JPH0422866Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は走行可能な走行装置に薬剤タンク
と、この薬剤タンクにポンプ手段を介して連結さ
れるノズル及びこのノズルに向つて送風される送
風機とを備えて成るスピードスプレーヤの改良に
関するものである。

［従来の技術］ 従来のこの種のスピードスプレーヤは第６図に
示すように、車輪１によつて走行可能な走行装置
２に、薬剤タンク３と、この薬剤タンク３に図示
を略すポンプ手段を介して連結され、かつ前記走
行装置２の横断面内における左右両側及び上部に
沿つて複数配設されるノズル４と、これらのノズ
ル４の後方に装着されて前記ノズル４に向つて送
風する送風機５とが備えられて成る構成である。

［考案が解決しようとする課題］ しかし、従来のスピードスプレーヤは以上に述
べたように、ノズル４が走行装置２に横断面内に
おける左右両側及び上方に沿うように配設される
ため、樹高の高い果樹、傾斜地に植えられた果樹
で、２から３本の木を重ねて防除する場合、又は
風が有る時の防除では霧が拡散してしまい対象果
樹に対し充分に到達せず、防除効果が悪いという
問題がある。

［課題を解決するための手段］ この考案は以上に述べた事情に鑑みなされたも
ので、車輪によつて走行可能な走行装置に、薬剤
タンクと、この薬剤タンクにポンプ手段を介して
連結されかつ前記走行装置の横断面内における左
右両側方及び上方に沿つて複数配設されるノズル
と、これらのノズルの後方に装着されて前記ノズ
ルに向つて送風する送風機とが備えられるスピー
ドスプレーヤであつて、前記走行装置の両側に上
方に延長されるノズル管が左右方向に傾斜可能に
装着され、このノズル管はポンプ手段を介して前
記薬剤タンクに連結され、前記両側のノズル管に
適宜間隔をおいて装着される複数のノズルが前記
送風機の吐出口からの吐出風に臨まされかつそれ
ぞれ左右両側方に向けられると共に、上下方向に
傾斜可能とされてなるスピードスプレーヤを提案
するものである。

［作用］ 上記構造からなるこの考案のスピードスプレー
ヤにおいては、従来の送風機吐出口に固定された
ノズルに加えて別に、走行装置の両側に、上方に
延長されかつ左右方向に角度調節可能なノズル管
を介して遠距離到達形のノズルや、噴霧可変形の
ノズル等を上下に角度調節可能に装着され、かつ
これらノズルを前記送風機の吐出口からの吐出風
に臨まされることによつて、対象果樹に有効な角
度に調節したノズルから薬剤を散布できる。より
防除効果の高いスピードスプレーヤが得られるも
のである。

［実施例］ 以下添付図面に示す実施例に基づいてこの考案
を説明する。

第１図及び第２図はこの考案のスピードスプレ
ーヤの一部を断面で示す側面図及びこのスピード
スプレーヤの一部拡大側面図で、図中１０は車輪
１１によつて走行可能な走行装置である。走行装
置１０の前部には運転席１２が形成され、走行装
置１０の中央部には薬剤タンク１３が載設され
る。この薬剤タンク１３の後方で走行装置１０の
後部には、走行装置１０の横断面内における左右
両側及び上方に沿うように、ノズル１４が複数配
設される。これらノズル１４は図示しないポンプ
手段を介して薬剤タンク１３に連結される。また
ノズル１４の後方には、これらノズル１４に向け
て送風する送風機１５が装着され、送風機１５の
吐出口１６はノズルに面して横断面内において円
弧状に形成される。

第３図、第４図及び第５図はこの考案によるス
ピードスプレーヤの背面図、このスピードスプレ
ーヤの一部拡大背面図及び要部分解斜視図で、前
記走行装置１０の後部上方には、左右両側間に跨
がるようにコ字形に枠組された一対の取付け枠１
７が、前記送風機１５の吐出口１６を挟んで前後
に対峙するように、それぞれボルト１８によつて
固着される。両取付け枠１７の左右両側上端部間
には、角筒状の取付け棒１９が前記吐出口１６に
それぞれ前後方向に跨がるように、ボルト２０に
よつて回転可能に架設される。取付け棒１９の前
後両端には両側下方に傾斜突設されるアーム２１
がそれぞれ固着され、アーム２１の先端部には小
孔２２がそれぞれが突設される。前記後方の取付
け枠１７の左右両側上端部には、扇板状の角度調
節板２３がそれぞれ両側下方に向けて突設され
る。角度調節板２３には円弧に沿つて長孔２４が
穿設される。長孔２４には蝶ボルト２５が摺動可
能に貫設されると共に、蝶ボルト２５の先端は前
記アーム２１の小孔２２に貫通された後、ナツト
２６にねじ結合される。そして蝶ボルト２５を長
孔２４に沿つて摺動し、ナツト２６の締め付けに
よつて、取付け棒１９を一定の回転角度で固定す
ることができる。

取付け棒１９の中ほどには取付け板２７がそれ
ぞれ固着され、取付け板２７には上下方向に長い
管状のノズル管２８が、断面Ω字状をなしかつパ
ツキング２９を介在した取付け具３０を介して、
ボルト３１によつて、それぞれ締め付け固定され
る。なお、ノズル管２８は、管路３２によつて図
示しないポンプ手段を介して、薬剤タンク１３に
連結される。ノズル管２８には遠距離到達形或い
は噴霧可変形のノズル３３が、ねじの締め方によ
つて上下方向に角度調節可能な90度エルボ３４を
介して、両側方に向けて適宜間隔をおいて複数装
着される。また前記送風機１５の吐出口１６の上
部には風向を両側方に向けることができる導風板
３５が角度調節可能に装着される。

［考案の効果］ この考案によるスピードスプレーヤは以上に述
べたようであるから、従来の送風機吐出口に固定
されたノズル１４に加えて、上下に長いノズル管
に遠距離到達形或いは噴霧可変形のノズルが装着
されて送風機の吐出口に臨まされるため、より樹
高の高い果樹に対しても的確に薬剤を散布するこ
とができ、また蝶ボルトの摺動操作及びエルボの
角度調節によつて、前記ノズルの散布方向を左右
及び上下に調節可能であるため、傾斜地に植えら
れた果樹で、２本から３本の樹木を重ねて防除す
る場合又は風がある時の防除に対しても、薬剤の
霧を充分に到達させることができる等の効果を有
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はこの考案によるスピードス
プレーヤの一部を断面で示す側面図及び一部拡大
側面図、第３図から第５図はこのスピードスプレ
ーヤの背面図、一部拡大背面図及び要部分解斜視
図で、第６図は従来のスピードスプレーヤの一部
断面図で示す側面図である。 図において、１０……走行装置、１１……車
輪、１３……薬剤タンク、１４，３３……ノズ
ル、１５……送風機、１６……吐出口、１７……
取付け枠、１９……取付け棒、２１……アーム、
２３……角度調節板、２５……蝶ボルト、２８…
…ノズル管である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車輪によつて走行可能な走行装置に、薬剤タン
   クと、この薬剤タンクにポンプ手段を介して連結
   されかつ前記走行装置の少くとも横断面内におけ
   る左右両側に沿つて複数配設されるノズルと、こ
   れらのノズルの後方に装着されて前記ノズルに向
   つて送風する送風機とが備えられるスピードスプ
   レーヤであつて、前記走行装置の両側に上方に延
   長されるノズル管が左右方向に傾斜可能に装着さ
   れ、このノズル管はポンプ手段を介して前記薬剤
   タンクに連結され、前記両側のノズル管に適宜間
   隔をおいて装着される複数のノズルが前記送風機
   の吐出口からの吐出風に臨まされかつそれぞれ左
   右両側方に向けられると共に、上下方向に傾斜可
   能とされてなるスピードスプレーヤ。