JPH04246284A - ルーツ形真空ポンプ用のロータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、それぞれ４つの基部断
面区分と４つのヘッド部断面区分とから成るほぼ８の字
状の断面輪郭を有する、２つの同一形状のロータを備え
たルーツ形真空ポンプ用のロータに関する。

【０００２】

【従来の技術】このような形式のロータを備えたルーツ
形真空ポンプは広く使用されている。伝動装置によって
同期回転せしめられるロータの、同じ回転数で連続する
回転運動は、互いに及びケーシング壁部に対して無接触
で行われる。ロータは機械的な摩耗にさらされることは
なく、高回転数で運転することができる。ケーシング壁
部とロータとの間、並びにロータ間のギャップ幅は、数
１０ミリメートルである。

【０００３】このような形式の公知のルーツ形ポンプの
ロータ若しくはロータ対は図１〜図５に示されている。 図１のａには、インボリュート曲線を展開したロータ断
面輪郭が示されている。図１のｂに示されたロータ断面
輪郭は、スイス国特許第３８９８１７号明細書（同明細
書図３及び図６の“直線状”ロータ参照）より公知であ
る。図１のｃに示された断面輪郭は、サイクロイド曲線
の形状に相当する区分を有している。図２，図３及び図
４は、図１のａに示した断面輪郭を示している。

【０００４】図２，図３及び図４は、ロータ１の断面輪
郭が４つの基部断面区分８，９と４つのヘッド部断面１
１，１２とから組み立てられていることを示している。 基部断面区分８，９は、基部の底部（短いロータ軸線３
と輪郭線との交差点）から転動円５と輪郭線との交差点
まで延びている。４つの基部区分は一対で（対８，８及
び９，９）、互いに同形状若しくは鏡像対称的（対８，
９）である。ヘッド部断面区分は、それぞれ長いロータ
軸線４と輪郭線との交差点から、転動円５と輪郭線との
交差点まで延びている。この４つのヘッド部断面区分も
一対で（対１１，１１及び対１２，１２）、互いに同形
状若しくは鏡像対称的（対１１，１２）である。図１の
ａ及び図２〜図４に示された断面輪郭は、真空技術にお
いて多用されているような従来技術（インボリュート曲
線）による輪郭に基づくロータの輪郭に相当している。

【０００５】吸込みスペース内の２つのロータのどの位
置においても、（ロータは互いに接触していないが）以
下では接触点として記載されている狭い箇所が存在する
。この接触点で、第１のロータの基部断面区分のそれぞ
れのポイントと、第２のロータの対応するヘッド部区分
のポイントとが狭い箇所を形成する。ロータ側のデカル
トのｘ−ｙ座標系（図４）は、遠心回転角度φのそれぞ
れの値に相当する。

【０００６】ｆ（φ）＝Ｙ（φ）＝α（　　）α（φ）
は断面輪郭同士の接触点における接線の傾斜を示す。遠
心回転角度φ＝０において、例えば断面輪郭（図３）同
士の接触点における接線ｔ０の傾斜は０である。

【０００７】ポンプの運転中若しくはロータの回転中に
接触点は閉じた線上を移動する。図１のａ，図２〜４（
インボリュート曲線）に示したロータ断面輪郭の典型的
なかみ合いラインは図３で符号Ｅ１で示されている。 このかみ合いラインは、符号Ｃで示された中心点を有す
るほぼ８の字状の形状を有している。かみ合いラインＥ
１は、ゼロ点がロータの軸線２に存在する、定置の若し
くはケーシング側の座標系Ｘｆ，Ｙｆで形成される。座
標系Ｘｆ，Ｙｆは図３に示されている。

【０００８】図面に示した形式のルーツ形真空ポンプの
特性の値は、吸込みスペース１３に対する４倍のロータ
吸込み面Ｆの比として規定された面有効率μである。ロ
ータがそれぞれ半回転する度に供給される容積Ｖは、ロ
ータ吸込み面Ｆと吸込みスペース１３の長さｌとの積に
等しいので、理論的に供給可能なガス量（吸込み能力）
にのためには次の式が適用される。

【０００９】Ｑｔｈ＝４・Ｖ・ｎ＝４・Ｆ・１・ｎ該式
中、ｎはピストンの回転数である。所定の横断面ＱでＦ
（ひいてはＶ）が大きくなるにつれて、面有効率μ及び
ひいてはＱｔｈが大きくなる。従って所定の吸込み能力
において、より大きい面有効率μで小さくコンパクトな
ルーツ形真空ポンプが得られ、これは、材料コスト及び
製造コストに影響し、ポンプの価格に影響する。

【００１０】ルーツ形真空ポンプの別の特性値は、容積
有効率ηである。この容積有効率ηは、理論的に供給可
能なガス量に対する効果的に供給されたガス量Ｑｅｆｆ
の比である。当該の形式（ロータの無接触の運動）のル
ーツ形真空ポンプ内には必ずギャップが設けられていな
ければならないので、このギャップが存在するためにガ
スの逆流は避けられず、ひいてはＱｅｆｆはＱｔｈより
も常に小さい。前記容積有効率ηが大きくなるにつれて
、ルーツ形真空ポンプの圧縮特性はより良好なものとな
る。比較的大きい容積有効率ηは例えば、一方では“接
触点”における小さいギャップ幅、他方ではロータと吸
込みスペース壁部との間のおける小さいギャップ幅によ
って得られる。しかしながらギャップ幅が小さいと、ポ
ンプは温度の影響をより強く受けることになる。何故な
らば、真空内で回転するピストンからの熱の導出が制限
されるからである。ギャップ幅が小さいと、ロータの温
度が少し上がっただけでも、ギャップがなくなってロー
タの回転が妨害を受けることになる。

【００１１】ルーツ形真空ポンプの特性を最適なものに
するために、面有効率μ及び容積有効率ηの値をできる
だけ大きくするとよい。それと同時に、ロータの製造に
あたっては、ロータが特別な断面輪郭を有しギャップ幅
が小さいために、コストの高い処理工程が必要であるこ
とを考慮しなければならない。従って従来では、処理工
程が高価であるために、あまり良好ではないμ値及びη
値を有する大きいルーツ形真空ポンプを製造する方が、
良好なμ値及びη値を有する（その他の効率データは同
じ）小さいポンプを製造するよりもしばしば安価である
。

【００１２】以上の従来技術に関しては、Ｇ．Ｎｉｅｍ
ａｎｎ及びＨ．Ｗｉｎｔｅｒ著の“Ｍａｓｃｈｉｎｅｎ
ｅｌｅｍｅｎｔｅ（機械要素）”、第２巻、１９８５年
；及び前記スイス国特許第３８９８１７号明細書に記載
されている。これらの刊行物では、まず第１に、大部分
が市販されていない、多くのロータ断面輪郭が公知であ
る。また第２に、市販されているルーツ形送風機若しく
はルーツ形ポンプのロータの断面輪郭が転動曲線（サイ
クロイド、インボリュート）によって形成されることが
知られている（スイス国特許第３８９８１７号明細書、
第２図；“Ｍａｓｃｈｉｎｅｎｅｌｅｍｅｎｔｅ”，第
２巻、第１４２頁）。このような形式のロータを有する
ルーツ形ポンプは、５０％を大きく越えない面有効率μ
を有している。

【００１３】スイス国特許第３８９８１７号明細書によ
れば、互いに平行な真っすぐに延びる長手方向側を有す
る、基部断面（真っすぐなロータ）のためのロータ断面
輪郭が公知である。このスイス国特許第３８９８１７号
明細書に記載されたロータの断面輪郭によれば、比較的
低い最終圧の達成が可能であるが、面有効率は著しく低
下する。何故ならば、中央部のくびれたピストンを有す
るポンプにおいては、ロータ吸込み面Ｆは、真っすぐに
形成されたピストンを有するポンプ（スイス国特許第３
８９８１７号明細書の第４ｂ図及び第６ｂ図に示された
面９若しくは３２参照）よりも大きい。従って、このス
イス国特許第３８９８１７号明細書に開示された形式の
ロータ断面輪郭を有する機械は、構造が比較的大きく、
相応に重く、ひいては必然的に高価である。

【００１４】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題は
、ルーツ形真空ポンプのためのロータの断面輪郭を改良
することである。

【００１５】

【課題を解決するための手段】この課題を解決した本発
明によれば、（イ）ロータの基部断面区分が、ロータ側
の座標系（ｘ，ｙ，φ）内で、

【００１６】

【数３】

【００１７】の場合に、短い半分のロータ直径Ｂに相当
するｙ値が、０．５ａと

【００１８】

【数４】

【００１９】との間に存在し、φ＝０°からφ＝４５°
の間で、接線上昇角度α（φ）が、 ≒５°までは　　：α（φ）＜φ、 ≒５°から≒４０°までが　　：α（φ）＞φ、≒４０
°からが　　：α（φ）＜φ となるように設定されており、 （ロ）第１のロータの基部断面区分に対応する、第２の
ロータのヘッド部断面区分の輪郭が、第１のロータの基
部断面区分の輪郭の展開したものに相当するようにした
。

【００２０】本発明によればまず、第１のロータの基部
断面区分の輪郭及び第２の対応するヘッド部断面区分の
輪郭が得られる。これらの区分は、ロータの構成が同じ
であるから、ロータのその他の基部断面区分若しくはヘ
ッド部断面区分と同じか又は鏡像対称的であるので、ル
ーツ形ポンプ用のロータのすべての断面輪郭が形成され
得る。

【００２１】このような形式のポンプは、高い面有効率
μ（６２％及びこれよりも高い）を有するルーツ形真空
ポンプに適している。この高い面有効率μに従って、所
定の吸込み能力で、比較的小さい吸込み横断面Ｑ及びひ
いてはコンパクトで安価な構造が得られる。

【００２２】また、本発明によるロータを備えたルーツ
形真空ポンプは、比較的高い容積有効率ηを有している
。何故ならば、ロータ基部における断面の勾配（小さい
φ値において）が小さく維持されているからである。 これによって各ロータの間でも、ロータと吸込みスペー
ス壁部との間でも良好な接触値が得られる。この場合の
接触値とは、ギャップを形成する面の曲率半径の比のこ
とである。良好な接触比においては、曲率半径は互いに
わずかに異なっているだけである。これによって事実上
、ピストン自体の間、並びにピストンと吸込みスペース
壁部との間に存在するギャップの延長部が得られ、ひい
ては小さい戻し流率が得られる。このギャップの延長部
は、ポンプの温度特性に影響を与える。戻し流率を減少
させひいては容積有効率を改善するために、かみ合いラ
イン上の“接触ポイント”のμ値が高いにも拘らず、安
定した運動、つまり、戻しステップ又はジャンプ（大き
い断面区分の急激な飛び越し）することのない運動が行
われるので、すべての転動運動中にデッド容積又はその
他の無駄になる容積が存在することはない。

【００２３】本発明によるロータの断面輪郭は、一様に
連続する形状を有しているので、製造技術的に高い利点
が得られる。急激な勾配変化は生じない。最小の（工具
に限定された）曲率半径は下回らない。

【００２４】

【実施例】次に図５〜図７に示された本発明の実施例に
ついて説明する。

【００２５】図５は、本発明による断面輪郭を有するロ
ータ対を示している。面有効率μは６４％である。ロー
タ基部範囲の勾配は比較的広い範囲に亙って僅かである
。従って、ロータ同士の互いの接触、及びロータと吸込
みスペースの輪郭線（包絡線）との接触は、従来技術に
おけるものより良好である。

【００２６】図６には、０°〜４５°の遠心回転角度φ
に対する曲線α（φ）の形状が示されている。始端部及
び終端部の範囲（それぞれ約５°）以外は、α（φ）は
φよりも大きい。直線α（φ）＝φは破線で示されてい
る。

【００２７】図７は、かみ合いラインＥ１，Ｅ２，Ｅ３
及びＥ４が、定置の座標系Ｘｆ，Ｙｆで示されている。 かみ合いラインＥ１，Ｅ２，Ｅ３は、従来技術によるロ
ータ輪郭に所属している。つまり、 Ｅ１は、図１のａによるロータ断面 Ｅ２は、図１のｂによるロータ断面 Ｅ３は、図１のｃによるロータ断面 最も外側のサイン（正弦）に似たかみ合いラインＥ４は
、本発明の特に有利な実施例によるロータ断面輪郭が示
されている。つまり、本発明によるロータ断面輪郭は、
この断面輪郭に属するかみ合いラインＥ４ができるだけ
大きい振幅及びサインに似た形状を有するように選定さ
れていれば有利である。

【００２８】本発明による基部断面区分８，１１の形状
によれば、その他の断面区分８，１２及びひいては完全
なロータ断面が規定される。何故ならば、その他の断面
区分は断面区分８，１１と同一であるか又はこれと鏡像
対称的だからである。固有の遊び（ギャップ幅）を調節
するために、断面輪郭は、要求に応じた等距離を有して
いる。

【００２９】

【発明の効果】本発明による断面輪郭を有するロータを
ルーツ形真空ポンプ内に設ければ、従来のものに比べて
重要な利点を有する最適な解決策が得られる。面有効率
が比較的大きいにも拘らず、安定した輪郭形状が得られ
、最小の曲率半径が避けられる。これによってコンパク
トな構造（小さく、軽量）だけでなく、製造の簡略化が
得られる。改良された接触面形状及び、比較的均一な断
面接触点−運動によって、良好な容積有効率が得られる
。全体的に、ポンプ特性が改善されると共に製造コスト
がより安価になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１のａ、図１のｂ及び図１ｃは、それぞれ公
知のロータ対の断面輪郭を示した概略図である。

【図２】図１のａに示した公知のロータの一方の拡大図
である。

【図３】図１のａに示した公知のロータ対の所定の位置
における状態の詳細を示した図である。

【図４】図１のａに示した公知のロータ対の別の位置に
おける状態の詳細を示した図である。

【図５】本発明の１実施例によるロータ対の断面輪郭を
示した概略図である。

【図６】０°〜４５°の遠心回転角度φに対応する曲線
α（φ）の形状を示すグラフである。

【図７】かみ合いラインＥ１，Ｅ２，Ｅ３及びＥ４を、
定置の座標系Ｘｆ，Ｙｆで示したグラフである。

【符号の説明】

１　　ロータ、　　２　　ロータの回転軸線、　　３　
　ロータの短い軸線、　　４　　ロータの長い軸線、　
　５　　転動円、　　６　　ロータの基部断面、　　７
　　ロータのヘッド部断面、　　８，９　　基部断面区
分、　　１１，１２　　ヘッド部断面区分、　　１３吸
込みスペースの包絡線若しくは輪郭、　　ａ　　回転軸
線２の転動円直径若しくは輪郭、　　Ｂ　　ロータの短
い直径、　　Ｃ　　転動円５の接触点、　　Ｄ　　ロー
タの長い直径、　　Ｅ１，Ｅ２，Ｅ３，Ｅ４　　かみ合
いライン、　　Ｆ　　ロータ吸込み面、　　Ｑ吸込みス
ペースの横断面、　　ｔｏ，ｔ接触点の接線、　　ｘ，
ｙ　　ロータ側の座標系、　　ｘｆ，ｙｆ　　ケーシン
グ側の座標系、　　φ　　遠心回転角度、　　α（φ）
座標系ｘ／ｙにおける２つのロータの接触点の断面輪郭
の接線の傾斜

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】４つの基部断面区分（８，９）と４つのヘ
   ッド部断面区分（１１，１２）とから成る、ほぼ８の字
   状の断面輪郭を有する２つの同一形状のルーツ形真空ポ
   ンプ用のロータにおいて、（イ）ロータ（１）の基部断
   面区分（８）が、ロータ側の座標系（ｘ，ｙ，φ）内で
   、 【数１】 の場合に、短い半分のロータ直径Ｂに相当するｙ値が、
   ０．５ａと 【数２】 との間に存在し、φ＝０°からφ＝４５°の間で、接線
   上昇角度α（φ）が、 ≒５°までは　　：α（φ）＜φ、 ≒５°から≒４０°までが　　：α（φ）＞φ、≒４０
   °からが　　：α（φ）＜φ となるように設定されており、 （ロ）第１のロータ（１）の基部断面区分（８）に対応
   する、第２のロータ（１）のヘッド部断面区分（１１）
   の輪郭が、第１のロータの基部断面区分（８）の輪郭を
   展開したものに相当する、ことを特徴とする、ルーツ形
   真空ポンプ用のロータ。
2. 【請求項２】　　φに関連した接線上昇角度α（φ）が
   、φ≧１５°である場合、α（φ）＞４０°である、請
   求項１記載のルーツ形真空ポンプ用のロータ。
3. 【請求項３】　　式α（φ）＝ｆ（φ）が、図４に示さ
   れた曲線形状を有している、請求項１又は２記載のルー
   ツ形真空ポンプ用のロータ。
4. 【請求項４】　　ロータ遊び値を形成するために等距離
   が考慮されている、請求項１から３までのいずれか１項
   記載のルーツ形真空ポンプ用のロータ。
5. 【請求項５】　　ロータ断面輪郭は、所属のかみ合いラ
   インが図７に示された形状（曲線Ｅ４）に相当するよう
   に選定されている、請求項１から４までのいずれか１項
   記載のルーツ形真空ポンプ用のロータ。