってピンチローラ607は紙送りローラ606
を押圧することができる。
【0067】以上の構成において、図14に示されるよ
うに、比較的薄い記録紙が搬送される場合、ピンチロー
ラ607と紙送りローラ606との間の記録紙の厚さに
よって生じるピンチローラ607の変位は、ピンチロー
ラホルダ611のみが図11中上方に変位することによ
って吸収される。
【0068】これに対して、図15に示されるように、
比較的厚い記録紙の場合、この紙厚によるピンチローラ
607の変位は、ピンチローラホルダ611の回動によ
る変位によって吸収しきれず、ピンチローラホルダ61
1はピンチローラ607の変位に応じてさらに変位し、
その端部611Aをキャリッジレール613に突き当て
ることにより、ばね631の弾性力に抗してこれを押し
上げる。すなわち、比較的厚い記録紙が搬送される場合
のピンチローラ607の変位は、ピンチローラホルダ6
11の変位およびこれに続くキャリッジレール613の
変位によって吸収される。
【0069】このとき、キャリッジレール613は上述
したポジションレバー211の位置に応じて、キャリッ
ジ本体201または押さえ部材211Aと当接している
ため、キャリッジレール613の変位に応じてキャリッ
ジ部200すなわち記録ヘッド部1が変位する。
【0070】以上示した紙送り機構によれば、用いられ
る記録紙が比較的薄い場合、ピンチローラホルダ611
が変位することによりピンチローラ607は記録紙を介
して紙厚に応じた適切な押圧力を紙送りローラ606に
作用することができる。
【0071】また、記録紙が比較的厚い場合、ピンチロ
ーラホルダ611およびキャリッジレール613が変位
することにより、ピンチローラ607は紙厚に応じた適
切な押圧力を紙送りローラ606に作用することができ
るとともに、記録紙と記録ヘッドとの間隔を紙厚に応じ
て適切なものとすることができる。なお、前述したポジ
ションレバー211の位置(IまたはII)に関わらず
、上述した紙送り機構は有効に作用することは勿論であ
る。
【0072】図16および図17により給紙装置の構成
ならびにその動作について詳述する。なお、図16は記
録紙が薄手シート610Aの場合、図17は記録紙が厚
手シート610Bの場合の分離板605の挙動をそれぞ
れ示す。これら図において、651は装置フレームの一
部をなす支持部材603に設けた分離板605支持用の
遊嵌溝であり、溝651はその開口の方向がピックアッ
プローラ604の軸の中心にほぼ向くように形成されて
いる。
【0073】また、分離板605はそのばね保持部60
5Aと遊嵌溝651の底部との間に保持されるばね61
2を有すると共に、ばね保持部605Aの両側から下方
に延在されたかぎの手形の爪部605Bを有し、これら
の爪部605Bを遊嵌溝651の底部にも受けた係合孔
621Aに嵌め合わすことにより分離板605が遊嵌溝
651から抜け落ちないようにしている。以上の構成に
より、分離板605はばね612によって支持されなが
ら遊嵌溝651内の揺動および上下方向の動きが可能と
なる。なお、ばね612は記録に使用される記録紙の想
定される腰の強さの範囲に応じて適切なばね常数のもの
が選択される。
【0074】以上のように構成された給紙装置において
、図16に示すように記録紙として腰が比較的弱い薄手
のシート610Aが送給カセット、すなわち給紙トレイ
601に収納されたとする。この状態で送給信号により
ピックアップローラ604が駆動されると、送給カセッ
ト601上で最上面に位置している薄手シート610A
の先端部はまず、分離板605に当接する。これに応じ
て分離板605は、薄手シート610Aの腰の強さと分
離板605を支持しているばね612のばね力に応じた
位置に変位し、薄手シート610Aの分離板605に対
する進入角(記録シートの進入方向と分離板の平面がな
す角度)を最適な角度とすることができ、半月ローラ6
04Aと記録シートとの間に生じる搬送力(摩擦力)を
良好なものとすることができる。
【0075】また、図17に示すように腰が比較的強い
厚手のシート610Bが送給カセット601に収納され
る場合は、同じようにして厚手シート610Bがピック
アップローラ604と分離板605との間に導かれても
、厚手シート610Bの腰の強さによって分離板605
は押し下げられてその肩部605Cが溝651の底部に
突き当たり、この肩部605Cを回動支点として回動す
る。これにより、記録シートと分離板605との間に形
成される進入角は図16に示したものより小さな角度と
することができ、半月ローラ604Aと記録紙との間に
生じる搬送力(摩擦力)が過大になるのを防止し厚紙の
場合の給紙不良を回避することが可能となる。 (回復ユニット)図18は本例にかかる回復ユニット4
00の概略構成を示す。
【0076】ここで、401はユニット筐体であり、こ
のユニット筐体401に対して以下の各部が保持されて
いる。403はユニット内の各部動作の駆動源であるモ
ータであり、モータ出力軸405に取付けたウォーム4
07およびこれに噛合するウォームホイール409を介
してウォームホイール軸411に駆動力が伝達される。
【0077】420は記録ヘッド1の吐出口形成面1A
に当接して吐出口周辺を覆うことが可能なキャップ部で
あり、少なくとも形成面との当接部分はゴム等の弾性部
材で形成される。430はキャップ部420を吐出口形
成面1Aに圧接するとともに、これにならわせて密着状
態を確保するためのキャップ圧接・イコライズ部である
。440はポンプであり、キャップ部420に連通した
吸引チューブ442および前述したサブインクタンク3
00に連通した吸引チューブ444を介してそれぞれに
吸引力を作用させ、廃インクチューブ446を介してイ
ンクタンク内廃インク吸収体(図示せず)に向けて吸引
されてきたインクを排出する。このポンプ440は、軸
441に設けられたポンプ駆動カム450およびこれに
係合したポンプ駆動レバー452により駆動される。
【0078】本例において、キャップ部420とポンプ
440とを連通するチューブ442は、そのチューブ4
42が接続されるキャップ内連通孔442Aより鉛直方
向上方に屈曲し、その後に下方にあるポンプ440に接
続されるようになっている。これにより、キャップ部4
20を介して吐出口からインク吸引を行った後、非キャ
ップ状態での吸引処理(空吸引)を行わない、もしくは
十分に行わないようにすれば、少量のインクがチューブ
442内に残留する。すなわち、屈曲部の存在によって
インクがポンプ内にすべて流入しないからである。この
ことを利用すれば、例えば記録中断時ないしは記録休止
時のキャップ状態において吐出口形成面1Aを湿潤な雰
囲気に保ち、吐出口を乾燥から保護して目詰まり等を防
止できる。したがって、記録再開時における吸引処理を
不要もしくは僅少なものとすることができるようになる
。なお、長期休止時ないし電源オフ時には充分な空吸引
を行ってインクをチューブ内に残留しないようにし、チ
ューブ内での固着を防止することができる。
【0079】また、本例において、ユニット400が装
置に取付けられた状態では、ポンプ440は排出側が鉛
直方向下側に位置し、排出流路が下方を向くように配置
している。これにより、ポンプ440からのインク排出
が重力の作用を受けて円滑に行われることになる。
【0080】図19(A)は回復ユニット400の側断
面図である。ここで、461はその先端部461Aがヘ
ッドカバー205に設けた凹部205Hに進入すること
によりキャップ部420を吐出口形成面1Aに正対させ
るアクセスレバーであり、少なくともその先端部分が記
録ヘッド走査方向(図面に直交する方向)に変位もしく
は変形可能である。465はアクセスレバー駆動アーム
であり、アクセスレバー461と結合している。また、
このアームは一端付近の軸465Aの周りに回動可能で
ある。467は軸411に設けたカムであり、アーム4
65上のピン468と係合している。469はピン46
8をカム467の輪郭にならわせてアーム465の動作
を規制するためのばねであり、筐体401とアクセスレ
バー461に設けた突起463との間に張架されてアー
ム465にカム467側への回動習性を付与する。
【0081】471はキャップ部420を保持するキャ
ップホルダ、473はキャップホルダ471と一体に設
けられたホルダガイドレバーであり、その先端部475
は筐体401に設けた穴を貫いて突出している。キャッ
プホルダ471はキャップ部420を保持して回復ユニ
ット400に対し進退可能であり、前進に応じてキャッ
プ部420と吐出口形成面1Aとの当接がなされ、後退
に応じてこれが解除される。また、キャップ部420な
いしキャップホルダ471は記録ヘッド走査方向に関し
て変位可能である。477はそのキャップホルダ471
の進退を規制するカムに対しホルダ側係合部をならわせ
るためのばねであり、ホルダガイドレバー先端部475
に設けられている。
【0082】キャップ部420には後述する大気連通孔
が設けられ、この連通孔も同じく後述するカム513お
よび駆動レバー511等を介して開閉される。この大気
連通孔の開閉機構を含め、キャップ部の進退機構、アク
セスレバーの進退機構等については図20〜図22につ
いて後述する。
【0083】図19(A)において、481は回復処理
時等において回復ユニット400とキャリッジ部200
とのロック状態を得るためのロック部である。
【0084】また、本例では、ポンプ440は筐体側ポ
ンプ受容部401Aに設けた図14(B)に示すような
保持具483にて保持される。この保持具483は略C
字形状を有し、その弾性変形および復元力によりポンプ
の保持を行う。なお、491および493は、それぞれ
、筐体側およびポンプ側の係止部であり、ポンプ440
の位置決めおよび取付位置の保持に利用される。
【0085】図20はキャップ部の大気連通孔開閉機構
を中心として描いた回復ユニットの斜視図、図21は当
該開閉機構、キャップ部進退機構およびアクセスレバー
進退機構を中心として描いた回復ユニットの側断面図で
ある。
【0086】まず、大気連通機構について説明する。
【0087】これら図において、501はキャップ部4
20の大気連通孔である。503は開閉レバーであり、
大気連通孔501を閉塞するためのパッド505を設け
たアーム部503Aと作動レバー511に係合するアー
ム部503Bとを有し、軸507の周りに回動可能に支
持されている。509は開閉レバー503に対して大気
連通孔を閉塞する方向の回動習性を与えるためのばねで
ある。
【0088】作動レバー511は、連通孔開閉用カム5
13に係合する部分511Aと開閉レバー503のアー
ム部503Bに係合する部分511Bとを有し、軸51
5の周りに回動可能である。517はばねであり、部分
511Aがカム513に当接する方向に作動レバー51
1に対して回動習性を与えている。これにより、カム5
13の変位にともなってキャップ部420内空間が大気
と連通/遮断されることになる。
【0089】次に、キャップ部420の進退機構につい
て説明する。
【0090】図21において、キャップホルダ471お
よびホルダガイドレバー473は二点鎖線にて示してあ
る。521はホルダガイドレバー473に設けたコロで
あり、キャップ進退用カム523と係合している。
【0091】531はアクセスレバー461の長手方向
に設けた長穴であり、キャップホルダ471に突設した
ピン533を嵌入させている。したがって本例の場合キ
ャップ部420は進退動作に際して長穴531に案内さ
れることになる。また、記録ヘッド走査方向にはアクセ
スレバー461と連動することになる。535はばね4
77と協働してキャップ部420を後退方向に付勢する
ばねである。また、205Hはアクセスレバー461の
突入を受容すべくヘッドカバー205に設けた凹部であ
る。
【0092】なお、図21においては、アクセスレバー
駆動アーム465筈の簡素化のために図14とは異なる
位置に示している。
【0093】次に、アクセスレバー461およびキャッ
プ部420の進退機構について説明する。
【0094】一般に、キャリッジを記録ヘッド吐出口形
成面とキャップとが正対した位置に精度高く停止させる
のは難しい。そこで、例えば回復ユニット側に突出可能
な部材を、記録ヘッド側にはこれを受容可能な部材を設
け、前者を後者に突入させることによって強制的に記録
ヘッド側がキャップに正対する位置にキャリッジを設定
することが考えられる。しかしながら、本例のようなキ
ャリッジには4個の記録ヘッドが搭載され、その重量は
多大なものとなっており、これを上記のような強制的に
変位させるのは大きな力を要するのみならず、上記突出
部材やキャップ等に過大な負荷を生じさせることになる
【0095】そこで本例ではキャップ部420側を記録
ヘッド吐出口形成面に正対させるべく変位させる構成を
採用する。
【0096】これを図22(A)〜(C)を用いて説明
する。
【0097】まず、キャップ部によって覆われるべき4
つの記録ヘッドの配設範囲Hと、各別に記録ヘッドの吐
出口形成面を覆う4つのキャップ部の配設範囲Cとが同
図(A)のようにΔだけずれてキャリッジが停止したと
する。
【0098】この停止状態からアクセスレバー461を
突出させて行くと、やがてその先端部461Aのテーパ
部461Tがヘッドカバー205の凹部205Hに係合
し、アクセスレバー461がキャリッジ走査方向Sに変
位可能に支持されているのであれば、同図(B)に示す
ように図中左方向に移動しながら凹部205Hに突入し
ていくことになる。また、その左方向の移動は、ピン5
33と長穴531とが係合していることから、キャップ
ホルダ471ないしキャップ部420の同方向への変位
を伴うものである。
【0099】而して、アクセスレバー先端461Aの凹
部205Hへの突入が完了した同図(C)の状態では、
範囲Hと範囲Cとのずれがなく、すなわち記録ヘッドと
キャップ部420とが正対した状態となるので、キャッ
プ部420を前進させれば正確なキャッピングが施され
ることになる。
【0100】本例では、キャリッジの停止位置制御に関
して厳格な精度が要求されることはなく、ある程度の精
度が確保されれば、アクセスレバーは凹部に突入できる
ようにしている。逆に言えば、アクセスレバー先端部形
状、寸法や凹部形状、寸法等はキャリッジ停止位置の必
要精度に応じて選択される。
【0101】そして、アクセスレバー先端部の突入が円
滑に行われるためには、上述の用にアクセスレバー全体
が走査方向Sに並進する変位が可能に筐体に取付けられ
ること、さらには少なくとも先端部461Aがある程度
の弾性変形可能であること、またその組合わせのいずれ
を採るものでもよい。いずれにしても突入完了状態にお
いて長穴531がピン533を介して所定位置(正確な
キャップ位置)にキャップ部420を案内する経路を構
成するものであればよい。例えば、アクセスレバー46
1が後方支点を中心に揺動可能であれば、図22と異な
り、突入完了状態ではアクセスレバー461は傾いたも
のとなり、非キャップ時には上記範囲HとCとが正対し
ないが、長穴531も傾いているので、ピン533がこ
れに沿って前進すれば、最終的にはキャップ部420は
記録ヘッド吐出口形成面を正確に覆うことが可能となる
【0102】キャップ部側がそのような突入に伴うアク
セスレバー461ないしは長穴531の変位もしくは変
形を拘束せず、かつこれに追従できるようにするため、
およびそのように変位もしくは変形した長穴に沿って進
退できるようにするためには、キャップ部側自体は若干
のガタをもって筐体に取付けられるのが好ましい。
【0103】なお、図22(A)〜(C)において、5
40はブレードであり、上述の各部と同様回復ユニット
400内に設けたカムによって進退可能で、突出させた
状態でのキャリッジ走査に応じて記録ヘッド吐出口形成
面に係合してその清掃を行うものである。
【0104】図23(A)〜(C)は本例において用い
たポンプ440の構成例を示す。
【0105】ポンプ440はシリンダ本体551と、シ
リンダヘッド553および555と、ピストン557と
弁ユニット559とを有している。弁ユニット559は
一方のシリンダヘッド553にと取付けられており、シ
リンダヘッド553はシリンダ本体551上の突起56
1にスナップファスニング(所謂パッチン止め)される
部分563を有し、これにより簡単に弁ユニット559
およびシリンダヘッド553の取付が可能となる。
【0106】弁ユニット559はキャップ側およびサブ
インクタンク側からのインク導入口を開閉可能な弁体5
65と、これを閉塞方向に付勢するばね567とを有し
ている。
【0107】ピストン557は、一部に流路556を形
成したピストン軸557Aと、ピストン軸557Aに設
けられた弁体571およびフランジ部573と、軸55
7Aに遊嵌した状態で弁体、フランジ間に配置され、内
部にインク流路570Aを形成したコマ570とを有す
る。また、シリンダヘッド555は封止用シール部55
5Aを有し、上記シリンダヘッド553と同様にシリン
ダ本体551に取付けられる。
【0108】かかる構成において、図23(B)のよう
に、図中下方にピストン557が変位する場合は、上方
の室に発生する負圧によりばね567の付勢力に抗して
弁体565がインク導入口を開放し、これによってキャ
ップ側およびサブインクタンク側よりインク吸引がなさ
れるとともに、弁体571が流路570Aを閉塞してい
るので、下方室内のインクは逆流を生じることなく管部
575を介して排出される。その後、同図(C)に示す
ように、ピストン557が上方に変位すると、弁体57
1は流路570Aを開放し、上方室内に貯留されていた
ンクが流路570Aおよび556を介して下方室内に導
入されていく。また、この時には弁体565がインク導
入口を閉塞するので、キャップ側およびサブインクタン
ク側にインクが逆流することはない。
【0109】以上のような構成および動作を行うポンプ
440は、図19(B)に示したような保持具にて回復
ユニット筐体401に取付けられる。また、本例ではポ
ンプ440は1キャップすなわち1記録ヘッドに対して
1つ、計4個が配設される。これは次のような利点をも
つ。
【0110】本例の場合、記録ヘッドは色を異にするイ
ンク(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応
して4個設けられている。しかし各記録ヘッド毎の使用
頻度、インク組成等に応じて、回復処理時に吸引すべき
インク量にはばらつきがある。従って、ポンプを兼用し
た場合、各記録ヘッドにほぼ等しい負圧が作用するとす
れば、最もインク消費を要する記録ヘッドからのインク
吸引量に対応して容量を定めたポンプを採用しなければ
ならない。すると、ポンプが大型化するのみならず、回
復処理時に消費量が少なくて済む記録ヘッドからも必要
以上のインク吸引がなされることになる。これに対し、
本例では、各記録ヘッドの必要インク吸引量に対応して
各ポンプ容量を定めることができ、ポンプを兼用する場
合の不都合を回避できるのである。
【0111】図24は本例にかかる4つのポンプの駆動
系の概念図である。図に示すように、本例ではポンプ4
40は2個一組とされ、各組において軸471に取付け
たカム450およびレバー452により駆動される。本
例では、各組のカム位相を等しくし、すなわち4つのポ
ンプ440は同位相で駆動されるようにしている。従っ
て組立作業は容易なものとなる。
【0112】しかし、組毎に位相を異ならせてもよく、
あるいはカム、レバーをポンプ毎に用意して各別の位相
にして駆動することもできる。これは負荷をバランスよ
く配置ないし駆動する観点からは好ましいものである。
【0113】以上の回復ユニットの各部カムないしこれ
に駆動される各部等の動作タイミングは、例えば図25
のように定めることができる。なお、図において「セン
サ」とはキャップ開放状態を検出するセンサとすること
ができる。また、「小回復」および「本回復」モードで
は、例えばインク吸引量を異ならせること、所謂予備吐
出を付随させること等とすることができる。また、回復
処理後にはブレードを突出させて吐出口形成面の清掃を
行うのが好ましい。
【0114】さらに、本例ではキャッピングに先立って
アクセスレバーの突出が行われ、逆にアクセスレバーの
後退に先立ってキャッピングの解除が行われる。これは
、上述したアクセスレバーの長穴531に沿ってキャッ
プ部420を進退させるからである。また、キャッピン
グを施す際、およびこれを解除する際、その他適宜のタ
イミングで、キャップ部420の大気連通孔の開放を行
う。これは、キャップの接合/離脱時にキャプ内空間に
好ましくない圧力変動が生じて、インク吐出口内方への
空気取込みやインク漏洩が生じることを防止する上で有
利である。
【0115】(インクタンクの配列)図26は本例装置
によるインクタンク収納部の平面図である。
【0116】ここで、701(701Bk、701C、
701M、701Y)はインク供給源をなすインク収納
部と廃インク溜めである廃インク収納部とを有するカー
トリッジ形態のインクタンクであり、装置本体に着脱可
能である。703(703Bk、703C,703M、
703Y)はインク供給管であり、インクタンク内のイ
ンク収納部に接続されている。また707(707Bk
、707C、707M、707Y)は廃インク管であり
、上記ポンプ440と各インクタンク内の廃インク収納
部とを連通している。
【0117】インクタンク等の配列に関し、本例で特に
考慮したのは以下の点である。
【0118】インクは、その組成上、色毎に増粘、固着
の生じ易さが異なる。例えば、ブラック(Bk)、シア
ン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に増粘
、固着が生じ易い。而して、インクは密閉系であるイン
ク供給管内でも増粘、固着が生じうる。本例の場合、供
給管はポリエチレンチューブを用いて構成したが、供給
管の材料がいかなるものであれ、管壁を通じて微量の空
気が侵入し、あるいはインク溶剤の蒸発が生じるからで
ある。したがって、供給管が長くなる程侵入する空気量
あるいはインク溶剤の蒸発量も大となる。
【0119】そこで、本例では、供給管をすべて同一方
向に這い回すと共に(本例では図中左側)、被供給側か
らみて近い順に増粘、固着の生じ易いインクを収納した
インクタンクを配置した。すなわち、増粘、固着の生じ
易いインクほど供給管長さが短くなるようにした(図で
は左からブラック、シアン、マゼンタ、イエローの順)
。これにより増粘、固着の生じ易いものほど侵入空気量
あるいは溶剤蒸発量を低減することが可能となるのであ
る。因みに、以上のことは廃インク収納部に至るインク
排出系についても同様である。
【0120】なお、図において800は次に述べるイン
ク残量検出装置であり、インクタンク701内のインク
収納部とインク供給管703との間に配置されている。 また、707はインク残量検出装置800に係る配線や
インクタンク装着の有無の検知を行うセンサに係る配線
等をまとめたケーブル、709はそのコネクタ部である
【0121】(インク残量検知系)図27(A)はイン
ク圧力検知装置の平面図、図27(B)は同装置の縦断
面図である。
【0122】801は内側にインク流路803を有する
流路部材であって、上下一対の上側部材801Aと下側
部材801Bからなる。上側部材801Aは円形開口8
05を有している。807はリング状のダイヤフラムで
あって、その周辺部分が上側部材801Aと押さえ部材
809に挾持され、前記開口805の周辺部分を被って
いる。上側部材801Aの上側四隅には、直立した止め
部材811が各々設けられており、押さえ部材809の
四隅には、垂直に貫通孔813が各々形成されており、
当該貫通孔813の上部外側には段部813Aが形成さ
れている。止め部材811は弾性を有しており、先端部
外側には係止爪811Aが形成されている。係止爪81
1Aは上面が斜面になっている。
【0123】押さえ部材809の各貫通孔813内には
各止め部材811が位置し、止め部材811の係止爪8
11Aが段部813Aに係止されることによって、押さ
え部材809は上側部材801Aに固定され、ダイヤフ
ラム807は上側部材801Aと押さえ部材809に挾
持される。なお、上側部材801Aの上面周辺には突出
部分881が形成され、対応する押さえ部材809の下
面周辺には切欠883が形成され、両者が嵌合すること
によって、押さえ部材809は上側部材801Aに位置
決めされ、固定される。
【0124】ダイヤフラム807の中央部分には、内側
の開口を塞ぐように支持部材815の中央上側の突起部
(開口805の中心に位置する)815Aに嵌合するよ
うに係止部材817dの基端部が支持部材815に(例
えば、ねじ込まれて)固定されている。係止部材817
は弾性を有する直立した2つの係止片819を有し、各
係止片819の先端部外側には係止爪819Aが形成さ
れている。係止爪819Aは上面が斜面になっている。 なお、2つの係止片819は開口805の中心から対称
な位置に配置されている。
【0125】押さえ部材809の中央部分には垂直に貫
通孔821が形成されており、この貫通孔821内に2
つの係止片819が位置する。貫通孔821内にはコイ
ル状のバネ823とバネ止めリング825とが位置し、
バネ823は2つの係止片819の外側において、下端
が貫通孔821の下部の環状突起部(ばね受け)821
Aに支持されている。バネ止めリング825は、その内
側が係止片819の係止片819Aに抜け止めされ、そ
の状態でバネ823の上端を下方に押下げる。バネ82
3は両者(環状突出部821Aおよびバネ止めリング8
25)によって圧縮される。したがって、バネ823の
反発力によって、(インク流路803内のインクの圧力
を無視すれば)支持部材815の上側周辺部分が環状突
出部821Aの下面に当接するようにダイヤフラム80
7および支持部材815が上方に引上げられる。
【0126】押さえ部材809の一側には切欠827が
形成され手折、この切欠827の底部には、一対の接点
部材(導電性)829、831の中間部分が固定されて
いる。一対の接点部材829、831の先端部は、切欠
827のそこに形成された孔827Aを介して環状突出
部821Aの下面に接しており、後端部には、コネクタ
(インク残量検知の溜めの電気回路に接続するためのも
の)833からのリード線835、837が接続されて
いる。一対の接点部材829、831の先端部下面には
、バネ823の反発力によって支持部材815の上面周
辺部分(導電性を有する)に押圧され、当該部分によっ
て互いに導通する。
【0127】以上のような構成のインク圧力検知装置は
、次のようにして極めて簡単に組立てられる。
【0128】まず、流路部材801の開口805上にダ
イヤフラム807を置き、押さえ部材809を、四隅の
貫通孔813内に止め部材811が位置するように、流
路部材801の上から降ろしていく。これによって、止
め部材811の係止爪811Aの上面の斜面が押さえ部
材809の貫通孔813の内側縁部に当たり、これに押
されて止め部材811は内側に傾き、貫通孔813内を
進入していき(すなわち押さえ部材809が下降する)
、押さえ部材809がダイヤフラム807を上から押さ
えた状態で、貫通孔813上部の段部813Aに止め部
材811の係止爪811Aが弾性によって動いて(元に
戻って)係止され、押さえ部材809は上側部材801
Aに位置決めされ、固定される。
【0129】ついで、バネ823を貫通孔821内に入
れ、その下端を環状突出部821A上に置き、バネ止め
リング825を2つの係止片819の上に位置させて押
下げる。これによって2つの係止片819の係止爪81
9Aの上面の斜面がバネ止めリング825の内側縁に押
圧され、2つの係止片819は弾性によって互いに内側
に傾いて、バネ止めリング825が下降していき、そし
て再び弾性によって2つの係止片819は互いに外側に
傾き、2つの係止爪819Aがバネ止めリング825の
内側上面に係止され、このようにしてバネ止めリング8
25は2つの係止片819によって抜け止めされ、バネ
823はバネ止めリング825および環状突出部821
Aによって圧縮される。なお、一対の接点部材829、
831はあらかじめ押さえ部材809に取付けておく。
【0130】以上のような構成によれば、バネ止めリン
グ825と環状突出部821Aとの間の距離は一定であ
り、バネ823の圧縮力(反発力)は所定範囲内に収ま
る。このため、ダイヤフラム807はインク流路803
内のインクの所定範囲内の負圧に応動し、支持部材81
5が一対の接点部材829、831を開放する。
【0131】したがって、本発明のインク圧力検知装置
によれば、検知する圧力が例えば図24の矢印Aで示す
ようなインク残量が安定する範囲内に、無調整で収まる
【0132】なお通常は、キャリッジ停止時またはキャ
リッジ走行中(すなわちキャリッジのリターン時を除く
)にインク流路内のインクの圧力をインクセンサによっ
て検知する。これは図28(A)および(B)に示すよ
うに、キャリッジ851の左側リターン時および右側リ
ターン時には、図中矢印で示すようにインク流路853
内のインクに慣性力が働き、その影響によって左側イタ
ーン時には余計な加圧がインク流路内のインクにかかり
、インクセンサ855は、インクカートリッジ857内
のインクの真の残量を検知できないからである。
【0133】なお、参考までに、図30(A)および(
B)に従来のインク圧力検知装置(インクセンサ)の平
面図および縦断面図を示す。859は内側にインク流路
861を有する流路部材、863は押さえ部材であって
、これら部材859、863によってダイヤフラム86
5が挾持され、ダイヤフラム865の中央に取付けた支
持部材867の中心部分867Aは押さえ部材863の
中央の貫通孔869内に突出しており、この中心部分8
67Aの上部にリング状のアジャスタ871がねじ込ま
れ、このアジャスタ871と、貫通孔869の底部の環
状突出部869Aとによってバネ873が圧縮され、イ
ンク流路861内のインクが所定の負圧よりも高い状態
で、バネ873の反発力によってダイヤフラム865お
よび支持部材867が引上げられ、環状突出部869A
の下面に位置した一対の接点部材875、877の先端
部同士を、支持部材867の周辺部上面が押圧して互い
に導通させる。
【0134】このような構成によれば、インク流路86
1内のインクが所定の負圧以下に下降すると、ダイヤフ
ラム865が応動し、支持部材867が下降し、その結
果、一対の接点部材875、877の先端部から支持部
材が離れ、このようにして所定の負圧が検知される。し
たがって一対の接点部材875、877が検知する負圧
は、バネ873の反発力に対応する。
【0135】しかしながら、以上のような従来のインク
圧力検知装置では、その組立時等に検知する負圧を所定
の値にするために極めて面倒な調整を行わなければなら
ない。すなわち、アジャスタ871を適当に回してバネ
873を圧縮しただけでは、検知する負圧の値が区々で
あり、例えば、図29にインクカートリッジ内のインク
の残量(g)とインク流路内のインクの負圧との関係を
表わす図で示すように、検知する負圧の値を65±5m
mAq程度にするには、アジャスタ871によって、バ
ネ873の圧力を微調整しなければならず、極めて面倒
である。
【0136】(供給管接続部)図31(A)および(B
)は、インク供給管接続部の構成例を示す。
【0137】ここで、901は本体フレーム900に取
付けた例えばゴム性のジョイントであり、インクタンク
701Bk〜701Yからのインク供給管703Bk〜
703Yが嵌合されるとともに、次に述べる連通管部9
25Bk〜925Yの嵌入を受容する受容部を有する。 この受容部903内には、連通幹部925Bk〜925
Yの非装着状態においてインク流路を閉塞ないしはイン
ク漏洩が生じない程度に狭溢にし、装着状態においてこ
れを開放する弁体905が設けられている。
【0138】921は本体フレーム900側のジョイン
ト901に結合して記録ヘッド側にインクを導入するた
めのジョイントであり、ジョイント901の受容部90
3内に挿入される先端部分と後方に延在して設けた管部
分とを有する連通管部925Bk〜925Yと、本体フ
レーム900に設けた係止部907に係合するラッチ部
927と、このラッチ部927を外方に開かせることに
より係合状態を解除するための操作部929と、図33
について後述する突起931と、これらを保持するフレ
ーム部923とが、例えば樹脂等のモールド成型により
一体に構成されている。915はフレーム部923上に
保持される例えばゴム製のジョイント部材であり、内部
に4本の流路を形成している。それら流路の一端側には
連通管部925Bk〜925Yの後方延在部分が挿入さ
れ、他端側には記録ヘッドに至る供給管301Bk〜3
01Yが挿入される。また、917は、印刷やシールの
貼付等により、ジョイント部材915の供給管915の
供給管301に対する接続部分付近に設けた“B”、“
C”、“M”、“Y”の文字であり、それぞれ、ブラッ
ク、シアン、マゼンタ、イエロー用の供給管301Bk
、301C、301M、301Yの誤接続を防止するた
めの表示となる。
【0139】ジョイント921をジョイント901に対
して結合させる場合には、図31(A)の状態から矢印
方向にジョイント921を進ませると、ラッチ部927
のテーパ部を含む面部分927Tが係止部907に係合
し、装着動作に伴ってラッチ部927が外方に押し拡げ
られる。面部分927Tが係止部9070が乗り越える
と、ラッチ部927はばね性により復元し、同図(B)
のようにジョイント921が係止されることになる。ま
た、この状態では連通管部925は受容部903内方に
弁体905を押し広げた状態で侵入しており、したがっ
て両ジョイントのインク連通、すなわち、インクタンク
側と記録ヘッド側とのインク連通がなされることになる
【0140】ところで、かかる装着動作において、操作
者が誤った操作を行うこと、すなわち図31(A),(
B)に示したジョイント921を表裏逆にした誤装着操
作を行うことが考えられる。これを確実にかつ簡単な構
成で防止するため、本例では次のような構成を採用する
【0141】図32はインク供給管接続部の側断面図で
ある。本例では、操作部929および突起931をジョ
イント921の片面側に配置し、操作部929を誤装着
防止用の部分943を設けた形状としてある。一方、本
体フレーム900には、図示の正常装着時には部分94
3と干渉せず、表裏面を逆にした誤装着時には部分94
3と係合して装着動作を阻止する係止部941を設けて
ある。これにより、ジョイント921の表裏面を逆にし
た誤装着が防止され、色毎に対応して設けられている記
録ヘッドに異なった色のインクが導入されたり、混色が
生じる等の不都合を未然に防止することができる。
【0142】なお、誤装着を防止するためには部分94
3は、フレーム部923に設けたり、あるいは、突起9
31をフレーム部内方に延在させ、その延在部分から立
上げる等して形成してもよい。
【0143】本例によれば、簡単な操作で誤装着を生じ
ることなくインク供給管接続を行うことができるが、図
31(B)のような状態から操作部929を操作すれば
、ラッチ部927と係止部907との係合を解除できる
ので、簡単にジョイント921を取外すこともできる。 このような取外しの容易さはメインテナンス作業性の向
上をもたらすのである。また、この取外しによって弁体
905は同図(A)のような状態に復帰するので、イン
ク漏洩も生じない。
【0144】さて、そのようなジョイント921の取外
しを伴うメインテナンスの作業性の向上を考慮すれば、
取外したジョイント921の置き場所等について操作者
に注意を払わせる負担を生じさせないのが強く望ましい
【0145】そこで本例では、図33(A)に示す様に
、突起931を受容する穴部2023を有した受け部2
021を側板2017に設けている。この受け部202
1は突起931の数に対応した個数を一組として設ける
こともできるが、バランスを保持しうるいずれか2個に
対応して設けることもできる。また、その配設部位は側
板2017上のいずれか所定の位置に設けておくことも
できるし、各所に設けてもよい。
【0146】図33(B)は同図(A)のA−A線断面
をジョイント921を載置させた状態で示す。このよう
に、突起931は穴2023内に受容され、フレーム部
923の下端面が受け部2021の上面に載置されるの
で、ジョイント921は安定に保持される。また、この
状態では連通管部925の先端は上を向き、従っててイ
ンク漏洩も生じない。
【0147】なお、このようにジョイント921を保持
させる構成は種々選択することができる。例えば、操作
部929と突起931との側面図上現われる間隙を利用
し、これを側板2017等に設けた棒状部材や側板等の
縁部に引掛けるようにすることもできる。この場合には
、チューブ301の存在により図33(B)とは表裏逆
の状態で保持されるが、倒れや脱落を効果的にかつ簡単
に防止するためには、例えば操作部929を長く延在さ
せればよい。倒れが生じても、当該延在部分が側板20
17等に係合してそれ以上の倒れが防止できるからであ
る。
【0148】なお、以上ではインク供給系に関しインク
供給方向上流側に弁体を有するジョイントを、下流側に
挿入に応じて弁体を開放するジョイントを設けた構成と
したが、両ジョイントの構成を逆にしてもよい。
【0149】また、そのような接続部は、インク供給系
のみならず、廃インク貯留部(本例ではインクタンク内
に設けられている)に至るインク排出系に関しても採用
できるのは勿論である。
【0150】なお、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適
宜の変形が可能であるのは勿論である。
【0151】例えば、上例では色を異にするインクに対
応して記録ヘッド、インクタンク、インク供給系、イン
ク排出系、インク連通用部材等を設けたが、必ずしも色
を異にするインクのみならず、濃淡インク等、広く色調
を異にするインクに対応して各部が設けられてもよい。
【0152】(その他)なお、本発明に用いられる記録
方法は、特にインクジェット記録方式の中でもインク吐
出を行わせるために利用されるエネルギとして熱エネル
ギを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)
を備え、前記熱エネルギによりインクの状態変化を生起
させる方式の記録ヘッド、記録装置において優れた効果
をもたらすものである。かかる方式によれば記録の高密
度化、高精細化が達成できるからである。
【0153】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて膜沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長
、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出
させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号
をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行
われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出
が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号
としては、米国特許第4463359号明細書、同第4
345262号明細書に記載されているようなものが適
している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発
明の米国特許第4313124号明細書に記載されてい
る条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことがで
きる。
【0154】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書、米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基づいた構成とし
ても本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッド
の形態がどのようなものであっても、本発明によれば記
録を確実に効率よく行うことができるようになるからで
ある。
【0155】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0156】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0157】また、本発明に記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので、好ましいものである。これらを具体的に挙げれば
、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニン
グ手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは
別の加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行うこと
も安定した記録を行うために有効である。
【0158】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本
発明は極めて有効である。
【0159】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するもの、あるいはインクジェット方式ではイ
ンク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を
行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制
御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時に
インクが液状をなすものであればよい。加えて、積極的
に熱エネルギによる昇温をインクの固形状態から液体状
態への状態変化のエネルギとして使用せしめることで防
止するか、またはインクの蒸発防止を目的として放置状
態で固化するインクを用いるかして、いずれにしても熱
エネルギの記録信号に応じた付与によってインクが液化
し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達す
る時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エネ
ルギによって初めて液化する性質のインクを使用する場
合も本発明は適用可能である。このような場合のインク
は、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60
−71260号公報に記載されるような、多孔質シート
凹部または貫通孔に液状又は固形物として保持された状
態で、電気熱変換体に対して対向するような形態として
もよい。本発明においては、上述した各インクに対して
最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもの
である。
【0160】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0161】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、インクジェットヘッドと記録媒体間の距離設
定が各装置個体に応じて調整され、各々の装置個体差に
とらわれずに一定な高品位記録の確保が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るインクジェット記録装
置の模式的斜視図。
【図2】本発明の一実施例に係るインクジェット記録装
置を図1における装置カバーを除いて示す側断面図。
【図3】図2に示すインクジェット記録装置の上面図。
【図4】設定軸の態様を説明するためのキャリッジの斜
視図。
【図5】設定軸の態様を説明するためのキャリッジの側
断面図。
【図6】記録ヘッド部をキャリッジに搭載した状態で示
す断面図。
【図7】記録ヘッドチップの装着の態様を説明するため
の説明図。
【図8】本例に係るヘッドカバーの詳細を説明するため
の説明図。
【図9】他の実施例に係るヘッドカバーによる記録ヘッ
ド位置決めの態様を説明するための断面図。
【図10】図2に示したサブタンクの位置構成例を示す
斜視図。
【図11】図10に示したサブタンクの分解斜視図。
【図12】サブタンクの他の実施例を説明するための説
明図。
【図13】インク供給系に用いられる接続管とチューブ
ユニットの構成例を示す上面図。
【図14】薄紙を搬送する場合の本例に係る紙送り機構
の動作を説明するための側断面図。
【図15】厚紙を搬送する場合の本例に係る紙送り機構
の動作を説明するための側断面図。
【図16】薄紙を搬送する場合の本例に係る給紙機構の
動作を説明するための側断面図。
【図17】厚紙を搬送する場合の本例に係る給紙機構の
動作を説明するための側断面図。
【図18】本例に係る回復ユニットの概略構成を示す模
式的側断面図。
【図19】図18の回復ユニットの詳細な側断面図およ
びそのポンプ保持部の正面図。
【図20】キャップ部の大気連通孔開閉機構を中心とし
て描いた回復ユニットの斜視図。
【図21】図20の開閉機構等を中心として描いた回復
ユニットの斜視図。
【図22】本例に係るキャップ部進退機構等の動作説明
図。
【図23】本例において用いたポンプの構成および動作
を説明するための説明図。
【図24】ポンプ駆動系の一例を示す模式図。
【図25】本例に係る回復ユニットの各部動作のタイミ
ングを説明する説明図。
【図26】本例に係るインクタンク配列を説明するため
のインクタンク収納部の平面図。
【図27】本例において用いたインク圧力検知装置の一
例を示す平面図および縦断面図。
【図28】キャリッジ動作によるインク圧力変動を説明
するための説明図。
【図29】インク残量とインク流路内の負圧との関係を
示す説明図。
【図30】本例のインク圧力検知装置と対比するために
示した従来のインク圧力検知装置の平面図およびその縦
断面図。
【図31】本例に係るインク供給管接続部の構成例およ
びその動作を説明するための上面図。
【図32】図31の側断面図。
【図33】図31の接続部をなす一方のジョイントを側
板壁面に保持しておくための構成の一例を示す斜視図お
よび側断面図である。
【符号の説明】
10  記録ヘッドチップ 11  前面プレート 13  供給管 15  ガイド溝 201  キャリッジ本体 203  キャリッジカバー 211  ポジションレバー 213  ガイド軸 215  ガイド 217  基準面 221、223  板ばね 299  設定軸 300  サブタンク 311  チューブ 321Bk(C、M、Y)、323Bk(C、M、Y)
、325Bk(C、M、 Y)  接続管 331  タンク部材 331Bk(C、M、Y)  貯留室 333  中板 335  接続板 337C(M)、339C(M)  連結溝341C(
M)、343C(M)  連結孔400  回復ユニッ
ト 401  ユニット筐体 403  モータ 407  ウォーム 409  ウォームホイール 420  キャップ部 440  ポンプ 450  カム部 452  レバー 461  アクセスレバー 471  キャップホルダ 501  大気連通孔 601  給紙トレイ 602  ばね 604  ピックアップローラ 605  分離版 606  紙送りローラ 607  ピンチローラ 608  プラテン 609  排紙ローラ 611  ピンチローラホルダ 613  キャリッジレール 614  ばね 701Bk(C、M、Y)  インクタンク703Bk
(C、M、Y)  インク供給管707Bk(C、M、
Y)  廃インク管801  流路部材 803  インク流路 807  ダイヤフラム 809  押さえ部材 819  掛止片 823  ばね 825  ばね止めリング 901、921  ジョイント 905  弁体 925  連通管部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  記録媒体にインクを吐出して記録を行
    うインクジェット記録装置において、記録媒体にインク
    を吐出して記録を行うインクジェットヘッドと、前記イ
    ンクジェットヘッドを所定方向へ移動可能なキャリッジ
    と、装置組立時に前記インクジェットヘッドの吐出口と
    前記記録媒体との距離を調整するための、前記キャリッ
    ジに設けられた距離設定手段と、を有することを特徴と
    するインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】  前記距離設定手段は、前記インクジェ
    ットヘッドの吐出口と前記記録媒体との距離の調整を偏
    心軸の回転と前記偏心軸の固定とを用いて行うことを特
    徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】  記録媒体に対し、所定方向に移動する
    可動部に記録用液体を吐出するための記録ヘッドを搭載
    したインクジェット記録装置において、記録ヘッドと記
    録媒体間の距離の設定を行うための距離設定部材を前記
    可動部に搭載し、組立時に前記距離を各装置個体に応じ
    て調整可能としたことを特徴とするインクジェット記録
    装置。
  4. 【請求項4】  前記距離設定部材は偏心軸の回転およ
    び前記偏心軸の固定を利用して行うことを特徴とする請
    求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】  前記可動部上にはさらに、操作者が記
    録ヘッド−記録媒体間の距離を設定可能とする手段を前
    記距離設定部材とは別個に有し、前記手段は前記距離設
    定部材の偏心軸の偏心部分と中心を共有するカム部材を
    有することを特徴とする請求項4に記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  6. 【請求項6】  前記記録ヘッドは、前記インクを吐出
    するために利用されるエネルギを発生する素子として、
    前記インクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する
    ための電気熱変換体を有することを特徴とする請求項1
    〜5に記載のインクジェット記録装置。
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