JPH04235271A - 高温耐食部材およびその製造方法 - Google Patents

高温耐食部材およびその製造方法

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JPH04235271A
JPH04235271A JP13425891A JP13425891A JPH04235271A JP H04235271 A JPH04235271 A JP H04235271A JP 13425891 A JP13425891 A JP 13425891A JP 13425891 A JP13425891 A JP 13425891A JP H04235271 A JPH04235271 A JP H04235271A
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alloy
layer
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Shinichiro Yahagi
慎一郎 矢萩
Hiroshi Yamada
廣志 山田
Fumio Iwane
文男 岩根
Kikuichi Funao
船尾 菊一
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Daido Steel Co Ltd
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Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温において腐食性の
環境で使用するのに適した耐食部材、代表的にはヒータ
ー材や自動車排ガス処理の触媒担体用ハニカム材と、そ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高温で使用する各種の金属部材に関して
、耐食性の向上に対する要求が強くなっている。  ヒ
ーター材に例をとると、鉄−クロム合金のうち20Cr
−5Al−Fe合金FCH1は比較的耐食性が高いが、
CrおよびAlの含有量がこれよりも低い「FCH51
」(大同特殊鋼(株)の製品記号)すなわち15Cr−
3Al−Fe合金は、高温耐食性がやや劣る反面、廉価
で加工性がすぐれているから、ヒーター材としての用途
は広い。  従って、高温での耐酸化性、耐食性にすぐ
れ、かつ加工性の良好な、ヒーター材等に適した材料の
出現が強く要望されていた。
【0003】発明者らは、この要求にこたえることを企
て、たとえばFCH51合金製のヒーターに、まずAl
2O3などの耐熱耐食性材料をコーティングして保護層
とすることを試みたが、熱膨脹率の差のため、加熱−冷
却を繰り返すとコーティングが剥離してしまい、実用的
な対策とはいえないことがわかった。
【0004】次に、Al2O3を蒸着させて保護層を形
成したところ、耐久性においては改善をみたが、蒸着は
能率が低くてコストが高いから、普及困難との結論に至
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、Ni
またはNiが20%以上を占める合金を基材とし、高温
で使用する部材であって、表面に強固に接合したAl2
O3保護層を有し、耐食性とくに耐高温酸化性および耐
塩水性が高められたものを提供すること、およびそのよ
うな部材を低いコストで製造する方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の高温耐食部材は、図2および図4に例示するよう
に、NiまたはNiが20%以上を占める合金の基材(
1)の表面に、内側から外側に向って、金属間化合物N
i3AlおよびNiAlの混在した層(3)、およびA
l2O3の被覆層(4)を形成してなる。
【0007】基材は、純Ni金属のほか、Niが20%
以上を占める合金であり、後者には種々のNi基合金や
Fe基合金が含まれる。  それらの例を挙げると、つ
ぎのとおりである: イ)  Cr:14.0〜23.5%、C:0.15%
以下およびMn:2.5%以下を含有し、残部がNiで
あるNi−Cr合金 ロ)  B:0.08〜0.18%、Re:1〜3%、
Fe:5〜20%およびMn:5〜20%の1種または
2種以上を含有し、残部がNiであるNi基合金ハ) 
 Ni:20〜72%およびCr:14〜35%を含有
し、残部がFeであるFe−Ni−Cr合金ニ)  A
l:1〜6%を含有し、残部がNiであるNi−Al合
金 ホ)  Al:1〜6%およびBe:0.2〜3.0%
を含有し、残部がNiであるNi−Al−Be合金。
【0008】基材とするNiまたはNiが20%以上を
占める合金には、さらにB,Si,Mg,Cu,Ca,
Mn,Y,Ti,Co,W,V,Zr,Ta,Nb,S
cおよびREMからえらんだ1種または2種以上の成分
を添加して、合金の諸特性の改善を行なったり、Alと
その成分との間で金属間化合物の生成をはかることがで
きる。
【0009】前記した高温耐食部材を製造する本発明の
方法は、基本的には、図1および図2、ならびに図3お
よび図4に示すように、NiまたはNiが20%以上を
占める合金の基材(1)の表面をAlまたはAl合金(
2)で被覆し、得られた被覆材に対して真空または不活
性ガス中の焼鈍および酸化性雰囲気中での加熱を行なっ
て、基材の上にNi3AlおよびNiAlの混在する層
(5)を形成するとともに、表面にAl2O3を生成さ
せて被覆層(6)を形成することからなる。
【0010】使用する基材がシート状体である場合は、
AlまたはAl合金の被覆をクラッド圧延により行なう
とよい。  クラッド圧延するAlまたはAl合金の箔
の厚さは0.005〜0.5mm、圧延後の厚さは0.
001〜0.2mmが適当である。
【0011】一方、基材がワイヤ状体である場合は、A
lまたはAl合金の被覆を、基材のワイヤを被覆材のチ
ューブ内に挿入して伸線加工または押出加工することに
よって行なうことができる。  代表的な例では、基材
のワイヤ径が10mm内外で、これを被覆するAlまた
はAl合金のチューブの厚さは、シート状体をつくる場
合と同様に0.1〜1.0mmでよく、これらに対し減
面率30〜50%の引抜きを数パス行なう伸線加工によ
り、径0.5〜3mmのクラッド材を得る。
【0012】そのほかに可能なAlまたはAl合金の被
覆手段は、基材を溶融したAlまたはAl合金中へ浸漬
すること、基材表面へAlまたはAl合金を溶射するこ
と、プラズマパウダーウエルディング、化学メッキある
いは蒸着である。
【0013】被覆をAl合金を用いて行なう場合は、A
lにB,Si,Mg,Cu,Ca,Mn,Y,Ti,C
o,W,V,Zr,Ta,Nb,ScおよびREMから
えらんだ1種または2種以上の成分を添加してなる合金
を使用し、それによって添加金属の作用に応じた特性改
善の利益を得ることができる。
【0014】真空または不活性ガス中の焼鈍は、400
〜900℃、好ましくは400〜600℃の温度に1〜
10時間加熱することにより行なえる。  次の酸化性
雰囲気中の加熱は、たとえば大気中で400〜1000
℃の温度に1〜36時間加熱することによって実施すれ
ばよい。
【0015】本発明の高温耐食部材の製造方法の別の態
様は、板材の場合に例をとると、図6に示すように、基
材(1)のシ−ト材の表面に、内側から外側に向って、
第一のAl箔(2)、NiまたはNi合金の箔(3)お
よび第二のAl箔(4)を重ね、圧延によりクラッドし
てクラッド材とし、このクラッド材を真空焼鈍ののち酸
化性雰囲気中で加熱して、図7に示すように、基材(1
)上に金属間化合物Ni3AlおよびNiAlの混在す
る層(5)を形成するとともに、表面にAl2O3を生
成させ被覆層(6)とすることからなる。
【0016】第一のAl箔(2)、Ni箔(3)および
第二のAl箔(4)は、基材へのクラッドに先立って、
合せ板としておくと好都合である。  この場合、合せ
板は厚さが0.1〜1.0mm、その中のAl部分の厚
さは、両側合計して0.005〜0.5mmが適当であ
る。  もちろん、上記三層を個々に重ねてクラッドし
てもよいし、三層のうち任意の二層を先に合せ板にして
おいて残りの一層とともにクラッドしたり、第一のAl
箔を基材に先にクラッドしておいたり、クラッドの順序
は任意である。
【0017】なお、ワイヤ状体としては図4のような円
形断面のものに限らず、正方形や長方形そのほかの断面
形状のものも製造可能である。  たとえば図5に示す
ような断面形状のクラッド材を孔型ロールやダイスを用
いた圧延によって得、さらにロール圧延してシート状体
に近い形状の成品とすることもできる。  この種のワ
イヤ状製品は、基材の両側縁も被覆されているから、耐
食性がいっそう高い。
【0018】
【作用】基材(1)である、NiまたはNiが20%以
上を占める合金のシートまたはワイヤと、その上にクラ
ッドなどの手段で被覆された、AlまたはAl合金の層
(2)との間は、真空焼鈍の過程で相互の拡散により密
着し、続く酸化性雰囲気中での加熱により拡散がさらに
進行する。  その結果、深さ方向のそれぞれの位置に
おいて、NiおよびAl成分の多少に応じ、Ni3Al
またはNiAlが生成する。  被覆されたAl層が厚
い場合には、それら生成物の濃度に勾配が生じるが、層
が薄く、かつ熱処理が十分に行なわれた場合には、クラ
ッド層内の濃度勾配はほとんど消滅し、ほぼ一様にNi
3AlとNiAlとが混在した層が形成される。
【0019】基材とするNiまたは合金の中にAlと金
属間化合物を生成する性質をもった前記の合金成分、す
なわちB,Si,Mg,Cu,Ca,Mn,Y,Ti,
Co,W,V,Zr,Ta,Nb,Sc,REMの1種
または2種以上が存在する場合、およびクラッドされた
Al合金中にこれらの成分が存在する場合には、Ni−
Al系金属間化合物に加えて、これらとAlとの間の金
属間化合物も生成する。
【0020】上記いずれの場合も、表面に存在するAl
は酸化性雰囲気中での加熱により酸化されて緻密なAl
2O3となる。  また、Al2O3のウイスカーの形
で成長して被覆層を形成することもある。  Al2O
3が生成する一方で、基材のNiまたはNiが20%以
上を占める合金中にもAlが拡散して、拡散界面におい
てよく接合し、さらに一部は酸化を受けてAl2O3に
変化する。  その結果、Al2O3の被覆層は、その
基部を基材金属中にアンカーリングした状態で存在し、
基材を強固に被覆して保護する。
【0021】このようにしてAl2O3は基材金属の表
面でからみ合うように成長し、これを密に被覆する。 
 これは緻密なAl2O3酸化層ではあるが、部分によ
ってはミクロな孔が存在することは避け難い。  塩水
など腐食性の薬液は、こうした小孔から侵入して基材金
属をアタックすることもあるが、本発明ではNi−Al
系の金属酸化物により耐食性は大幅に改善される。
【0022】基材(1)をAl−Ni(またはNi合金
)−Alで被覆する態様においては、基材と、その上を
被覆した第一のAl層(2)とNi層(3)との間、お
よびNi層(3)と第二のAl層(4)との間は、上述
のように真空焼鈍の過程で相互の拡散により密着し、続
く酸化性雰囲気中での加熱により拡散がさらに進行する
。  その結果、深さ方向のそれぞれの位置においてN
iおよびAl成分の多少に応じ、Ni3AlとNiAl
とが混在した層が形成される。
【0023】基材のNiが20%以上を占める合金とし
て、特定量のB,FeおよびMn,Reの1種または2
種以上を添加したものを使用した場合には、得られる高
温耐食性部材の加工性がすぐれているから、Al2O3
被覆層の形成前はもちろん、後も加工することが容易で
ある。
【0024】
【実施例】[実施例1]表1に記載のNi−Cr合金ま
たは純Niの、厚さ0.2mm、幅50mmの薄板の両
面に、厚さ0.15mmのアルミ箔を圧延によりクラッ
ドした。
【0025】                          
         表1   No.       C
        Mn      Cr       
       その他               
  1    0.15%以下    2.0%   
 20.0%   2    0.10%以下    
0.5%    22.5%   Al:0.40%以
下、Ti:0.40%以下、            
                         
    Nb+Ta:3.15〜4.15%   3 
   0.05%以下    0.9%    21.
5%   Al:0.20%以下、Ti:0.90% 
  4        −         −   
     −     (純Ni)   さらに圧延を行なって、全体の厚さが0.1mmで
両面のAl層の厚さがそれぞれ0.04mmであるクラ
ッド材を用意した。
【0026】これらの試料について、塩水噴霧試験を行
なって高温耐食性を調べた。  この試験は、試料を8
00℃に加熱した状態でそれに一定の張力を加えておき
、5%NaCl溶液を2分間に1回噴霧して、試料の破
断に至るまでの塩水噴霧回数を記録するものである。 
 結果を、図8に示す。
【0027】[実施例2]Al箔の厚さが0.008m
m(片側0.004mmずつ)で全体の厚さが0.1m
mのAl/Ni/Al三層合せ板を用意した。  この
合せ板をNiの薄板の両面に圧延し、厚さ0.05mm
のクラッド材とした(No.5)。  各面において、
Alの厚さは(第一、第二とも)0.002mm、Ni
層の厚さは0.05mmである。  これを、幅6mm
×長さ200mmのリボンにスリットし、真空中で60
0℃×60分間の加熱を行った。
【0028】別に、同じNi薄板の両面にAl箔をクラ
ッドし、厚さ0.002mmのAl層を設けたのち上記
と同じ熱処理を施したもの(No.7)、およびNi薄
板の一方の面には上記Al/Ni/Al三層合せ板をク
ラッドしたが他方の面にはAl箔だけをクラッドし、上
記と同じ熱処理を施したもの(No.6)を用意した。
【0029】これらの試料No.5〜7について、塩水
噴霧試験を行なって高温耐食性を調べた。  その結果
を図9に示す。  図のデータは、Ni薄板に単にAl
箔をクラッドして熱処理したものよりも、Al/Ni/
Alの合せ板をクラッドしたものの方が、さらに高い耐
食性を発揮することを示している。
【0030】[実施例3]表2の組成に加えて、B,F
eまたはMn,Reを種々の量添加しNiまたはNi−
Cr合金を、厚さ0.2mm、幅50mmのシ−トに圧
延し、基材として用いた。
【0031】                          
         表2   No.      Cr
        Mo       Ni      
         その他             
  8        20%        −  
       残      Si:1.13%   
9      22.5%       9%    
    残      Co:1.0%以下、Al:0
.4%以下、                   
                         
Ti:0.4%以下、               
                         
    Nb+Ta:3.15〜4.15%   10
      21.5%      3.0%    
    残      Cu:2.5%,Al:0.2
%以下、                     
                       Ti
:0.9%,Sc:3.0%以下   11     
   −          −      99%以
上この両面に厚さ0.015mmのアルミ箔をクラッド
圧延し、最終的にはクラッド材の厚さ0.1mm、Al
層の厚さ0.004mmとした。
【0032】このクラッド材を、600℃に30分以上
保つ真空焼鈍を行なってNi−Al金属間化合物を形成
し、次に大気中で約800℃に3時間ほど加熱して、表
面にAl2O3の層を形成した。
【0033】得られたAl2O3被覆高温耐食部材のう
ちNo.8を基材とするものについて、折曲げ試験およ
び伸びの測定をした。  折曲げ試験は、90°の曲げ
変形を加えてこれを元に戻し、再び90°に曲げるとい
う操作を繰り返し、破断に至るまでの曲げ回数を記録し
たものである。  結果を、図10〜12に示す。  
図中の各点は、各組成ごとの、サンプル5個についての
折り曲げ試験の結果の平均値である。
【0034】[実施例4]NCH2合金(Ni:58%
、Cr:16%、残部Fe)の厚さ0.4mmの薄板の
両面に、厚さが0.1mmのAl箔を重ねて圧延し、厚
さ0.05mmのクラッド材とした。  表裏両面にお
いて、Al層の厚さはそれぞれ0.004mmである。
【0035】これを幅6mm×200mmのリボンにス
リットし、真空中で600℃×60分間の加熱を行った
(No.12)。  比較のため、同じ寸法のNCH2
合金のリボンを用意した(No.13)。
【0036】これらの試料について、塩水滴下試験を行
なって高温耐食性をしらべた。  この試験は、塩水噴
霧試験と同様に、試料を800℃に加熱した状態でそれ
に一定の張力を加えておき、5%NaCl溶液0.5c
cを2分間に1回滴下して、試料の破断に至るまでの塩
水滴下回数を記録するものである。  結果を、図13
に示す。
【0037】[実施例5]Niに対して、Alを2%、
4%、6%、または8%添加したNi−Al合金で、厚
さ0.2mmの薄板を用意した。  この基材の両側に
、厚さ0.015mmのAl箔を重ねて圧延し、全体の
厚さが0.05mm、Al層の厚さが0.002mmの
クラッド材とした。
【0038】このクラッド材に対し、真空中600℃×
2分間の焼鈍に続いて大気中600℃×1時間の加熱を
行なって、表面にAl2O3の被覆層を形成させた。
【0039】得られた高温耐食部材(No.14,15
,16,17)に対して、実施例4と同じ条件の塩水滴
下試験を行なった。  結果は図14のとおりであって
、Al添加量の増大につれて耐食性が向上し、やがてそ
の効果が飽和していくことがわかった。
【0040】次に、上で用意したNi−Al合金の薄板
のうち、Alが6%のものを基材とした高温耐食部材(
No.16)を対象に、大気中で1100℃に加熱する
酸化増量試験を行なった。  結果を、Niの同じ厚さ
の板(No.18)と比較して、図15に示す。  本
発明に従ったものは、長時間の加熱後もほとんど増量が
なく、高い耐酸化性をもつことがわかる。
【0041】[実施例6]Ni−6%Al−2%Beの
組成をもつ合金の薄板を基材として、実施例5と同様の
操作で、本発明の高温耐食部材(No.19)を製造し
た。
【0042】この高温耐食部材の表面の、Al2O3被
覆層の下にある金属間化合物の層について、その硬さを
測定した。  表面からの深さが12μm程度までの硬
さHVを、図16に示す。  この図から、5μmより
浅い部分の硬さの増大が読みとれ、耐摩耗性の向上機構
が理解できる。
【0043】
【発明の効果】本発明の高温耐食性部材は、Niまたは
Niが20%以上を占める合金の基材の表面にAl2O
3の強固な被覆層を設けてこれを保護することによって
、耐高温酸化性および耐塩水性で代表される耐食性を向
上させたものである。  従ってこの部材は、代表的な
用途であるヒーター材をはじめとして、工業装置や家庭
用電器製品などの分野で、広い用途が期待できる。
【0044】本発明の製造方法は、このような高温耐食
性部材を、クラッドをはじめとする実施容易な方法によ
りAl層を設けて、Al2O3に変化させるという手法
で製造することを可能にした。  これにより、広い範
囲から任意にえらべる厚さをもったAl2O3被覆層、
しかも部材中に基部をアンカーリングした形で有し、強
固に接合している被覆層で保護された耐食性部材が得ら
れる。
【0045】基材金属中またはAl合金層中にAlと金
属間化合物を生成する合金成分を添加した態様において
は、それら合金成分のもつ作用に応じた製品特性の改善
、たとえば基材と金属間化合物および金属間化合物とA
l2O3被覆層との密着性の向上、B,MnとAlとの
金属間化合物の延性向上がもたらす加工容易化、あるい
はBe添加による硬化や電気抵抗の上昇などの利益を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】  本発明の高温耐食部材がシート状体である
場合の製造工程を説明するための、材料の断面図。
【図2】  図1に示した製造工程により製造された高
温耐食部材の構造を示す、概念的な断面図。
【図3】  本発明の高温耐食部材がワイヤ状体である
場合の製造工程を説明するための、図1に対応する材料
の断面図。
【図4】  図3に示した製造工程により製造された高
温耐食部材の構造を示す、図2に対応する概念的な断面
図。
【図5】  図4と別の態様のワイヤ状体の構造を示す
、図4と同様な概念的な断面図。
【図6】  本発明の高温耐食部材がシート状体である
場合の、図1と別の態様の製造工程を説明するための、
図1と同様な断面図。
【図7】  図6に示した製造工程により製造された高
温耐食部材の構造を示す、図2に対応する概念的な断面
図。
【図8】  本発明の実施例1のデータであって、高温
耐食部材の塩水噴霧試験の結果を示すグラフ。
【図9】  本発明の実施例2のデータであって、図8
と同じく、高温耐食部材の塩水噴霧試験の結果を示すグ
ラフ。
【図10】  本発明の実施例3のデータであって、高
温耐食部材の伸びと折曲げ試験の結果を、基材へのBの
添加量との関係において示すグラフ。
【図11】  本発明の実施例3のデータであって、高
温耐食部材の伸びと折曲げ試験の結果を、基材へのFe
またはMnの添加量との関係において示すグラフ。
【図12】  本発明の実施例3のデータであって、高
温耐食部材の伸びと折曲げ試験の結果を、基材へのRe
の添加量との関係において示したグラフ。
【図13】  本発明の実施例4のデータであって、高
温耐食部材の塩水滴下試験の結果を示すグラフ。
【図14】  本発明の実施例5のデータであって、高
温耐食部材の塩水滴下試験の結果を示すグラフ。
【図15】  本発明の実施例5のデータであって、大
気中1100℃における酸化増量を示すグラフ。
【図16】  本発明の実施例6のデータであって、高
温耐食部材の表面近くの硬さを示すグラフ。
【符号の説明】
1        基材 2,4    AlまたはAl合金 3        NiまたはNi合金5      
  Ni3AlとNiAlとの混在層6       
 Al2O3被覆層

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  NiまたはNiが20%以上を占める
    合金の基材の表面に、内側から外側に向って、金属間化
    合物Ni3AlおよびNiAlの混在した層、およびA
    l2O3の被覆層を形成してなる高温耐食部材。
  2. 【請求項2】  Niが20%以上を占める合金として
    、Cr:14.0〜23.5%、C:0.15%以下お
    よびMn:2.5%以下を含有し、残部がNiであるN
    i−Cr合金を使用した請求項1の高温耐食部材。
  3. 【請求項3】  Niが20%以上を占める合金として
    、B:0.08〜0.18%、Re:1〜3%、Fe:
    5〜20%およびMn:5〜20%の1種または2種以
    上を含有し、残部がNiであるNi基合金を使用した請
    求項1の高温耐食部材。
  4. 【請求項4】  Niが20%以上を占める合金として
    、Ni:20〜72%、Cr:14〜35%を含有し、
    残部がFeであるFe−Ni−Cr合金を使用した請求
    項1の高温耐食部材。
  5. 【請求項5】  Niが20%以上を占める合金として
    、Al:1〜6%を含有し、残部がNiであるNi−A
    l合金を使用した請求項1の高温耐食部材。
  6. 【請求項6】  Niが20%以上を占める合金として
    、Al:1〜6%およびBe:0.2〜3.0%を含有
    し、残部がNiであるNi−Al−Be合金を使用した
    請求項1の高温耐食部材。
  7. 【請求項7】  Niが20%以上を占める合金として
    、Niに対して、または請求項2ないし6に記載の合金
    に対して、B,Si,Mg,Cu,Ca,Mn,Y,T
    i,Co,W,V,Zr,Ta,Nb,ScおよびRE
    Mからえらんだ1種または2種以上の成分をさらに添加
    したものを使用した請求項1の高温耐食部材。
  8. 【請求項8】  NiまたはNiが20%以上を占める
    合金の基材の表面を、AlまたはAl合金で被覆し、得
    られた被覆材に対して真空または不活性ガス中の焼鈍お
    よび酸化性雰囲気中での加熱を行なって、基材の上にN
    i3AlおよびNiAlの混在する層を形成するととも
    に、表面にAl2O3を生成させて被覆層を形成するこ
    とからなる高温耐食部材の製造方法。
  9. 【請求項9】  NiまたはNiが20%以上を占める
    合金の基材の表面を、内側から外側に向って、第一のA
    l層、NiまたはNi合金の層および第二のAl層で被
    覆し、得られた被覆材に対して真空または不活性ガス中
    の焼鈍および酸化性雰囲気中での加熱を行って、基材の
    上にNi3AlおよびNiAlの混在する層を形成する
    とともに、表面にAl2O3を生成させて被覆層を形成
    することからなる高温耐食部材の製造方法。
  10. 【請求項10】  NiまたはNiが20%以上を占め
    る合金の基材がシ−ト状体であって、AlまたはAl合
    金の被覆を、クラッド圧延により行なう請求項8または
    9の製造方法。
  11. 【請求項11】  NiまたはNiが20%以上を占め
    る合金の基材がワイヤ状体であって、AlまたはAl合
    金の被覆を、基材のワイヤを被覆材のチューブ内に挿入
    して伸線加工または押出加工することによって行なう請
    求項8または9の製造方法。
  12. 【請求項12】  AlまたはAl合金の被覆を、基材
    の溶融AlまたはAl合金中への浸漬、基材表面へのA
    lまたはAl合金の溶射、プラズマパウダーウエルディ
    ング、化学メッキ、スパッタリング、または蒸着によっ
    て行なう請求項8の製造方法。
  13. 【請求項13】  NiまたはNiが20%以上を占め
    る合金の基材が塊状体であって、AlまたはAl合金の
    被覆を、基材の溶融AlまたはAl合金中への浸漬、基
    材表面へのAlまたはAl合金の溶射、プラズマパウダ
    ーウエルディング、化学メッキ、スパッタリング、また
    は蒸着によって行なう請求項8の製造方法。
  14. 【請求項14】  Al合金として、Alに、B,Si
    ,Mg,Cu,Ca,Mn,Y,Ti,Co,W,V,
    Zr,Ta,Nb,ScおよびREMからえらんだ1種
    または2種以上の成分を添加してなる合金を使用して実
    施する請求項8または9の製造方法。
  15. 【請求項15】  真空または不活性ガス中の焼鈍を、
    400〜900℃×1〜200分間の加熱条件で、また
    酸化性雰囲気中の加熱を、大気中400〜1000℃の
    温度に1〜36時間加熱することによって実施する請求
    項8または9の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7374717B2 (en) 2004-03-22 2008-05-20 Osamu Yamada Method for producing intermetallic compound porous material
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JP2018077107A (ja) * 2016-11-09 2018-05-17 株式会社ディ・ビー・シー・システム研究所 熱電対およびその製造方法ならびに熱電対製造用構造体およびその製造方法

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