JPH04241172A - 蛋白系繊維の化学改質方法 - Google Patents

蛋白系繊維の化学改質方法

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JPH04241172A
JPH04241172A JP4137091A JP4137091A JPH04241172A JP H04241172 A JPH04241172 A JP H04241172A JP 4137091 A JP4137091 A JP 4137091A JP 4137091 A JP4137091 A JP 4137091A JP H04241172 A JPH04241172 A JP H04241172A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛋白系繊維もしくはそ
の織編物の化学改質方法に関し、より詳しく言うと、絹
、羊毛、獣毛繊維等の蛋白系繊維からなる繊維もしくは
織編物に対して耐光性を付与するとともに、防しわ性、
防縮性、嵩高性等の実用性能を向上させるための化学的
改質方法に関する。
【0002】
【従来の技術】絹、羊毛、他の獣毛繊維、羽毛繊維など
の蛋白系繊維は、木綿等のセルロ−ス系繊維や合成繊維
などと比較して、一般に高価であるが、軽量で強く、保
温性等に優れ、しかも特有の風合、品格等を有している
ので、高品位の織編物などとして広く利用されている。 中でも特に絹繊維は、そうした特性にさらに光沢、絹鳴
り等の独特の優雅さや気品を備えており、着心地も爽や
かで、染色等による意匠表現性も豊かであることなどか
ら、高級な織編物などとして特に好まれている。
【0003】しかし、絹等の蛋白系繊維においても、折
れ、擦れ、しわを生じるという欠点があり、また、紫外
線による黄変すなわち耐光性に劣るという問題点がある
。絹の場合は、特に黄変しやすく、高価なだけに問題は
より深刻であり、特に耐光性の大幅な向上が最も重要な
課題となっている。また、絹織物は、従来主に和装分野
を中心に用いられてきたが、近年、洋装分野への進出も
目覚ましく、こうした利用分野の拡大によって、上記の
問題点を早急に解決することが強く望まれている。
【0004】このような事情を受けて、絹をはじめとす
る蛋白系繊維もしくは繊維布に対して各種樹脂剤による
仕上げ加工処理(化学処理)を施し、その実用性能を改
善しようとする試みが種々なされている。中でも、N−
メチロ−ルアクリルアミド[N−(ヒドロキシメチル)
アクリルアミド]やN−メチロ−ルメタクリルアミド[
N−(ヒドロキシメチル)メタクリルアミド]を樹脂剤
として含有する処理浴に絹繊維(絹繊維布)を浸漬し、
主として防しわ性、防縮性、嵩高性等の特性を付与しよ
うとする改質加工法が注目されている。
【0005】こうした樹脂剤で処理するに際しては、樹
脂剤を繊維に結合(縮合もしくはグラフト重合)させる
ための適切な縮合触媒を用いる必要があり、使用する縮
合触媒の種類に応じて様々な技術が提案されている。こ
の種の改善加工を木綿織物等のセルロ−ス系繊維に適用
する場合には、縮合触媒として酸性触媒とラジカル重合
触媒とを併用する技術がほぼ確立され実用に供されてい
るが、絹等の蛋白系繊維にこの方法を適用すると上記N
−メチロ−ル(メタ)アクリルアミドアミド類の過度の
重縮合化のために該繊維布の風合いが硬くなりすぎるな
どの問題が生じるため、酸性触媒だけを用いる方法が研
究されてきた。
【0006】ところが、N−メチロ−ル(メタ)アクリ
ルアミドはモノメチロ−ル化合物であるので反応性が低
く、一般の酸性触媒では実用的でない。実際、反応性の
高いジメチロ−ル化合物等に常用されるような縮合反応
触媒(例えば塩化マグネシウム、硝酸亜鉛、有機アミン
塩酸塩等)では繊維(繊維布)への樹脂固着効果が著し
く低く、しかも、絹等の蛋白系繊維の場合においては、
セルロ−ス系繊維に比較して熱黄変しやすいので、キュ
アリング温度を低くする必要があり、樹脂加工効果を得
ることが極めて困難であることが次第に明らかなってき
た。
【0007】そこで、これを解決するために、縮合触媒
として、アミノアルカンカルボン酸(特公昭63−30
75号公報)、スズ化合物(特公昭63−25110号
公報)あるいは硫酸アルミニウム(特公昭63−251
11号公報)を用いて、N−(ヒドロキシメチル)アク
リルアミドやN−(ヒドロキシメチル)メタクリルアミ
ドによる樹脂加工によって絹の実用特性を改善しようと
する改善加工方法が提案されている。
【0008】このような比較的強い酸性化合物を縮合触
媒として用いることが可能なのは、N−(ヒドロキシメ
チル)アクリルアミドやN−(ヒドロキシメチル)メタ
クリルアミドが他の樹脂剤に比べて酸性浴中でもゲル化
しにくいこと、ならびに、蛋白系繊維がセルロ−ス繊維
よりも酸に対して耐性に富むという特性を有するためと
考えられる。
【0009】しかしながら、上記の特殊な縮合触媒を用
いる方法においては、樹脂の固着効果を改善して絹の防
しわ性等をある程度向上できるものの、絹や羊毛等の蛋
白系繊維もしくは繊維布、特に絹の一大欠点とされる低
い耐光性(紫外線等による黄変)を十分に改善すること
はできないという重大な問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑みてなされたものである。本発明は、前記問題点
を解決し、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、
N−(ヒドロキシメチル)メタクリルアミド、さらには
、N−(アルコキシメチル)アクリルアミドやN−(ア
ルコキシメチル)メタクリルアミドによる絹をはじめと
する蛋白系繊維からなる繊維もしくは織編物の化学加工
において、該繊維もしくは織編物の防しわ性、防縮性、
嵩高性等の特性を向上させるとともに、その耐光性を十
分に向上させることができる蛋白系繊維の化学改質方法
を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、前記問題
点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、絹等の蛋白系繊
維からなる繊維もしくは織編物をN−ヒドロキシメチル
もしくはN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド
により樹脂加工する際に、該アミド類とスルファミン酸
という特定の化合物を含有する処理液に浸漬し、予備乾
燥後、特定の温度以上の温度でキュアリングを行うとい
う方法が前記目的を十分に満足する実用上著しく優れた
方法であることを見出し、その知見に基いて本発明を完
成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は、蛋白系繊維からなる
繊維もしくは織編物に、次の一般式 CH2 =CRCONHCH2 OX        
(1)[但し、式(1)中、Rは水素原子またはメチル
基を表し、Xは水素原子または炭素数1〜4のアルキル
基を表す。]で表される化合物とスルファミン酸とを含
有する処理液を飽充し、予備乾燥後、100℃以上の温
度でキュアリングを施すことを特徴とする蛋白系繊維の
化学改質方法に係わる。
【0013】本発明の方法において、化学的改質(樹脂
加工)の対象として使用する前記蛋白系繊維からなる繊
維としては、絹繊維、羊毛繊維、他の獣毛繊維、羽毛繊
維など、あるいはこれらの2種以上からなる各種の繊維
、さらにはこれらの1種以上を主成分とする種々の混紡
繊維などを挙げることができるが、中でも絹もしくは絹
を主成分とするものが好適に適用される。
【0014】また、本発明で対象とする前記織編物とし
ては、前記繊維の1種または2種以上からなる様々な繊
維布や繊維製品などを挙げることができ、中でも特に、
絹繊維布もしくは絹を主成分とする繊維布などが好適に
適用される。このように本発明においては、前記繊維お
よび織編物(繊維布等)のいずれを対象してもよいので
あるが、通常は、織編物(繊維布などの繊維製品)に対
して適用するのが特に効果的である。
【0015】なお、使用する絹等の前記繊維もしくは繊
維布は、前記処理液で処理する前に、予め精練されてい
ることが好ましい。この精練の方法としては、特に制限
はなく、各種の方法によって行いうるが、通常は常法に
よって行えば十分である。
【0016】本発明の方法において、前記繊維もしくは
織編物に対して使用する前記処理液は、少なくとも、一
般式(1)で表される化合物とスルファミン酸という特
定の化合物を含有することが重要である。
【0017】前記一般式(1)で表される化合物(以下
、化合物1と略記することがある。)において、Rは、
水素原子またはメチル基のいずれでもよく、また、Xは
、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基のいずれで
もよい。該アルキル基の具体例としては、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基(すなわち、2−メチルプロピル基)
、sec−ブチル基(1−メチルプロピル基)およびt
ert−ブチル基(1,1−ジメチルエチル基)を挙げ
ることができる。これらのアルキル基の中でも、特にメ
チル基、エチル基などが好ましい。また、反応性の点な
どから、Xとして特に好ましいものは水素原子である。
【0018】前記化合物1の具体例としては、N−(ヒ
ドロキシメチル)アクリルアミド、N−(ヒドロキシメ
チル)メタクリルアミド、N−(メトキシメチル)アク
リルアミド、N−(メトキシメチル)メタクリルアミド
、N−(エトキシメチル)アクリルアミド、N−(エト
キシメチル)メタクリルアミド、N−(プロポキシメチ
ル)アクリルアミド、N−(プロポキシメチル)メタク
リルアミド、N−(イソプロポキシメチル)アクリルア
ミド、N−(イソプロポキシメチル)メタクリルアミド
、N−(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−(ブト
キシシメチル)メタクリルアミド、N−(sec−ブト
キシメチル)アクリルアミド、N−(sec−ブトキシ
メチル)メタクリルアミド、N−(イソブトキシメチル
)アクリルアミド、N−(イソブトキシメチル)メタク
リルアミド、N−(tert−ブトキシメチル)アクリ
ルアミドおよびN−(tert−ブトキシメチル)メタ
クリルアミドを挙げることができる。
【0019】これらの中でも、特に、N−ヒドロキシメ
チルアクリルアミドおよびN−ヒドロキシメチルメタク
リルアミドが好ましい。なお、これら各種の化合物1は
、1種単独で使用してもよいし、あるいは必要に応じて
2種以上を併用することもできる。
【0020】前記スルファミン酸はNH2 SO3 H
で表わされ、アミド硫酸とも呼ばれる水溶性の酸性化合
物である。使用するスルファミン酸は、純粋なものが特
に好ましいが、粗製のものを用いてもよく、無水物、水
和物、あるいは水溶液のいずれのものも使用可能である
。 一般的には、市販品をそのまま用いればよいが、必要に
応じて、適宜精製して用いてもよく、あるいは、常法に
よって合成して用いてもよい。
【0021】前記処理液は、少なくとも、前記化合物1
および前記スルファミン酸を含有する水溶液である。前
記処理液における前記化合物1の濃度は、特に制限はな
く、使用する繊維の種類等に応じて適宜選定すればよい
のであるが、通常、80〜200g/lの範囲内に選定
するのが好適である。
【0022】処理液中の化合物1の濃度が80g/l未
満であると、その濃度が低すぎて、繊維への樹脂の固着
量が不十分となり、所望の防しわ性、防縮性、嵩高性等
の実用性能の向上が不十分となったり、十分な耐光性の
向上効果が得られないことがある。一方、その濃度が、
200g/lを超えると、濃度が高すぎて、繊維内の樹
脂固着量が過度となることがあり、繊維もしくは織編物
の風合いが悪化する恐れがある。
【0023】前記処理液中における前記スルファミン酸
の濃度は、単なる縮合反応触媒として使用するならば比
較的低い濃度でのよく、例えば25g/l以下の濃度で
も有効であるが、本発明の主たる目的である耐光性の向
上を十分に達成するためには、通常、50g/l以上、
好ましくは100〜150g/lの濃度に選定すること
が推奨される。
【0024】前記処理液には、所望に応じて、前記化合
物1とスルファミン酸と水以外の他の成分を本発明の目
的に支障のない範囲で適宜含有させることもできる。こ
の他の成分としては、従来のこの種の加工処理液の成分
として常用されるものなど各種のものがある。具体的に
は、例えば、過硫酸カリウムや過酸化物等のラジカル重
合触媒やスルファミン酸以外の酸性触媒等の他の縮合触
媒、メタクリルアミド、アクリルアミド等の他の樹脂剤
、重合度調節剤などを挙げることができるが、これらに
限定されるものではない。なお、過酸化カリウム等の他
の縮合触媒は、これを用いる場合にも、比較的低い濃度
範囲となるように添加するのがよく、例えば、過酸化カ
リウムを添加する場合には、通常、数g/l程度以下の
濃度に選定することが望ましい。また、アクリルアミド
、メタクリルアミド等の他の樹脂剤を添加する場合には
、前記処理液中における濃度が、通常、60g/l程度
以下となるように添加するのが推奨される。
【0025】本発明の方法においては、前記繊維もしく
は織編物に前記処理液を飽充させ、予備乾燥を行い、次
いで、100℃以上の温度でキュアリングを行う。その
際、処理液の飽充は、常法によって行うことができ、通
常は、前記処理液に繊維もしくは織編物を浸漬し、必要
に応じて、適当な絞液率で絞液することにより行なわれ
る。この浸漬を行う際の処理浴(処理液)の温度として
は、特に制限はないが、通常は、常温もしくは常温付近
で好適に行うことができる。浸漬時間は、繊維もしくは
織編物が処理液により十分に濡れるものであれば特に制
限はなく、一般には数分間〜数十分間程度でよく、通常
は、数分間程度で十分である。
【0026】前記予備乾燥は、通常、前記処理液が前記
蛋白系繊維からなる繊維もしくは織編物の重量に対して
60〜120%の割合で残留する状態で行うのが好まし
い。この割合は、絞液の程度によって容易に調整するこ
とができる。この予備乾燥は、常法に従って行なえばよ
く、例えば室温から100℃程度の温度で200〜2分
間程度風乾する方法などが好適に採用される。
【0027】前記キュアリングの温度の好ましい範囲は
、100〜150℃程度である。このキュアリングの温
度が100℃未満であると、温度が低すぎて、樹脂の繊
維に対する縮合あるいはスルファミン酸による処理効果
等による所望の加工効果が不十分となり、防しわ性、防
縮性、嵩高性等の実用性能の向上および耐光性の向上と
いう本発明の目的を十分に達成することができない。 一方、キュアリング温度をあまり高くすると繊維もしく
は織編物が熱黄変しやすいなどの不都合が生じることが
ある。キュアリング時間は通常1〜30分間、好ましく
は2〜10分間とするのが適当である。以上、キュアリ
ングを終了したならば、必要に応じて常法に従って、水
洗、乾燥(風乾)等の仕上げのための後処理を行なう。
【0028】以上に詳述した本発明の化学改質方法によ
って、絹等の蛋白系繊維からなる繊維もしくは織編物、
特に絹に対して、防しわ性、防縮性、嵩高性等の実用性
能を著しく向上させるだけでなく、耐光性特に紫外線等
による黄変防止性能を十分に付与することができる。
【0029】
【作用】本発明の方法においては、前記したように処理
液中に前記化合物1という公知の樹脂剤にスルファミン
酸というと特定の化合物を共存(併用)することが肝要
である。このスルファミン酸を併用することによって、
防しわ性、防縮性、嵩高性等の実用性能の向上のみなら
ず、耐光性を十分に向上させることができる。
【0030】スルファミン酸の作用機構の詳細は、現段
階では必ずしも明かではないが、次のような点が考えら
れる。まず第一に、スルファミン酸は前記キュアリング
の際に樹脂モノマ−(化合物1)のメチロ−ル基あるい
はアルコキシメチル基等に作用して繊維に対する縮合反
応を促進する縮合触媒として作用しているものと考えら
れる。ここで、この縮合反応の触媒としてのみの効果は
、前記したようにスルファミン酸の処理液における濃度
が低い場合にも十分なものと推察することができ、実際
、低い濃度でも防しわ性、防縮性、嵩高性等の実用性能
の向上が認められた。
【0031】一方、耐光性をも十分に付与するためには
、スルファミン酸の濃度を前記したように比較的高くす
ることが好ましい。このことは、スルファミン酸が縮合
触媒としての作用の他に他の重要な作用を示しているこ
とを示唆している。ところで、スルファミン酸は100
℃以上の高温下で羊毛と反応してスルファメ−ト基(−
NHSO3 H)やスルフェ−ト基(−OSO3 H)
を生成して、酸性染料や直接染料のようなアニオン系染
料に対して優れた防染性を羊毛に付与することが知られ
ている(Textile Research Jour
nal, 57巻,619頁,1987年を参照)。こ
のような点を鑑みると、スルファミン酸は、前記縮合触
媒として樹脂剤(化合物1)の縮合反応を促進するだけ
でなく、それ自体も絹等の蛋白系繊維に化学的に結合し
、その結果として前記繊維もしくは織編物に高い耐光性
が付与できたものと考えられる。
【0032】このスルファミン酸が、絹等の羊毛以外の
繊維に対してどのように化学結合するかについては明確
ではないが、スルファミン酸は蛋白系繊維分子の活性ア
ミノ酸側鎖に化学結合し、特に絹繊維の場合には活性な
アミノ基は微量にしか含まれていないので主としてチロ
シンおよびセリンの側鎖の水酸基に反応してスルフェ−
ト基を生成して、耐光性を向上させるものと考えられる
。かくして、処理繊維は、蛋白系繊維に豊富に存在する
チロシン側鎖の水酸基が化学封鎖されて安定化する結果
として耐光性が著しく向上するものと推察される。なお
、スルフォン基が導入された付随効果として、処理繊維
は、アニオン系染料に対しては防染性を示すが、カチオ
ン系染料による染色性が顕著に向上し、また、染色堅牢
度も著しく向上することなどが確認された。さらに、本
発明の方法によると、前記樹脂剤の繊維内縮合反応の結
果として、防しわ性、防縮性、嵩高性の向上効果に付随
して、処理繊維の型態安定性が向上することも確認され
た。
【0033】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例によって
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。
【0034】(実施例1)精練した16匁付富士絹織物
(絹紡糸織物)を、下記の組成の処理浴に常温で5分間
浸漬した後、ロ−ルマングルにより絞液率88%で絞液
した。その後、80℃で3分間予備乾燥し、次いで12
5℃で5分間キュアリングを行った。
【0035】     処理浴の組成(水溶液)   ・N−(ヒドロキシメチル)メタクリルアミド  
  120g/l  ・スルファミン酸       
                       10
0g/l
【0036】得られた加工絹試料を常法によっ
て順次、水洗、風乾した後、第1表に示す各織物性能に
ついて評価した。その評価結果を、上記加工を施さなか
った未加工絹の評価結果とともに第1表に示す。
【0037】(比較例1)実施例1で用いた処理浴に代
えて、特公昭63−25111号公報に記載の処方に従
って調製した下記の組成の処理浴を用いた以外は、実施
例1と同様にして加工試料を作製し、同様にして評価し
た。結果を第1表に示す。
【0038】     処理浴の組成(水溶液)   ・N−(ヒドロキシメチル)メタクリルアミド  
  120g/l  ・硫酸アルミニウム      
                      100
g/l
【0039】
【表1】
【0040】(実施例2)精練した絹羽二重(10匁付
)を、下記の組成の処理浴に常温で5分間浸漬した後、
ロ−ルマングルで絞液率90%に絞液した。その後、7
0℃で3分間予備乾燥し、次いで125℃で5分間キュ
アリングを行った。
【0041】     処理浴の組成(水溶液)   ・N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド   
 100g/l  ・スルファミン酸        
                      80g
/l  ・過硫酸カリウム             
                   1g/l  
・メタクリルアミド                
            50g/l
【0042】得ら
れた加工絹試料を常法によって順次、水洗、風乾した後
、第2表に示す各織物性能について評価した。その評価
結果を、上記加工処理を施さなかった未加工絹の評価結
果とともに第2表に示す。
【0043】(比較例2)実施例2で用いた処理浴に代
えて、特公昭63−3075号公報に記載の処方に従っ
て調製した下記の組成の処理浴を用いた以外は、実施例
2と同様にして加工試料を作製し、評価した。結果を第
2表に示す。
【0044】   ・N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド   
 120g/l  ・アミノ酢酸          
                        1
5g/l  ・塩化マグネシウム          
                    5g/l 
 ・過硫酸カリウム                
            1.2g/l  ・メタクリ
ルアミド                     
       50g/l
【0045】
【表2】
【0046】(考察)本発明の加工方法の一例である実
施例1の結果と従来の加工法の例である比較例1の結果
を未加工絹の場合を参照しつつ比較すると、いずれの場
合も乾湿しわ回復性の向上は顕著に認められるが、紫外
線照射に対する黄変防止能は、従来法による加工絹(比
較例1の場合)には全く認められない。これに対して本
発明の方法による加工絹(実施例1の場合)は、優れた
黄変防止能を示しており、スルファミン酸の効果は明ら
かである。
【0047】また、本発明の加工方法の他の一例である
実施例2の結果と従来の加工法の例である比較例2の結
果を未加工絹の場合を参照しつつ比較すると、いずれの
場合も絹の欠点である低い防しわ性と耐摩耗性を著しく
改善しているが、紫外線照射に対する黄変防止能は、本
発明の方法による加工絹(実施例2)では十分に達成さ
れているのに対し、従来法による加工絹(比較例2)で
は全く認められないことは明らかである。
【0048】
【発明の効果】本発明によると、処理液(処理浴)とし
て特定の樹脂剤(樹脂モノマ−)を含有するとともに、
スルファミン酸という特定の化合物を共存(併用)させ
ており、しかも、特定の温度以上の温度でキュアリング
を行うという特定の樹脂加工等の化学加工を行っている
ので、蛋白系繊維からなる繊維もしくは織編物、特に絹
に対して、優れた防しわ性、防縮性、嵩高性等の実用性
能を付与するだけでなく、高い耐光性(紫外線等による
黄変防止性能)を付与することができる実用上著しく優
れた蛋白系繊維の化学改質方法を提供することができる

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  蛋白系繊維もしくはその織編物に、次
    の一般式 CH2 =CRCONHCH2 OX        
    (1)[但し、式(1)中、Rは水素原子またはメチル
    基を表し、Xは水素原子または炭素数1〜4のアルキル
    基を表す。]で表される化合物とスルファミン酸とを含
    有する処理液を飽充し、予備乾燥後、100℃以上の温
    度でキュアリングを施すことを特徴とする蛋白系繊維の
    化学改質方法。
JP4137091A 1991-01-11 1991-01-11 蛋白系繊維の化学改質方法 Expired - Lifetime JPH0788624B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0559666A (ja) * 1991-08-31 1993-03-09 Nishimura:Kk 絹繊維の改質加工方法

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