JPH0422566Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は大量生産によるコスト低滅を目的とし
たモノリシツク・クリスタル・フイルタ（MCF）
を含む圧電振動子等の構造に関し、殊にチツプ状
の圧電振動子等の構造に関する。

（従来技術） 圧電振動子及びその封止構造は周知の如く形
状、厚さ及び表面状態を所定の値に加工した個別
の圧電基板に各々電極を付着した後、個別に製作
したベース中に突出するリード線に取り付け電気
的接続及び機械的保持を行い最後に封止管をかぶ
せて密封するのが一般的であつた。

上述の工程からも明らかな如く圧電振動子の製
造工程は自動化が困難であり、従つて高価なもの
とならざるを得なかつた。

上記問題を解決するため特開昭55−34575や特
開昭56−10723に開示されるような案が提案され
ており、第５図ａ，ｂに従来の圧電振動子の構造
を断面図及び斜視図として示す。

即ち、水晶素板１の両面に各々電極２，３を付
着した水晶振動子をこれと軸を揃え、且つ前記水
晶素板１の中央部にわずかな空隙を与えるよう凹
部を設けた水晶板４及び５によつてサンドイツチ
した構造を有するものである。而して前記水晶板
４及び５の各々２縁には切り欠き６，７及び８，
９を設け該切り欠きに於いて前記電極２及び３か
ら各々延びる電極リード部１０及び１０′を露出
せしめ、これを電子回路と接続するものである。

以上説明した如き構造の圧電振動子は、個別に
リード線に取り付けることなく製造出来、安価に
製造することが可能となる。

しかしながら、上述した如き従来の圧電振動子
の構造では次のような欠点があつた。

即ち、第５図に示す如き従来のチツプ型振動子
は、このままではこれをプリント基板に実装せん
とする場合、その露出したリード端子とプリント
基板表面の配線パターンとの接続に格別な工夫を
要するのみならず、前記リード端子露出部６，７
は脆弱な圧電素板のみから成ることになり、例え
ば特開昭55−34575の第４図Ｂに示す如く、プリ
ント基板に開口を設け、該開口周辺から当該開口
内にボンデイングリードを張り出し、これと振動
子の露出したリード端子とを接続せんとすれば、
組み立て工程に於いて該部を破損する可能性が高
いと云う欠陥があつた。

（考案の目的） 本考案は上述した如き従来のチツプ型圧電振動
子の欠陥を除去すべくなされたものであつて、製
造容易にして表面実装に適し、実装時に破損する
虞れのない構造を有する振動子を提供することを
目的とする。

（考案の概要） この目的を達成するため本考案は以下のように
構成する。

即ち、圧電振動子封止体の切り欠き部を有する
縁端部を金属性リード部材に嵌入するか、あるい
は前記縁端部に導電性接着材を付着することによ
つて圧電振動子電極リード部と外部回路との電気
的接続面を形成し、チツプ状の圧電振動子とす
る。

（実施例） 以下図示した実施例に基づいて本考案を詳細に
説明する。

第１図は本考案の一実施例の構成を示す断面図
であり、リード部材を導電性接着剤で盛り上げた
構成を示す断面図である。

即ち、水晶素板１の両面に各々電極２，３を付
着した水晶振動子をこれと軸を揃え、且つ前記水
晶素板１の中央部にわずかな空隙を与えるよう凹
部を設けた水晶板４及び５によつてサンドイツチ
した構造を有するものである。而して前記水晶板
４及び５の各々２縁には切り欠き６，７及び８，
９を設け該切り欠きに於いて前記電極２及び３か
ら各々延びる電極リード部１０及び１０′を露出
せしめ、前記切欠き６，７，８，９を有する縁部
を導電性接着剤にデイツプして接着剤層１２で各
切欠きを埋めたものである。即ち、この実施例の
圧電振動子は、両面に夫々電極２，３及び各電極
２，３から外方へ延びる電極リード１０，１０′
を有した水晶素板（板状圧電振動子）１と、中央
に凹陥部２０を有するとともに該凹陥部２０の外
周の環状囲繞部２１で該板状圧電振動子１の面上
に一体化して該凹陥部２０と該圧電振動子面との
間の空所２２を密封する封止体４，５とを備え、
各封止体４，５には封止体周縁部が電極リード部
２，３と交差する部位に切り欠き６，７，８，９
を設けて各電極リード部１０，１０′の端縁を露
出させ、該切り欠き６，９内に露出した電極リー
ド部の端縁に導電性接着剤１２が付着するように
該切り欠き内に導電性接着剤を充填することによ
つて前記電極リード部と外部回路との電気的接続
部とした構成が特徴的である。

このように構成することによつて本考案の振動
子は従来の様に個別にリード線に取付けることな
く製造することができ、更に電極リード部の破損
を考慮すること無しに各種の姿勢で、特にリード
をとることなくプリント基板に配置することがで
きる。更に製造が簡単になり、また切り欠き部が
導電性接着剤にて充填されるためにより一層強固
な構造となり、電極リード部の破損の可能性は極
めて小となる。

尚、本考案は以上説明した如き両面に電極を有
する圧電振動子のみならず第２図に示す如く弾性
表面波振動子１３のように片面のみに電極を有す
る振動子の電極面に対して適用することもでき
る。

上述の如きサンドイツチ構造によつて圧電振動
子素板の四隅を固定してしまう構成をとる場合に
於いて前記封止体４及び５を圧電振動子素板と同
一材質としその軸を揃えれば熱膨張は均一である
から振動子素板に対する応力の問題はないが高価
となる。

そこで封止体をガラスで構成すると共に圧電振
動子を第３図又は第４図に示す如き構造としても
よい。

即ち、圧電振動子素板１の内部に所要の円弧状
のスリツト１４，１４及び１５，１５（各スリツ
ト同志は不連続的である）を例えばエツチング等
によつて形成しこれらスリツトによつて包囲され
る中心部分１６に電極１７を付着することによつ
て前記素板１の中心部１６のみを振動に関与せし
め、これと最外周の固定部との間をクツシヨンと
して用いる圧電振動子を使用する。斯くすること
によつて振動子と封止体との膨張率の差による振
動子素板への応力は実用上問題とならないレベル
まで低減することが可能である。

尚、第４図に示す如く前記スリツト１４が一重
である場合であつて、例えば圧電板をATカツト
の水晶とすれば当該カツトの圧力に対する周波数
変動零の点、即ち、ｘ−x′軸に対し60゜又は120゜の
位置にスリツト外周部と振動部１６との結合部を
設け該部を介して電極リードを延ばすようにすれ
ば応力の影響を回避することができる。

（考案の効果） 本考案は以上説明した如く構成するのでチツプ
状の圧電振動子を極めて安価に生産することが可
能となると共に、完成した振動子は実装時破損の
虞れも殆どなく、又他の電子回路を配置したプリ
ント基板への装着形態の自由度が大きいものとな
り、電子回路の小型化、低価格化に著しい効果を
発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はリード部材を導電性接着剤デイツプで
盛り上げた構成を示す断面図、第２図は本考案を
弾性表面波共振子に適用した実施例を示す断面
図、第３図及び第４図は各々本考案のチツプ振動
子として用いる振動子の相異なる構造の実施例を
示す図、第５図ａ及びｂは従来のチツプ振動子封
止体の断面図及び斜視図である。 １……圧電振動子、４，５……封止体、６，
７，８及び９……切り欠き、１０，１０′，１７
及び１８……リード電極、１１……金属性リード
部材、１２……導電性接着剤、１４，１５……ス
リツト、１６……素板中心部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 少なくとも片面上に不連続的な円弧状スリツト
   を複数備えると共に、該各スリツトによつて包囲
   される中心部分に付着した電極及び該電極から端
   縁に向けて延びる電極リード部とを有したチツプ
   型の板状圧電振動子と、中央に凹陥部を有すると
   共に該凹陥部の外周の環状囲繞部で該板状圧電振
   動子面上に一体化して該凹陥部と該圧電振動子面
   との間の空所を密封する非導電封止体とを備え、
   前記封止体には該封止体周縁部が前記電極リード
   部と交差する部位に切欠きを設けて前記電極リー
   ド部の端縁を露出させ、該切欠き内に露出した電
   極リード部の端縁に導電性接着剤が付着するよう
   に該切欠き内に導電性接着剤を充填することによ
   つて前記電極リード部と外部回路との電気的接続
   部としたことを特徴とするチツプ型圧電振動子の
   構造。