JPH0421900Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は小便器を使用する人体を感知して自動
的に洗浄水を小便器に流すための小便器洗浄装置
に関する。

［従来の技術］ この種の小便器洗浄装置は、従来、小便器に近
接して人体感知センサを設け、この人体感知セン
サの信号に基いて通水弁を開閉するための開閉用
アクチユエータ及びその制御回路を備えている。

この開閉用アクチユエータ及び制御回路は、い
ずれも人体感知センサに近接して設けられてお
り、制御回路や開閉用アクチユエータは商用電源
にて作動するよう構成されている。

しかして、小便器は、通常の場合、建築物の壁
面に取り付けられるものであり、前記した制御回
路は人体感知センサと共にケーシング内に納めら
れて小便器近傍の壁面に嵌め込んだり埋め込んだ
りして設けることが殆どである。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記の如く、人体感知センサと制御回路とをま
とめてケーシング内に設置する場合、このケーシ
ングが嵩ばつたものとなるため、壁面に嵌め込ん
だり埋め込んだりするようにして設ける施工に手
間を要し、納期及びコストのいずれにおいても不
利である。

殊に、従来の小便器洗浄装置では商用電源を採
用しているから、商用電源配線を小便器の近傍ま
で延設せねばならず、この点においても施工に手
間を要していた。

［問題点を解決するための手段］ 本考案の小便器洗浄装置は、小便器に近接して
配置された小便器使用者を感知して人体感知無線
信号を送信する感知送信部及び、該感知送信部か
らの無線信号を受信して小便器への洗浄水の供給
を行なう通水制御部を備えている。

この感知送信部は、小便器使用者の感知セン
サ、感知センサからの信号に基いて作動信号を送
信回路へ出力するタイマ、タイマからの作動信号
に基いて無線信号を送信する送信器、及び電源と
しての電池を備えている。

上記タイマは、前回の感知信号の入力から所定
時間経過した後に入力される感知信号に基いて作
動信号を出力するように構成されている。

［作用］ 本考案の小便器洗浄装置において、小便器使用
者が小便器の前方に立つとこれが人体感知センサ
により感知され、該センサは感知信号をタイマへ
出力する。前回の感知信号の入力から所定時間が
経過している場合、該タイマは作動信号を送信器
へ出力し、送信器は人体感知無線信号を通水制御
部へ送信する。通水制御部は、この人体感知無線
信号を受信し、これに基いて小便器へ洗浄水を流
す。

なお、感知センサからの感知信号が、前回の感
知信号の入力から所定時間内にタイマに入力され
た際は、該タイマは作動信号を送信器へ出力しな
い。そのため、単に小便器の前を人体が続けて通
り過ぎるような場合には送信器が人体無線信号を
送信せず、該送信器の作動による消費電力が少な
い。

［実施例］ 以下図面を参照しながら本考案の実施例につい
て詳細に説明する。

第１図は本考案の実施例に係る小便器洗浄装置
を備えたトイレルーム壁面部の斜視図、第２図は
感知送信部の構成を示すブロツク図、第３図は通
水制御部の構成を示すブロツク図、第４図は感知
送信部の作動を説明するフローチヤート、第５図
は通水制御部の作動を説明するフローチヤート、
第６図、第７図及び第８図はそれぞれ小便器洗浄
装置の作動を示すタイムチヤートである。

第１図において躯体の壁面１に沿つてカウンタ
２が設けられ、該カウンタ２に複数個（図では２
個）の小便器３が設けられている。カウンタ２内
には該小便器３へ洗浄水を供給するために、給水
管４及び該給水管４から分岐した給水管５が配設
されており、該給水管５には吸水制御弁（本実施
例では電磁弁６）が設けられている。

各小便器３の上面部分には感知送信部７が設け
られている。該感知送信部７は例えば壁面２に開
口を設け、該開口に嵌め込む如くして固定する
か、あるいはカウンタ２の前面にビス、接着剤等
により固着されている。

カウンタ２内には通水制御部８が設けられてお
り、該通水制御部８は信号線９により電磁弁６に
接続されている。また通水制御部８は配線１０に
より商用電源に接続されている。

次に、感知送信部７に構成について第２図を参
照して説明する。

符号１１は小便器使用者１２の発する赤外線等
を集光するための光学計であり、集光さえた赤外
線等は人体感知センサ（本実施例では焦電セン
サ）１３へ入光可能とされている。焦電センサ１
３の出力は増幅器１４及び比較器１５を介してタ
イマ１６へ入力されている。タイマ１６の出力は
送信器１７に入力されており、送信器１７はアン
テナ１８を備えている。また、送信器１７にはア
ドレス設定部１９からアドレス信号が入力可能と
されている。

符号２０はソーラーバツテリであり、トレイル
ーム内の証明２１からの光や窓から差し込む太陽
光によつて電力を発生し、電源回路２２へ電力を
供給可能としている。この電源回路２２へはリチ
ウムバツテリ２３からも電力が供給可能とされて
おり、本実施例ではソーラーバツテリ２０からの
電力が不足する場合にはリチウムバツテリ２３か
ら電源回路２２へ給電される構成とされている。
電源回路２２は前記焦電センサ１３、増幅器１
４、比較器１５、タイマ１６及び送信器１７に作
動電力を供給している。

なお、増幅器１４は焦電センサ１３からの信号
を増幅しており、この増幅された信号が比較器１
５において基準値と比較され、基準値を超えてい
る場合には人体感知信号がタイマ１６へ出力され
る。

第４図に示す如く、感知送信部７にいおいて
は、焦電センサ１３が人体を感知すると送信器１
７は人体感知無線信号を送信すると共に、タイマ
１６が所定時間無検知時間t₃を設定し、この無検
知時間t₃の間には焦電センサ１３からの入力があ
つても送信１７へ感知信号を出力しない構成とな
つている。無検知時間t₃が終了した後はスタンバ
イ状態に復帰し、焦電センサ１３からの信号が送
信器１７へ出力可能な状態となる。

次に、第３図を参照して通水制御部の構成につ
いて説明する。符号２４はアンテナ２５を備えた
受信器であり、その受信された信号が比較器２６
に出力され、基準値と比較される。比較器２６の
比較結果である出力信号はデコーダ２７に入力さ
れる。デコーダ２７へはアドレス設定部２８から
アドレス情報が入力されており、該デコーダ２７
において比較器２６からの信号が、いずれの小便
器３に係るものであるかが判別される。デコーダ
２７は、この解読したアドレスに応じてゲートタ
イマ２９，３０の一方又は双方にデコーダ信号を
出力する。ゲートタイマ２９，３０は、人体が小
便器３の前方に立つてから所定時間（例えば10
秒）が経過した後小便器３に洗浄水を流し始める
ようにするためにするためのものであり、デコー
ダ信号が入力されてから所定時間（ゲートタイム
t₁）が経過した後、バルブタイマ３１，３２にゲ
ート信号を出力する。バルブタイマ３１は、小便
器３に洗浄水を流す時間を設定するためのもので
あり、例えば３秒間だけ小便器３に洗浄水に流
す。即ちバルブタイマ３１，３２はバルブタイマ
T₂の間だけバルブ駆動回路３３，３４に制御信
号を出力し、バルブ駆動回路３３，３４はこのバ
ルブタイムt₂の間だけフオトトライアツク３５，
３６に通電を行う。フオトトライアツク３５，３
６の出力端３５ａ，３６ａは前記電磁弁６に接続
されており、従つてバルブ駆動回路３３，３４が
作動している間だけ電磁弁６が開放されて小便器
３に給水管５から洗浄水が供給される。

符号３７は電源部であり、商用電源からの電力
の供給を受けて受信部２４、比較器２６、デコー
ダ２７、ゲートタイマ２９，３０、バルブタイマ
３１，３２、バルブ駆動回路３３，３４にそれぞ
れ電力を供給している。

前記ゲートタイマ２９，３０及びバルブタイマ
３１，３２にはそれぞれゲートタイムt₁及びバル
ブタイムt₂を調節するためのタイマ操作部３８，
３９，４０，４１が設けられている。またタイマ
操作部４０，４１には掃除用スイツチ４２が接続
されており、該掃除用スイツチ４２を押すとバル
ブタイマ３１，３２が開弁信号をバルブ駆動回路
３３，３４へ出力し、強制的に洗浄水に小便器３
に流し得る構成とされている。

また、ゲートタイマ２９，３２は動作表示灯４
３，４４が接続されており、ゲートタイマ２９，
３０がゲート信号を出力する間は該動作表示灯４
３，４４が点灯する構成とされている。

なお、ゲートタイマ２９，３０及びバルブタイ
マ３１．３２にはそれぞれ優先回路が内蔵されて
おり、ゲートタイムt₁の間にデコーダ２７からデ
コーダ信号が入力された際には強制的にゲートタ
イムを終了させる構成とされている。また、バル
ブタイマ３１，３２にあつては、バルブタイムt₂
の間にゲート信号が入力されるとただちにバルブ
タイムを終了させ、バルブ駆動回路３３，３４へ
の開弁信号をオフとする構成となつている。

第５図に示す如く、この通水制御部８において
は、電源部３７をオンとすることにより回路全体
が起動され、スタンバイ状態となる。

この状態においては、受信器２４が人体感知無
線信号を受信すると、前述の如く比較器２６，デ
コーダ２７を介してゲートタイマ２９，３０、バ
ルブタイマ３１，３２、バルブ駆動回路３３，３
４が作動して洗浄水が供給される。

次に、第６図ないし第８図を参照して本実施例
の小便器洗浄装置の作動例を説明する。

第６図は一人の使用者が小便器３を使用し、そ
れから十分な時間が経過した後さらに別の使用者
が小便器３を使用する場合のタイムチヤートであ
る。

第６図において、小便器使用者１２が小便器３
の前方に立つと焦電センサの出力がＨとなり（符
号６０）、これに伴つて送信器１７は人体感知無
線信号を出力する。（符号６１）。なお、タイマ１
６においては、焦電センサ１３の出力の立ち下り
と同時に無検知時間t₃を設定する（符号６６）。

通水制御部８の受信器２４は、前記送信器１７
の送信信号６１を受信する（符号６２）。この受
信に伴なつて、ゲートタイマ２９，３０のいずれ
かもしくは双方（以下、この説明においてはゲー
トタイマ２９が選択されて作動されるものとす
る。）がデコーダ信号の入力を受け、ゲートタイ
マt₁のカウントが開始される（符号６４）。また、
このゲートタイマ２９の作動に伴つて動作表示灯
４３が点灯する（符号６３）。

ゲートタイマ６４においてゲートタイムt₁が終
了すると、ゲート信号６４が立ち下り、これと同
時にバルブタイマ３１が開弁信号をバルブ駆動回
路３３に出力する（符号６５）。この開弁信号６
５はバルブタイムt₂の間だけ出力され、この間電
磁弁６が開弁して小便器３に洗浄水が流れる。

なお、前記した如くタイマ１６においては無検
知時間t₃が設定されるので、この無検知時間t₃の
間において小便器使用者が小便器３の前方に立つ
て焦電センサ１３の出力がＨとなつても（符号６
７）、このＨ信号６７はタイマ１６において受け
付けられず、送信器１７は作動しない。

第７図は、二人の小便器使用者が同一の小便器
を次々に使用する場合のタイムチヤートである。
この場合において、第１の使用者が小便器３の前
方に立つと、焦電センサ１３の出力がＨとなり
（符号７０）、送信器１７が人体感知無線信号７１
を出力する。これに伴つて、受信器２４が受信信
号７２を出力し、ゲートタイマ２９がゲートタイ
マt₁に入り（符号７４）、動作表示灯４３が点灯
する（符号７３）。また、タイマ１６においては
無検知時間t₃が設定される（符号７５ａ）。

しかして、無検知時間t₃は終了しているがゲー
トタイムt₁が終了するよりも以前に第２の小便器
使用者が小便器３の前方に立つと、焦電センサ１
３の信号がＨとなり（符号７６）、送信器１７は
人体感知無線信号７７を出力する。そして、受信
器２４は受信信号７８を出力する。そうすると、
ゲートタイマ２９においては、ただちにゲートタ
イムt₁を終了させ、バルブタイマ３１への出力が
立ち下る。これにより、バルブタイマ３１におい
ては、バルブタイムt₂を設定し、バルブ駆動回路
３３に開弁信号７９を出力する。この開弁信号の
間中、当該小便器３に洗浄水が流れる。そのた
め、第２の使用者が小便器の前方に立つた時はす
ぐに洗浄水が流れ始め、前回の小便器使用者の汚
水が当該小便器から速やかに流し出される。な
お、焦電センサのＨ信号７６の立ち下がりに伴つ
て、タイマ１６においては無検知時間t₃が改めて
設定される（符号７５ｂ）。

第８図は、第１の小便器使用者の後に第２の小
便器使用者が小便器３の前方に立つた場合のタイ
ムチヤートであつて、洗浄水が流れている間に第
２の小便器使用者が現れた場合のタイムチヤート
である。

第８図において、第１の小便器使用者が焦電セ
ンサ１３の前方に立つと、その出力がＨとなり
（符号８０）、送信器１７が人体感知無線信号８１
を出力する。そして、受信器２４が受信信号８２
を出力し、ゲートタイマ２９ではゲートタイムt₁
のカウントが開始される（符号８４）。また、動
作表示灯４３が点灯する（符号８３）。同様に、
タイマ１６においては無検知時間t₃を設定する
（符号８５）。

無検知時間t₃が終了し、更にゲートタイムt₁も
終了した後、バルブタイマ３１がバルブタイムt₂
のカウントを開始する（符号８６）。このバルブ
タイムt₂の間（符号８６）の間にあつては、バル
ブ駆動回路３３が作動し、電磁弁６が開放して洗
浄水が小便器３に供給される。

しかして、このバルブタイムt₂が終了するよう
にも以前に第２の小便器使用者が小便器３の前方
に立つと、焦電センサ１３の出力がＨとなり（符
号８７）、送信器１７は人体感知無線信号８８を
出力する。これに伴つて、受信器２４は受信信号
８９を出力し、ゲートタイマ２９にあつては再び
ゲートタイムt₁のカウントを開始する（符号９
１）。同様に、動作表示灯４３が点灯する（符号
９０）と共に、タイマ１６が無検知時間t₃を設定
する（符号９２）。しかして、ゲートタイマ２９
が再度ゲートタイムt₁を設定してゲート信号が符
号９１の如く立ち上がつた時に、バルブタイマ３
１はこの立ちがり信号に対応して開弁信号を停止
する（開弁信号８６の立ち下がり）。これにより、
小便器３ではただちに止水される。即ち、洗浄水
が流れている小便器の前方に小便器使用者が立つ
と、直ちに洗浄水が止水されるのであるのであ
る。

なお、符号９１で示すゲートタイムt₁が終了す
ると、バルブタイマ３１は改めてバルブタイムt₂
を設定し（符号９３）、このバルブタイムt₂の間
だけ開弁信号をバルブ駆動回路３３に出力し、洗
浄水が小便器３に供給される。

なお、ゲートタイマのタイマ操作部３８におい
ては、ゲートタイムt₁を10，15，20，25、30秒の
いずれかに設定することが可能とされている。ま
た、バルブタイマ３１のタイマ操作部４０におい
ては、バルブタイムt₂を３，６，９，12，15秒の
いずれかに設定することが可能とされている。た
だし、これらのタイムt₁，t₂は一例であつて、本
考案がこれらの数値のものに限定されるものでは
ない。

また、タイマ１６における無検知時間t₃として
は例えば４〜６秒もしくはその前後程度の値とす
るのが好適である。

［効果］ 以上の通り、本考案の小便器洗浄装置において
は、感知送信部と通水制御部とを別体とし、感知
送信部のみを小便器の近傍に配置するようにした
ものである。また、本考案はこの感知送信部を、
電池による駆動方式としたものである。

従つて、この感知送信部は嵩ばらず小型であ
り、しかも商用電源への接続が不要であるから、
壁面への取り付けは極めて容易かつ迅速に行な
え、施工コストの大幅な低減及び施工時間の大幅
な短縮が可能とされる。

また、本考案においては、感知送信部は、人体
感知信号が短い間隔にてセンサから出力された時
に人体感知無線信号を送信しないように構成して
おり、送信に伴う電力消費も極めて少ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例装置の設置状態を示す
斜視図、第２図は感知送信部の構成を示すブロツ
ク図、第３図は通水制御部の構成を示すブロツク
図、第４図は感知送信部の作動を示すフローチヤ
ート、第５図は通水制御部の作動を説明するフロ
ーチヤート、第６図、第７図及び第８図は実施例
装置の作動を説明するタイムチヤートである。 ２……カウンタ、３……小便器、４，５……給
水管、６……電磁弁、７……感知送信部、８……
通水制御部、１３……焦電センサ、１６……タイ
マ、１７……送信器、２４……受信器、２９，３
０……ゲートタイマ、３１，３２……バルブタイ
マ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 小便器に近接して配置された小便器使用者を
   感知して人体感知無線信号を送信する感知送信
   部及び、該感知送信部からの無線信号を受信し
   て小便器への洗浄水の供給を行なう通水制御部
   を備えた小便器洗浄装置であつて、 該感知送信部は、 小便器使用者の感知センサと、 該感知センサの感知信号に基いて作動信号を
   送信回路へ出力するためのものであつて、前回
   の感知信号に入力から所定時間経過した後に入
   力される感知信号に基いて作動信号を出力する
   タイマと、 該タイマからの作動信号に基いて人体感知無
   線信号を送信する送信器と、 電源としての電池と、を備えている小便器洗
   浄装置。 (2) 前記小便器は複数個設置されており、各小便
   器にそれぞれ感知送信部が近接配置されると共
   に、各感知送信部には当該小便器を他の小便器
   と区別するアドレス信号を送信回路に供給する
   アドレス設定部が設けられ、該送信器はこのア
   ドレス信号と共に人体感知無線信号を送信する
   ものであり、 前記通水制御部はこのアドレス信号に応じて
   洗浄水を供給する小便器を選択するためのもの
   である実用新案登録請求の範囲第１項に記載の
   小便器洗浄装置。 (3) 前記感知送信部は前記電池としてソーラーバ
   ツテリ及びリチウムバツテリを備えている実用
   新案登録請求の範囲第１項又は第２項に記載の
   小便器洗浄装置。