JPH0421984B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の関連する技術分野 本発明は、タングステンから成る電極および稀
ガスを取囲む、石英から成るランプ管球を備え、
この管球の回転対称の放電室に、長手軸線方向に
おける２つの相対する側においてそれぞれシリン
ダ状の管球頚部が続いておりかつ各管球頚部の端
部は、ランプ長手軸線上に配置されていて、放電
室内に突出する電極を備えている電極棒と一緒に
封着部によつて気密に閉鎖されており、その際電
極棒を取囲む支持部材は、管球頚部内に間隙をお
いて配置されておりかつランプ長手軸線の方向に
おいて支持部材の位置を固定するために圧縮ばね
が設けられている、高圧放電ランプに関する。

直流によつて駆動されるランプにおいては電極
の重量が比較的大きいことから、管球頚部におい
て支持部材を設ける必要があることは周知であ
る。その際種々様々な解決方法が公知である。

ドイツ連邦共和国特許第1132242号明細書にお
いて、支持部材として、くびれた管球頚部におい
てスリツトおよび／または孔を備えた、石英から
成る円柱体を設けることが提案されており、その
際円柱体の周面が、管球頚部の内壁と融着されて
いる。ドイツ連邦共和国特許公開第2623099号
（特開昭51−148274号公報）には管球端部側での
支持部材の位置決め手段として電極棒に固定して
巻付けられた線を設けるとか管球頚部に内方に向
かつて頚部直径より小さくなるようにへこませた
数個の凹所を設け、電極と支持部材との間に弾性
の有しないコイル線を設けることが提案されてい
る。しかしこの方法では電極棒に巻線を固定する
作業工程とか管球頚部をへこませる作業工程を必
要とするほか管球頚部の加工は管球の頚部の強度
を弱めクラツクが入り易くなる欠点があり、電極
側に押入されるコイル線も弾性を有しないので製
造寸法の精度を高くしなければならず製造コスト
が高くなると云う欠点もある。ドイツ連邦共和国
特許公開第3029824号公報（＝特開昭57−55051号
公報）においてこのような欠点は、次のように取
除かれている。即ち支持部材の丸味を帯びた縁
が、圧縮ばねを用いて、管球頚部と放電容器との
間に、既に成形されているくびれ部に対して押圧
される。

発明の課題 本発明の課題は、支持部材を、複雑な位置調整
工程も放電容器における変形作業も行なう必要が
ないように配置ししかも軸線方向に移動しないよ
うに保証することである。

発明の開示および効果 この課題は本発明によれば、特許請求の範囲第
１項の上位概念に記載の特徴を有する高圧放電ラ
ンプにおいて、圧縮ばねを電極と支持部材との間
に配置して、これにより支持部材の、圧縮ばねと
は反対の方の側の端面が、封着部の一部分に対し
て弾性的に押付けられるようにしたことによつて
解決される。その際支持部材の長さは有利には、
支持部材の、放電室の方の側の端面が放電室を管
球頚部に対して実質的に閉鎖するように決められ
ている。管球頚部内の支持部材の案内特性は更
に、支持部材の長さを有利にはその直径より大き
くするかまたは少なくとも同じ大きさにすること
によつて著しく改善される。比較的低い段階の電
力を有する小さなランプでは、支持部材の長さと
直径との比は一定であり、一方比較的大きい電力
を有するランプでは、支持部材の、放電室の方の
側の端部が、−例えば段付けられかつ丸味を帯び
ている部分の形式において−放電室とは反対の方
の側の端部より大きい直径を有する。支持部材
は、高い融点および放電容器の材料に類似した膨
脹係数を有する材料から成る。このために例えば
石英またはセラミツクが特に適している。圧縮ば
ねとしては本発明によれば例えばタングステンの
ように、高い融点を有する材料が使用される。

このように構成すれば次の利点が生じる。即ち
準備工程においても、完成状態に組立てられかつ
封着されたランプにおいても、放電容器を変形す
るために、材料の特殊な性質のため熟練工しか行
なうことができない熱処理が一切必要でない。支
持部材は、封着部の一部分に当付けられるので、
組立ておよびランプ脚の、放電容器における融着
の際放電室における電極間隔のみを考慮すればよ
い。支持部材の長さは、管球頚部における中空室
全体が殆んど放電に関与しないように選択されて
いる。これにより更に次の利点が生じる。即ち支
持部材を傾斜付けして成形する必要なく、従つて
組立ての際管球頚部の内面を機械的に損傷するこ
とがなく、かつ稀ガスを充てんすべき容積が著し
く小さくなる。更に電極の背後に位置する質量体
が冷えた個所を形成し、電極の気化されたタング
ステンはこの個所に集まることができ、放出され
る光量に不都合な影響を及ぼさない。

次に本発明を図示の実施例を用いて詳細に説明
する。

第１図は、完成した高圧放電ランプを一部断面
にて示す略図である。図示の高圧放電ランプの、
大体球状に形成された放電室２は、電極棒３，４
を用いて支持されていて、ランプの長手軸線上に
配置されていてかつ放電室２内に突出している陽
極５および陰極６を取囲む。放電室の相対する側
からそれぞれ、電極棒３，４を同心的に取囲むシ
リンダ状の管球頚部７，８が延びており、これら
頚部の端部は電極棒３，４と気密に融着されてい
る。封着部は、ガラス部９乃至１０、ドーム部１
１（陰極側しか見えていない）並びに管球頚部
７，８の端部から成つている。間隙をおいて管球
頚部７，８によつて取囲まれている、石英から成
る細管の形式の支持部材１２，１３が、電極棒
３，４を取囲むように配置されており、その際こ
れら支持部材は、陽極５乃至陰極６と細管１２乃
至１３との間に設けられた、タングステンから成
る圧縮ばね１４，１５を用いてそれぞれ所属のガ
ラス部９，１０に押付けられる。細管１２は、25
mmの長さＬを有し細管１３は20mmの長さＬを有
し、また双方とも約7.5mmの直径Ｄを有する。長
さＬと直径Ｄとの比は、この実施例においては全
長にわたつて一定でありかつ陽極側の細管１２に
対しては3.33であり、また陰極側の細管１３に対
しては2.67である。高圧放電ランプ１は、管球頚
部７にある排気チツプ１６によつて閉鎖されてい
る。封着部の外側に延びた電極棒４は、接続部材
１７を介して、リツツ線として形成されている外
部の電流供給部１８に接続されている。両ランプ
端部には、ベーススリーブ１９乃至２０が設けら
れている。点弧線２１は、放電室２の外側に沿つ
て案内されておりかつそれぞれの管球頚部７およ
び８を巻付ける。典型的な高圧放電ランプは、約
9.87気圧（10bar）のキセノン封入圧を有しかつ
直流電圧において500Wの電力で作動される。

高圧放電ランプ１に対するランプ脚部の製造
は、第２図からわかるように、簡単に行なわれ
る。タングステンから成る電極棒４に、まずガラ
ス部１０が設けられる。ガラス部１０は、タング
ステンとは異なつた比較的小さな膨脹係数を有す
る。ランプの大きさおよび消費電力に相応して、
次に被覆すべきドーム部１１は、それぞれ著しく
低い膨腸係数を有する１つまたは複数の中間ガラ
スから成つている。最後に取付けるべき材料は、
一隆起部２２と同様−石英ガラスである。隆起部
２２には後に、管球頚部８の端部が融着される。
ドーム部１１の仕上げ後、電極棒４に、第２図の
実施例においては、丸味を帯びた段部２３を有す
る、石英から成る細管２４が被せられる。細管２
４はここでは約20mmの長さＬを有しかつ約10mmの
最大直径Ｄを有する。長さＬと直径Ｄとの比は、
放電室の方の側で2.0であり、従つて放電室とは
反対の側におけるよりも小さい。細管２４は、電
極棒４上を容易に移動可能である。引続いて−同
じく容易に移動可能である−タングステンから成
る圧縮ばね１５が、電極棒４に被せられる。最後
に陰極６が電極棒４の自由端に固定され、その際
圧縮ばね１５は軽い緊張下にありかつ細管２４は
接続的にガラス部１０に弾性的に押付けられる。
このように完成された脚部は、シリンダ状の管球
頚部内に挿入されかつ放電室２内に相応に位置整
定した後、従来の方法で融着される。他方のラン
プ側は類似の形式で製造され、その際管球頚部７
内でそのランプ脚を融着する際単に電極５および
６の間隔を調整するだけでよい。更に完成ランプ
として加工を続ける前に、石英から成る突出した
管部材２５が除去される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、完成した高圧放電ランプを一部を切
欠いて示す略図であり、第２図は、高圧放電ラン
プの組立てられた脚部を一部を切欠いて示す略図
である。 １……高圧放電ランプ、２……放電室、３，４
……電極棒、５，６……電極、７，８……管球頚
部、９，１０，１１……封着部、１２，１３，２
４……支持部材（細管）、１４，１５……圧縮ば
ね。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ タングステンから成る電極５，６および稀ガ
   スを取囲む、石英から成る管球を備え、該管球の
   回転対称の放電室２に、長手軸線方向における２
   つの相対する側においてそれぞれシリンダ状の管
   球頚部７，８が続いておりかつ各管球頚部７，８
   の端部は、ランプ長手軸線上に配置されていて、
   放電室２内に突出する電極５，６を備えている電
   極棒３，４と一緒に、封着部９，１０，１１によ
   つて気密に封じられておりその際電極棒３，４を
   取囲む支持部材１２，１３は、管球頚部７，８内
   に間隔をおいて配置されておりかつランプ長手軸
   線の方向において前記支持部材の位置を固定する
   ために圧縮ばね１４，１５が設けられている、高
   圧放電ランプにおいて、圧縮ばね１４，１５が、
   電極５，６および支持部材１２，１３の間に配置
   されており、これにより支持部材１２，１３の、
   圧縮ばねとは反対の側の端面が封着部の部分９，
   １０に弾性的に押付けられるようにしたことを特
   徴とする高圧放電ランプ。 ２ 支持部材１２，１３の長さＬは、該支持部材
   の、放電室２の方の側の端面が、放電室を管球頚
   部７，８に対して実質的に閉鎖するように、決め
   られている特許請求の範囲第１項記載の高圧放電
   ランプ。 ３ 支持部材１２，１３の長さＬと直径Ｄとの比
   は全長にわたつて一定である特許請求の範囲第１
   項または第２項記載の高圧放電ランプ。 ４ 放電室の方の側における支持部材１２，１３
   の長さＬと直径Ｄとの比が、放電室とは反対の側
   における比よりも小さい特許請求の範囲第１項ま
   たは第２項記載の高圧放電ランプ。 ５ 支持部材１２，１３の長さＬと直径Ｄとの比
   は、１かまたは１より大きい特許請求の範囲第１
   項から第４項までのいずれか１項記載の高圧放電
   ランプ。