JPH0421677Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、溶接鋼管の中でUOE鋼管の製造に
使用される鋼板のタブ付け装置に関する。

〔従来の技術〕

UOE鋼管の場合、鋼板へのタブ付け→開先加
工→Ｃ−プレス→Ｕ−プレス→Ｏ−プレスの順に
鋼板を成形していくが、特に鋼板へのタブ付け工
程においてはタブ板を鋼板の前後両端部の４箇所
に自動溶接機（以下、タブ付け機という）により
溶接しなければならない。従来のタブ付け装置で
は次の３つの方式が知られている。

(1) 第１の方式（第２図参照） これは、前後のタブ付け機を別々の移送ライン
で鋼板の長手方向に移動させる方式である。すな
わち、第２図に模式的に示すように、鋼板１を１
つの縦送りラインで所定位置まで移送する。鋼板
１の先端縁の位置を光電管からなるセンサ２によ
り検出することによつて鋼板１を所定位置に停止
させる。次いで、同一ラインで前方に待機してい
る２台の前タブ付け機３，３ａを鋼板の長手方向
に移動させて前タブ板４，４ａを鋼板１の先端部
に溶接する。次に、鋼板１は別の並列の縦送りラ
イン上に横送りされたのち前記と反対方向に移送
され、後端縁をセンサ５によつて検出することに
より所定位置に停止させる。さらに、前記と同様
に後タブ付け機６，６ａにより後タブ板７，７ａ
を鋼板１の後端部に溶接する。ここに鋼板へのタ
ブ付けが完了し、該鋼板はさらに他の並列の縦送
りライン上に横送りされ次の開先加工へと移送さ
れる。

(2) 第２の方式（第３図参照） これは、前後のタブ付け機を同一の移送ライン
で鋼板の幅方向に移動させる方式である。すなわ
ち、第３図に示すように、前タブ付け機３，３ａ
と後タブ付け機６，６ａを同一の縦送りラインの
両側に鋼板の長さよりも短い所定の間隔を隔てて
配設し、鋼板１の先端部に前タブ板４，４ａを、
次いで後端部に後タブ板７，７ａを順次溶接す
る。この溶接時、各タブ付け機は鋼板の幅方向に
のみ移動する。

(3) 第３の方式（第４図参照） これは、前後のタブ付け機を同一ラインで鋼板
の長手方向及び幅方向に移動させる方式である。
すなわち、第４図に示すように、前タブ付け機
３，３ａと後タブ付け機６，６ａを同一の縦送り
ラインの両側に所定の鋼板長を隔てて配設し、鋼
板の前後両端部に同時にタブ板４，４ａ及び７，
７ａを溶接するのであるが、鋼板長が異なる場合
には前タブ付け機３，３ａは鋼板１の幅方向にの
み移動するが、後タブ付け機６，６ａは鋼板長の
変化に応じて長手方向に移動し、次いで幅方向に
移動して溶接を行う。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来のタブ付け装置は以上のような構成であ
り、それぞれ次のような問題点を有するものであ
つた。すなわち、第１の方式では、数本の移送ラ
インを並列に設けなければならないのでラインの
簡素化ができない。

第２の方式では、タブ付けが終了した鋼板を次
工程へ移送するまでは次の鋼板の搬入ができな
い。したがつて、時間のロスが大きい。

第３の方式では、鋼板長が変わるたびごとに後
タブ付け機を長手方向に移動しなければならない
ので乱尺鋼板の製造には時間的ロスが大きく不向
きである。

そこで、本考案の目的は、単純な直線ラインに
おいて能率的にタブ付けができるよう、しかも乱
尺鋼管にも効率よく適用できるような簡素化され
たUOE鋼管用鋼板のタブ付け装置を得ることに
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案に係るUOE鋼管用鋼板のタブ付け装置
は、UOE鋼管用鋼板の移送ラインと、該移送ラ
インの所定位置にて前記鋼板の前後両端部にタブ
板を自動溶接するべく配設されたタブ付け機と、
前記所定位置に前記鋼板を停止せしめる停止指示
センサとを備えたものにおいて、前記移送ライン
を前記所定位置の前後で２つの縦送りラインに分
割し、それぞれの縦送りラインに前記鋼板を前後
所定間隔の下で停止せしめるように前記停止指示
センサを配設し、該間隔の下で前記タブ付け機を
前記鋼板の幅方向に同時に移動するよう配設した
ものである。

なお、前後の鋼板の間隔は前後のタブ付けが同
時に実施できる範囲内でできるだけ短くされる。

〔作用〕

本考案においては、鋼板の移送ラインが前後２
つの縦送りラインに分割されているので、この分
割された所定箇所において前後所定間隔で２枚の
鋼板を移送し停止させれば、それぞれの鋼板の後
端部及び先端部に対し後タブ付け機及び前タブ付
け機を鋼板の幅方向にのみ移動させるだけで同時
に溶接ができることになり、鋼板長の変化にも無
関係に溶接ができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図により説明する。

第１図は本考案の実施例の模式図であり、所定
のタブ付けを行うべき場所において鋼板の移送ラ
インを前後２つの縦送りラインＡ，Ｂに分割す
る。そして、これらの縦送りラインＡ，Ｂ上にそ
れぞれ２枚の鋼板１，１ａを搬入し、前方の鋼板
１はその後端縁をセンサ５により、また後方の鋼
板１ａはその先端縁をセンサ２により検出するこ
とにより前後所定間隔ｌを保つて停止させる。次
いで、この停止位置の両側に上記間隔ｌに対応し
た間隔で配設されている各２台の後タブ付け機
６，６ａと前タブ付け機３，３ａを同時に鋼板の
幅方向に移動させ溶接を行うのである。かくし
て、前方の鋼板１は縦送りラインＡ上で定置させ
られたのち後端部に後タブ板７，７ａを溶接さ
れ、後方の鋼板１ａは縦送りラインＢ上で定置さ
せられたのち先端部に前タブ板４，４ａを溶接さ
れる。次いで、後方の鋼板１ａをさらに前方の縦
送りラインＡ上に移送し上記と同様にその後端部
に後タブ板７，７ａを溶接する。このように２枚
の鋼板の前後の間隔をタブ付け位置で一定となる
ように移送することによつて、それぞれの鋼板の
後端部及び先端部に同時にタブ付けを行うもので
ある。したがつて、鋼板１と１ａの長さが異なつ
ていても前後の鋼板の間隔が一定である限りタブ
付けが可能であるから、乱尺鋼管に対しても縦送
りラインＡとＢの独立動作のみで対処できる。

なお、間隔は上記の前後のタブ付けを同時に
実施できる範囲内でできるだけ短くされる。

〔考案の効果〕

以上のように本考案によれば、鋼板の移送ライ
ンを所定位置にて前後２つの縦送りラインに分割
することにより２枚の鋼板の前後の間隔をタブ付
け位置で一定となるように移送するものであるか
ら、鋼板の定尺及び乱尺にかかわらず連続的かつ
同時にタブ付けを行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の模式図、第２図〜第
４図はそれぞれ従来の３つの方式の模式図であ
る。 １，１ａ……鋼板、２……センサ、３，３ａ…
…前タブ付け機、４，４ａ……前タブ板、５……
センサ、６，６ａ……後タブ付け機、７，７ａ…
…後タブ板、Ａ，Ｂ……縦送りライン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 UOE鋼管用鋼板の移送ラインと、該移送ライ
   ンの所定位置にて前記鋼板の前後両端部にタブ板
   を自動溶接するべく配設されたタブ付け機と、前
   記所定位置に前記鋼板を停止せしめる停止指定セ
   ンサとを備えたタブ付け装置において、 前記移送ラインを前記所定位置にて前後２つに
   分割してなる２つの縦送りラインと、 前記２つの縦送りライン上の前記鋼板を前記所
   定位置にて前後所定間隔の下で停止させる前後２
   つの前記停止指示センサと、 前記２つの停止指示センサにより停止せしめら
   れた前記鋼板に対し幅方向に同時に移動する前記
   タブ付け機と、 を備えたことを特徴とするUOE鋼管用鋼板のタ
   ブ付け装置