JPH0422073Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、ローデイングバランスを維持する
ために、少なくとも高圧エリヤと低圧エリヤとを
区画したギヤポンプに関する。

（従来の技術） 第５〜１０図に示した従来のギヤポンプは、ボ
デイｂに、ボデイボア１と軸受孔２，３とを形成
するとともに、これら軸受孔２，３には巻ブツシ
ユ４，５を圧入している。

そして、上記ボデイボア１には、サイドプレー
ト６及びギヤ７，８を順に挿入するとともに、ギ
ヤ７，８のギヤ軸９，１０は、上記サイドプレー
ト６を貫通して巻ブツシユ４，５内に挿入してい
る。

さらに、上記サイドプレート６とは別のサイド
プレート１１をギヤの反対側面に当てがうととも
に、この反対側をカバーｃでふさぐようにしてい
る。そして、このカバーｃにも軸受孔１２，１３
を形成するとともに、この軸受孔１２，１３に巻
ブツシユ１４，１５を圧入している。したがつ
て、上記のようにカバーｃをボデイｂに装着する
ことによつて、ギヤ７，８の他方のギヤ軸１６，
１７が、サイドプレート１１を貫通して、上記巻
ブツシユ１４，１５に挿入されるものである。

いま、ギヤ７，８を回転すると、吸込室１８か
ら吸い込まれた作動油が、当該ギヤ７，８の歯溝
に含まれて吐出室１９に圧送され、所定のアクチ
ユエータに、その圧油が供給される。

また、上記カバーｃの接合面２０であつて、ボ
デイボア１よりも外側に対応する部分に第１シー
ル部材２１を装着するとともに、この第１シール
部材２１で囲まれた部分には第２シール部材２２
を装着している。そして、この第２シール部材２
２は、吐出室１９側のギヤ軸１６，１７のほぼ半
周に沿つて設けるとともに、上記吸込室１８を完
全に包囲するようにしている。そして、第１シー
ル部材２１と第２シール部材２２との間を高圧エ
リヤＨとし、第２シール部材２２に囲まれた部分
を低圧エリヤＬとしている。

なお、上記第１、２シール部材２１，２２は、
吸込室１８側において、連設部２３を介して互い
に連設している。

上記のようにした各シール部材２１，２２には
バツクアツプ２４，２５を沿わせているが、特に
第２シール部材２２に沿わせるバツクアツプ２５
は、第７図に示す形状にしている。つまり、この
バツクアツプ２５は、上記第２シール部材２２の
内側に沿う起立片２５ａと、この第２シール部材
２２とサイドプレート１１との間に位置する水平
片２５ｂとからなる。

そして、上記バツクアツプ２５は、第１０図に
示すように装着するが、この装着状態において、
第２シール部材２２に作用する圧力が、当該バツ
クアツプ２５を介して、サイドプレート１１に作
用する。

したがつて、ギヤ軸１６，１７のほぼ半周に沿
わせた第２シール部材２２に相当する部分には、
高圧エリヤＨの高圧が作用することになる。

（本考案が解決しようとする問題点） 上記のようにギヤ軸１６，１７の半周に沿わせ
た部分にまで高圧が作用すると、ギヤの歯元に対
するローデイング力が強すぎてしまう。歯元での
ローデイング力が強すぎれば、当該サイドプレー
ト１１がデイスクブレーキのような機能を果し、
機械効率を著しく損なうという問題が生じる。

ところが、コンタミネーシヨンの濃度が濃い作
動油で当該ポンプを運転すると、このコンタミネ
ーシヨンの影響で、上記歯元部分が摩耗してへこ
みが生じる。このようにへこみが生じると、この
へこみ部分に高圧油が侵入するので、ローデイン
グ力が相対的に弱くなり、サイドプレート１１の
メカニカルシール機能が損なわれ、当該ポンプの
容積効率が損なわれる。したがつて、歯元部分に
へこみが生じるような上記運転条件では、歯元部
分のローデイング力が強い方が、メカニカルシー
ル機能がよくなる。

つまり、この従来のギヤポンプでは、コンタミ
ネーシヨンの管理が十分におこなわれ、その濃度
が薄い作動油を使用するような運転条件には対応
できないという問題があつた。

この考案の目的は、コンタミネーシヨンの濃度
が薄い作動油を使用した運転に最適なギヤポンプ
を提供することである。

（問題点を解決する手段） 上記の目的を達成するために、この考案は、ギ
ヤの側面にサイドプレートを設け、このサイドプ
レートの裏面に少なくとも高圧エリヤと低圧エリ
ヤとをシール部材で区画するとともに、このシー
ル部材にバツクアツプを沿わせてなるギヤポンプ
において、上記バツクアツプは、高圧エリヤ側に
おけるギヤ軸の周囲に位置する部分ら肉厚部を形
成するようにしている。

（本考案の作用） この考案は、バツクアツプのうちギヤ軸の周囲
に沿わせた部分に肉厚部を形成したので、この肉
厚部分には、高圧エリヤ側の圧力が作用せず、低
圧に維持される。

（本考案の効果） 上記のように肉厚部が低圧に維持されるので、
当該ギヤの歯元部分のローデイング力を低く抑え
ることができる。したがつて、コンタミネーシヨ
ン管理が十分におこなわれた作動油を使用する運
転条件では、サイドプレートがデイスクブレーキ
として機能するようなことがなくなる。

（本考案の実施例） 第１〜４図に示した実施例は、第２シール部材
符符を当てがうバツクアツプ２６を改良したもの
で、その他の構成は、前記従来と同様である。し
たがつて、従来と同様の構成要素については、前
記従来の説明をそのまま援用する。

上記バツクアツプ２６は、起立片２６ａと水平
片２６ｂとを有することを従来と同様であるが、
ギヤ軸１６，１７のほぼ半周に沿わせる部分に肉
厚部２６ｃを形成している点が従来と相違する。

上記のように肉厚部２６ｃを形成したので、こ
の肉厚部２６ｃに対応するギヤ７，８の歯元部分
に対するローデイング力を弱くできる。

したがつて、コンタミネーシヨン濃度が薄い作
動油を使用するときには、上記のバツクアツプ２
６を当該ポンプに装着することによつて、サイド
プレート１１がデイスクブレーキとして機能した
りしなくなり、それだけ機械効率が向上するもの
である。

【図面の簡単な説明】

図面第１〜４図はこの考案の実施例を示すもの
で、第１図はバツクアツプの正面図、第２図は第
１図の−線断面図、第３図は第２図の部の
拡大断面図、第４図は第１図の−線断面図、
第５〜１０図は従来のギヤポンプを示すもので、
第５図は断面図、第６図は第５図の−線断面
図、第７図はバツクアツプの正面図、第８図は第
７図の−線断面図、第９図は第１、２シール
部材の装着状況を示す説明図、第１０図は第２シ
ール部材とバツクアツプとの装着状態を示す拡大
部分図である。 ７，８……ギヤ、１１……サイドプレート、１
６，１７……ギヤ軸、２１，２２……第１、２シ
ール部材、Ｈ……高圧エリヤ、Ｌ……低圧エリ
ヤ、２６……バツクアツプ、２６ｃ……肉厚部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ギヤの側面にサイドプレートを設け、このサイ
   ドプレートの裏面に少なくとも高圧エリヤと低圧
   エリヤとをシール部材で区画するとともに、この
   シール部材にバツクアツプを沿わせてなるギヤポ
   ンプにおいて、上記バツクアツプは、高圧エリヤ
   側におけるギヤ軸の周囲に位置する部分に肉厚部
   を形成したギヤポンプ。