JPH04220134A - 脱煙鋳型材 - Google Patents

脱煙鋳型材

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JPH04220134A
JPH04220134A JP33879590A JP33879590A JPH04220134A JP H04220134 A JPH04220134 A JP H04220134A JP 33879590 A JP33879590 A JP 33879590A JP 33879590 A JP33879590 A JP 33879590A JP H04220134 A JPH04220134 A JP H04220134A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、鋳鋼、鋳鉄、アルミニウム等の金属の鋳造に
用いられる鋳造用鋳型の主型および中子を製造する際に
用いるシェル鋳型材料に関する。
さらに詳しくは、鋳型の製造時の加熱により発生する煙
、および刺激臭、異臭、有毒性のガス(以下、刺激性ガ
スという)の発生量が少ない脱煙鋳型材に関するもので
ある。
〔従来の技術およびその問題点〕
従来より、鋳造用鋳型の主型および中子(以下、単に鋳
型とする)の製造方法として、フェノール樹脂等の合成
樹脂が熱によって硬化する性質を砂型の硬化に利用した
シェルモールド法が多く採用されている。この方法によ
り製造された鋳型を用いて鋳造することにより、極めて
寸法精度の高い美麗な鋳肌を持った鋳物が製造できる。
このシェルモールド法に用いられる鋳型材料としては、
珪砂等の鋳型材基材にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂
、硬化材、潤滑材を順に被覆した樹脂被覆鋳物砂(レジ
ンコーテッドサンド:RCS)が一般的に使用に供され
、必要に応じて硬化促進剤やその他の添加剤を前記樹脂
被覆鋳物砂の被覆層中に含有させ、または樹脂被覆鋳物
砂に添加・混合して使用されている。
しかし、この樹脂被覆鋳物砂を原料として鋳型を製造す
る場合、加熱金型内にこの鋳型材料を封入し焼成・固結
するため、例えば成形工程等の加熱の際、加熱金型を開
放したときや鋳型を取り出し搬出する際に、煙やホルム
アルデヒド、フェノール、アンモニア等の強い刺激性ガ
スが発生し、作業環境を著しく悪化させている。また、
最近、鋳型の製造のおいて大量生産をする場合、空気圧
を利用してRCSを成形金型へ吹き込むブロー法が用い
られている。この方法では、成形金型への充填性を上げ
るため潤滑剤として主にステアリン酸カルシウムが用い
られ、鋳型を作製するときに該ステアリン酸カルシウム
が分解し、煙を多量に発生するという問題があった。
このように、従来のシェル鋳型材料は、鋳型製造用機械
の周囲に発煙用ダクトを取付けにくい型の製造工程にお
いて発生する煙および刺激性ガスが鋳物工場内の作業環
境を悪化させる原因になっており、これらの低減のため
には莫大な設備費用を必要とし、しかも必ずしも十分な
対策とはいえず、根本的な対策が強く切望されていた。
これらの不具合を解決する方法として、熱硬化性樹脂を
被覆した鋳物砂に活性炭や活性アルミナ等の細孔を多数
有しかつ比表面積が50m2/g以上の多孔性物質を混
合した鋳型材料(特開昭63−60042号公報)が提
案されている。これより、該材料を用いて鋳造用鋳型を
成形する場合や、該鋳型を用いて鋳造を行った場合の加
熱の際に発生する刺激性ガスの発生量を吸着および触媒
作用により低減することができたとされている。
しかしながら、この鋳型材料では、煙および刺激性ガス
を完全に除去するためには前記多孔性物質の混合量を多
くする必要があり、それに伴って鋳型の強度が大きく低
下し、鋳造工程において鋳型割れが発生するという問題
点を有している。さらに、前記の多孔性物質を多く混合
した鋳型材料を再利用した場合、再生処理工程を経た後
でも珪砂等の鋳型基材の中に活性炭等炭化物を除く前記
多孔性物質が残り、型として使用できない程に鋳型強度
が低下するという問題を有していた。
そこで、本発明者等は、これら従来の問題点を解決すべ
く鋭意研究し、各種の系統的実験を行った結果、本発明
を成すに至ったものである。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、鋳造用鋳型の製造を行うときに煙およ
び刺激性ガスの発生量が少なく、かつ必要型強度が得ら
れる脱煙鋳型材を提供するにある。
すなわち、従来技術のシェルモールド法に用いられる鋳
型材料は、珪砂等の鋳型材基材に熱硬化性樹脂等を被覆
した樹脂被覆鋳物砂と、さらに必要に応じて該被覆層中
に含有または該樹脂被覆鋳物砂に添加・混合された硬化
促進剤やその他の添加剤とからなる。また、この樹脂被
覆鋳物砂に多孔性物質を混合した鋳型材料は、刺激性ガ
スの低減効果はあるものの、該効果を高めるために多孔
性物質の混合量を増加させると、該材料により作製され
る型の強度が低下してしまい、鋳造中に型が崩壊してし
まうという問題があった。
本発明者らは、鋳型製造時における煙や他の刺激性ガス
の発生メカニズムを解明すべく各種の系統的実験や研究
を行った。その結果、鋳型製造時に発生する煙には、熱
硬化性樹脂の硬化反応によって発生する煙と潤滑剤とし
て使用しているステアリン酸カルシウムの分解により発
生する煙の二つがあり、両者が同時に発生すると煙の発
生量が極めて増大していることが分かった。
そこで、熱硬化性樹脂の硬化反応によって発生する煙は
、該反応中に樹脂中成分量の減少および硬化剤に対する
樹脂の割合の減少により硬化反応が促進され、未反応ガ
スの発生が低減すること、およびステアリン酸カルシウ
ム等の潤滑剤に起因する煙は水あるいは水蒸気によりよ
り小さな分子量のガスに分解されることに着眼した。
そして、適度な含水能力を有し鋳型製造の加熱時に適量
の保有水を放出して未反応ガス等の分解を促進するとと
もに、流動状態の樹脂成分を吸収可能な細孔を有する無
機保水材を、樹脂被覆鋳物砂に適量混合して鋳型材料と
することにより、前記問題点を解決するに至った。
〔第1発明の説明〕 発明の構成 本発明の脱煙鋳型材は、鋳型材基材に熱硬化性樹脂等を
被覆した鋳型材と、細孔構造を有し100〜250℃に
おいても水分の吸脱着能力を有するとともに含水能力が
15重量%以上の無機保水材とからなり、該無機保水材
の混合量が前記鋳型材基材の1.5〜4.5体積%であ
ることを特徴とする。
発明の作用および効果 本発明の脱煙鋳型材は、鋳造用鋳型を製造するときに煙
、および刺激臭、異臭、有毒性ガス等の刺激性ガスの発
生量が少なく、かつ必要型強度が得られる。
本発明の脱煙鋳型材が、上述のごとき優れた効果を発揮
するメカニズムについては、未だ必ずしも十分に明らか
ではないが、以下のように考えられる。
すなわち、本発明では、シェルモールド法に用いる鋳型
材料として、一般的に使用に供されている構成材料に、
さらに特殊な性質を有する無機保水材を混合してなる。
この無機保水材は、細孔構造を有し100〜250℃に
おいても水分の吸脱着能力を有するとともに含水能力が
15重量%以上の無機保水材である。これより、鋳型の
製造時等の加熱時に、ステアリン酸カルシウム等の潤滑
剤に起因する煙は、該無機保水材から放出される保有水
によってより小さな分子量のガスに分解され、煙やその
他の刺激性ガスの発生が低減するものと思われる。また
、フェノール樹脂等の樹脂の硬化反応において、水また
は水蒸気により硬化剤であるヘキサメチレンテトラミン
等の分解が促進されるとともに、水を供給する保水材の
細孔の中に樹脂の主成分であるフェノールレジン等が吸
収され、樹脂中成分量の変化および樹脂と硬化剤の割合
の変化により硬化反応が促進され、未反応ガスの発生が
低減するものと考えられる。
〔第2発明の説明〕 以下に、前記第1発明をさらに具体的にした第2発明を
説明する。
本発明において用いられる熱硬化性樹脂等を鋳型材基材
に被覆した鋳型材、すなわち樹脂被覆鋳物砂は、該材料
の鋳型材基材(鋳物砂)の表面に、粘結材としての熱硬
化性樹脂を被覆してなるものて、さらに必要に応じて樹
脂の硬化促進を目的としてヘキサメチレンテトラミン等
の硬化材や鋳型材料作製工程における鋳物砂の粒同士の
固結防止や流動性を良くして充填密度を大きくすること
を目的としてステアリン酸カルシウム等の潤滑剤等の添
加剤を添加してなる。
ここで、鋳型材基材は、シェル鋳型の基材をなす耐火性
の砂状物質であり、具体的には珪砂、ジルコン砂、クロ
マイト砂、オリビン砂、海砂、川砂、岩石を破砕して作
った砂等があり、それら一種類または二種類以上の混合
物を用いる。この鋳物砂は、流動性、充填性、じん性、
熱膨張性、凝固速度等を考慮して適宜な形状、大きさ、
種類のものを選択する。この鋳物砂の粒形は、丸形また
は多角形等の球形様のものであることが好ましい。
それは、この場合には、砂の流動性がよく、比較的少量
の樹脂で高い型強度が得られ易く、また、鋳型の通気性
を良好ならしめるからである。
また、熱硬化性樹脂は、シェル鋳型材料の基材としての
鋳物砂及び無機保水材を相互に結合し、所定の鋳型形状
に造形する機能を有する粘結材であり、具体的には、フ
ェノール・フォルムアルデヒド樹脂、フェノール・フル
フラール樹脂等のノボラック系フェノール樹脂、等を用
いる。
鋳物砂への樹脂の被覆は、ホットコート法、ドライホッ
トコート法、セミホットコート法、コールドコート法、
粉末溶剤法等の常法により、必要に応じて適宜添加剤を
加え行う。
ここで、樹脂の配合量は、鋳型材基材に対し1〜10w
t%であることが好ましい。この配合量は、その目的、
無機保水材および他の添加剤の添加量、製造条件により
異なるか、大略、鋳物砂が珪砂である場合には1〜6w
t%、ジルコン砂を用いた場合には1〜4wt%がよい
。また、該鋳型材基材の粒径は、50μm〜1mmであ
ることが好ましい。
次に、無機保水材は、鋳型製造時等の加熱時に適量の保
有水を放出して未反応ガス等の分解を促進するとともに
流動状態の樹脂成分を吸収可能な細孔を有する無機保水
材であって、細孔構造を有し100〜250℃において
も水分の吸脱着能力を有するとともに含水能力が15重
量%以上、好ましくは20重量%以上の無機質の保水材
である。
具体的には、鹿沼土、赤玉土、含水珪酸マグネシウム質
粘土鉱物、ヤシガラ炭、モミガラくん炭、ゼオライトが
挙げられ、これらの一種または二種以上である。また、
これ以外でも、上記吸脱着能力及び含水能力を有する物
質、すなわち天然の多孔性無機物質や、無機物質または
繊維を多く含む有機物質を熱処理した無機多孔質物質、
さらには、これらの微粉末を単独または粘土等の無機質
系粘結材との混合物を固結して用いてもよい。例えば、
ヤシガラ炭またはモミガラくん炭とベントナイトとの混
合物を用いてもよい。また、これらのものを仮焼したも
のを用いてもよい。
ここで、鹿沼土および赤玉土は、火山灰土が風化した粘
土鉱物である。鹿沼土は、主成分がアロフェンであり、
該アロフェンが変化したハロイサイトが共存したものを
用いてもよい。赤玉土は、特に関東地方の黒ボク土壌の
下層土である赤土で、粒子を揃え排水性をよくしたもの
を用いることが好ましい。なお、この鹿沼土または赤玉
土は、含水能力が適度であるので、使用済の鋳型材料を
再生利用して本発明にかかる鋳型材を構成しても本発明
と同様の効果が得られ、鋳型の型強度の低下率を許容範
囲内とすることができ、好適な物質である。
含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物は、含水珪酸マグネシ
ウム質を主成分とし、直径が0.005〜0.6μm程
度の繊維からなり、該繊維に平行に約10〜6Å程度の
長方形の断面を持つ細孔(チャンネル)が存在し、表面
に反応性に富む水酸基を有する。なお、マグネシウム或
いは珪素の一部がアルミニウム、鉄、ニッケル、ナトリ
ウム等に置換されているものでもよい。また、これらの
ものを、400〜800℃の温度範囲内で仮焼したもの
を用いてもよい。保水材として用いる場合は、細孔が残
留する程度に粉砕したものであれば何れの形で用いても
よいが、、その大きさが鋳物砂と同程度の50μm〜1
mmの範囲であることが好ましい。その中でも、鋳物砂
の粒度分布のうち最大量を示す粒度以上の大きさが好ま
しく、特に149〜500μmであることがより好まし
い。これは、無機保水材の温度上昇が樹脂被覆鋳物砂の
温度上昇と同じにする必要があるからである。また、粒
度が小さいと得られる鋳型の強度が低下し、また煙低減
効果が小さくなる。これらの粉砕は、ジョークラッシャ
ー、ハンマーミル、ローラーミル、破砕造粒機、振動ミ
ル、ピンミル、叩解機等を用い、湿式粉砕または乾式粉
砕により行う。
ヤシガラ炭またはモミガラくん炭は、自己粘結性のない
材料であるので、粘結性の強いベントナイトと混合した
後、適当な粘度にしたものを乾燥して得られたものを用
い、強度低下が少なくなるようにする。これらの混合物
の場合は、含水能力が適度に調整できるので、使用済の
鋳型材料を再生利用しても本発明と同様の効果が得られ
、好適な物質である。
無機保水材は、含水能力が20重量%〜35重量%のも
のを用いることが好ましい。これは、無機保水材へのフ
ェノールレジン等の樹脂成分の吸収量が一定量となり、
無煙化をよりよく達成でき、かつ鋳型強度低下を確実に
許容範囲内にすることができるためである。また、無機
保水材は、焼成時の煙の発生を低減するためには、焼成
前に所定の水を保有していることが好ましい。これは、
水または水蒸気がステアリン酸カルシウムの分解やヘキ
サメチレンテトラミンの分解促進に必要なためである。
該水の保有量は、無機保水材に対して5重量%〜含水能
力未満であることが好ましい。
該保有量が5重量%未満の場合はステアリン酸カルシウ
ムやヘキサメチレンテトラミンの混合量に対して水分量
が不足し煙や刺激性ガスの低減効果が十分みられず、含
水能力を超えると保水材表面に水が出て鋳型材料の混合
時に樹脂被覆鋳物砂を固結させ、鋳型の強度低下の原因
となるので好ましくない。
なお、該無機保水材は、熱硬化性樹脂等を被覆する前の
鋳物砂の粒度分布のうち、最大量を示す粒度より小さい
粒度を持つもの、特に145μm未満の大きさのものを
10重量%以下にした粒度分布を持つ顆粒状物質である
ことが好ましい。すなわち、硬化反応において煙を無く
するためには無機保水材が該樹脂を吸収することが必要
であるが、この樹脂吸収のために鋳型強度が低下する。
従って、小さい粒度のものが多いと樹脂が吸収される点
が多く、かつ吸収される量が増加することとなり、鋳型
の強度低下が大きくなる。これより、小さい粒度のもの
を少なくすることが好ましい。
本発明の脱煙鋳型材は、前記鋳型材基材と前記無機保水
材とからなる。
ここで、鋳型材基材に熱硬化性樹脂等を被覆した鋳型材
(樹脂被覆鋳物砂)と無機保水材との混合割合は、鋳型
材基材に対して該無機保水材が1.5〜4.5体積%で
ある。これは、該混合量が1.5体積%未満の場合には
、脱煙鋳型の製造を行う場合や鋳造時に発生する煙およ
び刺激性ガスの発生量を十分に低減せしめることが難し
いからである。
また、無機保水材の混合量が4.5体積%を越える場合
には、該材料を用いて製造された鋳型の強度が低下し、
型強度低下率が20%を超え、鋳造作業に必要な型強度
が得られないからである。なお、この混合量が、4.0
〜4.2体積%である場合には、本発明の効果をより一
層奏し得るのでより好ましい。
また、本発明の脱煙鋳型材は、該材料の優れた性能を損
なわない程度に他の添加剤を適宜添加・混合することが
できる。具体的には、鋳型製造工程における樹脂の硬化
促進または鋳造工程における樹脂の熱分解の促進を目的
として酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マンガン、酸化チタン等
の金属酸化物等が、鋳造後の型の崩壊性を改良するもの
として樹脂中にハロゲン系物質等が、鋳込時の型張りを
防ぐものとして鋼球、バラス、珪砂等の充填剤が、製品
鋳肌の確保のために石炭粉、ピッチ粉、コークス粉、黒
鉛粉末、ギルソナイト等の可燃性揮発物質が、珪砂等鋳
物砂の表面に均一に樹脂を被覆するためにケロシン等の
湿潤剤がある。これらの添加剤は、その目的に応じ、樹
脂中に含ませてもよいし、または鋳物砂に樹脂を被覆す
る際に、更には脱煙鋳型材を混合調整する際等、適宜の
時期に混合する。
本発明の脱煙鋳型材の代表的な調整方法を簡単に示すと
以下の様である。
先ず、常法に従い鋳型材基材にフェノール・ホルムアル
デヒド樹脂等の樹脂、ヘキサメチレンテトラミン等の硬
化剤、ステアリン酸カルシウム等の潤滑剤を順に被覆し
て得られた樹脂被覆鋳物砂を用意する。
次に、細孔構造を有し100〜250℃においても水分
の吸脱着能力を有するとともに含水能力が15重量%以
上の無機保水材を用意し、所定の水分量となるように調
整する。なお、該無機保水材の形状や大きさは、適宜の
形状・大きさのものとし、また、この粉砕工程の前また
は後で400〜800℃に仮焼したものを用いてもよい
次に、所定の水分を保有する無機保水材を、混合量が前
記鋳物砂基材の1.5〜4.5体積%となるように添加
し均一に分散する様に混合し、さらに該混合物に必要に
応じて樹脂および適宜添加剤を加え、モルタルミキサー
、スピードマラー、スピードミキサー等の混練機を用い
て均一に分散するように混練し、本発明にかかる脱煙鋳
型材を得る。
なお、添加剤の添加時期は、保水材の添加前であっても
よい。また、必要な添加剤を、樹脂被覆鋳物砂を作製す
る際に、該樹脂に添加して被覆してもよい。
この様にして得た本発明にかかる脱煙鋳型材は、概念的
に第1図に示す如く、樹脂1を被覆した鋳物砂2と、無
機保水材3とからなる。
本第2発明の脱煙鋳型材は、さらに鋳型の成形性がよく
、アルミニウム鋳物やマグネシウム鋳物等の如く比較的
鋳造温度の低い場合でも鋳造後の鋳型崩壊性が十分であ
る。
〔第3発明の説明〕 第1発明および第2発明の脱煙鋳型材を作製するのに好
適な第3発明の脱煙鋳型材の製造方法を、以下に説明す
る。
本第3発明の脱煙鋳型材の製造方法は、鋳型材基材(鋳
物砂)に熱硬化性樹脂等を被覆して鋳型材料を製造する
方法において、細孔構造を有し100〜250℃におい
ても水分の吸脱着能力を有するとともに含水能力が15
重量%以上の無機保水材を用意し、該無機保水材の含水
量を所定量に調整する工程と、鋳型材料製造用容器に潤
滑剤等の添加剤の投入直後または該添加剤を投入し樹脂
被覆鋳物砂を冷却した後に前記含水量を調整した無機保
水材を投入し、一定温度以下で混合する工程とを有して
なることを特徴とする。
これより、前記第1発明および第2発明の脱煙鋳型材を
容易に製造することができる。
また、添加剤の分解や焼成時に必要な水分を適度に確保
することができるとともに、鋳物砂中に均一に分散する
ことができる。
さらに、該無機保水材の添加を一定温度以下で行うので
、樹脂被覆鋳物砂や添加剤等の固結を防止することがで
きる。
〔第4発明の説明〕 以下に、第3発明の脱煙鋳型材の製造方法をさらに具体
的にした第4発明を説明する。
第1の方法は、鋳物砂に熱硬化性樹脂等を被覆して鋳型
材を製造する方法において、細孔構造を有し100〜2
50℃においても水分の吸脱着能力を有するとともに含
水能力が15重量%以上の無機保水材を用意し、該保水
材の含水量を5重量%〜含水能力未満に調整する工程と
、珪砂等の鋳物砂にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、
ヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤やステアリン酸カ
ルシウム等の潤滑剤などの他添加剤を混合して樹脂被覆
鋳物砂を調整する工程と、該調整された樹脂被覆鋳物砂
を冷却するとともに、含水量が5%〜含水能力未満に調
整された前記無機保水材を添加し混合する工程と、を含
んで成る。
これより、樹脂被覆鋳物砂と無機保水材の混合状態にお
いて、無機保水材はステアリン酸カルシウムやヘキサメ
チレンテトラミン等の分解に必要な水分が確保できると
ともに、鋳物砂中に均一に分散することができる。なお
、焼成時の作用については前述した通りである。
この場合、無機保水材の添加は、前記冷却工程において
、樹脂被覆鋳物砂の温度が80℃以下の状態で行うこと
が望ましい。該温度が80℃を超えた状態で無機保水材
を添加すると、無機保水材中の保有水が多量放出され、
樹脂被覆鋳物砂が固結してしまう虞れがあるからである
。なお、この樹脂被覆鋳物砂が固結した鋳型材料を焼成
すると、得られる鋳型の型強度が著しく低下し、樹脂被
覆鋳物砂に水を加えた状態と同様になってしまう。
第2の方法は、鋳物砂に熱硬化性樹脂等を被覆して鋳型
材料を製造する方法において、細孔構造を有し100〜
250℃においても水分の吸脱着能力を有するとともに
含水能力が15重量%以上の無機保水材を用意し、該無
機保水材の含水量を10重量%以下に調整する工程と、
珪砂等の鋳物砂にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、ヘ
キサメチレンヘキサミン等の硬化剤、ステアリン酸カル
シウム等の潤滑剤などの添加剤を混合して樹脂被覆鋳物
砂を調整する工程と、該ステアリン酸カルシウム等の添
加剤を添加直後に含水量が10重量%以下に調整された
前記無機保水材を添加し前記樹脂被覆鋳物砂と混合する
工程と、を含んで成る。
これより、樹脂被覆鋳物砂に混合した無機保水材は、鋳
物砂に熱硬化性樹脂と硬化剤を被覆して樹脂被覆鋳物砂
を調整する際に発生した水分を吸収し、焼成時に必要な
含水量5重量%〜含水能力未満を保ことができ、かつ該
水分を鋳物砂中に均等に分散することができる。
なお、該方法において、無機保水材の保水量が10重量
%を超えたものを用いると、温度が高いため無機保水材
中の水が放出され、冷却工程に入るところで樹脂被覆鋳
物砂が固結してしまうので好ましくない。
また、該ステアリン酸カルシウム等の添加剤を添加する
前に無機保水材を混合すると、フェノール樹脂等の樹脂
成分がまだ流動状態にあるため、該無機保水材がこの樹
脂成分を吸収してしまい、望ましくない。
また、これら方法において、無機保水材を十分乾燥させ
て用いてもよい。なお、この場合は、鋳物砂に熱硬化性
樹脂および硬化剤を被覆する際に放出される水分を吸収
すること、また保管時の雰囲気より水分を吸収すること
より、無機保水材として保有水を放出する必要があると
きまでに必要量の水分を保有できればよい。
実験例1 先ず、珪砂と該珪砂に対し2重量%のフェノール樹脂と
、硬化剤として該フェノール樹脂に対し15重量%のヘ
キサメチレンテトラミンと、潤滑剤として前記珪砂に対
して0.1重量%のステアリン酸カルシムと、水分を5
、11、21、33、42重量%含有した無機保水材を
前記珪砂に対して4体積%添加して鋳型材料を作製した
。また、該保水材を添加しない比較用鋳型材料を作製し
た。
得られた鋳型材料および比較用鋳型材料の評価するため
、焼成時に発生するガス成分をGC−MSクロマトグラ
フにより分析した。その結果、前者の保水材を添加した
鋳型材料は、添加しない比較用鋳型材料に比べてC6〜
C18相当の脂肪酸類、アルコール類、ケトン類、アル
カン・アルケン類、アミド類、アミン類が見られず、フ
ェノール樹脂の反応と思われる環化合物(含酸素、含窒
素化合物)も半分以下になっていた。特に、水分が21
重量%のものは、最も少なく約1/3であった。
これより、ステアリン酸カルシウム等の潤滑剤に起因す
る煙は、水あるいは水蒸気により、より小さな分子量の
ガスに分解されるものと考えられる。
一方、ガス検知管による定量分析によりCOやCO2、
アルデヒド類が大きく低下し、逆にヘキサメチレンテト
ラミン等の硬化剤などの分解で発生すると言われるNH
3ガスと、縮重合反応で生じると言われる水蒸気が増加
していることから、フェノール樹脂の硬化反応により発
生する煙が消失するのは、水または水蒸気により硬化剤
であるヘキサメチレンテトラミンの分解が促進されると
ともに、水が放出された無機保水材の細孔の中に樹脂の
主成分であるフェノールレジンが吸収され、樹脂中成分
量の変化および樹脂と硬化剤の割合の変化により硬化反
応が促進され、未反応ガスの発生が低減するものと考え
られる。
また、結晶水を持っている水和物や園芸で用いるパーラ
イトやバーミキュライト等の無機保水材を前記無機保水
材に代えて鋳型材料を作製した場合には、焼成した鋳型
の強度低下は少ないが、焼成時に発生する煙の量は低減
できない。これらは、水放出後に細孔がなかったり含水
能力が小さい(5.6〜12.8重量%)ことから、添
加する無機保水材としては、フェノールレジン等の樹脂
を所定量吸収する性質を有するものでなければ、加熱時
の煙の発生を低減することができないことが分かる。
また、本発明の無機保水材を用いた鋳型材料の性能評価
において、昇温条件を実際の使用条件に近い、昇温速度
99度/分で示差熱分析を行った。
その結果、煙が発生しない鋳型材料の無機保水材は、約
90〜105℃で最大の時間当り水分放出量を示し、約
120〜135℃までに保有水分の90%以上を放出す
る性質を有していた。なお、この性質を有する無機保水
材であっても、粒径が余り小さくなると最大時間当り水
分放出量を示す温度、および90%以上の水分を放出す
る温度は、ともに低温側に移行する。これらのものは焼
成時の煙の低減効果が見られず、型強度も大きく低下す
ることが分かった。
一方、水和物や吸湿剤であるシリカゲル等を本発明の無
機保水材に代えて作製した比較用鋳型材料は、前記無機
保水材と同様の含水量や保有水分放出傾向を示すものが
一部あるものの、焼成時の煙の低減効果は全んどなかっ
た。
以上のことから、焼成過程において、本発明の無機保水
材は、約135℃までの温度域において保有する水分を
放出し該水分がステアリン酸カルシウム等の潤滑剤やヘ
キサメチレンテトラミン等の硬化剤の分解を促進すると
ともに、温度上昇とともに無機保水材は近くのフェノー
ルレジン等の樹脂成分を吸収して珪砂等の鋳物砂の近傍
にある樹脂の硬化を促進することにより、焼成時の煙の
発生を著しく低減することができるものと思われる。
実験例2 乾燥した本発明の無機保水材とフェノール樹脂を共存下
で昇温した。その結果、該フェノール樹脂は、約110
℃で高粘性状態となり無機保水材の固まりを形成し、約
130℃で流動状態となり、約140℃〜150℃にお
いて無機保水材に急激に吸収されることが分かった。
この結果より、樹脂被覆鋳物砂の焼成後の強度と無機保
水材を混合した鋳型材料の焼成後の強度については、以
下のように考えられる。すなわち、第2図(a)〜第2
図(c)を用いて説明すると、珪砂等の鋳物砂の上にコ
ーティングされたフェノール樹脂と硬化剤〔第2図(a
)に示す〕は、約140℃以上で流動性を増し、第2図
(b)に示すように、粒子同士の接点に樹脂が集まり、
硬化した樹脂の厚さが厚くなり、焼成鋳型はより高い強
度が発現するものと思われる。従って、この場合はフェ
ノール樹脂の量を減らし、接点に集まる樹脂量が少なく
なると型強度が大きく低下するものと思われる。
一方、第2図(c)に示すように、多量の無機保水材を
混合した場合、約140℃以上になったときにフェノー
ル樹脂が無機保水材に吸収され、樹脂被覆鋳物砂と無機
保水材の接点にはフェノール樹脂の硬化体が無い欠陥状
態が形成され、型強度が低下するものと思われる。
従って、無機保水材を混合する場合は、混合量が多過ぎ
ると型強度を低下させ、また、該無機保水材の粒径が余
り細かくても欠陥部分の数が多くなり型強度を低下させ
るものと考えられる。
以上の実験1、2の結果より、焼成時の煙を無くし、鋳
型の強度の低下を許容範囲内にするためには、無機保水
材が、■必要な水分を有していること、■所定量の水お
よびフェノールレジンを吸収する細孔を有していること
、■鋳物砂の径に対して所定の大きさの径を有するとと
もに樹脂被覆鋳物砂と同程度に温度上昇すること、が必
要であることが分かる。
実験例3 樹脂被覆鋳物砂と水を共存させた結果、該樹脂被覆鋳物
砂は玉状に固結した。これより、焼成時に必要な水分は
、単に共存させるのではなく、無機保水材の細孔の中に
適量含有させ、樹脂被覆鋳物砂に混合するときには表面
に水を出さないようにすることが必要であると考えられ
る。さらに、一般に、悪臭ガス吸着に必要な吸着剤の孔
の大きさは、オングストローム(Å)単位の微小なもの
であることが必要とされている。これに対して、本発明
の無機保水材は、毛細管現象により水を吸い込むことが
できる大きさの孔であればよく、μ単位以上であればよ
いと考えられる。
〔実施例〕
以下に、本発明の実施例を説明する。
第1実施例 鋳物砂ノボラック系フェノール樹脂と無機保水材とを用
いて鋳型材料を製造した後、該材料を用いて鋳型を成形
し、鋳込みによる性能評価試験を行った。
先ず、無機保水材として、粒径が149〜297μmの
鹿沼土、赤玉土、セピオライト、及びヤシガラ活性炭ま
たはモミガラくん炭とベントナイトの混合物、ヤシガラ
活性炭、ゼオライト、モミガラくん炭を用意し、水分を
調整して第1表に示す無機保水材を得た(試料番号1−
18)。
次に、市販の珪砂(三河珪石(株):粒度6号)と、該
珪砂に対し2重量%のノボラック系フェノール樹脂、該
樹脂に対して15重量%のヘキサメチレンテトラミン、
珪砂に対して0.1重量%のステアリン酸カルシウムを
スピードマーラーにより順次混合して樹脂被覆鋳物砂を
得た。次いで、該樹脂被覆鋳物砂を小型モルタルミキサ
ーに入れ、第1表に示す無機保水材を、試料番号1は2
.0体積%、試料番号2〜18は4.0体積%、第1表
に示す条件で添加し、混合して本実施例の脱煙鋳型材を
得た。この保水材の含有率を第1表に合わせて示す。
次に、この脱煙鋳型材を、予め250℃に加熱された外
径80mm×内径60mm×高さ135mm×底厚さ1
5mm、抜き勾配が2度のカップ状製品用の鉄製の金型
に入れ、該型をシリコニット炉で400℃に2分間加熱
・保持した後、炉から取り出し金型をはずして鋳型を得
た。
これら鋳型の成形性は、試料番号1〜4、6〜〜12、
14〜18は良好であった。しかし、試料番号5、13
については、一部樹脂被覆鋳物砂が固結してしまった。
また、鋳型の製造の加熱の際の発煙量の観察および発生
臭の官能試験により行つた。その結果を、第2表に示す
。尚、表中、発煙状況は「◎」は「発煙は認められない
」、「△」は「発煙微かに認められる」、「×」は「少
量の発煙あり」、「××」は「多量の発煙あり」を示す
また、表中、刺激臭は「◎」は「刺激臭は認められない
」、「△」は「刺激臭微かに感じられる」、「×」は「
刺激臭あり」、「××」は「刺激臭が非常に強い」を示
す。第2表より明らかの如く、本実施例にかかるものは
、水の含有量が少ない試料番号12を除いて何れも発煙
が全くみられず、また刺激臭・異臭の発生も認められな
かった。
次に、型の強度試験を行った。その結果を、第2表に示
す。試料番号5および13のように、無機保水材の混合
する温度が高かったり、または水の含有量が多いと得ら
れる鋳型の強度が許容範囲を大きくはずれた。また、試
料番号16〜18の無機保水材としてヤシガラ活性炭、
ゼオライト、モミガラくん炭を用いたものは、得られる
鋳型の強度が許容範囲を少し超えた。
比較のために、上述の樹脂被覆鋳物砂のみを用いたもの
(試料番号C1)、保水材としてパーライトを用いたも
の(試料番号C2)、ベントナイトを用いたもの(試料
番号C3)、バーミキュライトを用いたもの(試料番号
C4)、添加量が発明の範囲外のセピオライトを用いた
もの(試料番号C5、C6)を比較用鋳型材料とし、第
3表および第4表以外の条件は前記と同様として作製し
、これを用いて比較用鋳型を作製し、同様の性能評価試
験を行った。その結果を、第5表に示す。第5表より明
らかの如く、試料番号C1の比較例の場合は、鋳型製造
時、鋳込み後の発煙量がかなり多く、また、刺激臭の発
生の程度もかなり強いことが分る。一方、試料番号C2
ないしC4の場合は、鋳型製造時、鋳込み後の発煙量や
刺激臭の発生の程度は試料番号C1ほどではないが本実
施例よりも多い。また、試料番号C5では、鋳型製造時
、鋳込み後の発煙量、および刺激臭の低減効果が十分で
はなく、試料番号C6では、型強度が大きく低下してい
ることが分かる。
さらに、上記試料番号1〜4、6〜8、10〜12につ
いて、鋳造後の型材を回収し、再生砂としての評価を実
施した。すなわち、前記樹脂被覆鋳物砂作製工程におい
て、珪砂の40%をこの再生砂に置き換え、それ以外は
前記と同様にして脱煙鋳型材を作製し、これを用いて鋳
型を作製し、同様に評価試験を行った。その結果、試料
番号1〜4および6〜8では、鋳型の製造時および鋳込
み時の何れにおいても、煙の発生状況、刺激臭の程度は
再生砂を用いないものと全んど変わらず良好で、型強度
の低下の程度も略同じ値を示した。
これに対し、試料番号10〜12の場合は、型強度の低
下が50%以上と著しかった。
第2実施例 鋳物砂と無機保水材とノボラック系フェノール樹脂を用
い、第1実施例とは無機保水材の投入時期を代えて鋳型
材料を製造した。
先ず、無機保水材として、粒径が149〜500μmの
鹿沼土、赤玉土、セピオライトを用意し、100℃で乾
燥させた後、水分調整して第6表に示す無機保水材を得
た(試料番号19〜28)。
次に、市販の珪砂(三河珪石(株):粒度6号)と、該
珪砂に対し2.5重量%のノボラック系フェノール樹脂
、該樹脂に対して15重量%のヘキサメチレンテトラミ
ンをそれぞれミックスマーラに入れて混合し、次いで、
該混合物に珪砂に対して0.1重量%のステアリン酸カ
ルシウムを入れ、さらにこの投入直後に第6表に示す無
機保水材を、4.2体積%添加し、混合して本実施例の
脱煙鋳型材を得た。なお、含水量が10重量%を越える
試料番号22、26、28は、鋳型材料の冷却時に固結
し、これらを砕いて鋳型材とした。
次に、この脱煙鋳型材を用いて、第1実施例と同様にし
て鋳型を得た。
尚、これら鋳型の成形性は良好であり、また、鋳型の製
造の加熱の際の発煙量の観察および発生臭の官能試験に
より行った。その結果を、第7表に示す。なお、表中の
記号は、前記第2表と同様である。第7表より明らかの
如く、本実施例にかかるものは、何れも発煙が全くみら
れず、また刺激臭・異臭の発生も認められなかった。
次に、型の強度試験を行った。その結果を、第7表に併
せて示す。第7表より明らかのごとく、何れの保水材に
おいても、添加時の含水量10重量%以下のものは、型
強度も許容範囲内であった。
さらに、上記試料番号19〜21、23〜25について
、鋳造後の型材を回収し、珪砂の40%をこの再生砂に
置き換え、それ以外は前記と同様にして脱煙鋳型材を作
製し、これを用いて鋳型を作製し、同様に評価試験を行
った。その結果、鋳型の製造時および鋳込み時の何れに
おいても、煙の発生状況、刺激臭の程度は再生砂を用い
ないものと全んど変わらず良好で、型強度の低下の程度
も略同じ値を示した。
第3実施例 鋳物砂とノボラック系フェノール樹脂と無機保水材を用
い、第2実施例と同様に鋳型材料を製造した後、該材料
を用いて鋳型を成形し、鋳込みによる性能評価試験を行
った。
先ず、無機保水材として、粒径が149〜500μmの
鹿沼土、赤玉土、セピオライトを用意し、含水量を5重
量%に調整して第8表に示す無機保水材得た(試料番号
29〜42)。
次に、市販の珪砂(三河珪石(株):粒度6号)と、該
珪砂に対し第8表に示す量のノボラック系フェノール樹
脂、該樹脂に対して15重量%のヘキサメチレンテトラ
ミンをそれぞれミックスマーラに入れて混合し、次いで
、該混合物に珪砂に対して0.1重量%のステアリン酸
カルシウムを入れ、さらにこの投入直後に第8表に示す
無機保水材を、同表に示す条件で添加し、10〜15秒
攪拌・混合して本実施例の脱煙鋳型材を得た。
得られた鋳型の性能評価試験を、実施例1と同様に行っ
たところ、本実施例にかかるものは鋳型の製造の加熱の
際、発煙が全くみられず、また刺激臭・異臭の発生の程
度も極めて弱かった。また、型の強度試験により行った
。その結果を、第9表に併せて示す。本実施例にかかる
ものは、型強度の低下も少なかった。
また、上記試料番号29〜42について、鋳造後の型材
を回収して再生砂とし、珪砂の40%をこの再生砂に置
き換え、それ以外は前記と同様にして脱煙鋳型材を作製
し、これを用いて鋳型を作製し、同様に評価試験を行っ
た。その結果、鋳型の製造時および鋳込み時の何れにお
いても、煙の発生状況、刺激臭の程度は再生砂を用いな
いものと全んど変わらず良好で、型強度の低下の程度も
略同じ値を示した。
次に、試料番号31および39の脱煙鋳型材を350k
g、製作用のスピードマーラにより大量に作製し、予め
250℃に加熱された自動車用エンジンブロック製造用
鋳型を作製する自動焼成機械(フロントカバー中子1.
94kg、リヤカバー3.08kg、スラブ中子1.7
2kgを一度に焼成できるもの)に空気ブロー法により
入れ、該型を250℃に1分間加熱・保持した後、自動
的に成形型を開いて鋳型を取り出した。
尚、これら鋳型の成形性は良好であり、また、鋳型の製
造の加熱の際の発煙量の観察および発生臭の官能試験に
より行った。その結果、第9表と同様に発煙が全くみら
れず、また刺激臭・異臭の発生の程度も極めて弱かった
。各製作ロット毎に強度試験用試料片を製作し型強度評
価試験をした結果、強度低下率は20%以下であった。
また、鋳造工程においても、型の破壊などの問題は発生
しなかった。なお、鋳型の強度低下を補うために、樹脂
添加量を3.2重量%にしても、同じ無機保水材の添加
量で鋳型作製時に発煙は全く見られず、また刺激臭や異
臭も極めて弱かった。
第4実施例 珪砂と該珪砂に対し2重量%のフェノール樹脂と、硬化
剤として該フェノール樹脂に対し15重量%のヘキサメ
チレンテトラミンと、潤滑剤として前記珪砂に対して0
.1重量%のステアリン酸カルシムと、無機保水材とし
て含水珪酸マグネシウム質粘土鉱物を前記珪砂に対して
4体積%添加して鋳型材料を作製した。なお、無機保水
材の含水量は、3、5、11、21、33、42、47
重量%とした。これより得られた鋳型材料を用いて、鋳
型を作製し、得られた鋳型の型強度を測定し、型強度低
下率を調べた。その結果を、第3図に示す。その結果、
無機保水材の保有水量が5〜42重量%の場合は、何れ
も煙の発生はなく型強度低下率は20%以下であった。
それに対して、3重量%の場合は、煙が少量発生し型強
度低下率も27%と高かった。また、47重量%の場合
は、煙の発生はなかったものの、型強度低下率が40%
と極めて高かった。
第5実施例 珪砂と該珪砂に対し2.5重量%のフェノール樹脂と、
硬化剤として該フェノール樹脂に対し15重量%のヘキ
サメチレンテトラミンと、潤滑剤として前記珪砂に対し
て0.1重量%のステアリン酸カルシムと、水分を5重
量%含有した無機保水材を前記珪砂に対して4体積%添
加して鋳型材料を作製した。この際、保水材の添加時期
を、珪砂内に混合(I)、フェノール樹脂投入後(II
)、ヘキサメチレンテトラミン投入後(III)、ステ
アリン酸カルシム投入後(IV)、冷却工程で投入(V
)として、それぞれ鋳型材料を得た。得られた鋳型材料
を用いて、鋳型を作製し、得られた鋳型の型強度を測定
し、型強度低下率を調べた。その結果を、第4図に示す
。その結果、保水材の投入時期がI〜III、すなわち
ステアリン酸カルシム投入前においては、何れも型強度
が34%以上低下した。
これに対して、保水材の投入時期がIVのステアリン酸
カルシム投入後、およびVの冷却工程で投入した場合に
は、何れも型強度の低下率が20%以下であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかる脱煙鋳型材の概念図、第2図は
樹脂被覆鋳物砂およびその焼成後の断面構造を模式的に
示す概念図で、第2図(a)は樹脂被覆鋳物砂の構造を
模式的に示す断面図、第2図(b)は樹脂被覆鋳物砂を
焼成したものの構造を模式的に示す断面図、第2図(c
)は樹脂被覆鋳物砂に無機保水材を混合した脱煙鋳型材
を焼成したものの構造を模式的に示す断面図、第3図は
第4実施例で得られた脱煙鋳型材の無機保水材含水量と
型強度低下率の関係を示す線図、第4図は第5実施例で
得られた脱煙鋳型材の保水材添加時期と型強度低下率の
関係を示す線図である。 1…熱硬化性樹脂 2…鋳物砂基材 3…保水材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋳型材基材に熱硬化性樹脂等を被覆した鋳
    型材と、細孔構造を有し100〜250℃においても水
    分の吸脱着能力を有するとともに含水能力が15重量%
    以上の無機保水材とからなり、該無機保水材の混合量が
    前記鋳型材基材の1.5〜4.5体積%であることを特
    徴とする脱煙鋳型材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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