JPH0423556Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は冷蔵庫等の貯蔵庫に供され、臭気成分
を含んでいる空気中の酸素をオゾンに変化させる
ことにより脱臭を行うようにした脱臭装置に関す
るものである。

（従来技術） 従来、例えば冷蔵庫では、貯蔵食品から発生さ
れた臭気は、庫内に置かれた活性炭によりその吸
着性を利用して除去されていた。しかし、上記の
手段では、活性炭の吸着量が飽和状態に達すれば
そのつど活性炭を交換しなければならない。ま
た、活性炭が上記飽和状態に達しているか否かの
判断が難しく、短期間毎の交換が必要である等の
欠点を有していた。

そこで、これらの欠点を改善するものとして、
臭気成分を含んでいる空気中の酸素を無声放電に
よりオゾンに変化させ、このオゾンと上記の空気
とを触媒表面で反応させて臭気を消滅させる脱臭
装置が先に提案されている。

以下第２図に基づいて説明すると、１はケー
ス、２は空気流入孔、３は空気排出孔、４は高圧
発生装置、５は高圧電極６と低圧電極７とから成
るオゾン発生器、８はハニカム状脱臭触媒、９は
電動送風機であり、該電動送風機９及び高圧発生
装置４に通電すると、空気流入孔２より悪臭成分
を含有する空気がケース１内へ流入し、オゾン発
生器５により発生したオゾンと共に脱臭触媒８を
通過する。ここで、悪臭成分はオゾンで活性化さ
れた脱臭触媒８により酸化分解されると同時に余
剰のオゾンも酸素（20₃→30₂）に分解される。そ
して空気排出孔３よりケース１外へ送出されるよ
うになつている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記構造のものに於いては、空気流入孔２側か
ら順次、高圧発生装置４、オゾン発生器５、脱臭
触媒８、電動送風機９、空気排出孔３を配置する
構造のものであるから、電動送風機９のみがロツ
クあるいは断線等により、送風が停止された場合
にはオゾン発生器５からのオゾンが空気流入孔２
より吐出されて非常に危険であるという欠点が有
つた。

そこで、この欠点の改善策として、空気流入孔
とオゾン発生器５の間に保護用として脱臭触媒を
追加すると、電動送風機９のみが何等かの異常に
より、送風が停止された場合でもオゾン発生器５
からのオゾンは空気流入孔２を通過する前に保護
用脱臭触媒を通過する為、すべて酸素に分解され
安全性が確保できるが、脱臭触媒が２個必要であ
るという欠点があつた。

本考案は上述項に鑑みてなされたもので、２種
類の機能を持つた脱臭触媒２個を、１個の脱臭触
媒で２種類の機能を持たせるような構造にするこ
とで電動送風機の異常停止時の不都合を解消せし
めんとしたものである。

（目的） 本考案は第１図に示すように空気流入孔と空気
排出孔との空気流通路中のオゾン発生器の前後に
設置される脱臭触媒を１個で、オゾン及び臭気成
分の分解用と電動送風器停止時の保護用に共用化
できるような構造とすることで、構成の簡略化と
安全性の向上を計らしめんとしたものである。

（実施例） 本考案の脱臭装置の一実施例を第１図に基づい
て以下に説明する。

第１図に示す冷蔵庫内に設けられた脱臭装置の
ケース１０には、臭気を含んだ空気を取り入れる
空気流入孔１１及び空気排出孔１２が設けられて
居り、これら空気流入孔１１と空気排出孔１２と
の間にはその上流側即ち空気流入孔１１側から順
次、ハニカム状の脱臭触媒１３の一部、高圧発生
装置１４、オゾン発生器１５及びハニカム状の脱
臭触媒１３の残りの部分、電動送風機１６が設け
られている。また、ケース１０の内部には脱臭触
媒１３を分割するための仕切板１７が設けられて
いる。上記オゾン発生器１５は高圧電極１８と低
圧電極１９とから構成されて居り、高圧発生装置
１４から供給される高電圧パルスにより、これら
高圧電極１８と低圧電極１９との間で無声放電を
生じさせ、オゾンを発生させるものである。又、
脱臭触媒１３は悪臭成分を吸着又は分解し、更に
余剰のオゾンも分解する作用を有している。具体
的にはチタニア、シリカを基材としその表面に二
酸化マンガンを塗布している。

従つて、本脱臭装置を運転すると、電動送風機
１６が回転し、空気流入孔１１から臭気を含んだ
空気が庫内より、ケース１０内に取り込まれる。
一方、オゾン発生器１５では高圧電極１８と低圧
電極１９との間で無声放電が行なわれ、オゾンが
生成される。

そして、上記ケース１０内に取り込まれた空気
は電動送風機１６により空気排出孔１２側へと送
られるが、この時、オゾン発生器１５と電動送風
機１６との間にある部分の脱臭触媒１３はオゾン
によつて活性化されて居り、空気中の悪臭成分は
上記脱臭触媒１３に触れることでオゾンによる酸
化作用が促進され、無臭の成分に酸化、分解され
る。又、余剰のオゾンも脱臭触媒１３を通過する
時に分解されて酸素に戻る。

次に本考案脱臭装置の特徴について説明する。
電動送風機１６が正常に動作している場合には上
記した如くオゾン発生器１５からのオゾンは脱臭
触媒１３を通過し分解されるので冷蔵庫内へのオ
ゾンの流出はないが、上記電動送風機１６が何等
かの原因によつて送風を停止すると従来の方式で
は空気流入孔１１よりオゾンが逆流して庫内にオ
ゾンが流出する。そこで、この欠点の改善策とし
て空気流入孔１１とオゾン発生器１５の間に保護
用として脱臭触媒を追加することによりオゾンの
逆流は防止できる。然し、脱臭触媒が２個必要と
なるため、部品点数が増え、コストアツプとなつ
た。本考案脱臭装置では、１個の脱臭触媒１３で
オゾン及び臭気成分分解用とフアン停止時の保護
用の両方の機能を持たせるような構造にしている
ため、少ない部品点数で構成することができ、且
つ、電動送風機１６のみが異常停止した場合でも
空気流入孔１１からのオゾンの流出は防止でき
る。

（効果） 本考案は、以上の如く構成されるものであるか
ら少ない部品点数で構成できる他、電動送風機が
異常停止した時のオゾンの流出を防止することが
でき、安価で且つ安全性の高い脱臭装置を提供す
ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案脱臭装置の構成概略図、第２図
は従来脱臭装置構成概略図を示す。 １０……ケース、１１……空気流入孔、１２…
…空気排出孔、１３……脱臭触媒、１４……高圧
発生装置、１５……オゾン発生器、１６……電動
送風機、１７……仕切板、１８……高圧電極、１
９……低圧電極。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 空気流入孔及び空気排出孔を形成したケース
   と、該空気流入孔と空気排出孔との空気流通路中
   に設置されるオゾン発生器と、臭気成分を吸着又
   は酸化分解し且つ残留オゾンを分解する脱臭触媒
   と、空気を強制送風する電動送風機とを備えた脱
   臭装置に於いて、上記空気流入孔と空気排出孔と
   を、脱臭触媒の片面側に位置して且つ夫々が独立
   した通路をなすように形成すると共に、該脱臭触
   媒の他面側には上記空気流入孔及び空気排出孔に
   対向するように、仕切板によつてケース内を２分
   した空気流通路の夫々一端を対向せしめ、この空
   気流通路中に上記オゾン発生器を配置し、上記１
   個の脱臭触媒で、オゾン及び臭気成分の分解用と
   電動送風機停止時の保護用の２つの機能を持たせ
   た事を特徴としてなる脱臭装置。