JPH04226316A - 時計のスリップ機構の製造方法 - Google Patents

時計のスリップ機構の製造方法

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JPH04226316A
JPH04226316A JP7219291A JP7219291A JPH04226316A JP H04226316 A JPH04226316 A JP H04226316A JP 7219291 A JP7219291 A JP 7219291A JP 7219291 A JP7219291 A JP 7219291A JP H04226316 A JPH04226316 A JP H04226316A
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Kanenobu Ochiai
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は指針式の時計に用いら
れるスリップ機構の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、指針式時計はステップモータ等
の駆動源の回転を輪列機構を介して時針、分針等の指針
に伝達して、指針を運針させることにより時刻を指示表
示するようになっている。また、指針式時計においては
針合せの際には分針、時針は回転させるが、秒針、ステ
ップモータは回転しないようになっており、そのために
分針が取付られる二番車にスリップ機構を備えている。 即ち、二番車は、日ノ裏車に噛合する筒カナを有する軸
部に、三番車が噛合する歯車部がスリップ回転可能に一
体的に取付られた構成をなし、通常の運針時には歯車部
と軸部とが一体的に回転してステップモータの回転が分
針、時針にまで伝達される。一方、針合せの際には軸部
の筒カナに修正機構からの回転力が伝達されるようにな
っていて、時刻修正機構からは軸部の筒カナに一定以上
のトルク(負荷)が加わると、軸部は回転するが歯車部
は回転せず、これにより分針、時針は回転するが、秒針
、ステップモータは回転しないようになっている。
【0003】このようなスリップ機構は、従来、二番車
の歯車部及び軸部が金属製で、金属製の歯車部に一対の
板ばね状の弾性片を設け、この一対の弾性片で軸部を弾
性的に挟持している。そのため、部品点数が多く、組立
作業が複雑で、安定したスリップトルクが得られず、し
かも金属製であるため加工が面倒で、コスト高になる等
の欠点があった。
【0004】そこで、本件出願人は、軸部と歯車部とを
合成樹脂で形成すると共に、両者をスリップ回転可能に
一体的に成形することを考え、先に出願した(実願昭6
1−178003号)。これは、軸部を1次成形して、
この軸部を2次成形用(歯車部成形用)金型内に配置し
、金型内に樹脂を流し込み軸部に歯車部をスリップ回転
可能に一体的に成形するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなスリップ
機構の製造方法にあっては、歯車部を成形する時に高温
の溶融樹脂が高温のまま軸部のスリップ面に直接流れ込
み、軸部と歯車部とが融着してスリップトルクが非常に
大きくなる問題があった。本発明は上記事情に鑑みてな
されたもので、合成樹脂製の軸部に合成樹脂製の歯車部
をスリップ回転可能に一体的に一体成形する場合に、歯
車部が軸部に融着することがなく、適度で安定したスリ
ップトルクを得られる時計のスリップ機構の製造方法を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、歯車部を成形する金型の樹脂注入用ゲートの位置を
歯車部の軸部軸方向の一側面に位置して設けるとともに
、一側面に対向する他側面の樹脂注入用ゲートより中心
寄りに環状の突出部を設けた。
【0007】
【作用】樹脂注入用ゲートから注入された高温の樹脂は
直接軸部方向には流れ込まず、1度金型の反対面にぶつ
かり環状突出部を乗り越えてから軸部の接合用突出部方
向へ向って流れるので軸部の接合用突出部に到達するの
に時間がかかると共に、流動抵抗により熱量が欠損され
樹脂温度が下がり、歯車部が軸部に融着するのを確実に
防止でき、適度で安定したスリップトルクが得られる。
【0008】
【実施例】以下、図1から図5を参照して、この発明の
一実施例につき説明する。構成  図1は本発明の時計
のスリップ機構の製造方法で製造した二番車を用いた電
子腕時計のアナログムーブメントを示す。このアナログ
ムーブメントはステップモータ1の回転を輪列機構2に
伝え、この輪列機構2で時針3a、分針3b、秒針3c
等の指針を運針させて時刻を指示表示し、時刻修正機構
で指針の針合せを行なうようになっている。
【0009】ステップモータ1は指針を運針させるため
の駆動源であり、ロータ5、図示しないステータ、コイ
ル等からなり、コイルに一定周期の反転パルスが与えら
れる毎に、ロータ5が180度ずつステップ回転するよ
うになっている。この場合、ロータ5は図1に示すよう
に、ロータ部5a、ロータカナ5b、ロータ軸5c等よ
りなり、これらをチタン酸カリウムウィスカ入りポリア
セタール樹脂で一体に形成するとともに、ロータ部5a
にマグネットリング5dを装着した構成となっており、
ロータ軸5cが地板6と輪列受7との間に回転可能に取
り付けられている。
【0010】輪列機構2はステップモータ1の回転を指
針に伝達して指針を運針させるものであり、中間車8、
四番車9、三番車10、二番車11、日ノ裏車12、筒
車13等よりなり、地板6と輪列受7との間に中間車8
、四番車9、三番車10が、また地板6の上に二番車1
1、日ノ裏車12、筒車13がそれぞれ取り付けられて
いる。この場合、地板6および輪列受7はガラスファイ
バを入れたポリフェニレンサルファイド樹脂(以下、「
PPS樹脂」と言う)からなり、地板6の上部には文字
板14が設けられている。
【0011】以下、各車について順に説明する。中間車
8はステップモータ1のロータカナ5bに噛み合って回
転するものであり、チタン酸カリウムウィスカ入りポリ
アセタール樹脂からなり、軸部8aおよび中間カナ8b
と一体に成形されている。
【0012】四番車9は中間車8の中間カナ8bに噛み
合って回転し、秒針3cを運針させるものであり、その
軸部9aが秒針軸をなし、地板6の軸受部6aおよび文
字板14を通して上方へ突出し、この突出した部分が針
取付部9cになっており、この針取付部9cに秒針3c
が取り付けられている。この四番車9はチタン酸カリウ
ムウィスカ入り液晶ポリマー樹脂からなり、軸部9aお
よび四番カナ9bと一体に形成されている。
【0013】三番車10は四番車9の四番カナ9bに噛
み合って回転するものであり、チタン酸カリウムウィス
カ入りポリアセタール樹脂からなり、軸部10aおよび
三番カナ10bと一体に形成されている。この場合、三
番カナ10bは地板6を貫通してその上方へ突出してい
る。
【0014】二番車11は三番車10の三番カナ10b
に噛み合って回転し、分針3bを運針させるものであり
、軸部11aが分針軸をなし、地板6の軸受部6aの外
周に回転可能に取り付けられており、軸部11aの上端
が文字板14を通して上方へ突出し、この突出した部分
に分針3bが取り付けられている。この二番車11は筒
カナ部11bを有する軸部11aと歯車部11cとをス
リップ回転可能に一体的に二色成形したものであり、軸
部11aは耐摩耗性および強度が高く、歯車部11cよ
り溶融温度が高いチタン酸カリウムウィスカ入りPPS
樹脂からなり、歯車部11cは収縮率の小さく、軸部1
1aより溶融温度が低いチタン酸カリウムウィスカ入り
12ナイロン樹脂からなっている。
【0015】この二番車11は図2に示すように構成さ
れている。即ち、軸部11aは筒状をなし、その下部に
筒カナ部11bが形成され、この筒カナ部11bの内部
が大径部aになっており、その外周にはカナb、接合用
突出部c、延出部dが形成されている。また、軸部11
aの上部側は内部が小径部eになっており、その外周に
は逃げ部f、針取付部gが形成されている。筒カナ部1
1bは大径部aが地板6の軸受部6aの外周に回転可能
に嵌合するようになっており、その下端の延出部dが下
側へ突出し、地板6の軸受部6aの周辺に形成された環
状の凹溝6b内に回転可能な状態で挿入され、これによ
り軸部11aが芯振れしないように十分長く保持されて
いる。また、外周に設けられたカナbは日ノ裏車12の
歯が噛み合うものである。
【0016】突出部cは歯車部11cが一体的に形成さ
れる部分であり、カナbの下側に鍔状に形成され、その
外周部が下側へ向って傾斜する傾斜面caに形成されて
おり、この突出部cの下面が後述する成形用金型15、
15の型合わせ面になっている。この場合、突出部cの
先端の外径c1は約2.1mmで、先端の角度αは74
゜になっている。そして、突出部cに一体的に成形され
る歯車部11cは外径が約3.4mmで、その厚さt1
が約0.3mmで突出部cよりも厚く、その下側に突出
する厚さt2が約0.05mmで、突出部cに食い込ん
でいる。また、歯車部11cには下面外周寄りに樹脂注
入用ゲートG……が複数設けられており、このゲートG
……と反対側における上面には軸部11aの筒カナ部1
1b寄りに成形時の樹脂の流動方向を変える「V」字状
の凹部jが全周に亘って形成されている。この「V」字
状の凹部jはその深さt3が歯車部11cの厚さt1の
1/3程度に形成されている。これにより、二番車11
は適度なスリップトルク(3〜6g・cm)をもち、こ
れ以上のトルク(負荷)が加わった際に筒カナ部11b
(軸部11a)と歯車部11cとの間で相互にスリップ
回転する。
【0017】さらに、軸部11aの上側の小径部eはそ
の内部に四番車9の軸部9aが接触しないように挿通す
るようになっている。軸部11aの外周に形成された逃
げ部fは筒車13の針取付部13bと対応する部分に位
置し、その部分に所定のクリアランスをもち、時針3a
の取り付け時に針取付部13bが変形しても二番車11
の軸部11aに接触しないようになっている。なお、そ
の上端の針取付部gは分針3bが嵌着する部分である。
【0018】このような二番車11を成形する場合には
、図3(A)(B)に示すような金型15、16を用い
て行なうが、この金型15、16はターンテーブル型の
自動インサート成形装置に組込まれている。したがって
、図3(A)に示すように、上下一対の1次成形用金型
15、15で筒カナ部11bを有する軸部11aを射出
成形するのであるが、この上下の金型15、15はその
パーテングラインPL、即ち上下の金型15、15の接
合面が軸部11aの突出部cの下面に位置しており、こ
れにより上下の金型15、15の位置ズレに伴なう突出
部cの先端の偏心を防いでいる。このような金型15、
15で軸部11aを成形する際に用いる樹脂ペレットは
、250℃以上の耐熱性のあるシリコン系のオイルを数
%混合した結晶性のチタン酸カリウムウィスカ入りPP
S樹脂であり、その樹脂注入用ゲートGは軸部11aの
上端面に設けられている。
【0019】このようにして成形された軸部11aは、
1次成形用金型15、15内から取り出した後、図3(
B)に示すような上下一対の2次成形用金型16、16
内に配置し、2次成形用の樹脂を下側の金型16に設け
られた樹脂注入用ゲートG……から注入し、1次成形品
である軸部11aに歯車部11cを一体的に成形する。 この場合の樹脂注入用ゲートG……は下面外周側に位置
しており、その反対側面つまり上側の金型16の内側上
面には「V」字状の凹部jを形成するための「V」字状
の突出部16aがキャビティ内に環状に突出形成されて
いる。そのため、樹脂が各樹脂注入用ゲートG……から
キャビティ内に注入されると、図3(B)に示すように
反対側面に形成された凹部jの成形用の突出部16aに
より、高温の樹脂が、直接、筒カナ部11bの突出部c
に流れ込まず、その流動方向がゲートG……側に戻るよ
うな方向に変わる。
【0020】この結果、注入された高温の樹脂は突出部
cの先端に到達するまでに時間がかかるとともに、流動
抵抗により熱量が欠損され、樹脂温度がある程度下がる
ので、突出部cの先端に樹脂が融着することがない。な
お、ここで用いる樹脂ペレットは上述と同様に、250
℃以上の耐熱性のあるシリコン系のオイルを数%混合し
た結晶性のチタン酸カリウムウィスカ入り12ナイロン
樹脂である。このようにして成形された成形品(二番車
11)は、ジメチルシロキサン構造をもつ約100℃の
高温のシリコン油中に約3時間漬けてオイルアニール処
理する。この場合、シリコン油の温度が熱変形温度の約
80%で、1時間以上であれば良い。すると、図2に示
すような二番車11が得られる。
【0021】日ノ裏車12は二番車11の筒カナ部11
bに形成されたカナbに噛み合って回転するものであり
、チタン酸カリウムウィスカを入れたポリアセタール樹
脂からなり、日ノ裏カナ12bと一体に形成され、地板
6の上面に突出形成された軸部6cに回転可能に取り付
けられている。この場合、日ノ裏車12は日ノ裏押え1
2cにより上方から押えられている。
【0022】筒車13は日ノ裏車12のカナ12bに噛
み合って回転し、時針3aを運針するものであり、チタ
ン酸カリウムウィスカ入りポリアセタール樹脂からなり
、その軸部13aは筒状をなし、二番車11の軸部11
aの外周に回転可能に装着され、その上端が文字板14
の上方へ突出し、この突出した部分が針取付部13bに
なっており、この針取付部13bに時針3aが圧入によ
り取り付けられている。
【0023】作用   次に、上記のように構成されたアナログムーブメン
トの動作について説明する。通常はステップモータ1に
より指針が運針して時刻を指示表示する。即ち、図1に
示すように、ステップモータ1のロータ5が回転すると
、その回転が中間車8を介して四番車9に伝達され、四
番車9が回転して、四番車9の軸部9aの上端に取り付
けられた秒針3cを運針する。また、このように四番車
9が回転すると、その回転が三番車10を介して二番車
11に伝達され、二番車11が回転する。この場合、二
番車11は軸部11aと歯車部11cとがスリップ回転
可能に一体的に形成されているが、この状態では二番車
11に一定以上の負荷が加わらないため、軸部11aと
歯車部11cとが一体的に回転する。そのため、二番車
11の軸部11aに取り付けられた分針3bが運針する
。 このように二番車11が回転すると、その回転が日ノ裏
車12を介して筒車13に伝達され、筒車13が回転し
て時針3aを運針する。このように時針3a、分針3b
、秒針3cが文字板14の上方を運針するので、時刻が
指示表示される。
【0024】また、時刻修正を行なう場合には、図示し
ない時刻修正機構の巻真を引き出して所定量回わせば良
い。すると、二番車11と筒車13とが回転し、時針3
aと分針3bとを回転して針合わせが行なわれる。この
とき、二番車11には巻真からトルク(回転力)が与え
られるが、巻真からのトルク(回転力)が二番者11の
スリップトルク(3〜6g・cm)以上になると、二番
車11の軸部11aと歯車部11cとの間でスリップし
、軸部11aがスリップ回転する。しかも、このように
軸部11aがスリップ回転する際に、軸部11aと歯車
部11cとの接触面にシリコン系のオイルの薄い皮膜が
でき、この皮膜が潤滑剤として作用し、軸部11aと歯
車部11cとを安定したスリップトルクで円滑に回転す
る。そのため、秒針を回転させることなく指針の針合わ
せを行なうことができる。
【0025】しかるに、上記のような時計のスリップ機
構の製造方法によれば、筒カナ部11bを有する合成樹
脂製の軸部11aにスリップ回転可能に一体成形する場
合に、歯車部11cを成形する2次成形用金型の樹脂注
入用ゲートGを歯車部11cの軸方向一側面に位置して
設けると共に、反対側面に筒カナ部11bの突出部c寄
りに樹脂の流動方向を変える「V」字状の突出部16a
を全周に亘って形成したので、歯車部11cの成形時に
樹脂注入用ゲートG……から注入された高温の樹脂は突
出部16aにより、直接、筒カナ部11bの突出部cに
流れ込まず、その流動方向がゲートG……側に戻るよう
な方向に変わる。そのため、高温の樹脂は突出部cの先
端に到達するまでに時間がかかるとともに、流動抵抗に
より熱量が欠損され、樹脂温度がある程度下がるので、
突出部cの先端に融着することがなく、極めて回転特性
が良く、しかも安定した適度なスリップトルクを得るこ
とができる。
【0026】なお、上述した実施例では歯車部11cに
「V」字状の凹部jを形成したが、この発明はこれに限
らず、図4(a)(b)に示すように、矩形状の凹部j
aであっても、「U」字状の凹部jbであっても良く、
要は樹脂の流動方向を変えるような形状であれば、どの
ような形状であっても良い。また、凹部jは歯車部11
cの上面に限らず、図4(c)〜(e)に示すように、
樹脂注入用ゲートG……が上面側にある場合には、その
反対側の下面側に「V」字状、矩形状、「U」字状の各
凹部j、ja、jbを形成しても良い。更に、上述した
実施例では軸部11aの筒カナ部11bに形成された突
出部cの先端を傾斜面caに形成したが、この発明はこ
れに限らず、図4(f)(g)に示すように、山形面c
b、垂直な平坦面ccであっても良く、また、その突出
部cの食い付きは、下側のみに限らず、上側であっても
、上下両方であっても良いことは勿論である。
【0027】また、上述した実施例では二番車11の軸
部11aにチタン酸カリウムウィスカ入りPPS樹脂を
用いたが、これに限らず、チタン酸カリウムウィスカ入
りポリエーテルイミド樹脂を用いてもよく、しかもこれ
ら軸部11aおよび歯車部11cに用いられた樹脂の強
化材としてチタン酸カリウムウィスカを用いたが、この
発明はこれに限らず、例えば、ガラスファイバ、カーボ
ンファイバ、還元チタン酸カリウムウィスカ等を用いて
も良い。
【0028】また、上述した実施例では軸部11aにチ
タン酸カリウムウィスカ入りPPS樹脂を用い、歯車部
11cにチタン酸カリウムウィスカ入り12ナイロン樹
脂を用いて、スリップトルクを約3〜6g・cmに設定
したが、これらの材質を変えれば2〜10g・cmのス
リップトルクを得ることが可能である。
【0029】また、上述した実施例の二番車11は軸部
11aと歯車部11cとをスリップ回転可能に一体成形
した後、シリコン油中に漬けたが、この発明はこれに限
らず、軸部11aと歯車部11cとのうち、最初に成形
した1次成形品をジメチルシロキサン構造をもつシリコ
ン油中に漬けてアニール処理しても良い。また、軸部1
1aと歯車部11cとの両方にシリコン系のオイルを数
パーセント混合した樹脂ペレットを用いて成形したが、
いずれか一方のみをシリコン系のオイルを数パーセント
混合した樹脂ペレットで成形しただけでも良く、必ずし
も、シリコン系のオイルを数パーセント混合した樹脂ペ
レットで成形する必要はない。
【0030】さらに、この発明の製造方法は上述したよ
うな二番車11に限らず、三番車10等の他の歯車にも
適用でき、しかも電子腕時計に限られることなく、他の
指針式時計にも広く適用することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のスリッ
プ機構の製造方法によれば、1次成形した軸部を歯車部
成形用金型内に配置して、金型内に樹脂を注入すること
により軸部に歯車部をスリップ回転可能に一体的に成形
する場合に、金型の樹脂注入用ゲートを歯車部の軸部軸
方向の一側面に位置させるとともに、金型の一側面に対
向する他側面の樹脂注入用ゲートより中心寄りに環状の
突出部を設けたので、樹脂注入用ゲートから注入された
高温の樹脂は軸部の接合用突出部に直接流れ込まず、1
度金型の反対面にぶつかり環状突出部を乗り越えてから
軸部の接合用突出部方向へ向って流れるので、軸部の接
合用突出部に到達するのに時間がかかると共に、流動抵
抗により熱量が欠損され樹脂温度が下がり、歯車部が軸
部に融着するのを確実に防止でき、適度で安定したスリ
ップトルクを有するスリップ機構が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の時計のスリップ機構の製造方法で製造
した二番車を用いた電子腕時計のアナログムーブメント
の要部断面図。
【図2】上記二番車の拡大断面図。
【図3】上記二番車の製造方法を示す図。
【図4】二番車の変形例を示す図。
【符号の説明】
11  二番車 11a  軸部 11b  筒カナ部 11c  歯車部 16  金型 16a  突出部 j  凹部 G  樹脂注入用ゲート

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  軸方向とは垂直方向に突出する接合用
    突出部を有する軸部を合成樹脂で成形し、この軸部を歯
    車部を成形する金型内に前記接合用突出部が成形用空間
    に露出するように配置し、前記金型の空間内に樹脂を注
    入して前記軸部の接合用突出部に前記歯車部の内周部を
    スリップ回転可能に結合してなる時計のスリップ機構の
    製造方法であって、前記金型の樹脂注入用ゲートの位置
    を前記歯車部の前記軸方向の一側面に位置して設けると
    ともに、前記金型の前記一側面に対向する他側面の前記
    樹脂注入用ゲートより中心寄りに前記一側面に向って突
    出する環状の突出部を設け、前記樹脂注入用ゲートから
    注入された溶融樹脂を前記環状突出部で方向を変えて前
    記接合用突出部方向へ流れ込むようにしたことを特徴と
    する時計のスリップ機構の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010242787A (ja) * 2009-04-01 2010-10-28 Suzuki Motor Corp 複合ギヤおよびトルク伝達機構

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JP2010242787A (ja) * 2009-04-01 2010-10-28 Suzuki Motor Corp 複合ギヤおよびトルク伝達機構

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