JPH04238509A - サーボ制御システム - Google Patents

サーボ制御システム

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JPH04238509A
JPH04238509A JP656591A JP656591A JPH04238509A JP H04238509 A JPH04238509 A JP H04238509A JP 656591 A JP656591 A JP 656591A JP 656591 A JP656591 A JP 656591A JP H04238509 A JPH04238509 A JP H04238509A
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Akira Shimada
明 島田
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典夫 横島
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業用ロボットシステ
ムなどのサーボ制御システムに関するものであり、特に
、状態量を算出するオブザーバを用いるサーボ制御シス
テムに関する。
【0002】
【従来の技術】サーボ制御は産業用ロボットシステム、
工作機械、プロッタ、自動組立装置など制御対象(アク
チュエータ)をサーボモータを用いて制御する種々の制
御システムに用いられている。一般に、制御系(システ
ム)においては、「可制御性」の概念と「可観測性」の
概念が導入されている。サーボ制御を行うため、全ての
状態量をフィードバックすることにより、「可制御」な
制御対象の極を任意に設定できる。一方、制御システム
によっては全ての状態量を直接検出することができない
場合があり、かかる制御システムを構築する場合、「可
観測」である場合に限り「オブザーバ」を構成できるか
ら、オブザーバによって検出できる信号から状態量を推
定し、この推定状態量をフィードバックして制御するシ
ステムを構成する。
【0003】オブザーバを用いる従来のサーボ制御シス
テムにおいて、起動時に制御対象は所定の原点位置に復
帰していることが前提となっており、オブザーバの状態
量はその原点位置を基準として算出されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】アブソリュート形エン
コーダなどの絶対位置検出機能を有するセンサを用いた
場合、制御システムの再起動時などにおいて制御対象の
現在停止位置が検出できるので操作時間の短縮などの観
点から、制御システムの電源再投入時またはシステムの
リセット時などの起動時に、制御対象を原点位置に復帰
させることなく現在の停止位置から直接目標位置まで制
御対象を駆動させたいという要望がある。
【0005】しかしながら上述したように、従来のオブ
ザーバは制御対象が原点に位置する場合を基準として状
態量を算出するように構成されているので、初期状態量
を全て「0」としてその後の状態量を算出している。そ
のため従来のオブザーバにおいては、現在の位置と原点
位置との差異に基づく状態量算出に大きな隔たりが生じ
、そのまま状態量を算出して制御対象を制御させた場合
、初期状態における制御システムの動特性を著しく悪化
させるという問題が発生している。具体的には、アクチ
ュエータを介して制御対象が大きく振動したり、制御対
象に過大なトルクがかかったり、場合によっては制御対
象が予期しない方向に移動して他の機構に衝突する場合
もある。
【0006】したがって、従来のオブザーバを用いたサ
ーボ制御システムにおいては任意の停止位置からは制御
対象を安全に制御させることができないという問題に遭
遇している。したがって、本発明はかかるオブザーバを
用いたサーボ制御システムにおいて、制御対象の任意の
停止位置から目標位置に直接、安全に制御対象を制御す
ることが可能なサーボ制御システムを提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
、本発明においてはオブザーバを有するサーボ制御シス
テムの起動時にオブザーバの初期状態量を算出する手段
を設け、オブザーバはこの初期状態量に基づいてそれ以
降の状態量を算出するように構成する。すなわち、本発
明のサーボ制御システムは、制御対象の絶対位置を検出
する位置検出手段、制御対象を駆動する手段、位置検出
手段からの位置および駆動手段に印加される駆動指令に
基づいて状態量を算出するオブザーバ、制御目標(制御
指令)と前記絶対位置および推定状態量とに基づいて駆
動指令を算出し駆動手段を介して制御対象を制御目標に
制御するサーボ制御手段、および、起動時に制御対象の
停止位置に基づいて規定されるオブザーバの初期状態量
を算出するオブザーバ初期値算出手段からなる。
【0008】
【作用】サーボ制御システムの起動時にオブザーバ初期
値算出手段が起動されて、現在の制御対象の停止位置(
絶対位置)からオブザーバ初期状態量を算出する。オブ
ザーバ初期状態量はオブザーバに印加される。このオブ
ザーバ初期値算出後、サーボ制御システムが実質的に起
動され、オブザーバは算出された初期状態量を用いて状
態量を算出する。サーボ制御手段はオブザーバからの状
態量および位置検出手段からの信号と制御目標とに基づ
いて制御信号を算出して駆動手段を介して制御対象を制
御する。
【0009】このように初期状態においても制御対象の
任意の停止位置におけるオブザーバ初期状態量が算出さ
れ、そのときの制御対象の状態量が正確に算出され、そ
の状態に応じた状態量に基づいて制御対象が制御される
。その結果、制御対象が不安定動作することが防止され
る。
【0010】
【実施例】図1に本発明のサーボ制御システムの一実施
例として産業用ロボットシステムを例示する。図1のサ
ーボ制御システムは、制御対象1、例えば、ロボットア
ーム、この制御対象1の絶対位置(角度)を検出する絶
対位置検出器2、例えば、アブソリュート形エンコーダ
、制御対象1を駆動する駆動手段3、例えば、サーボモ
ータ、この駆動手段3を駆動制御するための駆動回路4
、およびサーボ制御装置5からなる。サーボ制御装置5
は、位置制御演算部51、信号加算部52、外乱負荷速
度オブザーバ53、およびオブザーバ初期状態量算出部
54が図示の如く構成されている。
【0011】本実施例においては、サーボ制御装置5は
マイクロコンピュータ(またはマイクロプロセッサ)で
実現されている。アブソリュート形エンコーダである絶
対位置検出器2はインクリメンタルな位置、すなわち、
位置変化のみ出力する形式ではなく、制御対象1の現在
の位置をそのまま出力する形式のものである。したがっ
て、制御対象1が任意の位置で停止してる場合、制御対
象1を原点位置に復帰させずに、その時の位置検出器2
の出力を読み取れば制御対象1の位置が判る。
【0012】制御対象1と駆動手段3とは機械的に接続
されている。制御対象1の駆動軸には、摩擦力、弾性又
は複数の駆動軸からなる制御対象1に生ずる軸間干渉ト
ルクなどからなる外乱負荷7が印加される。外乱負荷7
は制御対象1の運動特性の劣化をもたらすので本実施例
においてはその補償を行う。ただし、この外乱負荷7は
直接検出できないので、外乱負荷速度オブザーバ53が
位置検出器2からの絶対位置信号S2、信号加算部52
からの駆動指令信号S52を参照して推定外乱負荷信号
S53aを算出し信号加算部52にフィードバックして
外乱負荷7の補償を行う。
【0013】また制御対象1の位置および速度を制御す
る場合、速度フィードバックをかけることが制御特性を
向上させるのに有効であることが知られている。そのた
め図1のサーボ制御システムにおいては、外乱負荷速度
オブザーバ53が推定速度信号S53bを算出して位置
制御演算部51にフィードバックし、駆動力信号S51
を出力させている。
【0014】位置制御演算部51はこの例示においては
、通常のPID制御演算を行うように構成されており、
位置指令(目標指令)REFから絶対位置信号S2を減
じて速度指令を算出し、さらに推定速度信号S53bを
加算して駆動力指令信号S51を算出する。この駆動力
指令信号S51は信号加算部52において外乱負荷速度
オブザーバ53からの推定外乱負荷信号S53aが加算
されて駆動回路4に対する駆動力信号S52が算出され
る。駆動回路4は駆動力信号S52に応答した駆動信号
で駆動手段3を駆動させ、最終的に制御対象1を駆動す
る。
【0015】オブザーバ初期状態量算出部54はサーボ
制御システムの起動時に動作して、絶対位置信号S2に
基づいて外乱負荷速度オブザーバ53において算出され
る状態量、すなわち、推定外乱負荷信号S53aおよび
推定速度信号S53bの初期値を算出する。したがって
、初期状態において制御対象1が任意の位置に停止して
いる場合においても、オブザーバ初期状態量算出部54
が制御対象1の停止位置におけるオブザーバで算出する
状態量の初期値を算出して外乱負荷速度オブザーバ53
に印加し、外乱負荷速度オブザーバ53はその初期値を
用いてそれ以降の状態量の算出を行う。
【0016】以下、外乱負荷速度オブザーバ53および
オブザーバ初期値算出部54の演算処理内容について詳
述する。ここでは、上述したように、制御対象1の入力
にあたる駆動トルクと制御対象1の出力にあたる位置信
号を外乱負荷速度オブザーバ53の入力として、制御対
象1にかかる外乱トルクと制御対象1の運動速度を推定
する場合について述べる。
【0017】制御対象1への駆動トルクTmは第1式で
表される。
【0018】
【数1】
【0019】ただし、Jは制御対象1の慣性モーメント
【0020】
【外1】
【0021】は制御対象1の回転角度位置、本実施例で
は位置信号S2の読み、TL は制御対象1に印加され
る外乱トルク、本実施例では外乱負荷7の値を示す。こ
こで、状態ベクトルx=(x1,x2,x3 )、入力
u、出力yを
【0022】
【数2】
【0023】とおくと、次の状態方程式が得られる。
【0024】
【数3】
【0025】ただし、Aは係数ベクトル、Bは入力ベク
トル、Cは出力ベクトルを示す。ベクトルA,B,Cに
具体的な値を設定し、第3式および第4式の表現を変え
る次の式が得られる。
【0026】
【数4】
【0027】上述したようにサーボ制御装置5はマイク
ロコンピュータで実現されており、上記状態方程式をサ
ンプリング周期ごとにディジタル演算するため、サンプ
リング方式に則したディジタル演算処理のアルゴリズム
に変換する。このため、第7式〜第9式に示す差分方程
式を用いる。その結果を以下に示す。まず、サンプリン
グ方式に則した表現はkをサンプリング番号、k=0,
1,2,・・・とした場合、状態方程式は第7式および
第8式で表される。
【0028】
【数5】
【0029】ただし、Tはサンプリング周期、tはサン
プリング時間 t=kT 以上から、サンプリング周期ごとに演算される状態方程
式は次の式になる。 ┌x1(k+1)┐  ┌1  T  −T2/2J┐
┌x1(k)┐  ┌ T2/2J┐        
                         
                         
              │x2(k+1)│=│
0  1  −T/J  ││x2(k)│+│ T/
J  │u(k) ・・・(10)└x3(k+1)┘
  └0  0   1    ┘└x3(k)┘  
└  0   ┘                 
     y(k) =[1  0  0]┌x1(k
)┐                       
                         
              │x2(k)│  ・・
・  (11)                  
      └x3(k)┘            
                         
 第10式及び第11式に対して「ゴビナスの設計法(
たとえば、美土、他「基礎ディジタル制御」、コロナ社
、第79頁、参照)」を適用して最小限オブザーバを作
成すると、下記第12式〜第15式が得られる。 ┌z1(k+1)┐  ┌a11a12┐┌z1(k)
┐  ┌b11b12┐┌y(k) ┐│      
  │=│        ││      │+│ 
       ││      │・・(12)└z2
(k+1)┘  └a21a22┘└z2(k)┘  
└b21b22┘└u(k) ┘          
  ここで各係数は以下に表される。
【0030】       a11=1−L1 T       a12=−T/J+L1 T2 /2J 
     a21=−L2 T       a22=L2 T2 /2J      
b11=−L12T−L2 T/J+L1 L2 T2
 /2      ・・・  (13)      b
12=T/J−L1 T2 /2J      b21
=L22T2 /2J−L1 L2 T      b
22=−L2 T2 /2J            
                         
       また下記式が得られる。
【0031】
【数6】
【0032】   L1 =(−α−β−αβ+3)/2T  L2 
=(−α−β+αβ+1)/(−T2 /J)・・・(
15)ただし、α,βはオブザーバの極を示す。上記式
をより簡略化する。第12式を1サンプル前の表現にし
ても一般性を失わないから、第12式の表現の1サンプ
ル前の下記第16式を使用する。 ┌z1(k)┐  ┌a11a12┐┌z1(k−1)
┐  ┌b11b12┐┌y(k−1) ┐  │  
    │=│        ││        
│+│        ││        │・(1
6)└z2(k)┘  └a21a22┘└z2(k−
1)┘  └b21b22┘└u(k−1) ┘   
       すなわち、外乱負荷速度オブザーバ53
は第16式のアルゴリズムを遂行する。
【0033】第16式において、kの初期値は1であり
、以後、サンプリング周期ごとにk=2,3,・・と更
新されていく。外乱負荷速度オブザーバ53は前回のサ
ンプリング周期(k−1)のz1(k−1)、z2(k
−1)、y(k−1) 、u(k−1) に基づいて今
回のサンプリング周期(k)の状態量z1(k)、z2
(k)を算出する。本実施例では、状態量z1(k)お
よびz2(k)をそれぞれ推定外乱負荷信号S53aお
よび推定速度信号S53bに対応している。
【0034】もし、制御対象1が原点に位置している場
合、初期値はk=1である起動時には、y(k−1)=
y(0)=θ(0) となる。通常、初期状態においては制御対象1は無励磁
状態なので、 u(k−1)=u(0)=0 とおける。同様に、 z1 (k−1)=z1 (0)=0 z2 (k−1)=z2 (0)=0 とおける。
【0035】一方、制御対象1が原点から離れた位置に
ある時、第16式から状態量は下記の値になる。 z1 (k)=z1 (1) z2 (k)=z2 (1) ここで、起動時の状態量z1 (0)=0、z2 (0
)=0と1サンプリング周期後の状態量z1 (1)、
z2 (1)がそれぞれ大きく離れている場合、外乱負
荷速度オブザーバ53は初期状態の状態量との差を0に
戻す収束特性を固有の特性として持っているから、サン
プリング周期ごとに推定を繰り返して外乱負荷速度オブ
ザーバ53の極の大きさに則した時間(速度)で収束す
るが、サンプリング周期間に大きな状態量に誤差を有し
たまま制御対象1が駆動されると、過大な入力が制御対
象1に印加されて制御対象1の暴走、振動などの原因と
なる。
【0036】オブザーバ初期値算出部54は起動時にお
ける制御対象1の現在停止位置(原点も含む)に応じた
第14式の推定値
【0037】
【数7】
【0038】を算出して、制御対象1がいかなる位置に
停止している場合であっても上記誤差をなくすようにす
る。以下、オブザーバ初期値算出部54の処理内容につ
いて述べる。位置検出器2で検出した初期状態における
絶対位置(絶対位置信号S2)をθ(0)=0とすると
、 y(k−1)=y(0)=θ(0) である。サーボ制御装置5は初期起動段階においては制
御対象1を励磁していないから、1サンプリング周期後
の出力は、 y(k)=y(1)=θ(0) で近似できる。第14式から第1の推定値
【0039】
【数8】
【0040】(本実施例では、位置の推定値)x1 (
1)=y(1)=θ(0) が得られる。この時の第2の推定値
【0041】
【数9】
【0042】本実施例では推定速度、および第3の推定
【0043】
【数10】
【0044】本実施例では推定外乱トルクを第17式に
示すように設定して第14式に導入する。
【0045】
【数11】
【0046】その結果、第18式が得られる。 z1 (k)=−L1 y(0) z2 (k)=−L2 y(0)  ・・・(18)こ
の第18式から外乱負荷速度オブザーバ53の状態量z
1 (k)=z1 (1) z2 (k)=z2 (1) を求めることができる。第16式に初期サンプリング周
期の時のk=1を代入すると、第19式が得られる。 ┌z1(1)┐  ┌a11a12┐┌z1(0)┐ 
 ┌b11b12┐┌y(0) ┐│      │=
│        ││      │+│     
   ││      │・・・(19)└z2(1)
┘  └a21a22┘└z2(0)┘  └b21b
22┘└u(0) ┘              つ
いで、入力の初期値を   u(0)=0                 
                         
  ・・・(20)  と定義して、第13式から ┌a11  a12┐               
                         
                  │      
    │≠0                  
                      ・・・
(21)└a21  a22┘           
                         
                      が得ら
れ、これらから外乱負荷速度オブザーバ53の初期状態
量を表す第22式が得られる。 ┌z1(0)┐  ┌a11a12┐−1┌−L1 −
b11┐│      │=│        │  
│            │           
     ・・・(22)└z2(0)┘  └a21
a22┘  └−L2 −b21┘         
                     オブザー
バ初期状態量算出部54は起動時に上記初期値を算出し
て外乱負荷速度オブザーバ53に与える。外乱負荷速度
オブザーバ53は上記初期値を用いて状態量を算出する
【0047】図2に上記制御アルゴリズムを遂行する図
1のサーボ制御装置5の処理フローチャートを示す。 ステップ01 サーボ制御装置5を構成するマイクロコンピュータが起
動されたとき、または、サーボ制御システムが起動され
たとき、まずオブザーバ初期状態量算出部54が起動さ
れ、上述したアルゴリズムにしたがって制御対象1の現
在の停止位置における外乱負荷速度オブザーバ53の初
期状態量を算出する。この初期状態量はサーボ制御装置
5内のメモリ(図示せず)に記憶される。
【0048】以下、サンプリング周期ごと下記ステップ
02〜08の処理動作が繰り返される。 ステップ02 サーボ制御装置5は位置指令(制御目標)REFを入力
する。この位置指令REFはサーボ制御装置5を構成す
るマイクロコンピュータに記憶された位置指令発生プロ
グラムによって制御対象1の制御内容に応じて所定のア
ルゴリズムにしたがって発生される。
【0049】ステップ03 サンプリング時間に到達したか否かを判別し、所定のサ
ンプリング時間に到達していない場合は待機する。所定
のサンプリング時間に到達した場合、以下の制御処理を
行う。このサンプリング周期管理によりサーボ制御装置
5は予め定められた一定のサンプリング周期に基づいて
、以下に述べるサンプリング方式のフィードバック制御
を行う。
【0050】ステップ04 サーボ制御装置5内のディジタル入力装置(図示せず)
は絶対位置信号S2としてアブソリュート形エンコーダ
である位置検出器2から制御対象1の絶対位置、この例
示においては制御対象1の回転角度を入力してメモリに
記憶する。メモリに記憶された絶対位置信号S2は外乱
負荷速度オブザーバ53および位置制御演算部51で使
用する。
【0051】ステップ05 外乱負荷速度オブザーバ53が絶対位置信号S2および
駆動力信号S52に基づいて推定外乱負荷信号S53a
および推定速度信号S531bを算出する。サーボ制御
システムの起動直後の第1回目のサンプリング周期にお
いては、外乱負荷速度オブザーバ53はオブザーバ初期
状態量算出部54で算出した初期値を用いて推定外乱負
荷信号S53aおよび推定速度信号S531bを算出す
る。
【0052】2回目以降のサンプリング周期においては
、外乱負荷速度オブザーバ53は、第14式と第16式
を順次適用して推定外乱負荷信号S53aおよび推定速
度信号S531bを算出する。 ステップ06,07 位置制御演算部51は絶対位置信号S2、外乱負荷速度
オブザーバ53からの推定速度信号S531bに基づい
て駆動力指令信号S51を算出する。信号加算回路52
はこの駆動力指令信号S51と外乱負荷速度オブザーバ
53からの推定外乱負荷信号S53aを加算して駆動力
信号S52を算出する。
【0053】これによりサーボモータ駆動回路4に駆動
力信号S52が印加されサーボモータである駆動手段3
が駆動、すなわち、回転させられ、制御対象1である産
業用ロボットシステムのロボットアームなどを駆動させ
る。 ステップ08 外乱負荷速度オブザーバ53において、次のサンプリン
グ周期における第14式および第16式を演算するため
サンプリング周期番号kが更新される。
【0054】以上述べたように、オブザーバ初期値算出
部54が任意の位置に停止している制御対象1の停止位
置で規定されるオブザーバ状態量算出のための初期値を
算出するので、外乱負荷速度オブザーバ53は制御対象
1が任意の位置に停止している場合であっても、常に制
御対象1の円滑かつ効率的な制御を遂行させる初期状態
量の算出可能となる。その結果として、制御対象1は任
意の停止位置から円滑に制御され、振動、衝撃などが発
生しない。
【0055】オブザーバ初期状態量算出部54は起動直
後に上述した処理を行うだけであるから、周期的な制御
動作処理(ステップ02〜08)の時間的負担を増大さ
せない。図1に示したサーボ制御システムは、オブザー
バとしての外乱負荷速度オブザーバ53を組み込み推定
外乱負荷信号S53aを算出して外乱負荷7に対する制
御性を向上させている。また、図1のサーボ制御システ
ムは速度制御ループを組み込んで制御特性を向上させる
構成になっている。
【0056】上述した実施例は産業用ロボットシステム
のロボットアーム駆動に関連づけた角度制御について例
示したが、本発明の実施に際しては上述したものの他、
種々の変形形態をとることができる。たとえば、制御対
象1は角度制御に限定されず、リニアな位置制御につい
ても適用できる。
【0057】また、絶対位置検出器2としてアブソリュ
ート形エンコーダを用いた例を示したが、インクリメン
ト形エンコーダとこのエンコーダのインクリメント出力
を計数し保持するカウンタを組み合わせて絶対位置を検
出するように構成することもできる。さらに、上記実施
例においては位置制御演算部51はPID制御演算を行
う場合について例示したが、PID制御演算に限らず、
IPD制御演算など他の制御演算を行う場合でもよく、
位置制御演算部51からは速度指令に限らずその制御ア
ルゴリズムに応じた指令が出力される。
【0058】本発明の実施に際しては、サーボ制御装置
5を上述したように全てマイクロコンピュータまたはマ
イクロプロセッサで実現するばかりでなく、ハードウエ
ア回路とマイクロコンピュータとハイブリッドシステム
構成などにすることができる。さらに本発明は上述した
産業用ロボットシステムばかりでなく他の種々のサーボ
制御システム、例えば、工作機械などに適用できること
はいうまでもない。
【0059】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、制御
対象が任意の位置(角度を含む)に停止している状態に
おけるオブザーバ状態量算出のための初期値を提供する
オブザーバ初期状態量算出手段を設けることにより、制
御対象が任意の位置にあっても円滑かつ安全にその停止
位置から目標制御位置に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のサーボ制御システムのブロ
ック図である。
【図2】図1のサーボ制御装置の処理フローチャートで
ある。
【符号の説明】
1  ・・・  制御対象 2  ・・・  絶対位置検出器 3  ・・・  駆動手段 4  ・・・  駆動回路 5  ・・・  サーボ制御装置 7  ・・・  外乱負荷 51  ・・・  位置制御演算部 52  ・・・  信号加算部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  制御対象の絶対位置を検出する位置検
    出手段、前記制御対象を駆動する手段、前記位置検出手
    段からの位置および前記駆動手段に印加される駆動指令
    に基づいて状態量を算出するオブザーバ、制御目標と前
    記絶対位置および推定状態量とに基づいて駆動指令を算
    出し前記駆動手段を介して前記制御対象を前記制御目標
    に制御するサーボ制御手段、および起動時に前記制御対
    象の初期状態に基づいて前記オブザーバの初期値を算出
    するオブザーバ初期値算出手段を備えたサーボ制御シス
    テム。
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