JPH04224669A - 鉄合金の耐食性向上方法 - Google Patents
鉄合金の耐食性向上方法Info
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Landscapes
- Physical Vapour Deposition (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、高い耐食性の必要な建
築用材や精密機械、電子機器用部品等多方面の分野に用
いられる鉄合金の耐食性向上方法に関するものである。
築用材や精密機械、電子機器用部品等多方面の分野に用
いられる鉄合金の耐食性向上方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】鉄をベースとした合金の耐食性を向上さ
せる方法としてＣｒ，Ｎｉ，Ｍｏ等の元素を溶鋼の段階
にて添加する方法が広く知られている。
せる方法としてＣｒ，Ｎｉ，Ｍｏ等の元素を溶鋼の段階
にて添加する方法が広く知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】前記の方法で耐食性を
向上させた鉄合金として、ＳＵＳ３０４，ＳＵＳ４３０
等で知られるステンレス鋼がある。これらステンレス鋼
は現在広く用いられているが、さらに耐食性を向上させ
るためＣｒ等の添加量を上げた場合、素材の加工性や靱
性等の材質が劣化し、製品加工が著しく困難になる。ま
た、Ｍｏ等の高価な元素の場合、数％の添加でも素材コ
ストが飛躍的に上がり、経済的に大きなデメリットとな
る。
向上させた鉄合金として、ＳＵＳ３０４，ＳＵＳ４３０
等で知られるステンレス鋼がある。これらステンレス鋼
は現在広く用いられているが、さらに耐食性を向上させ
るためＣｒ等の添加量を上げた場合、素材の加工性や靱
性等の材質が劣化し、製品加工が著しく困難になる。ま
た、Ｍｏ等の高価な元素の場合、数％の添加でも素材コ
ストが飛躍的に上がり、経済的に大きなデメリットとな
る。
【０００４】本発明の目的とするところは、耐食性向上
のための合金元素の添加による材質の劣化や素材コスト
の上昇を伴うことのない安価な鉄合金の耐食性向上方法
を提供するにある。
のための合金元素の添加による材質の劣化や素材コスト
の上昇を伴うことのない安価な鉄合金の耐食性向上方法
を提供するにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の要旨と
するところは以下の通りである。 （１） Ｃｒ，Ｍｏ，Ｓｉ，Ｔｉ，Ｖ，Ｚｒ，Ｎｂ，
Ｔａ，Ｗの中の１種以上の元素を鋼の表面からイオン注
入することを特徴とする鉄合金の耐食性向上方法。
するところは以下の通りである。 （１） Ｃｒ，Ｍｏ，Ｓｉ，Ｔｉ，Ｖ，Ｚｒ，Ｎｂ，
Ｔａ，Ｗの中の１種以上の元素を鋼の表面からイオン注
入することを特徴とする鉄合金の耐食性向上方法。
【０００６】（２） Ｃｒ，Ｍｏ，Ｓｉ，Ｔｉ，Ｖ，
Ｚｒ，Ｎｂ，Ｔａ，Ｗの中の１種以上の元素を鋼の表面
からイオン注入し、続いて、酸洗処理を施すことを特徴
とする鉄合金の耐食性向上方法。 （３） Ｃｒ，Ｍｏ，Ｓｉ，Ｔｉ，Ｖ，Ｚｒ，Ｎｂ，
Ｔａ，Ｗの中の１種以上の元素を鋼の表面からイオン注
入し、続いて、光輝熱処理を施すことを特徴とする鉄合
金の耐食性向上方法。
Ｚｒ，Ｎｂ，Ｔａ，Ｗの中の１種以上の元素を鋼の表面
からイオン注入し、続いて、酸洗処理を施すことを特徴
とする鉄合金の耐食性向上方法。 （３） Ｃｒ，Ｍｏ，Ｓｉ，Ｔｉ，Ｖ，Ｚｒ，Ｎｂ，
Ｔａ，Ｗの中の１種以上の元素を鋼の表面からイオン注
入し、続いて、光輝熱処理を施すことを特徴とする鉄合
金の耐食性向上方法。
【０００７】（４） Ｃｒ，Ｍｏ，Ｓｉ，Ｔｉ，Ｖ，
Ｚｒ，Ｎｂ，Ｔａ，Ｗの中の１種以上の元素を鋼の表面
からイオン注入し、続いて、光輝熱処理を施した後、酸
洗処理を施すことを特徴とする鉄合金の耐食性向上方法
。 （５） Ｃｒ，Ｍｏ，Ｓｉ，Ｔｉ，Ｖ，Ｚｒ，Ｎｂ，
Ｔａ，Ｗの中の１種以上の元素を鋼の表面からイオン注
入し、続いて、酸洗処理を施した後、光輝熱処理を施す
ことを特徴とする鉄合金の耐食性向上方法。
Ｚｒ，Ｎｂ，Ｔａ，Ｗの中の１種以上の元素を鋼の表面
からイオン注入し、続いて、光輝熱処理を施した後、酸
洗処理を施すことを特徴とする鉄合金の耐食性向上方法
。 （５） Ｃｒ，Ｍｏ，Ｓｉ，Ｔｉ，Ｖ，Ｚｒ，Ｎｂ，
Ｔａ，Ｗの中の１種以上の元素を鋼の表面からイオン注
入し、続いて、酸洗処理を施した後、光輝熱処理を施す
ことを特徴とする鉄合金の耐食性向上方法。
【０００８】以下に本発明の耐食性の向上方法について
詳細に説明する。耐食性は金属表層の皮膜組成および構
造に依存することから、耐食性を高める元素は表層のみ
に必要である。本発明者らは、ある元素のイオン或いは
そのクラスターに運動エネルギーを与え合金表面から撃
ち込む（イオン注入する）ことにより、表層に上記元素
が濃化することを究明した。そこで、イオン注入法を用
いて種々の元素を金属表層に濃化させ、該素材の耐食性
を比較した。その結果、特にＣｒ，Ｍｏ，Ｓｉ，Ｔｉ，
Ｖ，Ｚｒ，Ｎｂ，Ｔａ，Ｗの元素をイオン注入すること
によって耐食性が著しく向上することを究明した。即ち
、該条件が請求項（１）の範囲である。この方法によっ
て得られた素材は、耐食性の評価として２０％硫酸溶液
中でのアノード分極曲線測定（ＪＩＳ Ｇ ０５７
９）による耐食性評価において不働態化電流密度が著し
く低く、耐硫酸腐食性が向上している（本発明例（１）
）。
詳細に説明する。耐食性は金属表層の皮膜組成および構
造に依存することから、耐食性を高める元素は表層のみ
に必要である。本発明者らは、ある元素のイオン或いは
そのクラスターに運動エネルギーを与え合金表面から撃
ち込む（イオン注入する）ことにより、表層に上記元素
が濃化することを究明した。そこで、イオン注入法を用
いて種々の元素を金属表層に濃化させ、該素材の耐食性
を比較した。その結果、特にＣｒ，Ｍｏ，Ｓｉ，Ｔｉ，
Ｖ，Ｚｒ，Ｎｂ，Ｔａ，Ｗの元素をイオン注入すること
によって耐食性が著しく向上することを究明した。即ち
、該条件が請求項（１）の範囲である。この方法によっ
て得られた素材は、耐食性の評価として２０％硫酸溶液
中でのアノード分極曲線測定（ＪＩＳ Ｇ ０５７
９）による耐食性評価において不働態化電流密度が著し
く低く、耐硫酸腐食性が向上している（本発明例（１）
）。
【０００９】請求項（１）の方法で得られた素材は耐硫
酸腐食性は向上するものの、孔食に対しては耐食性がほ
とんど向上しないことが孔食発生電位測定（ＪＩＳ
Ｇ ０５７７）によって確認された。これはイオン注
入の際に生じる欠陥が孔食を起こし易いためである。本
発明者らは該欠陥部の除去方法を検討した結果、素材の
最表面を酸洗除去することにより孔食発生電位が飛躍的
に向上することを究明した（本発明例（２））。該技術
が請求項（２）である。
酸腐食性は向上するものの、孔食に対しては耐食性がほ
とんど向上しないことが孔食発生電位測定（ＪＩＳ
Ｇ ０５７７）によって確認された。これはイオン注
入の際に生じる欠陥が孔食を起こし易いためである。本
発明者らは該欠陥部の除去方法を検討した結果、素材の
最表面を酸洗除去することにより孔食発生電位が飛躍的
に向上することを究明した（本発明例（２））。該技術
が請求項（２）である。
【００１０】請求項（１）の素材に光輝熱処理を施した
場合、不働態化電流密度に加えて、不働態維持電流密度
も極めて低くなり、耐硫酸腐食性がさらに向上すること
を究明した（本発明例（３））。これは光輝熱処理によ
り、添加元素を含む表面皮膜層が再度生成されるためで
ある。該技術が請求項（３）である。しかし、請求項（
３）の処理では耐孔食性が請求項（２）に比べて劣る。 そこで請求項（３）の処理に続き酸洗処理を施すことに
より、耐孔食性、耐硫酸腐食性が共に向上することを究
明した（本発明例（４））。該技術が請求項（４）であ
る。
場合、不働態化電流密度に加えて、不働態維持電流密度
も極めて低くなり、耐硫酸腐食性がさらに向上すること
を究明した（本発明例（３））。これは光輝熱処理によ
り、添加元素を含む表面皮膜層が再度生成されるためで
ある。該技術が請求項（３）である。しかし、請求項（
３）の処理では耐孔食性が請求項（２）に比べて劣る。 そこで請求項（３）の処理に続き酸洗処理を施すことに
より、耐孔食性、耐硫酸腐食性が共に向上することを究
明した（本発明例（４））。該技術が請求項（４）であ
る。
【００１１】同様に酸洗処理により、耐孔食性を向上さ
せた請求項（２）に続きＨ２ ＋Ｎ２ ガスの雰囲気等
の下で光輝熱処理を施すことによっても、耐孔食性、耐
硫酸腐食性が共に向上する（ 本発明例（５））。該技
術が請求項（５）である。請求項（２）、（４）、（５
）の酸洗として、本発明例では硝酸酸洗を施しているが
、これは硝酸が塩酸、フッ酸、硫酸に比べ酸洗溶解速度
が遅く、最表層数百オングストロームを除去する際の酸
洗量の制御が容易であるという理由によるもので、該制
御が行い得る場合には、酸の種類や酸洗方法は特に限定
されるものではない。
せた請求項（２）に続きＨ２ ＋Ｎ２ ガスの雰囲気等
の下で光輝熱処理を施すことによっても、耐孔食性、耐
硫酸腐食性が共に向上する（ 本発明例（５））。該技
術が請求項（５）である。請求項（２）、（４）、（５
）の酸洗として、本発明例では硝酸酸洗を施しているが
、これは硝酸が塩酸、フッ酸、硫酸に比べ酸洗溶解速度
が遅く、最表層数百オングストロームを除去する際の酸
洗量の制御が容易であるという理由によるもので、該制
御が行い得る場合には、酸の種類や酸洗方法は特に限定
されるものではない。
【００１２】以上、請求項（１）〜（５）の方法を述べ
たが、これらは使用される腐食環境によって適宜使い分
けることができる。
たが、これらは使用される腐食環境によって適宜使い分
けることができる。
【００１３】
【実施例】表１〜表８に供試材の鋼種、熱処理条件、酸
洗条件、耐食性評価結果を示す。本発明例および比較例
の供試材はＳＵＳ３０４ＢＡ仕上げ材（ＪＩＳ Ｇ
４３０７）である。 耐食性評価方法としては、３
．５％塩化ナトリウム溶液中の孔食発生電位（ＪＩＳ
Ｇ ０５７７）と２０％硫酸溶液中のアノード分極
曲線測定（ＪＩＳ Ｇ ０５７９）における不働態
化電流密度、不働態維持電流密度を用いた。孔食発生電
位が高く、不働態化電流密度、不働態維持電流密度が低
いものを良好とした。但し、ＪＩＳ規格には試験面の研
磨が規定されているが、本発明例および比較例に対して
は該処理を施さずに測定を行っている。本発明例（１）
は比較例に比べ不働態化電流密度が極めて低い。本発明
例（２）は比較例に比べ孔食発生電位が高く、不働態化
電流密度が低い。本発明例（３）は比較例に比べ不働態
化電流密度と不働態維持電流密度が低い。本発明例（４
）、（５）は比較例に比べ孔食発生電位が高く、不働態
化電流密度が低い。
洗条件、耐食性評価結果を示す。本発明例および比較例
の供試材はＳＵＳ３０４ＢＡ仕上げ材（ＪＩＳ Ｇ
４３０７）である。 耐食性評価方法としては、３
．５％塩化ナトリウム溶液中の孔食発生電位（ＪＩＳ
Ｇ ０５７７）と２０％硫酸溶液中のアノード分極
曲線測定（ＪＩＳ Ｇ ０５７９）における不働態
化電流密度、不働態維持電流密度を用いた。孔食発生電
位が高く、不働態化電流密度、不働態維持電流密度が低
いものを良好とした。但し、ＪＩＳ規格には試験面の研
磨が規定されているが、本発明例および比較例に対して
は該処理を施さずに測定を行っている。本発明例（１）
は比較例に比べ不働態化電流密度が極めて低い。本発明
例（２）は比較例に比べ孔食発生電位が高く、不働態化
電流密度が低い。本発明例（３）は比較例に比べ不働態
化電流密度と不働態維持電流密度が低い。本発明例（４
）、（５）は比較例に比べ孔食発生電位が高く、不働態
化電流密度が低い。
【００１４】
【表１】
【００１５】
【表２】
【００１６】
【表３】
【００１７】
【表４】
【００１８】
【表５】
【００１９】
【表６】
【００２０】
【表７】
【００２１】
【表８】
【００２２】
【発明の効果】以上のことから明らかな如く、本発明に
よれば、汎用の鉄合金に対して飛躍的な耐食性向上が可
能となり、高耐食性の必要な建築用材や精密機械、電子
機器用部品等多方面の分野での利用ができる。さらに最
終加工製品を直接処理することにより、必要最少量で多
品種の製品を得ることができ、経済的にも多大な効果を
得ることができる。
よれば、汎用の鉄合金に対して飛躍的な耐食性向上が可
能となり、高耐食性の必要な建築用材や精密機械、電子
機器用部品等多方面の分野での利用ができる。さらに最
終加工製品を直接処理することにより、必要最少量で多
品種の製品を得ることができ、経済的にも多大な効果を
得ることができる。
Claims (5)
- 【請求項１】 Ｃｒ，Ｍｏ，Ｓｉ，Ｔｉ，Ｖ，Ｚｒ，
Ｎｂ，Ｔａ，Ｗの中の１種以上の元素を鋼の表面からイ
オン注入することを特徴とする鉄合金の耐食性向上方法
。 - 【請求項２】 Ｃｒ，Ｍｏ，Ｓｉ，Ｔｉ，Ｖ，Ｚｒ，
Ｎｂ，Ｔａ，Ｗの中の１種以上の元素を鋼の表面からイ
オン注入し、続いて、酸洗処理を施すことを特徴とする
鉄合金の耐食性向上方法。 - 【請求項３】 Ｃｒ，Ｍｏ，Ｓｉ，Ｔｉ，Ｖ，Ｚｒ，
Ｎｂ，Ｔａ，Ｗの中の１種以上の元素を鋼の表面からイ
オン注入し、続いて、光輝熱処理を施すことを特徴とす
る鉄合金の耐食性向上方法。 - 【請求項４】 Ｃｒ，Ｍｏ，Ｓｉ，Ｔｉ，Ｖ，Ｚｒ，
Ｎｂ，Ｔａ，Ｗの中の１種以上の元素を鋼の表面からイ
オン注入し、続いて、光輝熱処理を施した後、酸洗処理
を施すことを特徴とする鉄合金の耐食性向上方法。 - 【請求項５】 Ｃｒ，Ｍｏ，Ｓｉ，Ｔｉ，Ｖ，Ｚｒ，
Ｎｂ，Ｔａ，Ｗの中の１種以上の元素を鋼の表面からイ
オン注入し、続いて、酸洗処理を施した後、光輝熱処理
を施すことを特徴とする鉄合金の耐食性向上方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP40615290A JP2887528B2 (ja) | 1990-12-25 | 1990-12-25 | 鉄合金の耐食性向上方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP40615290A JP2887528B2 (ja) | 1990-12-25 | 1990-12-25 | 鉄合金の耐食性向上方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04224669A true JPH04224669A (ja) | 1992-08-13 |
| JP2887528B2 JP2887528B2 (ja) | 1999-04-26 |
Family
ID=18515771
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP40615290A Expired - Fee Related JP2887528B2 (ja) | 1990-12-25 | 1990-12-25 | 鉄合金の耐食性向上方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2887528B2 (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE10222453A1 (de) * | 2002-05-22 | 2003-12-04 | Voith Paper Patent Gmbh | Verfahren zur Oberflächenbehandlung eines Rakelelementes |
| JP2010519047A (ja) * | 2007-02-19 | 2010-06-03 | クーパー トゥールズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 格子構造を備える表面を有するはんだ付けチップ |
| CN111607760A (zh) * | 2019-11-13 | 2020-09-01 | 哈尔滨理工大学 | 一种M50钢脉冲电子束辐照Nb-W-Cr-Mo合金化方法 |
| CN112626432A (zh) * | 2020-10-23 | 2021-04-09 | 西安交通大学 | 一种提高难熔金属钼抗水腐蚀的表面合金化方法 |
-
1990
- 1990-12-25 JP JP40615290A patent/JP2887528B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE10222453A1 (de) * | 2002-05-22 | 2003-12-04 | Voith Paper Patent Gmbh | Verfahren zur Oberflächenbehandlung eines Rakelelementes |
| JP2010519047A (ja) * | 2007-02-19 | 2010-06-03 | クーパー トゥールズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 格子構造を備える表面を有するはんだ付けチップ |
| KR101464013B1 (ko) * | 2007-02-19 | 2014-11-20 | 쿠퍼툴스 게엠바하 | 격자 구조를 구비하는 표면을 갖춘 솔더링 팁 |
| CN111607760A (zh) * | 2019-11-13 | 2020-09-01 | 哈尔滨理工大学 | 一种M50钢脉冲电子束辐照Nb-W-Cr-Mo合金化方法 |
| CN112626432A (zh) * | 2020-10-23 | 2021-04-09 | 西安交通大学 | 一种提高难熔金属钼抗水腐蚀的表面合金化方法 |
| CN112626432B (zh) * | 2020-10-23 | 2022-01-25 | 西安交通大学 | 一种提高难熔金属钼抗水腐蚀的表面合金化方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2887528B2 (ja) | 1999-04-26 |
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