JPH04217995A - ペプチド誘導体 - Google Patents

ペプチド誘導体

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JPH04217995A
JPH04217995A JP3086048A JP8604891A JPH04217995A JP H04217995 A JPH04217995 A JP H04217995A JP 3086048 A JP3086048 A JP 3086048A JP 8604891 A JP8604891 A JP 8604891A JP H04217995 A JPH04217995 A JP H04217995A
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JP
Japan
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group
amino
prolyl
lysyl
hydroxy
Prior art date
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Pending
Application number
JP3086048A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Suda
寛之 須田
Seiichi Tanaka
誠一 田中
Junko Harada
純子 原田
Takashi Koike
隆 小池
Akira Okura
大倉 彬
Koji Arakawa
浩治 荒川
Takayoshi Okabe
隆義 岡部
Masanori Okanishi
岡西 昌則
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MSD KK
Original Assignee
Banyu Phamaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Banyu Phamaceutical Co Ltd filed Critical Banyu Phamaceutical Co Ltd
Priority to JP3086048A priority Critical patent/JPH04217995A/ja
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医薬の分野で有用であり
、更に詳細には免疫担当細胞であるマクロファージ及び
多形核白血球に作用し、腫瘍の増殖を宿主介在性に阻害
し、又は感染性の疾患、例えばウイルス性、細菌性若し
くは真菌性の疾患に対する感染防御効果を有し、又は免
疫の関与する疾患、例えば自己免疫疾患(紅斑性狼瘡又
は慢性関節リュウマチ等)の治療に効果を発揮する新規
化合物、その製法及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】免疫担当細胞、例えばマクロファージ及
び多形核白血球を活性化する作用を有する天然又は合成
のテトラペプチドであるタフトシン(Thr−Lys−
Pro−Arg)は公知である[ニシオカら、ビオヒミ
カ・エト・ビオフィジカ・アクタ(Biochimic
a  et  Biophysica  Acta)3
10巻、217−229頁(1973年)参照]。この
文献に見られるように、タフトシンはその発見の初期に
於て既にカルボキシル末端側からカルボキシペプチダー
ゼによって、またアミノ末端側からアミノペプチダーゼ
によって分解を受けることが知られている。
【0003】カルボキシペプチダ−ゼに対して抵抗性を
有するタフトシン誘導体としては国際特許願PCT/S
U80/0060号明細書に記載の化合物、スレオニル
−シクロ(−Nε−リジル−プロリル−アルギニル−)
なるペプチド誘導体がある。
【0004】一方、アミノペプチダーゼ阻害剤の研究に
よって明らかにされた知見[ニシザワら、ジャーナル・
オブ・メディシナル・ケミストリ−(J.  Medi
cinal  Chemistry)20巻、510−
515頁(1977年)参照]をもとに、アミノペプチ
ダーゼに抵抗性を有するタフトシン類縁体が考案され、
欧州特許願第296059号明細書に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、マクロファージ及び多形核白血球の貪食能
を強く活性化し、免疫不全症候群に対して優れた治療作
用を有する新規化合物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、タフトシン類縁体を合成し、それら
のマクロファージに対する貪食能活性化作用を検討した
ところ、一般式(I)で表されるペプチド誘導体がマク
ロファージの貪食能を強く活性化し、免疫不全症候群に
対する薬剤として有用であることを見出し本発明を完成
した。
【0007】更に詳細には、本発明は一般式
【0008
【化9】 [式中、Vはヒドロキシ基を示し、Wは水素原子、低級
アルキル、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル
、フェニル、アミノ、モノ若しくはジ低級アルキルアミ
ノ、アミジノ又はグアニジノ基を示すか、或いはW及び
Vが一緒になって、式:
【0009】
【化10】 で表される基、式:
【0010】
【化11】 で表される基、又は式:
【0011】
【化12】 で表される基を示し;Xは水素原子又はヒドロキシ若し
くはメルカプト基を示し;R1は水素原子又はフェニル
、p−ヒドロキシフェニル若しくは低級アルキル基を示
し、この低級アルキル基は同一若しくは異なる1〜3個
のアミノ、ヒドロキシ、低級アルキルオキシ、メルカプ
ト、低級アルキルチオ、低級アルキルスルフィニル、低
級アルキルスルホニル、カルボキシル若しくはアリール
基、芳香族複素環基、3〜7個の炭素原子を有するシク
ロアルキル基又は8〜10個の炭素原子を有するビシク
ロアルキル基で置換されていてもよく、且つ、これらの
アリール基、芳香族複素環基、シクロアルキル基又はビ
シクロアルキル基は、更にヒドロキシ、低級アルキルオ
キシ、低級アルキル、ニトロ、アミノ、モノ若しくはジ
低級アルキルアミノ、メルカプト、低級アルキルチオ、
低級アルキルスルフィニル又は低級アルキルスルホニル
基によって置換されていてもよく;R2及びR3は同時
に水素原子又は低級アルキル基を示すか、又はいずれか
一方が水素原子を示し、他方がヒドロキシ、低級アルキ
ルオキシ又は低級アルキル基を示すか、或は両者が一緒
になって単結合を示し;Aはアミノ、モノ若しくはジ低
級アルキルアミノ、アミジノ又はグアニジノ基を示し;
m及びnはそれぞれ独立に0〜4を示す]で表されるペ
プチド誘導体又はその医薬上許容される塩並びにそれら
の製造法及び用途に関するものである。
【0012】次に本明細書において用いられる用語及び
略号の意味を説明する。
【0013】「低級」なる語は、この語が付された基又
は化合物の炭素数が6個以下、好ましくは4個以下であ
ることを意味するために用いる。従って、低級アルキル
基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ter
t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、
ヘキシル基等の炭素数1〜6個の直鎖又は分枝状のアル
キル基が挙げられる。
【0014】低級アルキルオキシ基としては、例えばメ
トキシ、エトキシ、プロポキシ、sec−プロポキシ、
ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基等の炭素
数1〜6個の直鎖又は分枝状のアルキルオキシ基が挙げ
られる。
【0015】低級アルキルチオ基としては、メチルチオ
、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチ
オ、ヘキシルチオ基等の炭素数1〜6個の直鎖又は分枝
状のアルキルチオ基が挙げられる。
【0016】低級アルキルスルフィニル基としては、メ
チルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスル
フィニル、イソプロピルスルフィニル、ブチルスルフィ
ニル、sec−ブチルスルフィニル、ペンチルスルフィ
ニル、ヘキシルスルフィニル基等の炭素数1〜6個のア
ルキルスルフィニル基が挙げられる。
【0017】低級アルキルスルホニル基としては、例え
ばメチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスル
ホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、
sec−ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘキ
シルスルホニル基等の炭素数1〜6個のアルキルスルホ
ニル基が挙げられる。
【0018】アリール基とは、フェニル、ナフチル、テ
トラヒドロナフチル基等の炭素数6〜10個の芳香族炭
化水素基を意味する。
【0019】芳香族複素環基とは、例えばチエニル、ピ
リジル、インドリル、チアゾリル又はオキサゾリル基等
のヘテロ原子(ここに、ヘテロ原子とは、酸素原子、硫
黄原子又は窒素原子を意味する)を1〜2個含有する芳
香族複素環基を意味する。
【0020】3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキ
ル基とは、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル基等の環
状の炭化水素基を意味する。
【0021】8〜10個の炭素原子を有するビシクロア
ルキル基とは、例えばビシクロ[4.4.0]デシル、
  ビシクロ[4.3.0]ノニル基等の縮合環状の炭
化水素基を意味する。
【0022】   略号                略号の意味
AHPA:  3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェ
ニルブタノイル基AHCA:  3−アミノ−2−ヒド
ロキシ−4−シクロヘキシルブタノイル基DCC  :
  N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドDMF
  :  N,N−ジメチルホルムアミドEDC  :
  1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)
カルボジイミドHOBt:  1−ヒドロキシベンゾト
リアゾールTHF  :  テトラヒドロフラン 次に、前記一般式(I)で表される本発明化合物を更に
具体的に開示するため、式(I)に於て用いられる各種
記号につき、その具体例を挙げて更に詳細に説明する。
【0023】R1は水素原子又はフェニル、p−ヒドロ
キシフェニル若しくは低級アルキル基を示し、この低級
アルキル基は同一若しくは異なる1〜3個のアミノ、ヒ
ドロキシ、低級アルキルオキシ、メルカプト、低級アル
キルチオ、低級アルキルスルフィニル、低級アルキルス
ルホニル、カルボキシル若しくはアリール基、芳香族複
素環基、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基
又は8〜10個の炭素原子を有するビシクロアルキル基
で置換されていてもよく、且つ、これらのアリール基、
芳香族複素環基、シクロアルキル基又はビシクロアルキ
ル基は更にヒドロキシ、低級アルキルオキシ、低級アル
キル、ニトロ、アミノ、モノ若しくはジ低級アルキルア
ミノ、メルカプト、低級アルキルチオ、低級アルキルス
ルフィニル又は低級アルキルスルホニル基によって置換
されていてもよい。
【0024】これらの具体例としては、水素原子、例え
ばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、sec−
ブチル、ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル若
しくはイソヘキシル基等の低級アルキル基、例えばアミ
ノメチル、2−アミノエチル、1−アミノプロピル、1
−アミノペンチル若しくは3−アミノペンチル基等のア
ミノ基を有するアルキル基、例えばヒドロキシメチル、
2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシプロピル若しく
は2−ヒドロキシペンチル等のヒドロキシ基を有する低
級アルキル基、例えば1−メトキシエチル、2−メトキ
シエチル、3−メトキシプロピル、2−メトキシプロピ
ル、4−メトキシブチル、4−メトキシペンチル、5−
メトキシペンチル、5−メトキシヘキシル、4−エトキ
シペンチル、5−エトキシペンチル、3−エトキシヘキ
シル、4−エトキシヘキシル、5−エトキシヘキシル、
4−プロポキシペンチル、5−プロポキシペンチル若し
くは2−ヘキシルオキシエチル等の低級アルキルオキシ
基を有する低級アルキル基、例えば1−メルカプトエチ
ル、2−メルカプトエチル、3−メルカプトプロピル、
4−メルカプトブチル、3−メルカプトペンチル若しく
は3−メルカプトヘキシル基等のメルカプト基を有する
低級アルキル基、例えば1−メチルチオエチル、2−メ
チルチオエチル、3−メチルチオプロピル、4−メチル
チオブチル、5−メチルチオペンチル、4−エチルチオ
ペンチル、5−エチルチオペンチル、3−エチルチオヘ
キシル、4−プロピルチオペンチル若しくは2−ヘキシ
ルチオエチル基等の低級アルキルチオ基を有する低級ア
ルキル基、例えば1−メチルスルフィニルエチル、2−
メチルスルフィニルエチル、3−メチルスルフィニルプ
ロピル、4−メチルスルフィニルブチル、5−メチルス
ルフィニルペンチル、4−エチルスルフィニルペンチル
、5−エチルスルフィニルペンチル若しくは3−エチル
スルフィニルヘキシル基等の低級アルキルスルフィニル
基を有する低級アルキル基、例えば2−メチルスルホニ
ルメチル、2−メチルスルホニルエチル、3−メチルス
ルホニルプロピル、3−メチルスルホニルブチル、5−
メチルスルホニルペンチル、4−エチルスルホニルペン
チル、5−エチルスルホニルペンチル、4−エチルスル
ホニルヘキシル若しくは4−プロピルスルホニルペンチ
ル基等の低級アルキルスルホニル基を有する低級アルキ
ル基、例えばカルボキシメチル、2−カルボキシエチル
、1−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピル、3
−カルボキシブチル、5−カルボキシペンチル若しくは
2−カルボキシヘキシル基等のカルボキシル基を有する
低級アルキル基、例えばベンジル、α−メチルベンジル
、フェネチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプ
ロピル、1−フェニルブチル、1−フェニルペンチル、
2−フェニルヘキシル、1−ナフチルメチル、2−(1
−ナフチル)エチル、5−(1−ナフチル)ペンチル、
6−(2−ナフチル)ヘキシル、[1−(1,2,3,
4−テトラヒドロナフチル)]メチル若しくは2−[1
−(1,2,3,4−テトラヒドロナフチル)]エチル
基等のアリール基を有する低級アルキル基、例えば2−
チエニルメチル、3−チエニルメチル、1−(2−チエ
ニル)エチル、2−ピリジルメチル、3−インドリルメ
チル、4−チアゾリルメチル若しくは2−オキサゾリジ
ルメチル基等の芳香族複素環基を有する低級アルキル基
、例えばシクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、
シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、1−シ
クロヘキシルエチル、2−シクロヘキシルエチル、3−
シクロヘキシルプロピル、3−シクロヘキシルペンチル
、1−シクロヘキシルブチル若しくはシクロヘプチルメ
チル基等の3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル
基を有する低級アルキル基、又は例えばビシクロ[4.
4.0]デシル若しくはビシクロ[4.3.0]ノニル
等の8〜10個の炭素原子を有するビシクロアルキル基
等で置換されている低級アルキル基であることができ、
更には、該アリール基、芳香族複素環基、3〜7個の炭
素原子を有するシクロアルキル基又は8〜10個の炭素
原子を有するビシクロアルキル基で置換された低級アル
キル基の環上の水素原子がヒドロキシ、低級アルキルオ
キシ、低級アルキル、ニトロ、アミノ、モノ若しくはジ
低級アルキルアミノ、メルカプト、低級アルキルチオ、
低級アルキルスルフィニル又は低級アルキルスルホニル
基で置換されたものであることができる。
【0025】また、上記の例に加えて、同一若しくは異
なる2〜3個のアミノ、ヒドロキシ、低級アルキルオキ
シ、メルカプト、低級アルキルチオ、低級アルキルスル
フィニル、低級アルキルスルホニル、カルボキシル若し
くはアリール基、芳香族複素環基、3〜7個の炭素原子
を有するシクロアルキル基又は8〜10個の炭素原子を
有するビシクロアルキル基で置換された低級アルキル基
であることもできる。
【0026】R2及びR3は同時に水素原子又は低級ア
ルキル基を示すか、又はいずれか一方が水素原子を示し
、他方がヒドロキシ、低級アルキルオキシ若しくは低級
アルキル基を示すか、或は両者が一緒になって単結合を
示す。
【0027】これらの具体例としては、水素原子、ヒド
ロキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブ
トキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペ
ンチルオキシ、ヘキシルオキシ若しくはイソヘキシルオ
キシ基等の低級アルキルオキシ基、又は例えばメチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブ
チル、tert−ブチル、イソペンチル、ヘキシル若し
くはイソヘキシル基等の低級アルキル基等が挙げられる
【0028】また、両者が一緒になって単結合を示す場
合には、これを有するアミノ酸は3,4−デヒドロプロ
リンである。
【0029】m及びnは0〜4であり、A及びWはアミ
ノ、モノ若しくはジ低級アルキルアミノ、アミジノ又は
グアニジノ基を示しても良く、m又はnが3の時には、
これを有するアミノ酸は、例えばオルニチン、Nδ−メ
チルオルニチン、Nδ−ジメチルオルニチン、5−アミ
ジノ−2−アミノペンタン酸、アルギニン等であること
ができ、m又はnが4の時には、例えばリジン、Nε−
メチルリジン、Nε−ジメチルリジン、6−アミジノ−
2−アミノヘキサン酸、2−アミノ−6−グアニジノヘ
キサン酸等であることができる。更にWは水素原子、低
級アルキル、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキ
ル、フェニル基を示しても良く、これを有するアミノ酸
はグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、ノルロイシ
ン、シクロヘキシルアラニン、フェニルアラニン等であ
ることができる。
【0030】次に、本発明化合物の製造法について説明
する。
【0031】本発明化合物は、一般式
【0032】
【化13】 [式中、R1及びXは前記の意味を有する]で表される
化合物又はその化合物中のアミノ基、R1が官能基を有
する場合にはそれらの官能基及び/又はXがメルカプト
基若しくはヒドロキシ基である場合にはそれらを必要に
応じて保護した化合物B−(IV)に、一般式(V)

0033】
【化14】 [式中、V、W、A、R2、R3、m及びnは前記の意
味を有する]で表される化合物又は必要に応じて化合物
(V)中の官能基が保護された化合物B−(V)を縮合
剤及び必要に応じて塩基の存在下に反応させ、更に必要
に応じて保護基を除去することにより製造することがで
きる。
【0034】化合物(IV)又はB−(IV)と化合物
(V)又はB−(V)で表されるペプチドとの反応は、
ペプチド化学の分野で広く知られたカルボキシル基とア
ミノ基との縮合反応である。
【0035】従って、化合物(IV)又はB−(IV)
と化合物(V)又はB−(V)との縮合反応は、ペプチ
ド化学で公知の方法、例えば反応に悪影響を及ぼさない
溶媒中で、適当な縮合剤を用いて行うことができ、また
必要に応じて適当な塩基及び/又はN−ヒドロキシサク
シンイミド又は1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等の
縮合補助剤を用いて行われる。
【0036】縮合剤としては、例えばジシクロヘキシル
カルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−(3−ジ
メチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)等の
カルボジイミド類が使用される。
【0037】縮合反応に用いられる有機溶媒としては、
例えばエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル類、例えば酢酸メチル、酢酸エチル等の
エステル類、例えばアセトン、メチルエチルケトン等の
ケトン類、例えば塩化メチレン、クロロホルム等の塩化
炭化水素類、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド、アセトニトリル等の非プロトン性極性溶媒
、又はこれらの混合溶媒が挙げられる。
【0038】適切な塩基の例としては、例えば炭酸水素
ナトリウム、酸化マグネシウム等の無機塩基又はトリエ
チルアミン、N−メチルモルホリン等の有機塩基が挙げ
られる。.反応試剤の使用量は化合物(V)又はB−(
V)に対して、通常、化合物(IV)又はB−(IV)
はほぼ等量用いられるが、必要に応じて0.7〜2.0
モル当量とすることができ、塩基は、通常、触媒量から
2モル当量であるが、ほぼ等量を好適に用いうる。縮合
剤は、通常、少過剰量用いられる。
【0039】反応温度は、通常、−50〜50℃であり
、必要に応じてこれ以上又はこれ以下の温度を選択する
こともできる。
【0040】反応時間は、通常、30分〜2日間の範囲
であるが、必要に応じて、これ以上又はこれ以下の時間
で行われる。
【0041】上記反応条件により、縮合反応を行ったの
ち、又は必要に応じて保護基を除去したのちに、有機合
成化学の分野に於ける公知の方法、例えば溶媒抽出、再
結晶、クロマトグラフィー、イオン交換樹脂を用いる方
法等により目的物を精製することができる。
【0042】なお、原料化合物に於ける官能基の保護は
ペプチド化学に於てよく用いられる保護基を用いればよ
いが、例えばアミノ基の保護基としてはtert−ブト
キシカルボニル基又はベンジルオキシカルボニル基等が
好適に用いられ、アミジノ又はグアニジノ基の保護基と
してはメシチルスルホニル基等が好適に用いられ、ヒド
ロキシ基の保護基としてはテトラヒドロピラニル基、t
ert−ブトキシ基、ベンジル基、アルカノイル基等が
好適に用いられ、また、カルボキシル基の保護はアルキ
ル若しくはベンジルエステルの形で好適に行うことがで
きる。また、保護基の除去はパラジウム−炭素、パラジ
ウム黒等を用いる触媒水素添加、酢酸中の臭化水素酸、
トリフルオロ酢酸、ジオキサン、テトラヒドロフラン等
の有機溶媒中のp−トルエンスルホン酸、塩化水素酸に
よる酸加水分解等のペプチド化学に於て常用される方法
によって行うことができる。
【0043】また、化合物(IV)又はB−(IV)と
化合物(V)又はB−(V)との縮合反応は、混合酸無
水物法を用いて行うこともできる。
【0044】該縮合反応は、化合物(IV)又はB−(
IV)に適当な溶媒中、塩基の存在下にエチルクロロホ
ルメイト又はイソブチルクロロホルメイト等のクロロホ
ルメイト類を反応させて混合酸無水物としたのち、化合
物(V)又はB−(V)を反応させ縮合させる方法であ
る。
【0045】この際に使用し得る溶媒及び塩基としては
前記のDCC又はEDC等のカルボジイミド系の縮合剤
を用いる方法と同様のものを用いることができる。
【0046】反応試剤の使用量は、化合物(IV)又は
B−(IV)に対して化合物(V)又はB−(V)を、
通常、少過剰用いるが、必要に応じて、それよりも少な
く又は過剰に用いることもできる。塩基の使用量は、化
合物(V)又はB−(V)に対して、通常、1.0〜2
.0モルを使用する。
【0047】上記縮合反応ののち、又は必要に応じて保
護基を除去したのち、有機合成化学の分野に於ける公知
の方法、例えば溶媒抽出、再結晶、クロマトグラフィー
、イオン交換樹脂を用いる方法等により目的物を精製す
ることができる。
【0048】保護基の種類及び保護基の除去は、上記D
CC、EDC法等で述べた方法と同様の方法で行うこと
ができる。
【0049】こうして得られる化合物は、原料の選択に
より単独の立体異性体として、又は立体異性体の混合物
として得られるが、本発明は両者を包含するものである
。なお、立体異性体の混合物は、公知の方法により、分
離・分割することも可能である。更に、本発明には、上
記方法で得られる化合物の医薬上許容される塩も包含さ
れる。このような塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸
、燐酸等の無機酸の塩又は酢酸、スルホン酸、酒石酸、
コハク酸、フマル酸、クエン酸、マレイン酸、アスパラ
ギン酸、グルタミン酸、安息香酸及びグリコール酸等の
有機酸及び酸性アミノ酸の塩を挙げることができる。
【0050】また、本発明化合物の製造に用いられる化
合物(V)及びB−(V)は環状又は直鎖状のトリペプ
チドであり、環状トリペプチドの場合は、構成アミノ酸
3種からなる一般式
【0051】
【化15】 [式中、W2はアミノ、モノ若しくはジ低級アルキルア
ミノ、アミジノ又はグアニジノ基を示し;A、R2、R
3、m及びnは前記の意味を有する]で表される化合物
又は化合物(VI)中のα−アミノ基、Aで表されるア
ミノ、モノ若しくはジ低級アルキルアミノ、アミジノ若
しくはグアニジノ基、又はR2若しくはR3がヒドロキ
シ基の場合に於けるそれらの基を必要に応じて保護した
化合物B−(VI)を通常のペプチド縮合反応によって
環化させることによって容易に製造することができる。
【0052】また、化合物(VI)及びB−(VI)は
トリペプチドであり、それらはペプチド合成の分野に於
ける公知の方法で容易に製造することができる。
【0053】即ち、化合物(VI)及びB−(VI)は
その構成アミノ酸を必要に応じて適当な保護基で保護し
たのちに、液相法又は固相法により順次縮合させること
によって得られる。
【0054】縮合法としては、例えばカルボジイミドを
用いる方法、混合酸無水物法、アジド法又は活性エステ
ル化法等を用いることができる。
【0055】縮合反応、脱保護及び縮合生成物の精製は
、化合物(IV)又はB−(IV)と化合物(V)又は
B−(V)から化合物(I)を得る方法の項において記
載した方法と同様に行うことができる。
【0056】次に、本発明化合物の製造に用いられる化
合物(V)及びB−(V)の製造法について更に詳細に
説明する。
【0057】化合物(V)及びB−(V)は環状又は直
鎖状のトリペプチドであって、これを構成するアミド結
合は3箇所又は2箇所にあるが、その縮合を行う順序は
、必要に応じいずれでもよく、更に化合物(I)又はこ
れに保護基を導入した化合物B−(I)に関しても、そ
の構造中に含まれるペプチド結合を形成させる順序は必
要に応じいずれでもよいが、例えば化合物(V)又はB
−(V)は下記の方法で製造することができる。
【0058】まず、一般式
【0059】
【化16】 [式中、A1は必要に応じて保護されていてもよいアミ
ノ、モノ若しくはジ低級アルキルアミノ、アミジノ又は
グアニジノ基を示し、Pはアミノ基の保護基を示し、m
は前記の意味を有する。但し、Pを除去できる条件では
A1に悪影響を及ぼさないことを条件とする]で表され
る化合物に、例えば適当な塩基の存在下にベンジルブロ
マイドを反応させて、カルボキシル基を保護し、一般式
【0060】
【化17】 [式中、P1はカルボキシル基の保護基を示し、A1、
P及びmは前記の意味を有する。但し、Pを除去できる
条件ではA1及びP1に影響を及ぼさないことを条件と
する]で表される化合物を得る。
【0061】ここで、A1における保護基としては、例
えばメシチルスルホニル基が、Pで表される保護基とし
ては、例えばtert−ブトキシカルボニル基が好適に
用いられる。
【0062】次に、一般式(VIII)で表される化合
物の保護基Pを、例えば保護基がtert−ブトキシカ
ルボニル基である場合には、p−トルエンスルホン酸等
の酸触媒を用いて除去し、こうして得られる一般式
【0
063】
【化18】 [式中、A1及びP1は前記の意味を有する]で表され
る化合物を製造する。
【0064】更に、化合物(IX)に一般式
【0065
【化19】 [式中、P2はイミノ基の保護基を示し、R2及びR3
は前記の意味を有する。但し、P2を除去できる条件で
はA1及びP1に悪影響を及ぼさないことを条件とする
]で表される化合物又はR2若しくはR3がヒドロキシ
基である場合には、必要に応じてこれを保護した化合物
を縮合させて、一般式
【0066】
【化20】 [式中、A1、P1、P2、R2、R3及びmは前記の
意味を有する]で表される化合物又はR2若しくはR3
がヒドロキシ基である場合にはR2若しくはR3を保護
した化合物を製造することができる。
【0067】この際に使用し得る縮合条件としては、前
記の化合物(IV)又はB−(IV)と化合物(V)又
はB−(V)との縮合反応の条件と同様の条件を用いる
ことができる。
【0068】また、ピロリジン環のイミノ基の保護基P
2としてはtert−ブトキシカルボニル基が好適に使
用される。
【0069】次に、化合物(XI)に於けるイミノ基の
保護基を、例えばPがtert−ブトキシカルボニル基
の場合は、p−トルエンスルホン酸のような酸触媒の存
在下に除去し、イミノ基の脱保護された化合物(XII
)を得、次いで、一般式
【0070】
【化21】 [式中、W3は水素原子、低級アルキル、3〜7個の炭
素原子を有するシクロアルキル、フェニル又は必要に応
じて保護されていてもよいアミノ、モノ若しくはジ低級
アルキルアミノ、アミジノ又はグアニジノ基を示し;P
3はアミノ基の保護基を示し;nは前記の意味を有する
。但し、W3の保護基を除去できる条件ではA1及びP
3に悪影響を及ぼさないことを条件とする]で表される
化合物を縮合させることによって、一般式
【0071】
【化22】 [式中、W3、A1、R2、R3、P1、P3、m及び
nは前記の意味を有する]で表される化合物を製造する
【0072】この際、使用されるW3の保護基としては
ベンジルオキシカルボニル基が、P3としてはtert
−ブトキシカルボニル基がその好適な例として挙げられ
る。
【0073】このようにして、保護された鎖状トリペプ
チドを得ることができる。
【0074】P3を除去したのち、化合物(IV)又は
B−(IV)と縮合させ、必要に応じて保護基を除去す
ると、本発明化合物のうち、鎖状ペプチドを製造するこ
とができる。
【0075】また、化合物(XIV)におけるW3の保
護基及び保護基P1を除去し、一般式
【0076】
【化23】 [式中、W2、A1、R2、R3、P3、m及びnは前
記の意味を有する]で表される化合物を得、次いで、適
当な縮合剤、例えばEDCを用いて縮合すれば、一般式
【0077】
【化24】 [式中、A1、R2、R3、P3、m及びnは前記の意
味を有し;W4は式:
【0078】
【化25】 で表される基、式:
【0079】
【化26】 で表される基、又は式:
【0080】
【化27】 で表される基を示す]で表される、保護されたペプチド
誘導体を得ることができる。化合物(XIV)における
W3の保護基がベンジルオキシカルボニル基の場合は、
パラジウム黒等を触媒として用い、水素添加することに
より除去することができる。カルボキシル基の保護基P
1としてベンジル基を使用した場合には、W3の保護基
、ベンジルオキシカルボニル基の除去と同時にP1を除
去することができ、環状トリペプチドを製造する場合は
、そのまま環化反応に付すことができるという意味から
有利である。
【0081】P3としては、tert−ブトキシカルボ
ニル基が好適に用いることができる。更に必要に応じて
、例えばP3がtert−ブトキシカルボニル基の場合
は、トリフルオロ酢酸等により保護基P3を容易に除去
することができる。
【0082】また、本発明に使用する出発原料化合物は
、醗酵法又は化学合成法によって得られる公知のアミノ
酸、天然のペプチド若しくは蛋白質の加水分解によって
得られるアミノ酸である。又は、アミノ酸を出発原料と
して化学的手法により炭素数を変換した化合物又は側鎖
を修飾したアミノ酸を原料として使用することもできる
。とりわけ、一般式(V)によって表される化合物のう
ち、式中のXがヒドロキシ基である化合物及びその官能
基が保護された化合物は、例えばα−アミノ酸を出発原
料として、そのアミノ基を保護したのち、ピラゾール又
は3,5−ジメチルピラゾールをジシクロヘキシルカル
ボジイミド(DCC)を用いて縮合させ、縮合物を低温
下に水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)を用
いて還元し、得られるN−保護アミノ酸のアルデヒドを
シアンヒドリン誘導体に変換し、更に、酸加水分解を行
うことによって得るという公知の方法[スダら、ジャー
ナル・オブ・アンチビオティクス(J.Antibio
tics)29巻、  600−601頁(1976年
)及びニシザワら、ジャーナル・オブ・メディシナル・
ケミストリー(J.  Medicinal  Che
mistry)20巻、510−545頁(1977年
)参照]によって得ることができる。また、別の方法と
しては、次の反応式
【0083】
【化28】 [式中、R4は低級アルキル基を示し、P4はアミノ基
の保護基を示し、R1は前記の意味を有する]で示され
る方法によって立体選択的に合成することができる。
【0084】更に具体的に説明すると、式(XVII)
で示されるアミノ基を保護したD−又はL−アミノ酸の
低級アルキルエステルを水素化ジイソブチルアルミニウ
ム等の還元剤を用いてアルデヒド体としたのち、ビニル
マグネシウムブロミドを反応させて一般式(XVIII
)で表される1−エン−3−オール体に誘導する。次に
、2,2−ジメトキシプロパンを用いてオキサゾリジン
環を形成させて一般式(XIX)で示される化合物を得
てから四酸化オスミウムを用いて一般式(XX)で示さ
れる5−ホルミルオキサゾリジン誘導体となし、次いで
ジョーンズ試薬によって酸化することにより一般式(I
V)で示される化合物又は必要に応じてその官能基を保
護した化合物の中、Xがヒドロキシ基である化合物を得
ることができる。
【0085】また、一般式(IV)で示される化合物又
はその保護された化合物B−(IV)の中、Xがメルカ
プト基である化合物を得る公知の方法としては例えば必
要に応じてアミノ基を保護したα−アミノ酸を、イソブ
チルクロロホルメート、N−メチルモルホリン及びジア
ゾメタンを用いて、その1−ジアゾ−2−オン誘導体に
変換し、次いで安息香酸銀とメタノールを用いてXが水
素原子である化合物のメチルエステル体(この化合物は
本発明化合物(I)においてXが水素原子である場合の
原料となる)を得たのち、低温下にリチウムジイソプロ
ピルアミドと反応させ、次に4−メトキシベンジルジス
ルフィドと反応させることにより、α−4−メトキシベ
ンジルチオ化合物を得(この化合物は必要に応じて加水
分解した後、一般式(V)又はB−(V)で示される化
合物との縮合反応に用いることもできる)、更にこのα
−4−メトキシベンジルチオ化合物にトリフルオロ酢酸
第二水銀を反応させて、4−メトキシベンジル基を除去
してメルカプト体を製造する方法がある[イー・エム・
ゴードン(E・M・Gordon)ら、ジャーナル・オ
ブ・メディシナル・ケミストリー(J.  Medic
inal  Chemistry)31巻、2199−
2211頁(1988年)参照]。
【0086】次に、本発明の化合物の生理活性について
述べる。
【0087】本発明の一般式(I)で表される化合物は
、免疫担当細胞である、例えばマクロファージを活性化
することができる。このことを立証するために下記の方
法によってその活性化能を測定した。測定方法:ヒツジ
赤血球を外的異物として、マウス腹腔マクロファージの
貪食能を測定した。
【0088】6週令のメスCDF1マウスの腹腔内に1
0%プロテオースペプトン(Difco社製)を1.5
ml注射し、3日後に腹腔中をハンクス液(HBSS,
日水社製)にて洗浄し、腹腔内細胞を回収した。回収し
た細胞を1000rpm、10分間で遠心分離した後、
細胞数4×105個/mlとなるように10%牛胎児血
清を含むRPMI−1640培地(日水社製)に分散さ
せ、0.5mlずつ24穴プラスチックプレート(直径
16mm)の各ウェルに加え、5%CO2、37℃の条
件下に3時間加温して、マクロファージをプレートに吸
着させたのち、非吸着細胞をHBSSで洗浄除去し、1
0%牛胎児血清を含むRPMI−1640培地を加えた
。次いで、10%牛胎児血清を含むRPMI−1640
培地に溶解した被験ペプチドを加え、37℃、15分間
加温したのち、ウサギの抗ヒツジ赤血球血清で処理した
ヒツジ赤血球(SRBC)106個ずつを各ウェルに加
えて、37℃、45分間加温した。そして、0.83%
塩化アンモニウムを含む17mMトリス−塩酸緩衝液(
pH7.6)によって、マクロファージに貪食されなか
ったSRBCを溶血、除去し、0.5%グルタルアルデ
ヒドを含むPBS(リン酸緩衝生理的食塩水)で細胞を
固定化して、顕微鏡カメラにより撮影し、SRBCを貪
食しているマクロファージの割合を計数した。ペプチド
のマクロファージに対する貪食能の活性化作用は、ペプ
チドを添加しなかった場合の貪食能を100として表し
た。その結果を第1表に示す。
【0089】なお、参考化合物としてタフトシンのマク
ロファージに対する活性化能を比較試験した。
【0090】
【表1】 第1表に示したように、参考化合物であるタフトシンの
有効濃度領域は狭く、その本試験に於ける至適濃度0.
015μg/mlに於てT/C  137%を示した。 一方、実施例1及び2の化合物はマクロファージを活性
化できる濃度領域が非常に広く、実施例1の化合物につ
いては例えば0.015μg/mlに於てはT/C  
144%を示し、更に用量をあげることによって例えば
  0.05μg/mlに於てT/C  171%を示
した。 また、実施例2の化合物については例えば0.015μ
g/mlに於てはT/C  145%を示し、更に用量
をあげることによって例えば0.15μg/mlに於て
T/C  166%を示した。
【0091】上記のように、本発明の一般式(I)で表
される化合物のマクロファージに対する活性化作用を貪
食作用を指標にして検討することにより、本発明の化合
物は広い用量域において顕著なマクロファージ活性化作
用を示す物質であることが証明された。かつ、その活性
化はマクロファージに対する直接作用であることが証明
された。このことは免疫不全症候群に対して用いられる
本発明の化合物の作用機序のひとつを明確にしたという
意味で重要である。
【0092】本発明の一般式(I)で表される化合物は
マウス脾臓細胞に対するリポポリサッカライド(LPS
)又はコンカナバリンA(ConA)の幼若化反応を促
進することができる。このことを立証するために下記の
方法によってその活性を測定した。
【0093】測定方法:検体を10mg/mlの濃度に
リン酸緩衝生理食塩水を用いて溶解し、次いで細胞培養
培地(10mM  HEPES−RPMI−1640培
地)を用いて検体を希釈し、50μlずつ96穴プラス
チックプレートに加える。次に細胞培養培地に溶解した
10μg/ml  コンカナバリンA(ConA)又は
50μg/ml  リポポリサッカライド(LPS)5
0μlずつを96穴プラスチックプレートに加える。5
週令のメスCDF1マウスの脾臓細胞は5%牛胎児血清
含有細胞培養用培地(5%FCS−10mM  HEP
ES−RPMI−1640培地)を用いて5×106個
/mlの濃度に分散させ、100μlずつ各ウェルに加
える。 5%CO2、37℃の条件下に2日間培養したのち、3
H−チミジン(2μCi)を各ウェルに加え更に5%C
O2、37℃の条件下に1昼夜培養する。培養後、セル
ハーベスター等を用いて細胞をフィルターユニット上に
集め、細胞に取り込まれた5%トリクロロ酢酸不溶性の
アイソトープのカウントを液体シンチレーションカウン
ターを用いて測定する。検体を添加しなかった場合のカ
ウントを100として表す。その結果を第2表に示す。
【0094】
【表2】 上記の実験において対照に用いたタフトシンは何等の促
進効果を示さなかった。
【0095】また、本発明の一般式(I)で表される化
合物は、ロイシンアミノペプチダーゼ(マイクロソーマ
ル)[EC  3.4.11.2]に対して強力な阻害
作用を有する。このことを立証するために次の方法によ
って阻害活性を測定した。
【0096】 緩衝液:0.1Mトリス−塩酸(pH7.6)基質:2
mM  L−フェニルアラニン−β−ナフチルアミドを
含有する20%DMSO水溶液 酵素:ロイシンアミノペプチダーゼ、マイクロソーマル
[EC  3.4.11.2](シグマ社製、ブタ腎臓
より調製、Lot  57F−8115、用時、酵素溶
液0.05mlが30分間の反応で約25nmolのβ
−ナフチルアミンを遊離するように緩衝液で希釈する。 )ガーネット試薬:1mg/mlファースト・ガーネッ
トGBCジアゾニウム塩(シグマ社製)の10%Twe
en  20−1M酢酸緩衝液(pH4.2)測定法:
小試験管(15×100mm)に0.25ml基質溶液
、0.5ml緩衝液、0.2mlの試料或は水を加え、
37℃で3分間加温したのち、0.05mlのロイシン
アミノペプチダーゼ[EC  3.4.11.2]溶液
を加え、37℃で30分間反応する。反応後、ガーネッ
ト試薬1.0mlを加え、室温に15分間放置したのち
525nmで吸光度を測定する。
【0097】上記の方法によって実施例1及び2の化合
物並びに参考化合物としてベスタチン及びタフトシン(
いずれもペプチド研究所製)の阻害活性を測定した。 その結果を第3表に示す。
【0098】
【表3】 なお、ベスタチンは癌の治療剤として臨床的に使用され
ている薬剤であって、ロイシンアミノペプチダーゼ[E
C  3.4.11.1]及びアミノペプチダーゼB[
EC  3.4.11.6]の阻害物質として知られて
いる[スダら、アーカイブス・オブ・バイオケミストリ
ー・アンド・バイオフィジクス(Arch.  Bio
chem.  Biophys.)177巻、196−
200頁(1976年)参照]。
【0099】第2表に示したように、本発明の一般式(
I)で表される化合物はロイシンアミノペプチダーゼ[
EC  3.4.11.2]を強力に阻害する活性を有
する。従って、本発明の化合物はこの酵素による分解に
対して抵抗性を有する。
【0100】本発明化合物を、抗腫瘍剤を含む、免疫不
全症候群に対する薬剤として使用する際の投与形態とし
ては各種の形態が選択でき、例えば錠剤、カプセル剤、
散剤、顆粒剤若しくは液剤等の経口剤、又は例えば溶液
若しくは懸濁液等の殺菌した液状の非経口剤が挙げられ
る。
【0101】固体の製剤は、そのまま錠剤、カプセル剤
、顆粒剤又は粉末の形態として製造することもできるが
、適当な添加物を使用して製造することもできる。その
ような添加物としては、例えば乳糖若しくはブドウ糖等
の糖類、例えばトウモロコシ、小麦若しくは米等の澱粉
類、例えばステアリン酸等の脂肪酸、例えばメタケイ酸
アルミン酸マグネシウム若しくは無水リン酸カルシウム
等の無機塩、例えばポリビニルピロリドン若しくはポリ
アルキレングリコール等の合成高分子、例えばステアリ
ン酸カルシウム若しくはステアリン酸マグネシウム等の
脂肪酸塩、例えばステアリルアルコール若しくはベンジ
ルアルコール等のアルコール類、例えばメチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース若
しくはヒドロキシプロピルメチルセルロース等の合成セ
ルロース誘導体、その他、水、ゼラチン、タルク、植物
油、アラビアゴム等、通常用いられる添加物が挙げられ
る。
【0102】これらの錠剤、カプセル剤、顆粒剤及び粉
末等の固形製剤は一般的には0.1〜100重量%、好
ましくは5〜100重量%の有効成分を含む。
【0103】液状製剤は、水、アルコール類又は例えば
大豆油、ピーナツ油若しくはゴマ油等の植物由来の油等
液状製剤において通常用いられる適当な添加物を使用し
、懸濁液、シロップ剤若しくは注射剤等の形態として製
造される。
【0104】特に、非経口的に筋肉内注射、静脈内注射
又は皮下注射で投与する場合の適当な溶剤としては、例
えば注射用蒸留水、塩酸リドカイン水溶液(筋肉内注射
用)、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール、静脈
内注射用液体(例えばクエン酸及びクエン酸ナトリウム
等の水溶液)若しくは電解質溶液(点滴静注及び静脈内
注射用)等、又はこれらの混合溶液が挙げられる。
【0105】また、これらの注射剤は予め溶解したもの
の他、粉末のまま或は適当な添加物を加えたものを用時
溶解する形態もとり得る。これらの注射液は、通常0.
1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の有効成分を
含む。
【0106】また、経口投与の懸濁剤又はシロップ剤等
の液剤は、0.5〜10重量%の有効成分を含む。
【0107】本発明の化合物の実際に好ましい投与量は
、使用される化合物の種類、配合された組成物の種類、
適用頻度及び治療すべき特定部位、宿主及び腫瘍によっ
て変化することに注意すべきである。例えば、1日当り
の成人1人当りの投与量は、経口投与の場合、1ないし
500mgであり、非経口投与、好ましくは静脈内注射
の場合、1日当り1ないし100mgである。なお、投
与回数は投与方法及び症状により異なるが、1回ないし
5回である。
【0108】また、隔日投与、隔々日投与などの間歇投
与方法も用いることができる。
【0109】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定される
ものではない。
【0110】
【実施例】実施例1 (2S,3R)−AHPA−シクロ(−Nε−(S)−
リジル−(S)−プロリル−(S)−アルギニル−)(
1)  (4R,5S)−3−tert−ブトキシカル
ボニル−2,2−ジメチル−4−フェニルメチル−5−
オキサゾリジンカルボン酸 (a)D−フェニルアラニン10gをジオキサン−水(
2:1)180mlに懸濁し、氷冷下、3N水酸化ナト
リウム水溶液20.2mlを加える。次に、ジ−ter
t−ブチルジカルボネイト14.5gのTHF溶液4.
5mlを加え、室温で終夜撹拌する。反応液から溶媒を
減圧下で留去したのち、残渣に5%硫酸水素カリウムを
加えてpHを2〜3に調整する。酢酸エチルで3回抽出
し、酢酸エチル層を合せて、水、飽和食塩水で洗浄する
。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し
て、N−tert−ブトキシカルボニル−D−フェニル
アラニン17gを無色油状物として得る。
【0111】Rf値:0.56(クロロホルム−メタノ
ール−酢酸=10:1:0.1) (b)(a)で得られる化合物15gを乾燥したDMF
  45mlに溶解し、炭酸水素ナトリウム14.3g
とヨウ化メチル3.9mlを室温撹拌下にて加える。遮
光して室温で終夜撹拌する。反応液から無機物を濾去し
、濾液に水100mlを加え、酢酸エチルで抽出する。 酢酸エチル層を5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、5%炭
酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄する。 無水硫酸マグネシウムで乾燥したのち、減圧下溶媒を留
去し、N−tert−ブトキシカルボニル−D−フェニ
ルアラニン  メチルエステル15.5gを無色油状物
として得る。
【0112】Rf値:0.53(n−ヘキサン−酢酸エ
チル=3:1) (c)(b)で得られる化合物8gを乾燥したトルエン
50mlに溶解し、アルゴンガス雰囲気下、−78℃に
冷却し、1M  水素化ジイソブチルアルミニウム−ト
ルエン溶液43mlを15分間にわたり滴下する。同温
にて更に30分撹拌したのち、1M  ビニルマグネシ
ウムブロミド−THF溶液85.8mlを1時間にわた
り滴下し、0℃まで昇温し、更に同温にて終夜撹拌する
。反応液にメタノール1.6mlを加えたのち、10%
クエン酸水溶液300mlを加え、酢酸エチルで抽出す
る。 酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄し、つづいて無水硫酸
マグネシウムで乾燥する。減圧下溶媒を留去し、残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(キーゼルゲル6
0、180g)により精製し、n−ヘキサン−酢酸エチ
ル(7:2)で溶出し、(3R,4R)−4−tert
−ブトキシカルボニルアミノ−5−フェニル−1−ペン
テン−3−オール2.7gを無色結晶として得る。
【0113】Rf値:0.29(n−ヘキサン−酢酸エ
チル=3:1) (d)(c)で得られる化合物1gを2,2−ジメトキ
シプロパン2.6mlに溶解し、無水p−トルエンスル
ホン酸62mgを加えて室温で終夜撹拌する。反応液に
炭酸水素ナトリウムを加えて中和し、20分間撹拌した
のち無機物を濾去する。濾液を減圧下留去し、残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(キーゼルゲル60
、75g)で精製し、n−ヘキサン−酢酸エチル(15
:1)で溶出し、(4R,5R)−3−tert−ブト
キシカルボニル−2,2−ジメチル−5−エテニル−4
−フェニルメチルオキサゾリジン847mgを無色油状
物として得る。
【0114】Rf値:0.56(n−ヘキサン−酢酸エ
チル=6:1) (e)(d)で得られる化合物200mgをジオキサン
2mlに溶解し、室温下、四酸化オスミウム8mgのジ
オキサン溶液2mlを加え、遮光して15分撹拌する。 反応液に水0.65mlを加えてから、過ヨウ素酸ナト
リウム269mgの水溶液3.5mlを35分間にわた
って加える。更に、遮光下、室温で1時間撹拌する。反
応液から無機物を濾去し、濾液にエーテルを加えて希釈
したあと5%硫化ナトリウム水溶液で洗浄する。更に飽
和食塩水で洗浄したのち無水硫酸マグネシウムで乾燥す
る。減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(キーゼルゲル60、7g)で精製し、
n−ヘキサン−酢酸エチル(6:1)にて溶出し、(4
R,5S)−3−tert−ブトキシカルボニル−2,
2−ジメチル−5−ホルミル−4−フェニルメチルオキ
サゾリジン166.5mgを無色固体として得る。
【0115】Rf値:0.38(n−ヘキサン−酢酸エ
チル=3:1) (f)(e)で得られるホルミル体135.7mgをア
セトン6.8mlに溶解し、−20℃撹拌下2.6Mジ
ョーンズ試薬300μlを加え1時間撹拌する。反応液
にイソプロパノールを加えて過剰の試薬を消費したのち
クロム塩を濾去し、濾液に酢酸エチルを加えて希釈し、
水、飽和食塩水で洗浄する。無水硫酸マグネシウムで乾
燥し、減圧下溶媒を留去し、(4R,5S)−3−te
rt−ブトキシカルボニル−2,2−ジメチル−4−フ
ェニルメチル−5−オキサゾリジンカルボン酸131m
gを白色固体として得る。
【0116】Rf値:0.15(n−ヘキサン−酢酸エ
チル=3:1) (2)シクロ(−Nε−(S)−リジル−(S)−プロ
リル−Nω−メシチルスルホニル−(S)−アルギニル
−)・トリフルオロ酢酸塩 (a)N−tert−ブトキシカルボニル−Nω−メシ
チルスルホニル−L−アルギニン・酢酸エチル・一水和
物198mgをDMF  0.5mlに溶解し、炭酸水
素ナトリウム35mgとベンジルブロミド46μlを加
えて室温で終夜撹拌する。反応液に酢酸エチルを加えて
希釈し、水、飽和食塩水で洗浄する。無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥してから減圧下溶媒を留去し、残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(キーゼルゲル60、5g
、  クロロホルム−メタノール=20:1で溶出)で
精製し、N−tert−ブトキシカルボニル−Nω−メ
シチルスルホニル−L−アルギニン  ベンジルエステ
ル160mgを無色油状物として得る。
【0117】Rf値:0.34(クロロホルム−メタノ
ール=20:1) (b)(a)で得られる化合物160mgをジクロロメ
タン0.5mlに溶解し、p−トルエンスルホン酸・一
水和物0.18gを氷冷下に加え、室温に戻して3時間
撹拌する。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて
酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を水、飽和食塩水で
洗浄する。無水硫酸ナトリウムで乾燥し減圧下で溶媒を
留去し、Nω−メシチルスルホニル−L−アルギニン 
 ベンジルエステル130mgを淡黄色油状物として得
る。
【0118】Rf値:0.37(クロロホルム−メタノ
−ル=10:1) (c)N−tert−ブトキシカルボニル−L−プロリ
ン68.7mgをDMF0.3mlに溶解し、氷冷下、
HOBt・H2O54mg、DCC78mgと(b)で
得られる化合物130mgのDMF溶液0.5mlを加
え、室温に戻して終夜撹拌する。不溶物を濾去し、濾液
を酢酸エチルで希釈し、1N塩酸、水、飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄する。 無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去し
、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(キーゼ
ルゲル60、5g、  クロロホルム−メタノール=5
0:1で溶出)で精製し、N−tert−ブトキシカル
ボニル−L−プロリル−Nω−メシチルスルホニル−L
−アルギニン  ベンジルエステル159.4mgを無
色アモルファスとして得る。
【0119】Rf値:0.40(クロロホルム−メタノ
ール=20:1) (d)(c)で得られる化合物158mgを(b)と同
様の操作を行い、L−プロリル−Nω−メシチルスルホ
ニル−L−アルギニン  ベンジルエステル90mgを
無色アモルファスとして得る。
【0120】Rf値:0.07(クロロホルム−メタノ
ール=10:1) (e)(d)で得られる化合物90mgとNε−ベンジ
ルオキシカルボニル−N−tert−ブトキシカルボニ
ル−L−リジン56.4mgを(c)と同様にDCC−
HOBt法でカップリングし、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(キーゼルゲル60、4.5g、クロロホ
ルム−メタノール=20:1で溶出)で精製し、N−t
ert−ブトキシカルボニル−Nε−ベンジルオキシカ
ルボニル−L−リジル−L−プロリル−Nω−メシチル
スルホニル−L−アルギニン  ベンジルエステル13
4mgを無色アモルファスとして得る。
【0121】Rf値:0.48(クロロホルム−メタノ
ール=10:1) (f)(e)で得られる化合物110mgをエタノール
1mlに溶解し、パラジウム黒を加えて、常温常圧下水
素添加する。触媒を濾去し、濾液を減圧下で濃縮し、N
−tert−ブトキシカルボニル−L−リジル−L−プ
ロリル−Nω−メシチルスルホニル−L−アルギニン7
7.0mgを白色固体として得る。
【0122】Rf値:0.45(n−ブタノール−酢酸
−水=4:1:1) (g)HOBt・H2O  21.3mgとEDC・H
Cl  25.9mgをDMF  5mlに溶解し、氷
冷下で(f)で得られる化合物77mgのDMF溶液1
5mlを1時間30分にわたり滴下する。温度を室温に
戻して終夜撹拌する。反応液を減圧下で濃縮し、残渣に
水を加えて酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル層を1N
塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水、水、飽和食塩水
の順に洗浄する。無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧下
溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(キーゼルゲル60、8g、  クロロホルム−メ
タノール=20:1で溶出)で精製し、N−tert−
ブトキシカルボニル−シクロ(−Nε−L−リジル−L
−プロリル−Nω−メシチルスルホニル−L−アルギニ
ル−)36.8mgを白色固体として得る。
【0123】Rf値:0.22(クロロホルム−メタノ
ール=10:1) (h)(g)で得られる化合物74mgをジクロロメタ
ン0.5mlに溶解し、トリフルオロ酢酸0.3mlを
加え室温で3時間撹拌する。反応液から減圧下で溶媒と
試薬を留去し、シクロ(−Nε−(S)−リジル−(S
)−プロリル−Nω−メシチルスルホニル−(S)−ア
ルギニル−)・トリフルオロ酢酸塩75.2mgを白色
固体として得る。 (3)(2S,3R)−AHPA−シクロ(−Nε−(
S)−リジル−(S)−プロリル−(S)−アルギニル
−)・二酢酸塩 (a)(1)で得られる化合物36.9mgと(2)で
得られる化合物75.2mgにトリエチルアミン16μ
lを加えて中和したものをDCC−HOBt法を用いて
カップリングし、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(キーゼルゲル60、10g、クロロホルム−メタノー
ル=10:1で溶出)で精製し、カップリング生成物6
1.4mgを白色固体として得る。
【0124】Rf値:0.44(クロロホルム−メタノ
ール=10:1) (b)(a)で得られる化合物61.4mgにメタンス
ルホン酸0.4mlとアニソール0.04mlを加えて
、室温で2時間撹拌する。反応液にエ−テルを加えてデ
カントし、エーテルを取り除く。残渣に水を加えて、ダ
ウエックス  1−X2(酢酸型)50mlを通過させ
、水を流す。通過液を集めて減圧下で水を留去し、残渣
を少量のメタノールに溶解させる。セファデックスLH
−20(φ1.2cm×110cm)にかけてメタノー
ルで溶出し、表題化合物10.3mgを得る。
【0125】FAB−MS:559[M+H]+1H−
NMR(DMSO−d6,δppm):8.01(1H
,brs),7.82(1H,d,J=9.2Hz),
7.76(1H,d,J=7.6Hz),7.42(4
H,brs),7.10〜7.30(7H,m),4.
58(1H,m),4.12(2H,m),3.77(
2H,m),3.68(1H,d,J=2.5Hz),
2.85〜3.20(5H,m),2.71(1H,d
d,J=6.7,13.2Hz),2.48(1H,m
),2.12(1H,m),2.02(1H,m),1
.78(6H,s),1.10〜1.90(12H,m
)IR(KBr,cm−1):3382,1659,1
536,1452 実施例2 (2S,3R)−AHCA−シクロ(−Nε−(S)−
リジル−(S)−プロリル−(S)−アルギニル−)(
1)(4R,5S)−3−tert−ブトキシカルボニ
ル−4−シクロヘキシルメチル−2,2−ジメチル−5
−オキサゾリジンカルボン酸 (a)D−フェニルアラニン14.8gを酢酸−水(1
:1)300mlに溶解し、酸化プラチナ1.5gを加
え、オートクレーブ中、室温にて水素圧70kg/cm
2で水素添加する。7時間後に反応を止め、触媒を濾去
し、濾液を減圧下で濃縮する。残渣をエタノール−水で
結晶化し、この結晶を濾取乾燥するとD−シクロヘキシ
ルアラニン14.9gを白色固体として得る。
【0126】Rf値:0.44(クロロホルム−メタノ
ール−酢酸=6:3:1) (b)(a)で得られる化合物を実施例(1)の(a)
から(f)までと同様の操作を行い、(4R,5S)−
3−tert−ブトキシカルボニル−4−シクロヘキシ
ルメチル−2,2−ジメチル−5−オキサゾリジンカル
ボン酸を白色固体として得る。
【0127】Rf値:0.07(n−ヘキサン−酢酸エ
チル=4:1) (2)(2S,3R)−AHCA−シクロ(−Nε−(
S)−リジル−(S)−プロリル−(S)−アルギニル
−)・二酢酸塩 (a)(1)で得られる化合物67.5mgと実施例1
の(2)で得られるシクロ(−Nε−(S)−リジル−
(S)−プロリル−Nω−メシチルスルホニル−(S)
−アルギニル−)・トリフルオロ酢酸塩130mgを実
施例1の(3)の(a)と同様にDCC−HOBt法を
用いてカップリングし、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(キ−ゼルゲル60、13g、クロロホルム−メ
タノール=10:1で溶出)で精製し、カップリング生
成物60.7mgを白色固体として得る。
【0128】Rf値:0.42(クロロホルム−メタノ
ール=10:1) (b)(a)で得られる化合物55.7mgにメタンス
ルホン酸0.4ml、アニソール0.02mlを加え、
室温で3時間撹拌する。実施例1の(3)の(b)と同
様に精製して、表題化合物を35.0mg得る。
【0129】FAB−MS:565[M+H]+  1
H−NMR(DMSO−d6,δppm):8.05(
1H,brs),7.83(1H,d,J=9.4Hz
),7.77(1H,brd,J=7.2Hz),7.
49(4H,brs),7.15(1H,brt,J=
5.2Hz),4.58(1H,m),4.13(2H
,m),3.79(2H,m),3.66(1H,br
s),2.85〜3.25(5H,m),2.15(1
H,m),2.04(1H,m),1.79(6H,s
),0.70〜1.90(25H,m)IR(KBr,
cm−1):3364,  2926,  2854,
  1671,1641,1563,  1455, 
 1410 実施例3 (2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−(
4−ヒドロキシフェニル)ブタノイル−シクロ(−Nε
−(S)−リジル−(S)−プロリル−(S)−アルギ
ニル−) (1)(4R,5S)−3−tert−ブトキシカルボ
ニル−4−{4−(2,6−ジクロロフェニルメチルオ
キシ)フェニルメチル}−2,2−ジメチル−5−オキ
サゾリジンカルボン酸Nα−tert−ブトキシカルボ
ニル−O−(2,6−ジクロロベンジル)−D−チロシ
ンを実施例1の(b)から(f)までと同様の操作を行
い、(4R,5S)−3−tert−ブトキシカルボニ
ル−4−{4−(2,6−ジクロロフェニルメチルオキ
シ)フェニルメチル}−2,2−ジメチル−5−オキサ
ゾリジンカルボン酸を白色固体として得る。
【0130】Rf値:0.66(酢酸エチル−メタノー
ル−酢酸=10:0.5:1) (2)(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−
4−(4−ヒドロキシ)フェニルブタノイル−シクロ(
−Nε−(S)−リジル−(S)−プロリル−(S)−
アルギニル−)・二酢酸塩 (a)(1)で得られる化合物45.9mgと実施例1
の(2)で得られるシクロ(−Nε−(S)−リジル−
(S)−プロリル−Nω−メシチルスルホニル−(S)
−アルギニル−)・トリフルオロ酢酸塩61.3mgを
実施例1の(3)の(a)と同様にDCC−HOBt法
を用いてカップリングし、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(キ−ゼルゲル60、3g、酢酸エチル−メタ
ノール=20:1で溶出)で精製し、カップリング生成
物73mgを白色固体として得る。
【0131】Rf値:0.42(酢酸エチル−メタノー
ル=10:1) (b)(a)で得られる化合物69.8mgにメタンス
ルホン酸0.5ml、アニソール0.03mlを加え、
室温で2時間撹拌する。実施例1の(3)の(b)と同
様に精製して、表題化合物を30.5mg得る。
【0132】FAB−MS:575[M+H]+  1
H−NMR(DMSO−d6,δppm):9.15(
1H,brs),7.81(1H,d,J=8.7Hz
),7.77(1H,d,J=9.3Hz),7.56
(1H,brs),6.98(2H,d,J=8.0H
z),6.66(2H,d,J=8.0Hz),4.5
7(1H,m),4.12(2H,m),3.77(2
H,m),3.68(1H,d,J=3.1Hz),2
.85〜3.20(5H,m),2.60(1H,m)
,2.38(1H,m),2.15(1H,m),2.
01(1H,m),1.10〜1.95(15H,m)
IR(KBr,cm−1):3382,1665,15
24,1455 実施例4 (2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシブタノイ
ル−シクロ(−Nε−(S)−リジル−(S)−プロリ
ル−(S)−アルギニル−) (1)(4R,5S)−3−tert−ブトキシカルボ
ニル−2,2,4−トリメチル−5−オキサゾリジンカ
ルボン酸D−アラニン3.07gを実施例1の(a)か
ら(f)までと同様の操作を行い、(4R,5S)−3
−tert−ブトキシカルボニル−2,2,4−トリメ
チル−5−オキサゾリジンカルボン酸1.72gを淡黄
色油状物として得る。
【0133】Rf値:0.18(クロロホルム−メタノ
ール=10:1) (2)(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシブ
タノイル−シクロ(−Nε−(S)−リジル−(S)−
プロリル−(S)−アルギニル−)・二酢酸塩(a)(
1)で得られる化合物62.4mgと実施例1の(2)
で得られるシクロ(−Nε−(S)−リジル−(S)−
プロリル−Nω−メシチルスルホニル−(S)−アルギ
ニル−)・トリフルオロ酢酸塩173.1mgをトリエ
チルアミン36μlで中和したものとをDCC−HOB
t法を用いてカップリングし、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(キ−ゼルゲル60、16g、クロロホル
ム−メタノール=20:1で溶出)で精製し、カップリ
ング生成物51.7mgを白色固体として得る。
【0134】Rf値:0.36(クロロホルム−メタノ
ール=10:1) (b)(a)で得られる化合物45.5mgにメタンス
ルホン酸0.5ml、アニソール0.02mlを加え、
室温で3時間撹拌する。実施例1の(3)の(b)と同
様に精製し、エーテル−酢酸エチルで固体化して表題化
合物を34.0mg得る。
【0135】FAB−MS:483[M+H]+  1
H−NMR(DMSO−d6,δppm):8.30(
1H,brs),7.84(2H,m),7.42(4
H,brs),7.12(1H,brs),4.58(
1H,m),4.12(2H,m),3.78(2H,
m),3.65(1H,brs),2.88〜3.25
(5H,m),2.16(1H,m),2.05(1H
,m),1.79(6H,s),1.05〜1.90(
12H,m),0.95(3H,brd,J=6.0H
z) 実施例5 (2S,3R)−AHPA−シクロ(−Nδ−(S)−
オルニチル−(S)−プロリル−(S)−アルギニル−
) (1)シクロ(−Nδ−(S)−オルニチル−(S)−
プロリル−(S)−アルギニル−)・トリフルオロ酢酸
塩 (a)Nδ−ベンジルオキシカルボニル−N−tert
−ブトキシカルボニル−L−オルニチン156mgを乾
燥DMF0.5mlに溶解し、氷冷撹拌下、HOBt・
H2O  70.6mg、DCC  95.1mgと実
施例1の(2)の(d)で得られるL−プロリル−Nω
−メシチルスルホニル−L−アルギニン  ベンジルエ
ステル193mgのDMF溶液0.5mlを加える。室
温に戻して終夜撹拌し、反応液から不溶物を濾去する。 濾液を酢酸エチルで希釈し、5%硫酸水素カリウム水溶
液、4%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次
洗浄する。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒
を留去して残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(キ−ゼルゲル60、30g、酢酸エチル−メタノール
=20:1で溶出)により精製し、Nδ−ベンジルオキ
シカルボニル−N−tert−ブトキシカルボニル−L
−オルニチル−L−プロリル−Nω−メシチルスルホニ
ル−L−アルギニン  ベンジルエステル195.3m
gを白色固体として得る。
【0136】Rf値:0.10(n−ヘキサン−酢酸エ
チル=1:4) (b)(a)で得られる化合物190mgを実施例1の
(2)の(f)と同様に水素添加して、N−tert−
ブトキシカルボニル−L−オルニチル−L−プロリル−
Nω−メシチルスルホニル−L−アルギニン133mg
を白色固体として得る。
【0137】Rf値:0.47(n−ブタノール−酢酸
−水=4:1:1) (c)(b)で得られる化合物129mgを実施例1の
(2)の(g)と同様にEDC−HOBtで処理し、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(キ−ゼルゲル60
、15g、酢酸エチル−メタノール=7:1で溶出)で
精製し、N−tert−ブトキシカルボニル−シクロ(
−Nδ−L−オルニチル−L−プロリル−Nω−メシチ
ルスルホニル−L−アルギニン−)58.9mgを白色
固体として得る。
【0138】Rf値:0.10(酢酸エチル−メタノー
ル=5:1) (d)(c)で得られる化合物54.5mgを実施例1
の(2)の(h)と同様にTFAで処理し、シクロ(−
Nδ−(S)−オルニチル−(S)−プロリル−Nω−
メシチルスルホニル−(S)−アルギニル−)・トリフ
ルオロ酢酸塩55.8mgを白色固体として得る。
【0139】Rf値:0.40(酢酸エチル−メタノー
ル=5:1) (2)(2S,3R)−AHPA−シクロ(−Nδ−(
S)−オルニチル−(S)−プロリル−(S)−アルギ
ニル−)・二酢酸塩 (a)(1)で得られる化合物55.8mgと実施例1
の(1)で得られるカルボン酸28.2mgとをトリエ
チルアミンで中和してから、実施例1の(3)の(a)
と同様にDCC−HOBt法を用いてカップリングし、
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(キ−ゼルゲル6
0、3g、酢酸エチル−メタノール=10:1で溶出)
で精製し、カップリング生成物52.5mgを白色固体
として得る。
【0140】Rf値:0.27(酢酸エチル−メタノー
ル=10:1) (b)(a)で得られる化合物50.1mgにメタンス
ルホン酸0.5ml、アニソール28μlを加え、室温
で2時間撹拌する。実施例1の(3)の(b)と同様に
精製し、表題化合物を12.1mgを白色固体として得
る。
【0141】FAB−MS:545[M+H]+  1
H−NMR(DMSO−d6,δppm):8.70(
1H,brs),7.69(1H,d,J=7.0Hz
),7.60(3H,brs),7.45(1H,br
s),7.42(1H,d,J=10.5Hz),7.
13〜7.32(5H,m),4.62(1H,m),
4.10(2H,m),3.87(1H,m),3.7
0(1H,d,J=2.9Hz),3.62(1H,m
),3.05(4H,m),2.74(2H,m),1
.75(6H,s),1.30〜2.25(12H,m
)IR(KBr,cm−1):3412,1665,1
563,1536,1446 実施例6 (2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−(
4−メトキシフェニル)ブタノイル−シクロ(−Nε−
(S)−リジル−(S)−プロリル−(S)−アルギニ
ル−) (1)(4R,5S)−3−tert−ブトキシカルボ
ニル−2,2−ジメチル−4−[(4−メトキシフェニ
ル)メチル]−5−オキサゾリジンカルボン酸Nα−t
ert−ブトキシカルボニル−O−メチル−D−チロシ
ンを実施例1の(b)から(f)までと同様の操作を行
い、(4R,5S)−3−tert−ブトキシカルボニ
ル−2,2−ジメチル−4−[(4−メトキシフェニル
)メチル]−5−オキサゾリジンカルボン酸を白色固体
として得る。
【0142】Rf値:0.09(n−ヘキサン−酢酸エ
チル=1:1) (2)(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−
4−(4−メトキシフェニル)ブタノイル−シクロ(−
Nε−(S)−リジル−(S)−プロリル−(S)−ア
ルギニル−)・二酢酸塩 (a)(1)で得られる化合物40mgと実施例1の(
2)で得られるシクロ(−Nε−(S)−リジル−(S
)−プロリル−Nω−メシチルスルホニル−(S)−ア
ルギニル−)・トリフルオロ酢酸塩74mgを実施例1
の(3)の(a)と同様にDCC−HOBt法を用いて
カップリングし、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(キ−ゼルゲル60、4g、酢酸エチル−メタノール=
20:1で溶出)で精製し、カップリング生成物65.
8mgを白色固体として得る。
【0143】Rf値:0.36(酢酸エチル−メタノー
ル=10:1) (b)(a)で得られる化合物31.8mgにメタンス
ルホン酸0.3ml、アニソール0.03mlを加え、
室温で1.5時間撹拌する。実施例1の(3)の(b)
と同様に精製し、表題化合物を19.5mg得る。
【0144】FAB−MS:589[M+H]+  1
H−NMR(DMSO−d6,δppm):8.78(
1H,brs),7.82(1H,d,J=9.1Hz
),7.75(1H,d,J=7.9Hz),7.67
(4H,brs),7.10(2H,d,J=7.9H
z),6.83(2H,d,J=7.9Hz),4.5
7(1H,m),4.12(2H,m),3.75(2
H,m),3.70(3H,s),3.67(1H,m
),2.85〜3.20(5H,m),2.65(1H
,m),2.42(1H,m),2.14(1H,m)
,2.02(1H,m),1.78(6H,s),1.
10〜1.90(12H,m)IR(KBr,cm−1
):3376,1665,1560,1518,144
9,1410 実施例7 (2S,3R,4S)−3−アミノ−2,4−ジヒドロ
キシペンタノイル−シクロ(−Nε−(S)−リジル−
(S)−プロリル−(S)−アルギニル−)(1)(4
R,5S)−3−tert−ブトキシカルボニル−4−
{(1S)−ベンジルオキシ)エチル}−2,2−ジメ
チル−5−オキサゾリジンカルボン酸Nα−tert−
ブトキシカルボニル−O−ベンジル−D−トレオニンを
実施例1の(b)から(f)までと同様の操作を行い、
(4R,5S)−3−tert−ブトキシカルボニル−
4−{(1S)−ベンジルオキシ)エチル}−2,2−
ジメチル−5−オキサゾリジンカルボン酸を白色固体と
して得る。
【0145】Rf値:0.65(酢酸エチル−メタノー
ル−酢酸=10:0.5:1) (2)(2S,3R,4S)−3−アミノ−2,4−ジ
ヒドロキシペンタノイル−シクロ(−Nε−(S)−リ
ジル−(S)−プロリル−(S)−アルギニル−)・二
酢酸塩 (a)(1)で得られる化合物38mgと実施例1の(
2)で得られるシクロ(−Nε−(S)−リジル−(S
)−プロリル−Nω−メシチルスルホニル−(S)−ア
ルギニル−)・トリフルオロ酢酸塩68mgを実施例1
の(3)の(a)と同様にDCC−HOBt法を用いて
カップリングし、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(キ−ゼルゲル60、4g、酢酸エチル−メタノール=
20:1で溶出)で精製し、カップリング生成物50.
6mgを白色固体として得る。
【0146】Rf値:0.46(酢酸エチル−メタノー
ル=10:1) (b)(a)で得られる化合物48mgにメタンスルホ
ン酸0.35ml、アニソール0.035mlを加え、
室温で1時間撹拌する。実施例1の(3)の(b)と同
様に精製して、表題化合物を33mg得る。
【0147】FAB−MS:513[M+H]+  1
H−NMR(DMSO−d6,δppm):8.45(
1H,brs),7.79(1H,m),7.50(4
H,brs),7.06(1H,m),4.58(1H
,brs),4.12(3H,m),3.74(3H,
m),2.80〜3.50(5H,m),2.16(1
H,m),2.02(1H,m),1.70(6H,S
),1.10〜1.90(12H,m),1.05(3
H,d,J=5.9Hz)IR(KBr,cm−1):
3412,1665,1563,1536,1446 実施例8 Nα−((2S,3R)−AHCA)−(S)−リジル
−(S)−プロリル−(S)−アルギニン・二酢酸塩(
a)実施例1の(2)の(e)で得られるN−tert
−ブトキシカルボニル−Nε−ベンジルオキシカルボニ
ル−L−リジル−L−プロリル−Nω−メシチルスルホ
ニル−L−アルギニン  ベンジルエステル132mg
をジクロロメタン0.6mlに溶解し、トリフルオロ酢
酸0.4mlを加え室温で1時間撹拌する。反応液から
減圧下で溶媒と試薬を留去し、Nε−ベンジルオキシカ
ルボニル−L−リジル−L−プロリル−Nω−メシチル
スルホニル−L−アルギニン  ベンジルエステル・ト
リフルオロ酢酸塩134mgを得る。 (b)実施例2の(1)の(b)で得られる(4R,5
S)−3−tert−ブトキシカルボニル−4−シクロ
ヘキシルメチル−2,2−ジメチル−5−オキサゾリジ
ンカルボン酸54.8mgと(a)で得られる化合物1
34mgを実施例1の(3)の(a)と同様にDCC−
HOBt法を用いてカップリングし、シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(キ−ゼルゲル60、6g、n−ヘ
キサン−酢酸エチル=3:10で溶出)で精製し、カッ
プリング化合物142mgを白色固体として得る。
【0148】Rf値:0.21(n−ヘキサン−酢酸エ
チル=3:10) (c)(b)で得られる化合物82mgにメタンスルホ
ン酸0.6mg、アニソール34μlを加え、室温で3
.5時間撹拌する。実施例1の(3)の(b)と同様に
精製して、表題化合物50.4mgを白色固体として得
る。
【0149】FAB−MS:583[M+H]+  R
f値:0.13(iso−プロパノール−水−アンモニ
ア水=7:2:1) 実施例9 Nα−((2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ
−4−(4−メトキシフェニル)ブタノイル)−(S)
−リジル−(S)−プロリル−(S)−アルギニン・二
酢酸塩 (a)実施例6の(1)で得られる(4R,5S)−3
−tert−ブトキシカルボニル−2,2−ジメチル−
4−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−オキサ
ゾリジンカルボン酸53mgと実施例8の(a)で得ら
れるNε−ベンジルオキシカルボニル−L−リジル−L
−プロリル−Nω−メシチルスルホニル−L−アルギニ
ン  ベンジルエステル・トリフルオロ酢酸塩122m
gを実施例1の(3)の(a)と同様にDCC−HOB
t法を用いてカップリングし、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(キ−ゼルゲル60、6g、n−ヘキサン
−酢酸エチル=1:5で溶出)で精製し、カップリング
化合物116mgを白色固体として得る。
【0150】Rf値:0.49(酢酸エチル)(b)(
a)で得られる化合物50mgにメタンスルホン酸0.
4ml、アニソール40μlを加え、室温で2時間撹拌
する。実施例1の(3)の(b)と同様に精製して、表
題化合物31.3mgを白色固体として得る。
【0151】FAB−MS:607[M+H]+  R
f値:0.63(iso−プロパノール−水−濃アンモ
ニア水=7:3:2) 実施例10 Nα−((2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ
ブタノイル)−(S)−リジル−(S)−プロリル−(
S)−アルギニン・二酢酸塩(a)実施例4の(1)で
得られる((4R,5S)−3−tert−ブトキシカ
ルボニル−2,2,4−トリメチル−5−オキサゾリジ
ンカルボン酸60mgと実施例8の(a)で得られるN
ε−ベンジルオキシカルボニル−L−リジル−L−プロ
リル−Nω−メシチルスルホニル−L−アルギニン  
ベンジルエステル・トリフルオロ酢酸塩211mgを実
施例1の(3)の(a)と同様にDCC−HOBt法を
用いてカップリングし、シリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(キ−ゼルゲル60、クロロホルム−メタノール
=100:1で溶出)で精製し、カップリング化合物1
22mgを白色固体として得る。
【0152】Rf値:0.61(クロロホルム−メタノ
ール=10:1) (b)(a)で得られる化合物121mgをエタノール
1mlに溶解し、パラジウム黒を加えて、常温常圧下水
素添加する。触媒を濾去し、濾液を減圧下で濃縮する。 得られる固体にメタンスルホン酸0.6ml、アニソー
ル30μlを加え、室温で2.5時間撹拌する。実施例
1の(3)の(b)と同様に精製して、表題化合物54
mgを白色固体として得る。
【0153】FAB−MS:501[M+H]+  R
f値:0.04(iso−プロパノール−水−濃アンモ
ニア水=7:2:1) 実施例11 Nα−((2S,3R)−AHCA)−(S)−ロイシ
ル−(S)−プロリル−(S)−アルギニン・酢酸塩(
1)N−[(4R,5S)−3−tert−ブトキシカ
ルボニル−4−シクロヘキシルメチル−2,2−ジメチ
ル−5−オキサゾリジンカルボニル]−L−ロイシン(
a)実施例2の(1)の(b)で得られる(4R,5S
)−3−tert−ブトキシカルボニル−4−シクロヘ
キシルメチル−2,2−ジメチル−5−オキサゾリジン
カルボン酸150mgとL−ロイシン  ベンジルエス
テル・p−トルエンスルホン酸塩173mgを実施例1
の(3)の(a)と同様にDCC−HOBt法を用いて
カップリングし、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(キ−ゼルゲル60、25g、n−ヘキサン−酢酸エチ
ル=8:1で溶出)で精製し、N−[(4R,5S)−
3−tert−ブトキシカルボニル−4−シクロヘキシ
ルメチル−2,2−ジメチル−5−オキサゾリジルカル
ボニル]−L−ロイシン  ベンジルエステル220m
gを無色固体として得る。
【0154】Rf値:0.45(n−ヘキサン−酢酸エ
チル=5:1) (b)(a)で得られる化合物150mgエタノール1
.5mlに溶解し、10%パラジウム炭素を加えて、常
温常圧下水素添加する。触媒を濾去し、濾液を減圧下で
濃縮し、N−[(4R,5S)−3−tert−ブトキ
シカルボニル−4−シクロヘキシルメチル−2,2−ジ
メチル−5−オキサゾリジンカルボニル]−L−ロイシ
ン85mgを無色固体として得る。
【0155】Rf値:0.32(クロロホルム−酢酸エ
チル−酢酸=10:1:0.1) (2)L−プロリル−Nω−メシチルスルホニルアルギ
ニン  ベンジルエステル・トリフルオロ酢酸塩実施例
1の(2)の(b)で得られるN−tert−ブトキシ
カルボニル−L−プロリル−Nω−メシチルスルホニル
−L−アルギニン  ベンジルエステル303mgをジ
クロロメタン1mlに溶解し、トリフルオロ酢酸1ml
を加え、室温で1時間撹拌する。減圧下溶媒を留去し、
L−プロリル−Nω−メシチルスルホニル−L−アルギ
ニン  ベンジルエステル・トリフルオロ酢酸塩309
mgを無色固体として得る。
【0156】Rf値:0.17(クロロホルム−メタノ
ール−濃アンモニア水=10:1:0.1)(3)Nα
−((2S,3R)−AHCA)−(S)−ロイシル−
(S)−プロリル−(S)−アルギニン・酢酸塩 (a)(1)で得られる化合物50.6mgと(2)で
得られる化合物79.6mgにトリエチルアミン16.
9μlを加えて中和したものをDCC−HOBt法を用
いてカップリングし、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(キ−ゼルゲル60、クロロホルム−メタノール=
50:1で溶出)で精製し、カップリング生成物69.
1mgを無色固体として得る。
【0157】FAB−MS:980[M+H]+ Rf
値:0.32(クロロホルム−メタノール=20:1) (b)(a)で得られる化合物50.2mgにメタンス
ルホン酸0.4mlとアニソール60μlを加えて、室
温で2時間撹拌する。実施例1の(3)の(b)と同様
に精製し、表題化合物12.0mgを得る。
【0158】FAB−MS:568[M+H]+Rf値
:0.17(iso−プロパノール−水−濃アンモニア
水=7:2:0.1)1H−NMR(CD3OD,δp
pm):4.56(1H,m),4.43(1H,m)
,4.12〜4.28(2H,m),3.44〜3.6
0(3H,m),3.20(2H,m),1.97(3
H,s),0.9〜2.4(30H,m)IR(KBr
,cm−1):3388,2926,1641,145
5,1407 実施例12 Nα−((2S,3R)−AHCA)−(S)−β−シ
クロヘキシルアラニル−(S)−プロリル−(S)−ア
ルギニン・酢酸塩 (a)実施例2の(1)の(b)で得られる(4R,5
S)−3−tert−ブトキシカルボニル−4−シクロ
ヘキシルメチル−2,2−ジメチル−5−オキサゾリジ
ンカルボン酸100mgとL−β−シクロヘキシルアラ
ニン  ベンジルエステル・p−トルエンスルホン酸塩
148mgを実施例1の(3)の(a)と同様にDCC
−HOBt法を用いてカップリングし、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(キ−ゼルゲル60、20g、n
−ヘキサン−酢酸エチル=8:1で溶出)で精製し、N
−[(4R,5S)−3−tert−ブトキシカルボニ
ル−4−シクロヘキシルメチル−2,2−ジメチル−5
−オキサゾリジルカルボニル]−L−β−シクロヘキシ
ルアラニン  ベンジルエステル116mgを無色固体
として得る。
【0159】Rf値:0.49(n−ヘキサン−酢酸エ
チル=5:1) (b)(a)で得られる化合物115mgエタノール1
.5mlに溶解し、10%パラジウム炭素を加えて、常
温常圧下水素添加する。触媒を濾去し、濾液を減圧下で
濃縮し、N−[(4R,5S)−3−tert−ブトキ
シカルボニル−4−シクロヘキシルメチル−2,2−ジ
メチル−5−オキサゾリジンカルボニル]−L−β−シ
クロヘキシルアラニン97mgを無色固体として得る。
【0160】Rf値:0.22(クロロホルム−酢酸エ
チル−酢酸=10:1:0.1) (c)(b)で得られる化合物50mgと実施例11の
(2)で得られる化合物73.1mgにトリエチルアミ
ン15.5μlを加えて中和したものをDCC−HOB
t法を用いてカップリングし、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(キ−ゼルゲル60、クロロホルム−メタ
ノール=50:1で溶出)で精製し、カップリング生成
物54.9mgを無色固体として得る。
【0161】Rf値:0.37(クロロホルム−メタノ
ール=20:1) (d)(c)で得られる化合物53mgにメタンスルホ
ン酸0.4mlとアニソール60μlを加えて、室温で
2時間撹拌する。実施例1の(3)の(b)と同様に精
製し、表題化合物20.2mgを得る。
【0162】FAB−MS:608[M+H]+Rf値
:0.63(iso−プロパノール−水−濃アンモニア
水=7:2:1)1H−NMR(CD3OD,δppm
):4.57(1H,m),4.42(1H,m),4
.12〜4.28(2H,m),3.43〜3.88(
3H,m),3.20(2H,m),1.96(3H,
s),0.9〜2.4(34H,m)IR(KBr,c
m−1):3400,2926,2854,1647,
1452,1407
【0163】
【発明の効果】本発明化合物は、免疫担当細胞を活性化
する作用を有し、癌、感染性疾患及び自己免疫疾患の治
療等の医薬の分野における利用が期待される。
【0164】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  一般式 【化1】 [式中、Vはヒドロキシ基を示し、Wは水素原子、低級
    アルキル基、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキ
    ル、フェニル、アミノ、モノ若しくはジ低級アルキルア
    ミノ、アミジノ又はグアニジノ基を示すか、或いはW及
    びVが一緒になって、式: 【化2】 で表される基、式: 【化3】 で表される基、又は式: 【化4】 で表される基を示し;Xは水素原子又はヒドロキシ若し
    くはメルカプト基を示し;R1は水素原子又はフェニル
    、p−ヒドロキシフェニル若しくは低級アルキル基を示
    し、この低級アルキル基は同一若しくは異なる1〜3個
    のアミノ、ヒドロキシ、低級アルキルオキシ、メルカプ
    ト、低級アルキルチオ、低級アルキルスルフィニル、低
    級アルキルスルホニル、カルボキシル若しくはアリール
    基、芳香族複素環基、3〜7個の炭素原子を有するシク
    ロアルキル基又は8〜10個の炭素原子を有するビシク
    ロアルキル基で置換されていてもよく、且つ、これらの
    アリール基、芳香族複素環基、シクロアルキル基又はビ
    シクロアルキル基は、更にヒドロキシ、低級アルキルオ
    キシ、低級アルキル、ニトロ、アミノ、モノ若しくはジ
    低級アルキルアミノ、メルカプト、低級アルキルチオ、
    低級アルキルスルフィニル又は低級アルキルスルホニル
    基によって置換されていてもよく;R2及びR3は同時
    に水素原子又は低級アルキル基を示すか、又はいずれか
    一方が水素原子を示し、他方がヒドロキシ、低級アルキ
    ルオキシ又は低級アルキル基を示すか、或は両者が一緒
    になって単結合を示し;Aはアミノ、モノ若しくはジ低
    級アルキルアミノ、アミジノ又はグアニジノ基を示し;
    m及びnはそれぞれ独立に0〜4を示す]で表されるペ
    プチド誘導体又はその医薬上許容される塩。
  2. 【請求項2】  一般式 【化5】 [式中、Xは水素原子又はヒドロキシ若しくはメルカプ
    ト基を示し;W1は水素原子、低級アルキル、3〜7個
    の炭素原子を有するシクロアルキル、フェニル、アミノ
    、モノ若しくはジ低級アルキルアミノ、アミジノ又はグ
    アニジノ基を示し;R1は水素原子又はフェニル、p−
    ヒドロキシフェニル若しくは低級アルキル基を示し、こ
    の低級アルキル基は同一若しくは異なる1〜3個のアミ
    ノ、ヒドロキシ、低級アルキルオキシ、メルカプト、低
    級アルキルチオ、低級アルキルスルフィニル、低級アル
    キルスルホニル、カルボキシル若しくはアリール基、芳
    香族複素環基、3〜7個の炭素原子を有するシクロアル
    キル基又は8〜10個の炭素原子を有するビシクロアル
    キル基で置換されていてもよく、且つ、これらのアリー
    ル基、芳香族複素環基、シクロアルキル基又はビシクロ
    アルキル基は、更にヒドロキシ、低級アルキルオキシ、
    低級アルキル、ニトロ、アミノ、モノ若しくはジ低級ア
    ルキルアミノ、メルカプト、低級アルキルチオ、低級ア
    ルキルスルフィニル又は低級アルキルスルホニル基によ
    って置換されていてもよく;R2及びR3は同時に水素
    原子又は低級アルキル基を示すか、又はいずれか一方が
    水素原子を示し、他方がヒドロキシ、低級アルキルオキ
    シ又は低級アルキル基を示すか、或は両者が一緒になっ
    て単結合を示し;Aはアミノ、モノ若しくはジ低級アル
    キルアミノ、アミジノ又はグアニジノ基を示し;m及び
    nはそれぞれ独立に0〜4を示す]で表されるペプチド
    誘導体又はその医薬上許容される塩。
  3. 【請求項3】  一般式 【化6】 [式中、Xは水素原子又はヒドロキシ若しくはメルカプ
    ト基を示し;R1は水素原子又はフェニル、p−ヒドロ
    キシフェニル若しくは低級アルキル基を示し;この低級
    アルキル基は同一若しくは異なる1〜3個のアミノ、ヒ
    ドロキシ、低級アルキルオキシ、メルカプト、低級アル
    キルチオ、低級アルキルスルフィニル、低級アルキルス
    ルホニル、カルボキシル若しくはアリール基、芳香族複
    素環基、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基
    又は8〜10個の炭素原子を有するビシクロアルキル基
    で置換されていてもよく、且つ、これらのアリール基、
    芳香族複素環基、シクロアルキル基又はビシクロアルキ
    ル基は、更にヒドロキシ、低級アルキルオキシ、低級ア
    ルキル、ニトロ、アミノ、モノ若しくはジ低級アルキル
    アミノ、メルカプト、低級アルキルチオ、低級アルキル
    スルフィニル又は低級アルキルスルホニル基によって置
    換されていてもよく;R2及びR3は同時に水素原子又
    は低級アルキル基を示すか、又はいずれか一方が水素原
    子を示し、他方がヒドロキシ、低級アルキルオキシ又は
    低級アルキル基を示すか、或は両者が一緒になって単結
    合を示し;Aはアミノ、モノ若しくはジ低級アルキルア
    ミノ、アミジノ又はグアニジノ基を示し;m及びnはそ
    れぞれ独立に0〜4を示す]で表されるペプチド誘導体
    又はその医薬上許容される塩。
  4. 【請求項4】  AHPA−シクロ(−Nε−(S)−
    リジル−(S)−プロリル−(S)−アルギニル−)、
    AHCA−シクロ(−Nε−(S)−リジル−(S)−
    プロリル−(S)−アルギニル−)、3−アミノ−2−
    ヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシフェニル)ブタノイ
    ル−シクロ(−Nε−(S)−リジル−(S)−プロリ
    ル−(S)−アルギニル−)、3−アミノ−2−ヒドロ
    キシブタノイル−シクロ(−Nε−(S)−リジル−(
    S)−プロリル−(S)−アルギニル−)、AHPA−
    シクロ(−Nδ−(S)−オルニチル−(S)−プロリ
    ル−(S)−アルギニル−)、3−アミノ−2−ヒドロ
    キシ−4−(4−メトキシフェニル)ブタノイル−シク
    ロ(−Nε−(S)−リジル−(S)−プロリル−(S
    )−アルギニル−)、3−アミノ−2,4−ジヒドロキ
    シペンタノイル−シクロ(−Nε−(S)−リジル−(
    S)−プロリル−(S)−アルギニル−)、Nα−AH
    CA−(S)−リジル−(S)−プロリル−(S)−ア
    ルギニン、Nα−(3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−
    (4−メトキシフェニル)ブタノイル)−(S)−リジ
    ル−(S)−プロリル−(S)−アルギニン、Nα−(
    3−アミノ−2−ヒドロキシブタノイル)−(S)−リ
    ジル−(S)−プロリル−(S)−アルギニン、Nα−
    AHCA−(S)−ロイシル−(S)−プロリル−(S
    )−アルギニン、Nα−AHCA−(S)−β−シクロ
    ヘキシルアラニル−(S)−プロリル−(S)−アルギ
    ニン又はそれらの医薬上許容される塩。
  5. 【請求項5】  (2S,3R)−AHPA−シクロ(
    −Nε−(S)−リジル−(S)−プロリル−(S)−
    アルギニル−)、(2S,3R)−  AHCA−シク
    ロ(−Nε−(S)−リジル−(S)−プロリル−(S
    )−アルギニル−)、(2S,3R)−3−アミノ−2
    −ヒドロキシ−4−(4−ヒドロキシフェニル)ブタノ
    イル−シクロ(−Nε−(S)−リジル−(S)−プロ
    リル−(S)−アルギニル−)、(2S,3R)−3−
    アミノ−2−ヒドロキシブタノイル−シクロ(−Nε−
    (S)−リジル−(S)−プロリル−(S)−アルギニ
    ル−)、(2S,3R)−AHPA−シクロ(−Nδ−
    (S)−オルニチル−(S)−プロリル−(S)−アル
    ギニル−)、(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロ
    キシ−4−(4−メトキシフェニル)ブタノイル−シク
    ロ(−Nε−(S)−リジル−(S)−プロリル−(S
    )−アルギニル−)、(2S,3R,4S)−3−アミ
    ノ−2,4−ジヒドロキシペンタノイル−シクロ(−N
    ε−(S)−リジル−(S)−プロリル−(S)−アル
    ギニル−)、Nα−((2S,3R)−AHCA)−(
    S)−リジル−(S)−プロリル−(S)−アルギニン
    、Nα−((2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキ
    シ−4−(4−メトキシフェニル)ブタノイル)−(S
    )−リジル−(S)−プロリル−(S)−アルギニン、
    Nα−((2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ
    ブタノイル)−(S)−リジル−(S)−プロリル−(
    S)−アルギニン、Nα−((2S,3R)−AHCA
    )−(S)−ロイシル−(S)−プロリル−(S)−ア
    ルギニン、Nα−((2S,3R)−AHCA)−(S
    )−β−シクロヘキシルアラニル−(S)−プロリル−
    (S)−アルギニン又はそれらの医薬上許容される塩。
  6. 【請求項6】  一般式 【化7】 [式中、R1及びXは請求項1で定義したとおりの意味
    を有する]で表される化合物又はその化合物中のアミノ
    基、R1が官能基を有する場合にはそれらの官能基及び
    /又はXがメルカプト基若しくはヒドロキシ基である場
    合にはそれらを必要に応じて保護した化合物に、一般式
    【化8】 [式中、V、W、R2、R3 、A、m及びnは請求項
    1で定義したとおりの意味を有する]で表される化合物
    又は必要に応じて化合物(V)中の官能基が保護された
    化合物B−(V)を縮合剤及び必要に応じて塩基の存在
    下に反応させ、更に必要に応じて保護基を除去すること
    を特徴とする請求項1記載のペプチド誘導体の製法。
  7. 【請求項7】  請求項1記載のペプチド誘導体を少な
    くとも1種含有することを特徴とする免疫系疾患治療剤
  8. 【請求項8】  請求項1記載のペプチド誘導体を少な
    くとも1種含有することを特徴とする、癌、ウイルス性
    、細菌性若しくは真菌性の感染性疾患又は自己免疫系疾
    患治療剤。
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