JPH0682346A - イナーシャ、外乱トルクの推定及び異常負荷検出方法 - Google Patents

イナーシャ、外乱トルクの推定及び異常負荷検出方法

Info

Publication number
JPH0682346A
JPH0682346A JP4309776A JP30977692A JPH0682346A JP H0682346 A JPH0682346 A JP H0682346A JP 4309776 A JP4309776 A JP 4309776A JP 30977692 A JP30977692 A JP 30977692A JP H0682346 A JPH0682346 A JP H0682346A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
estimated
torque
motor
speed
ratio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4309776A
Other languages
English (en)
Inventor
Heisuke Iwashita
平輔 岩下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fanuc Corp filed Critical Fanuc Corp
Priority to JP4309776A priority Critical patent/JPH0682346A/ja
Priority to PCT/JP1993/000966 priority patent/WO1994002988A1/ja
Priority to EP93914994A priority patent/EP0604663A4/en
Publication of JPH0682346A publication Critical patent/JPH0682346A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P23/00Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by a control method other than vector control
    • H02P23/16Controlling the angular speed of one shaft

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Control Of Electric Motors In General (AREA)
  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 トルク定数とイナーシャの比率を正確に推定
し、外乱トルクを正確に検出すると共に負荷異常を感度
よく検出する。 【構成】 当該サンプリング周期の1周期前と2周期前
のトルク指令uの変化量u´を求める(S1)。該変化
量u´、1周期前と2周期前のモータ速度y(i−
1),y(i−2)及び、前周期において求めたトルク
定数とイナーシャの推定比率b* (i−1)、モータの
推定速度y* を求める(S2)。速度ループ処理を行い
トルク指令u(i)を求めモータに出力する(S4)。
モータの実速度と推定速度の差の推定速度誤差e(i)
を求める(S5)。そして、次の式によって当該周期に
おける推定比率b* (i)を求める。この推定比率b*
(i)が収束したときの値をトルク定数とイナーシャの
比率として検出する。 b* (i)=b* (i−1)+β・u' ・e(i)/
(1+βu' 2

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工作機械やロボット等
のモータで駆動される機械におけるイナーシャや外乱ト
ルクの推定、及び該モータにかかる異常負荷検出方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械の送り軸やロボットのアーム等
を駆動するサーボモータや工作機械の主軸を駆動するモ
ータ等の駆動制御において、これらモータの速度をフィ
ードバック制御する場合に、速度ループゲインを決定す
るには、モータのトルク定数やモータと機械のイナーシ
ャの大きさを知る必要がある。例えば、速度ループを比
例積分制御を行うとき、比例ゲイン,積分ゲインはモー
タのトルク定数/イナーシャの値の関数として求められ
る。そのため、少なくともモータのトルク定数やイナー
シャの値をあらかじめ知っておく必要がある。従来は、
このトルク定数や(モータ+機械)のイナーシャの値
は、通常概略の値として分かっているが、正確な値は不
明である。また、オブザーバを組み外乱トルクを推定す
ることや、推定した外乱よりモータで駆動される機械の
送り機構の不具合や機械的衝突等の異常負荷を検出する
ことも行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】摩擦等の外乱の影響を
正確に補正したり、モータで駆動される機械の応答性を
良くするには、モータ(あるいはモータで駆動される機
械系を含む)のイナーシャとトルク定数の比率を正確に
知る必要がある。また、オブザーバで外乱トルクを推定
する場合にも、オブザーバにおいてトルク指令からモー
タの加速度に変換する係数にイナーシャとトルク定数の
比率を利用することから、このイナーシャとトルク定数
の比率が正確な値でなければ、加減速時には正確に外乱
トルクを推定することができない。また、推定外乱トル
クより異常負荷を検出する場合にも、推定外乱トルクを
正確に検出できないと、異常負荷を検出するためのしき
い値が大きくなり、異常負荷検出の精度が低下する原因
になる。 そこで、本発明の目的は、特別な測定手段を
必要とせず、モータ駆動制御系によって、上記イナーシ
ャとトルク定数の比率を推定する方法を提供することに
ある。さらに、本発明の目的は、正確な外乱トルクを推
定することができる外乱トルク推定方法を提供すること
にある。また、本発明の目的は、精度よくモータにかか
る異常負荷を検出できる異常負荷検出方法を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】当該サンプリング周期の
1周期前と2周期前のトルク指令の変化量u´と、1周
期前と2周期前のモータの実速度、及び1周期前に求め
たモータのトルク定数とイナーシャの推定比率b* より
モータの推定速度を求め、次に、モータの実速度と上記
推定速度との差の推定速度誤差eを求め、推定比率の変
化量が、上記トルク指令の変化量u´が小さいときには
小さく、トルク指令の変化量u´が所定値になるまでは
該トルク指令の変化量u´に略比例した値とし、上記所
定値以上になると飽和させて一定値となるように、上記
推定速度誤eに基づいて推定比率b* を補正更新する。
そして、該推定比率b* が収束する値をもってトルク定
数とイナーシャの比率として検出してイナーシャ推定す
る。例えば、設定パラメータ値をβ、前周期の推定比率
をb* (i−1)とすると、当該周期におけるトルク定
数とイナーシャの推定比率b* (i)を次の式によって
求めて、イナーシャを推定する。
【0005】b* (i)=b* (i−1)+β・u' ・
e/(1+βu' 2 ) こうして求めたトルク定数とイナーシャの推定比率を、
モータ速度と外乱トルクを状態変数とするオブザーバに
おけるトルク指令からモータの推定加速度に変換する係
数として使用し、外乱トルクを推定する。さらに、上記
推定された外乱トルクが設定所定値を越えると異常負荷
として速度指令を零としてモータを停止させ、異常を検
出するようにする。
【0006】
【作用】所定サンプリング周期毎に指令されるトルク指
令を過去2周期分記憶しておき、当該サンプリング周期
の1周期前と2周期前のトルク指令の変化量u´を求め
ると共に、検出器から検出されるモータの実速度を過去
2周期分記憶しておき、1周期前と2周期前のモータの
実速度、1周期前に求めたモータのトルク定数をイナー
シャで除した推定比率b* よりモータの推定速度を求め
る。そして、当該周期で検出されたモータの実速度と上
記推定速度との差の推定速度誤差eを求める。推定比率
の変化量が、上記トルク指令の変化量u´が小さいとき
には小さく、トルク指令の変化量u´が所定値になるま
では該トルク指令の変化量u´に略比例した値とし、上
記所定値以上になると飽和させて一定値となるように上
記推定速度誤に基づいて推定比率b* を補正更新する。
各サンプリング周期毎上記処理を実行すると、上記推定
比率b* はある値に収束し、この収束値をモータのトル
ク定数とイナーシャの比率として検出する。
【0007】こうして検出されたモータのトルク定数と
イナーシャの比率は正確なものであるから、このトルク
定数とイナーシャの比率をオブザーバにおけるトルク指
令からモータの推定加速度に変換する係数として使用す
れば、正確に外乱トルクを推定することができる。さら
に、この推定外乱トルクが設定所定値を越える場合には
異常負荷として検出し速度指令を零としモータを停止さ
せる。
【0008】
【実施例】図1はモータにおけるトルク指令uからモー
タの出力である速度yまでのブロック線図である。モー
タにトルク指令uが入力されると、該トルク指令uにモ
ータのトルク定数Ktが乗じられた値と、外乱トルクT
dを加算した値を積分し、その積分値をイナーシャJで
除した値がモータの速度yとなる。そこで、所定サンプ
リング周期Ts毎のi周期におれるトルク指令をu
(i)、モータの実速度をy(i)、外乱トルクをTd
(i)とし、サンプリング周期Ts間に外乱トルクTd
及びトルク指令uは変化がないとすると、モータの速度
y(i)は次の1式で表すことができる。
【0009】 y(i) =y(i-1) +(Ts/J)・{Kt・u(i-1) +Td(i-1) } …(1) また、1つ前のサンプリング周期においては次の2式が
成り立つ y(i-1) =y(i-2) +(Ts/J)・{Kt・u(i-2) +Td(i-2) } …(2) 1式から2式を引くと、 y(i) −y(i-1) =y(i-1) −y(i-2) +(Ts/J)・[Kt{u(i-1) −u(i-2)}+Td(i-1) −Td(i-2) ] …(3) また、外乱トルクに変化がないとして、Td(i-1) =T
d(i-2) とすると、上記3式より、次の4式が成り立
つ。 y(i) =2・y(i-1) −y(i-2) +(Ts・Kt/J)・u'(i-1)…(4) ただし、u'(i-1)=u(i-1) −u(i-2) である。そこで
(Ts・Kt/J)=b* (i−1)とおき、上記4式
を次の5式のように書換える。
【0010】 y* (i) =2・y(i-1) −y(i-2) +b* (i−1)・u'(i-1) …(5) 上記5式においてb* (i−1)=(Ts・Kt/J)
は(トルク定数/イナーシャ)の比率を表しており、y
* (i) は、上記b* (i−1)を用いて推定されたモー
タの推定速度を意味する。
【0011】サンプリング周期iにおけるモータの実速
度y(i)と推定速度y* (i) との差である推定誤差e
(i)=y(i)−y* (i) を用いてサンプリング周期
iにおける上記推定される(トルク定数/イナーシャ)
の比率(以下推定比率という)b* (i)を推定する。
この場合、トルク指令uの変化u'(i)(=u(i) −u(i
-1) )が小さいときは、上記推定比率の変化(b
* (i)−b* (i−1))をほとんど「0」に近い小
さな値とし、トルク指令uの変化u'(i)が大きくなるに
つれて推定比率の変化も大きくなるようにし、かつトル
ク指令uの変化u'(i)がある設定値以上の大きさになる
と推定比率の変化も飽和させるようなアルゴリズムで推
定比率b* (i)を推定する。本実施例では、次の6式
によって推定する。
【0012】 b* (i)=b* (i−1)+β・u'(i)・e(i) /(1+βu'(i)2 ) …(6) 上記6式においてβは収束の速度を決めるパラメータで
ある。上記6式の処理を各サンプリング周期毎に実施す
れば、上記推定比率b* (i)は収束し一定な値とな
る。この収束した一定な値の推定比率b* を外乱トルク
を推定するオブザーバにおける指令トルクからモータの
推定加速度に変換する係数として利用すれば、正確な外
乱トルクの推定値を得ることができ、この外乱トルクの
推定値よりモータで駆動される送り機構等の不具合や、
機械の衝突等の異常負荷の検出を正確に検出することが
できる。
【0013】図1に示すモータにおけるトルク指令uか
らモータの出力である速度yまでのブロック線図をモデ
ルとして、状態変数をモータの実速度yと外乱トルクT
d を状態変数とすると状態方程式は次の7式のようにな
る。
【0014】
【数7】 なお、上記7式においてαは加速度、Td の上に1ドッ
トを付したものは、外乱トルクの変化度を意味するが、
短い時間では外乱トルクTd には変化がないとしてこの
値を0と仮定している。
【0015】7式で示す方程式より、オブザーバを組む
一般的な手法により、速度y,外乱Td を状態変数とし
てこれを推定する同一次元オブザーバを組むと図2に符
号50で示すオブザーバとなる。外乱推定オブザーバ5
0の項52,53のK1 ,K2 は外乱推定オブザーバの
パラメータであり、項51は実際にサーボモータに出力
されるトルク指令としての電流値uからモータの推定加
速度に変換する係数で、上記推定比率b* を用いる。5
4は積分項である。
【0016】この図2のブロック図をb* =Kt /Jと
して解析すると、 {u・Kt +Td } (1/J・S)=y …(8) {u・ (Kt /J) + (y−ya) K1 + (y−ya)(K2 /S)} (1/S) =ya …(9) (なお、yaは積分項54の出力で推定速度)第(8)
式より u=(y・J・S−Td )/Kt …(10) 第(9)式に第(10)式を代入し整理すると、 (y・J・S−Td )/J+(y−ya)K1 +(y−ya)(K2 /S)=ya・S …(11) S(y−ya)+(y−ya)・K1 +(y−ya)(K2 /S)=Td /J …(12) 第(12)式より
【0017】
【数13】 上記13式より項53の出力である積分値Td1は次の1
4式で示される。
【0018】
【数14】 14式において、パラメータK1 ,K2 を極が安定する
ように選択すると、Td1=Td /Jと近似することがで
きる。この算出された積分値Td1に推定比率b* の逆数
1/b* (=J/Kt )を乗ずれば、外乱トルクTd
(に比例する値)の推定値Td2を求めることができる。
【0019】以上のように、オブザーバにより推定外乱
トルクTd2を求める際には、トルク指令にトルク定数K
t とイナーシャJの推定比率b* からなる係数を乗じて
(項51)、モータの推定加速度を求める事項を含み、
さらに、項56でトルク定数Kt とイナーシャJの推定
比率の逆数1/b* を乗じて外乱トルクの推定値Td2を
求めるものであるから、外乱トルクの推定値Td2と実際
の外乱トルクTd との誤差を小さくするには、上記項5
1及び項56での係数は実際のトルク定数Ktとイナー
シャJの推定比率(Kt /J)及びその逆数(J/Kt
)に近い値であればある程正確な外乱トルクに対応す
る推定値を求めることができることを意味する。そし
て、本実施例では、この項51及び項56の係数を上記
6式の演算を行い収束したトルク定数Kt とイナーシャ
Jの推定比率b* とその逆数を用いるようにしたから、
正確な外乱トルクの推定値Td2を得ることができる。ま
た、得られた推定外乱トルクTd2の大きさから、負荷異
常を検出する場合でも、正確に外乱トルクを推定してい
るから、負荷異常を検出するためのしきい値は小さなも
のでよく負荷異常を精度よく検出できることを意味して
いる。
【0020】図3は本発明を適用する一実施例の工作機
械を駆動するサーボモータの駆動制御系のブロック図で
ある。1は工作機械を制御する制御装置としてのコンピ
ュタ内蔵の数値制御装置(CNC)、2は上記CNC1
とディジタルサーボ回路3のプロセッサ間の情報の伝達
を仲介する共有メモリで、CNC1が書き込んだ位置指
令等の各種データをディジタルサーボ回路3のプロセッ
サに受け渡し、ディジタルサーボ回路3のプロセッサが
書き込んだアラーム情報や本願発明に関係して推定比率
* 等をCNC1に引き渡す機能を行うものである。3
はディジタルシグナルプロセッサ等で構成されるディジ
タルサーボ回路で、プロセッサ,ROM,RAM等で構
成されている。このディジタルサーボ回路3は工作機械
の各軸のサーボモータの制御を行うもので、位置ループ
制御を比例(P)制御、速度ループ制御を比例積分(P
I)制御でサーボモータ制御処理を行うものである。4
はトランジスタインバータ等で構成されるサーボアンプ
で、5はサーボモータである。また、6はサーボモータ
5の位置,速度を検出する位置・速度検出器で、位置,
速度yはディジタルサーボ回路3にフィードバックされ
ている。なお、サーボアンプ4,サーボモータ5は1軸
のみを図示している。上記図3に示すサーボモータの制
御系は、従来のディジタルサーボ回路を使用するCNC
制御工作機械や、ロボットり制御例として公知なもので
あり、詳細な説明は省略する。
【0021】図4は、本実施例において、上記デジタル
サーボ回路3のプロセッサが実行する本発明のイナーシ
ャ推定処理に関するフローチャートであり、該プロセッ
サは所定周期毎(通常の速度ルーブ処理周期毎)図4に
示す処理を実行する。イナーシャ推定のための任意の移
動指令からなるプログラムをCNC1に実行させ、イナ
ーシャ推定処理指令をCNC1に入力すると、CNC1
は上記プログラムを実行し、共有メモリ2を介してディ
ジタルサーボ回路3のプロセッサに分配周期毎に移動指
令を出力し、ディジタルサーボ回路3のプロセッサはこ
の移動指令を受けて従来と同様に位置ループ処理を実行
し、速度指令を求める。そして、図4の処理を実行す
る。まず、レジスタに記憶する当該処理周期iより1周
期前に求められたトルク指令u(i−1)から2周期前
のトルク指令u(i−2)を減じてトルク指令uの変化
値u´を求める(ステップS1)。
【0022】次に、レジスタに記憶する1周期前に検出
したサーボモータの実速度y(i−1)を2倍した値か
ら2周期前に検出した実速度y(i−2)を減じた値
に、さらに、レジスタに記憶する前周期において求めた
推定比率b* (i−1)に上記ステップS1で求めたト
ルク指令の変化値u´を乗じた値を加算して速度推定値
* を求める。すなわち、上記5式の演算を行うことに
よって速度推定値y* を求める(ステップS2)。そし
て、位置ループ処理によって求められた速度指令と、位
置・速度検出器6で検出されたサーボモータ5の実速度
y(i)を取り込み、この速度指令と実速度y(i)に
基づいて従来と同様の速度ループ処理(PI制御等)を
実行しトルク指令u(i)を求め、該トルク指令u
(i)を電流ループに引き渡し、サーボモータを駆動制
御する。(ステップS3,S4)。次に、ステップS3
で取り込んだサーボモータの実速度y(i)からステッ
プS2で求めた速度推定値y* を減じて推定速度誤差e
(i)を算出し(ステップS5)、この推定速度誤差e
(i)とレジスタに記憶する前周期で求められた推定比
率b* (i−1)及びステップS1で求めたトルク指令
uの変化値u´より上記6式の演算を行って推定比率b
* (i)を求めレジスタに記憶すると共に、共有メモリ
2を介してCNC1に出力する。CNC1は表示指令を
受けてこの推定比率b* を表示装置に表示する。
【0023】上記ステップS1〜S6の処理を速度ルー
プ処理周期毎に実行し推定比率b*を順次求め更新して
ゆくと、該推定比率b* はある値に収束する。この収束
した値が求める(トルク定数/イナーシャ)の比率を意
味する。こうして推定比率b* が収束したならば、イナ
ーシャ推定処理終了指令を入力すると、この推定比率b
* はメモリ内に記憶され、後述するオブザーバに処理に
おける係数として利用される。また、この推定比率b*
は、速度ループのフィードバックゲインを決定すること
にも役立てる。
【0024】図5は、位置制御を行っている制御系にお
いて、加減速を100mmsecの周期で繰り返したと
きの上記推定比率b* の遷移を求めグラフ化した実験結
果であり、推定比率b* が僅かの時間内で、収束しある
一定値になっていることを示している。図6はこうして
求められた推定比率b* を利用して、ディジタルサーボ
回路3のプロセッサが位置,速度ループ処理周期毎、オ
ブザーバ処理により外乱トルクを推定し、負荷異常を検
出する本発明の一実施例における処理のフローチャート
である。
【0025】予め、オブザーバを構成するパラメータK
1 、K2 及び負荷異常検出のためのしきい値Ta をディ
ジタルサーボ回路3内に設定しておく。
【0026】ディジタルサーボ回路3のプロセッサ位置
・速度ループ処理周期毎に図6に示す処理を実行し、ま
ず、位置速度検出器6から送られてくるサーボモータの
実速度y(i) を読み取ると共に、速度ループ処理によっ
て求められたトルク指令u(i-1)を読む(ステップA
1,A2)。次に、ステップA1で読み取った実速度y
(i) からレジスタに記憶する前周期で推定した推定速度
ya(i-1)を減じた値にオブザーバの積分ゲインとしての
パラメータK2 及び速度ループ周期Ts を乗じた値を、
アキュムレータに記憶する前周期までの積分値Td1(i-
1) に加算し当該周期におけるオブザーバの積分値Td1
(i) を求める。すなわち、図2における項53の処理を
実行し積分値Td1を求めるものである(ステップA
3)。
【0027】次に、レジスタに記憶する前周期のトルク
指令u(i-1) に上記(トルク定数/イナーシャ)の推定
比率b* を乗じた値、ステップA3で求めた積分値Td1
(i)、さらに、ステップA1で読み込んだ当該周期の実
速度y(i) からレジスタに記憶する前周期で求めた推定
速度度ya(i-1)を減じた値に比例ゲインとしてのパラメ
ータK1 を加算し、この加算値に速度ループ周期Ts を
乗じた値を前周期で求めた推定速度ya(i-1)に加算し
て、当該周期の推定速度ya(i)を求める(ステップA
4)。すなわち、図2における項54によって推定速度
ya を求める処理を実行するものである。
【0028】さらに、ステップA3で求めた積分値Td1
(i) に上記(トルク定数/イナーシャ)の推定比率b*
の逆数を乗じて外乱トルクの推定値Td2(i) を求める
(ステップA5)。こうして求められた外乱トルクの推
定値Td2(i) の絶対値が設定しきい値Ta より大きいか
否か判断し(ステップA6)、大きいときは異常負荷と
して、速度指令を「0」とする(ステップA8)。ま
た、推定外乱トルクTd2(i) の絶対値がしきい値Ta 以
下ならば、異常負荷は起きていないとして速度指令を読
む(ステップA7)。そして、ステップA7,8で求め
られた速度指令に基づいて従来と同様の速度ループ処理
を実行し、トルク指令を求めて電流ループに引き渡す
(ステップA9)。
【0029】以上の処理を速度ループ処理周期毎に実行
することから、ステップA6で推定外乱トルクTd2(i)
の絶対値がしきい値Ta を越えた場合、速度指令が
「0」となり速度ループ処理が行われることから、速度
ループ処理によって得られるトルク指令はモータの回転
方向とは逆方向へのトルク指令となりモータは急速に停
止することになる。
【0030】図7及び図8は、本実施例による負荷異常
検出処理を行わない場合と行った場合におけるトルク指
令u、推定外乱トルクTd2、及び実速度yを測定した結
果のグラフである。負荷異常検出処理を行っていない場
合を示す図7では、衝突が起きた後トルク指令uが増大
したままであり、当然推定外乱トルクTd2も増大したま
まである。そして、実速度yも衝突後しばらくたって
「0」になっている。これに対して、本発明の負荷異常
検出処理を実行している場合に示す図8では、衝突が起
きたとき、トルク指令uが負になっている(逆向きのト
ルク指令が発生している)。これは、衝突が起き推定外
乱トルクTd2がしきい値を越えて速度指令が「0」にさ
れることによって生じたものであり、その結果、実速度
yも急速に「0」となり、かつ推定外乱トルクTd2に示
されるように、発生トルクも「0」となっている。この
図8からわかるように、本発明の負荷異常検出処理を実
行すれば、機械が他のものに衝突したときや、モータで
駆動される送り軸等の不具合で異常負荷が生じたときな
どを、直ちに検出できることができると共に、機械及び
機械が衝突したものに対し大きな力を加えることがない
ので、これらのものの破損を防止することができること
がわかる。
【0031】特に、モータが加速されるときや、減速さ
れるときにはトルク指令は増加するが、本発明において
は、トルク定数とイナーシャの比を正確に推定している
ために、加減速時のトルク指令の増大に影響されずに、
外乱トルクのみを正確に推定することができるから、異
常負荷を検出するためのしきい値Ts を小さな値とする
ことができるので、感度よく負荷異常を検出することが
できる。
【0032】なお、上記実施例では、推定比率b* を予
め求めるようにしたが、速度ループ処理毎に上述したよ
うに推定比率b* を求め、この求められた推定比率b*
に基づいて速度ループのゲイン等を自動的に修正した
り、オブザーバの上記係数を自動修正するようにしても
良い。なお、上記実施例ではサーボモータを駆動源とし
たときの例を説明したが、サーボモータ以外のモータを
駆動源としたときも同様に本発明は適用できるものであ
る。
【0033】
【発明の効果】本発明は、特別な手段を必要とせず、簡
単に(トルク定数/イナーシャ)の比率が求められるの
で、この比率によって決まる速度ループのゲインや速度
ループのフィードフォワードのゲインをせ適正な値に設
定することができる。さらに、このトルク定数とイナー
シャの推定比率を用いて外乱を推定するオブザーバの加
速度推定値等を正確に推定することができることから、
加減速時のトルクを除去した正確な外乱トルクのみを正
確に推定する。そのため、このオブザーバで異常負荷を
検出する場合も、異常負荷検出のためのしきい値を小さ
くすることができるので、モータで駆動される機械の送
り軸の不具合や、機械が他のものに衝突したとき等の異
常負荷を感度よく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】モータにおけるトルク指令uからモータの出力
である速度yまでのブロック線図である。
【図2】本発明の一実施例の異常負荷を検出するための
オブザーバのブロック図である。
【図3】本発明を実施する工作機械等のサーボモータ制
御系のブロック図である。
【図4】本発明の一実施例のトルク定数とイナーシャの
比率を推定する処理フローチャートである。
【図5】加減速を100mmsecの周期で繰り返した
ときにおける上記推定比率b*の遷移を示す図である。
【図6】本発明の一実施例の負荷異常検出処理のフロー
チャートである。
【図7】本発明の負荷異常検出処理を適用せずに衝突を
起こさせ、トルク指令、推定外乱トルク、実速度を実験
によって求めたときの実験結果の図である。
【図8】本発明の負荷異常検出処理を適用して衝突を起
こさせ、トルク指令、推定外乱トルク、実速度を実験に
よって求めたときの実験結果の図である。
【符号の説明】 1 制御装置 2 共有メモリ 3 ディジタルサーボ回路 4 サーボアンプ 5 サーボモータ 6 位置・速度検出器 50 オブザーバ u トルク指令 y モータ実速度 ya 推定速度 b* モータのトルク定数とイナーシャの推定比率

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 当該サンプリング周期の1周期前と2周
    期前のトルク指令の変化量と、1周期前と2周期前のモ
    ータの実速度、及び1周期前に求めたモータのトルク定
    数とイナーシャの推定比率よりモータの推定速度を求
    め、次に、モータの実速度と上記推定速度との差の推定
    速度誤差を求め、推定比率の変化量が、上記トルク指令
    の変化量が小さいときには小さく、トルク指令の変化量
    が所定値になるまでは該トルク指令の変化量に略比例し
    た値とし、上記所定値以上になると飽和させて一定値と
    なるように上記推定速度誤に基づいて上記推定比率を補
    正更新し、該推定比率が収束する値をもってトルク定数
    とイナーシャの比率として検出するイナーシャ推定方
    法。
  2. 【請求項2】 上記トルク指令の変化量をu´、上記推
    定速度誤差をe、前周期の推定比率をb* (i−1)、
    設定パラメータ値をβとすると、当該周期におけるトル
    ク定数とイナーシャの推定比率b* (i)を次の式によ
    って求める請求項1記載のイナーシャ推定方法。 b* (i)=b* (i−1)+β・u' ・e/(1+β
    u' 2
  3. 【請求項3】 モータの速度と外乱トルクを状態変数と
    するオブザーバを組み、該オブザーバで使用するトルク
    指令から推定加速度に変換する係数を請求項1または請
    求項2で求めたトルク定数とイナーシャの比率とし、該
    オブザーバにより外乱トルクを推定する外乱トルク推定
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項3で推定された外乱トルクが設定
    所定値より大きいとき異常負荷として速度指令を零とし
    てモータを停止させる異常負荷検出方法。
JP4309776A 1992-07-17 1992-10-26 イナーシャ、外乱トルクの推定及び異常負荷検出方法 Pending JPH0682346A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4309776A JPH0682346A (ja) 1992-07-17 1992-10-26 イナーシャ、外乱トルクの推定及び異常負荷検出方法
PCT/JP1993/000966 WO1994002988A1 (en) 1992-07-17 1993-07-13 Method for estimating inertia and disturbance torque, and method for detecting abnormal load
EP93914994A EP0604663A4 (en) 1992-07-17 1993-07-13 METHOD FOR ESTIMATING INERTIA AND INTERFERENCE TORQUE, AND METHOD FOR DETECTING AN UNUSUAL LOAD.

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21226692 1992-07-17
JP4-212266 1992-07-17
JP4309776A JPH0682346A (ja) 1992-07-17 1992-10-26 イナーシャ、外乱トルクの推定及び異常負荷検出方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0682346A true JPH0682346A (ja) 1994-03-22

Family

ID=26519111

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4309776A Pending JPH0682346A (ja) 1992-07-17 1992-10-26 イナーシャ、外乱トルクの推定及び異常負荷検出方法

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP0604663A4 (ja)
JP (1) JPH0682346A (ja)
WO (1) WO1994002988A1 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102009058443A1 (de) 2008-12-16 2010-11-25 Fanuc Ltd. Trägheitsschätzsteuerungseinrichtung und Steuerungssystem
JP2010271185A (ja) * 2009-05-21 2010-12-02 Mitsubishi Electric Corp 異常監視装置
CN104932420A (zh) * 2014-03-19 2015-09-23 发那科株式会社 产生异常负荷时能够保护加工面的电动机控制装置
WO2016189584A1 (ja) * 2015-05-22 2016-12-01 日産自動車株式会社 故障診断装置及び故障診断方法
DE102016124261A1 (de) 2015-12-18 2017-06-22 Fanuc Corporation Werkzeugmaschine
JP2019021079A (ja) * 2017-07-19 2019-02-07 株式会社明電舎 制御系設計方法及び試験システムの制御パラメータ決定方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ITMI20111868A1 (it) * 2011-10-13 2013-04-14 Gima Spa Procedimento per il controllo dell'interferenza e/o collisione d'organi meccanici e sistema connesso

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0817588B2 (ja) * 1988-06-27 1996-02-21 富士電機株式会社 電動機の瞬時回転速度検出方法
JP2663526B2 (ja) * 1988-06-28 1997-10-15 三菱マテリアル株式会社 アクチュエータの制御装置
JPH0230487A (ja) * 1988-07-18 1990-01-31 Matsushita Electric Ind Co Ltd 産業用ロボットの制御装置
JP2569152B2 (ja) * 1988-10-17 1997-01-08 ファナック株式会社 サーボ制御方法
JPH02123984A (ja) * 1988-10-31 1990-05-11 Fanuc Ltd サーボ制御における状態観測方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7902780B2 (en) 2008-12-16 2011-03-08 Fanuc Ltd Inertia estimating controller and control system
DE102009058443B4 (de) * 2008-12-16 2013-08-08 Fanuc Corporation Trägheitsschätzsteuerungseinrichtung und Steuerungssystem
DE102009058443A1 (de) 2008-12-16 2010-11-25 Fanuc Ltd. Trägheitsschätzsteuerungseinrichtung und Steuerungssystem
JP2010271185A (ja) * 2009-05-21 2010-12-02 Mitsubishi Electric Corp 異常監視装置
CN104932420A (zh) * 2014-03-19 2015-09-23 发那科株式会社 产生异常负荷时能够保护加工面的电动机控制装置
US10095212B2 (en) 2014-03-19 2018-10-09 Fanuc Corporation Motor control apparatus capable of protecting process face at the time of occurrence of abnormal load
US10766151B2 (en) 2015-05-22 2020-09-08 Nissan Motor Co., Ltd. Failure diagnosis device and failure diagnosis method
WO2016189584A1 (ja) * 2015-05-22 2016-12-01 日産自動車株式会社 故障診断装置及び故障診断方法
JPWO2016189584A1 (ja) * 2015-05-22 2018-03-15 日産自動車株式会社 故障診断装置及び故障診断方法
DE102016124261A1 (de) 2015-12-18 2017-06-22 Fanuc Corporation Werkzeugmaschine
US10208522B2 (en) 2015-12-18 2019-02-19 Fanuc Corporation Machine tool
DE102016124261B4 (de) 2015-12-18 2020-06-25 Fanuc Corporation Werkzeugmaschine
JP2019021079A (ja) * 2017-07-19 2019-02-07 株式会社明電舎 制御系設計方法及び試験システムの制御パラメータ決定方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO1994002988A1 (en) 1994-02-03
EP0604663A4 (en) 1995-07-12
EP0604663A1 (en) 1994-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2732159B2 (ja) 異常負荷検出方法
US5719479A (en) Collision detecting method
US8872463B2 (en) Electric motor controller comprising function for simultaneously estimating inertia, friction, and spring
US20090200978A1 (en) Robot controller having component protecting function and robot control method
US6809493B2 (en) Servo controller
US6057661A (en) Method of detecting an abnormal load on a servomotor and controlling the same in such an abnormal condition
EP0380707A1 (en) Impingement detection/driving stop method in machine driven by servo motor
JP3367641B2 (ja) ロボットの制御装置
JP4453526B2 (ja) サーボ制御装置
JP3545487B2 (ja) モータで駆動する機械系のイナーシャおよび摩擦トルクの推定方法
US5091683A (en) Servo control apparatus
JPH1170490A (ja) 産業用ロボットの衝突検出方法
JPH0682346A (ja) イナーシャ、外乱トルクの推定及び異常負荷検出方法
JP3481004B2 (ja) 外乱オブザーバを使用したバックラッシュ補正方法
JPH06339292A (ja) 外乱負荷推定による力制御方法
US5055754A (en) Apparatus for detecting an excessive position error in a servo system
JPH08140386A (ja) サーボモータのイナーシャ推定方法
EP0583478B1 (en) Method for controlling servomotor
JP2749724B2 (ja) 推定外乱による衝突検出方法
JPH06131050A (ja) サーボモータで駆動される可動部の衝突検出方法
JP3171860B2 (ja) サーボ制御システム
JPS6337597B2 (ja)
JPH02307384A (ja) 電動機の速度制御装置
JPH04276802A (ja) サーボモータの制御方法
JPH0356084A (ja) 減速器付きモータにより被駆動体に加わる実トルク測定方法及び位置と力のハイブリット制御方法