JPH04213334A - 多層積層秩序配列構造体およびその製造方法            並びにそのフィルター用途 - Google Patents

多層積層秩序配列構造体およびその製造方法            並びにそのフィルター用途

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JPH04213334A
JPH04213334A JP2025291A JP2025291A JPH04213334A JP H04213334 A JPH04213334 A JP H04213334A JP 2025291 A JP2025291 A JP 2025291A JP 2025291 A JP2025291 A JP 2025291A JP H04213334 A JPH04213334 A JP H04213334A
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Takashi Fukutomi
兀 福冨
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Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、均一な粒径の有機高分
子ポリマーの微小粒子(以下、ミクロスフェアとも称す
る)を規則的に配列し、さらに各粒子間を固定化、例え
ば橋架け用官能基を介して橋架けすることにより固定す
る秩序配列構造体およびその製造方法に関する。さらに
本発明は、該秩序配列体のフィルター(ミクロフィルタ
ー)に係る用途に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリマーのミクロスフェアとは、直径数
10nmから数10μm程度のポリマーの微小球体であ
り、微小球体内の分子が橋架け固定されたもの(これを
特にミクロゲルという)と橋架けされていないものとが
ある。
【0003】このポリマーのミクロスフェアについては
、製造法およびその独特な性質(例えば、微粒子である
こと、大きな表面積、各種の表面的性質、架橋度等)を
生かした利用法に関する研究が進められ、工業化されて
いる。ポリマーのミクロスフェアの製造法としては、乳
化重合法、液面展開法、噴霧法等があり、ポリマーのミ
クロスフェアとしての利用法としては塗料、接着剤、ゴ
ム、コーティング剤、診断薬、高分子ドラッグ、触媒等
の多分野に応用例がみられる。
【0004】
【発明が解決しようとうする課題】ミクロスフェアは、
ポリマーの分散体であり、粒径が小さいという特徴を利
用して従来から多分野に応用されているが、これまでは
、球形であること、狭い粒径分布に由来する特性、例え
ば球体間の空隙が極めて均一な空孔になり得る等のポリ
マーのミクロスフェアに特有な性質はあまり利用されて
いない。また、塗料、コーティング剤等においては成膜
が行われているが、構造体の内部について球体を規則的
に配列することは行われていない。また、このような配
列体の応用についても同様に未だ提案されていない。
【0005】本発明は、ミクロスフェアの特有の性質を
利用して規則的に配列した構造体およびその製造方法並
びにその用途としてのフィルターを提供することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明では、ミクロスフェアの球形の形状、狭い粒
径分布、表面に付与した電荷等を利用して粒子を規則的
に配列した後、粒子を相互に固定化させ、例えば橋架け
により固定化させることにより、規則的に配列した構造
体を製造するものである。
【0007】すなわち、本発明の第1発明は以下の■〜
■の工程からなることを特徴とする固定化された単層ま
たは多層積層秩序配列構造体の製造方法に関する。■粒
子表面に存在する極性基による界面活性機能により分散
媒体中に分散してなる分散媒体に実質的に相溶しない有
機高分子からなる実質的に粒径の均一な球形の粒子を分
散質とする分散液から、該分散液中に含まれる該粒子以
外の他の電解質を選択的かつ実質的に除去する工程、■
該分散液を静置状態に維持しながら分散媒体を実質的に
除去することにより該粒子が実質的に秩序配列した単層
または該単層が複数層に積層した粒子の秩序配列単層体
または多層積層体を得る工程、および■配列した相接触
する各隣接粒子間を化学的に固定化させる工程。
【0008】また、第2発明は以下の■〜■の工程から
なることを特徴とする架橋固定化された単層または多層
積層秩序配列構造体の製造方法に関する。■粒子表面に
架橋用官能基を有しかつ該粒子表面に存在する極性基に
よる界面活性機能により分散媒体中に分散してなる分散
媒体に実質的に相溶しない有機高分子からなる実質的に
粒径の均一な球形の粒子を分散質とする分散液から、該
分散液中に含まれる該粒子以外の他の電解質を選択的か
つ実質的に除去する工程、■該分散液を静置状態に維持
しながら分散媒を実質的に除去することにより該粒子が
実質的に秩序配列した単層または該単層が複数層に積層
した粒子の秩序配列単層または多層積層体を得る工程、
および■前記粒子表面の架橋用官能基および/または極
性基同士あるいは必要に応じて加えられた架橋剤と共に
架橋させることにより配列した相接触する各隣接粒子間
を固定化させる工程。
【0009】これらの第1発明および第2発明において
、有機高分子が実質的に三次元網目構造を有する有機高
分子であることが好ましい。
【0010】第3発明は、実質的に均一粒径の有機高分
子架橋粒子が最密充填構造をもって単一の層に配列して
なりかつ相接触する隣接粒子間が化学結合により固定化
されてなることを特徴とする粒子配列層に関する。
【0011】第4発明は、実質的に均一粒径の高分子架
橋粒子が最密充填してなりかつ相接触する互いに化学結
合により固定化されてなる粒子配列層が相接して複数積
層され、かつ配列層間の相接触する各隣接高分子粒子間
も互いに化学結合により固定化されてなることを特徴と
する秩序配列多層積層構造体に関する。
【0012】第3発明および第4発明において、前記結
合が粒子表面の橋架け用官能基同士または該官能基と架
橋剤との架橋を介して橋架けされることにより結合され
てなることが出来、また、有機高分子粒子が三次元網目
構造により構成されてなる高分子粒子であることが好ま
しい。
【0013】さらに本発明の第5発明は、実質的に均一
粒径の高分子架橋粒子が最密充填してなりかつ相接触す
る各隣接粒子間が互いに化学結合により固定化されてな
る粒子配列層が相接して複数積層され、かつ配列層間に
おける相接触する各隣接高分子粒子間も化学結合により
固定化されてなる秩序配列多層積層構造体からなること
を特徴とするフィルター(ミクロフィルター)に関する
【0014】この場合、前記結合が粒子表面の橋架け用
官能基同士または該官能基と架橋剤との架橋を介して橋
架けされることによりなされることが好ましい。以下に
本発明をさらに説明する。
【0015】<高分子ミクロスフェア>本発明において
は、まず初めに粒子表面に存在する極性基による界面活
性機能により分散媒体中に分散してなるコロイド領域に
属する高分子ミクロスフェア、すなわち微小球体を用い
るものである。しかも後述のように該高分子ミクロスフ
ェアは、均一な粒子径をもち、粒子内の分子間で三次元
網目構造、すなわち架橋構造を有していることが好まし
く、また該高分子ミクロスフェアから得られた高分子ミ
クロスフェア配列体の粒子間をも化学結合、例えば架橋
するために、これらの高分子ミクロスフェアは架橋用官
能基を有することが必要である。
【0016】すなわち、本発明において出発原料となる
有機高分子粒子として必要な条件は、    1)形状
が球形であること、2)粒子径が均一であること、3)
粒子表面に界面活性機能を持つ極性基を有し、表面が荷
電していること、    4)粒子表面に粒子間架橋を
させるための官能基を有すること、および5)好ましく
は、粒子内の分子が架橋して三次元網目構造をなすこと
、である。また、該高分子粒子は分散媒に不溶であるこ
とが必要であるが、膨潤することは差し支えない。
【0017】次に、これらの必要条件について説明する
【0018】まず、粒子を規則的に配列させるためには
、粒子が球形でかつ実質的に均一な粒径を持つことが必
要である。
【0019】該有機高分子粒子の粒径は、界面活性能に
より適宜の分散媒体に分散し得る粒子ならばいずれの粒
径のものでも使用できるが、好ましくは10nm〜90
μmの範囲のものである。また、有機高分子粒子の粒径
分布は、実質的に均一な粒径を持つことが必要であるが
、全粒子中の90%以上のものが平均粒径の±10%以
内で、かつ残余のものが平均粒径の±30%程度以内で
あれば良い。分散媒は、水とは限らず、高分子粒子に溶
解せずに分散し得るものならば有機高分子の種類および
極性基の種類に応じて適宜の媒体が使用できる。このよ
うな、水以外の分散媒にはアセトニトリル等の極性溶媒
が例示される。しかしながら、水が最も好ましい。従っ
て、以下の説明では、特に断わらない限り分散媒として
水を用いて説明する。
【0020】次に、粒子はそれ自身の有する機能により
、言い替えると乳化剤等の助けを借りることなく適宜の
分散媒中で分散する必要がある。これは、粒子の表面に
乳化剤等が存在すると粒子を規則的に配列させるときお
よび粒子間を架橋させるときに悪影響を及ぼすためであ
る。このため、粒子はそれ自身の有する機能により分散
媒中で分散する必要があり、粒子表面に界面活性機能を
持つ極性基を一種または複数種有することが必要となる
【0021】界面活性能を有する極性基は、公知のイオ
ン性またはノニオン性の基であることが出来る。例えば
、カチオン性基としては、脂肪族または芳香族アミノ基
、オニウム基、例えば脂肪族、芳香族または含窒素複素
環の第4級アンモニウム基、ホスホニウム基、スルホニ
ウム基等である。アニオン基としては、カルボキシル基
、スルホン基、硫酸エステル基あるいは燐酸エステル基
等である。ノニオン性基としては、水酸基、エーテル基
、エーテルエステル基、エステル基、アミド基等である
【0022】いずれにしろ有機高分子からなる粒子は、
それ自体で水中に分散し得るように粒子表面に適宜に界
面活性能を有する極性基を一種または複数種持つことが
必要となる。これらの極性基がイオン結合性のものであ
れば粒子表面は電荷を有しており、また共有結合のもの
であっても、成分原子の電気陰性度の違いのため電子雲
の分布がかたよりを持つためポリマー粒子の表面は電荷
を有している。この粒子表面に電荷を有することは、後
の工程で粒子を規則的に配列させるために必須の条件と
なる。
【0023】なお、ここで粒子表面に複数種の極性基が
存在する場合には、極性基は同一電荷を有することが必
要であり、同一の電荷を有する限り異なる種類の極性基
であることが出来る。
【0024】また、後述の精製のための脱塩工程におい
て、有機高分子粒子が凝集を起こさないよう予めこれら
を選択しておく必要がある。なお、極性基の濃度は目的
とする粒子の粒径および極性基の種類に応じて適宜選択
すれば良い。
【0025】本発明の有機高分子粒子は、これを規則的
に配列したのちに相接する粒子同士を架橋するため、粒
子表面に架橋可能な官能基を有することが必要である。 この官能基は、前記界面活性能を有する極性基と別異の
基であっても、また同一の基であっても良い。前記官能
基と極性基が同一であると、高分子粒子の製造およびそ
の後の固定化等が容易であるので好ましい。
【0026】この架橋反応は、適宜に添加される架橋剤
とこれら架橋用官能基との反応であっても、隣接する粒
子表面の官能基同士の反応であってもよい。従って,該
官能基の種類としても、これら二種の反応のうちどちら
の反応性を有するものであってもよい。
【0027】前者の反応性を有する官能基の例としては
、エステル化反応性を有するカルボキシル基等の酸基ま
たは水酸基、アミド化、4級化あるいはジアゾカップリ
ング反応性を有する第一級、第二級、第三級アミノ基ま
たはピリジル基等の複素環基、あるいは開環によるエス
テル化、イミン化に利用できるエポキシ基等、さらには
酸アミド基、アルデヒド基、ハロゲン基等が挙げられる
。また後者の反応性を有する官能基の代表例として、付
加重合反応性を有するビニル基等の重合性不飽和基、開
環重合反応性を有するエポキシ基あるいは分子間脱水に
よるエーテル化が可能なメチロール基等がある。このほ
かでも従来公知の反応により架橋させることの可能な基
ならいずれのものであってもよい。
【0028】また、これらのポリマー中の架橋用官能基
の密度としては、500モノマー単位から2モノマー単
位に対して1個の架橋用官能基を導入すればよい。
【0029】なお、この有機高分子粒子は、分散媒体に
溶解しないものであるが、ミクロフィルター等の用途に
使用するには三次元網目構造を有する粒子、例えばそれ
自身架橋されたいわゆるミクロゲルでかつ膨潤しないも
のであることが好ましい。
【0030】<高分子ミクロスフェア分散液の製造>本
発明において原料として使用することができるミクロス
フェアは、乳化重合またはポリマーの溶液を大量の分散
媒(水)の中に注いで乳化させることにより製造するこ
とができる。この二つの方法について以下に説明する。
【0031】<乳化重合による方法> 乳化重合においては、先に述べたように有機高分子は粒
子表面に存在する極性基の働きにより、乳化剤等の助け
を借りることなく分散媒(水)中で分散される必要があ
る。
【0032】この粒子表面に極性基を導入するには、極
性基を有するモノマーを重合または共重合させる方法と
、重合に際して後述する高分子界面活性剤を使用する方
法とがある。ここで、高分子界面活性剤を使用する方法
においても極性基を有するモノマーを重合または共重合
させることもできる。また、高分子界面活性剤は、重合
中にモノマーと反応し得るいわゆる反応性高分子界面活
性剤であることが好ましい。
【0033】界面活性機能を持った極性基を有する両親
媒性(同一分子内に親水性および親油性の基を有する)
のモノマーの例として、(メタ)アクリル酸、マレイン
酸等のα,β−不飽和モノもしくはジカルボン酸および
その塩あるいはアミドおよびN−ビニルピロリドン、N
−ビニルイミダゾール、ビニルピリジン等の含複素環不
飽和化合物等が挙げられる。
【0034】上に挙げたモノマーを、乳化重合により単
独あるいは同種または異種の複数モノマーと共重合させ
ることにより、粒子表面に界面活性機能を持った極性基
を有する有機高分子の分散体を製造することができる。 共重合の場合には、先に述べたように同一電荷を有する
ことが必要であり、かつ極性基同士が反応しないもので
あることが必要である。
【0035】また、これらのモノマーと親油性のモノマ
ーおよび極性あるいは界面活性機能の弱いモノマーとを
共重合させることが出来る。親油性モノマーの例として
スチレン、ビニルトルエン等の不飽和芳香族、極性ある
いは界面活性機能の弱いモノマーの例としてエチルビニ
ルエーテル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル
等が挙げられる。
【0036】乳化重合により製造したミクロスフェアは
球形で実質的に均一な粒径を持つことが必要であるが、
これは界面活性機能を有する極性基の種類および濃度あ
るいはポリマー濃度を適宜選ぶことにより製造すること
が出来る。
【0037】粒子内の分子間が架橋され三次元網目構造
となったミクロゲルを製造するには、ジビニルベンゼン
、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多
官能性不飽和モノマーを共重合させればよい。
【0038】一方、高分子界面活性剤としては、上記の
界面活性機能を持った極性基を有するモノマー、例えば
4−ビニルピリジン(以下、4VPと称する)の単独ま
たは共重合体あるいはこれを4級化することによりさら
に界面活性機能を向上させたポリマー等がある。さらに
これらのポリマーを、不飽和結合を有するハロアルカン
等による4級化反応等で重合性不飽和基を導入し反応性
高分子界面活性剤として使用することが好ましい。
【0039】<ポリマー溶液からの乳化による方法>ポ
リマーの溶液を大量の分散媒(水)の中に注いで乳化さ
せる方法において、原料として使用するポリマーは、上
記の界面活性機能を持った極性基を有するモノマーの単
独または共重合体あるいはこれを4級化する等によりさ
らに界面活性機能を向上させることにより製造すること
が出来る。4VPのような極性基を有するモノマーの重
合は、通常ラジカル重合により行われるが、重合方法と
しては乳化重合の他、適宜の有機溶媒を用いた溶液重合
あるいは懸濁重合、さらに塊状重合等いずれの方法で行
ってもよい。
【0040】かくして得られたポリマーを必要に応じて
未反応モノマーやオリゴマー等を除去し、また必要に応
じて化学的修飾を施したのち適宜の有機溶剤に溶解させ
てポリマー溶液とする。
【0041】このポリマー溶液を大量の分散媒中に急速
に撹拌しながら注ぎ込むことにより分散媒中に分散した
ミクロスフェアを製造することが出来る。
【0042】このようにポリマー溶液からの乳化により
ミクロスフェアを製造する場合にも、形状が球形で粒径
を均一にするには界面活性機能を有する極性基の種類お
よび濃度あるいはポリマー濃度を適宜選ぶことにより製
造することが出来る。ここで、ポリマーを乳化させる前
に、先に述べた化学的修飾、例えばポリマー中の官能基
を4級化する等により界面活性機能を向上させて粒径を
制御することもできる。
【0043】また、この方法で製造したミクロスフェア
を三次元網目構造のミクロゲルとするには、例えばポリ
4VP(以下、P4VPと称する)のようなポリマーを
乳化させた後にジハロアルカン等を反応させて粒子内の
分子を架橋させればよい。なお、この粒子内部のポリマ
ー分子間の架橋反応は、粒子を規則的に配列したのちの
隣接粒子間の架橋と同時でも、またその前のいずれかの
時点において実施してもよい。
【0044】<架橋用官能基の導入> 先に述べたように、本発明の有機高分子粒子は、これを
規則的に配列したのちに相接する粒子同士を架橋するた
め、粒子表面に架橋可能な官能基を有することが必要で
あり、この官能基は、前記界面活性能を有する極性基と
別異の基であっても、また同一の基であっても良い。ま
た、この架橋反応は、適宜に添加される架橋剤とこれら
架橋用官能基との反応であっても、隣接する粒子表面の
官能基同士の反応であってもよい。
【0045】前者の反応を利用する場合には、前記界面
活性能を有する極性基と同一の基による方法が有利であ
る。
【0046】後者の隣接する粒子表面の官能基同士の反
応により架橋する場合は、通常、反応に利用できる官能
基は前記界面活性能を有する極性基と別異の基である。 このような架橋反応に利用できる官能基の代表例である
付加重合反応性を有するビニル基は、例えばP4VPに
クロロメチルスチレン(以下、CMSと称する)を4級
化により付加させることにより粒子表面に導入すること
が出来る。
【0047】 <高分子ミクロスフェア分散液の具体的な製造方法>本
発明の有機高分子粒子の分散してなる分散液は、具体的
には例えば次のような3種類の方法で製造することがで
きる。まず、第一は前記の乳化重合による方法のうち高
分子界面活性剤を使用しないで共重合する方法である。 第二の方法は前記の高分子界面活性剤を利用した乳化重
合による方法である。また、第三の方法は、ポリマー溶
液からの乳化による方法である。以下に詳細に説明する
【0048】(1)すなわち、第一の方法は、4VP、
N,N−ジメチル−アミノスチレン(以下、DMASと
称する)、β−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール
(以下、VIと称する)等のビニル基と3級アミノ基を
有する両親媒性モノマーをそれ自身の界面活性機能を利
用して、親油性の2官能性または3官能性モノマー、例
えばオレフィン性二重結合を2個またはそれ以上有する
ジビニルベンゼン(以下、DVBと称する)、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート等と水中で乳化共重
合することによりミクロスフェアを製造する方法である
【0049】ラジカル開始剤は、通常のもの、例えばア
ゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNと称する)
あるいは2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミ
ジン)ジハイドロクロライド(以下、V−50と称する
)等を常法に従い用いる。4VPおよびDVBの共重合
の例により説明する。すなわち、4VP濃度;0.5〜
20重量%、好ましくは1〜10重量%、DVB仕込濃
度(DVBモル数/4VPモル数);0.1〜50%の
条件で、反応温度30〜80℃、反応時間10分〜数十
時間の範囲で反応させる。
【0050】かくすることにより得られた有機高分子粒
子は、球形でかつ実質的に均一な粒径を持ち、架橋剤と
しての親油性モノマーにより架橋されているので、いわ
ゆるミクロゲルとなる。また、その粒子表面には親水基
であるピリジン環が存在し、これにより該粒子は安定に
水中に分散する。
【0051】さらに該粒子は、ピリジン環を有している
ためこれを架橋用官能基として利用し、例えば4級化反
応による架橋剤であるジョードブタン(以下、DIBと
称する)により粒子間の架橋をすることが出来る。また
、ピリジン環とCMSを反応させて粒子表面に重合性不
飽和二重結合を導入して粒子間の架橋反応に利用するこ
ともできる。
【0052】(2)第二の方法は、第一の方法で用いた
モノマー類と同様のモノマー類を反応性高分子界面活性
剤を利用して乳化重合することにより目的とするミクロ
スフェアを製造する方法である。反応性高分子界面活性
剤としては、4VP等のビニル基と3級アミノ基を有す
るモノマーの重合体を4級化し、さらにビニル基等の重
合性不飽和二重結合を導入したものを利用する。
【0053】「反応性高分子界面活性剤の製造方法」こ
の方法で使用する反応性高分子界面活性剤は、例えば次
のような処方で製造することができる。
【0054】まず、4VP等のビニル基と3級アミノ基
を有するモノマーを重合し、ついで得られたポリマーが
有する窒素原子を部分的に4級化してポリマーに大きな
界面活性機能を付与する方法である。ここで、4級化剤
としてビニル基等の重合反応性の官能基を有するものを
所望の割合で使用し、4級化と同時に重合反応性を付与
することによって反応性高分子界面活性剤を得ることが
できる。
【0055】P4VPの4級化を例にとって説明する。
【0056】<P4VPの製造> 4VPをメタノール(以下、MeOHと称する)等の適
宜の溶媒中で30〜80℃の範囲で、数分から数十時間
の範囲の時間で常法に従い重合させることによりP4V
Pを得る。ラジカル開始剤は、適宜に通常のもの、例え
ばAIBN、あるいはV−50等を常法に従い用いるこ
ともできる。P4VPの分子量は、適宜に選択できるが
、通常は1万〜50万までである。
【0057】 <部分4級化による反応性の付与および界面活性機能の
向上> まず、P4VPを溶解する溶剤、例えばMeOH等にP
4VPを溶解させ、ポリマー中のピリジン環の窒素原子
とビニル基を含むハロゲン化アルキルとを反応させる4
級化反応を利用して、ビニル基を導入する。
【0058】すなわち、4級化用官能基とオレフィン性
二重結合を有する化合物、例えば、CMSをその4級化
能を利用して、室温から80℃の温度範囲で、1時間か
ら数十時間反応させることによりP4VPのピリジン環
の窒素原子に結合させる。
【0059】続いて、ヨウ化メチル(以下、MIと称す
る)等の分子内にビニル基を含まない4級化剤をP4V
Pのピリジン環の窒素原子に結合させ、ポリマー分子の
親水性を向上させ界面活性機能を高める。反応温度、時
間とも上記CMSの条件と同様である。
【0060】導入するCMSおよびMIのモル数は、反
応性高分子界面活性剤の目標性状その他から適宜に決定
される。
【0061】かくすることにより、ビニル基を有する反
応性界面活性剤である反応性の部分4級化P4VPを製
造することができる。
【0062】「ミクロゲルの製造」 この方法は、重合反応装置中で、適宜、上記反応性界面
活性剤を乳化剤とし、ビニル基と3級アミノ基を有する
両親媒性モノマー、および架橋剤としての親油性の2官
能性または3官能性モノマー、例えばオレフィン性二重
結合を2個またはそれ以上有するモノマーとを水中で乳
化共重合させる方法である。
【0063】ビニル基と3級アミノ基を有する両親媒性
モノマーの例として4VP、DMAS、β−ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリド
ン、VI等がある。
【0064】架橋剤としての親油性の2官能性または3
官能性モノマー、例えばオレフィン性二重結合を2個ま
たはそれ以上有するモノマーの例としてメチレン(ビス
アクリルアミド)等のビスアクリルアミド、(エチレン
グリコール)ジメタクリレート等の(アルキレングリコ
ール)ジ(メタ)アクリレート、DVB等のジビニル芳
香族炭化水素等が挙げられる。
【0065】4VPとDVBの共重合の例によりミクロ
ゲルの製造方法を説明する。すなわち、4VP濃度;0
.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%、反応性
界面活性剤/4VP比;50%以下、DVB仕込濃度(
DVBモル数/4VPモル数);0.1〜50%の条件
で、反応温度30〜80℃、反応時間10分〜数十時間
の範囲で反応させる。
【0066】かくすることにより乳化重合されてなる有
機高分子は、球形でかつ実質的に均一な粒径を持ち、粒
子内部が架橋されたゲルであって、その表面部分の4級
化窒素原子により安定に水中に分散される。
【0067】該粒子も、ピリジン環を有しているためこ
れを架橋用官能基として利用し、例えば4級化反応によ
る架橋剤であるDIBにより粒子間を架橋することが出
来る。また、ピリジン環とCMSを反応させて粒子表面
に重合性不飽和二重結合を導入して粒子間の架橋反応に
利用することもできる。
【0068】(3)第三の方法は、官能基を有するビニ
ル系モノマーを有機溶媒中で重合または共重合させてポ
リマー溶液を得たのち、これを水中に注いで乳化させ、
ついで前記の官能基と反応してポリマー分子を相互に橋
架けする多官能性の油溶性架橋剤を用いてミクロゲルを
製造する方法であり、例えば4VP等のビニル基と3級
アミノ基を有するモノマーを重合し、さらに有機溶媒中
において水への分散能を向上させるため部分4級化反応
を実施したのち、該ポリマー溶液を水中に注ぎ乳化させ
て微小粒径の単分散ミクロスフェアとし、さらに多官能
性の油溶性4級化剤により粒子内のポリマー分子を架橋
させることによりミクロゲルを製造する方法である。
【0069】モノマーとして4VPを使用した場合につ
いて説明する。重合方法は、乳化剤等の不純物の入らな
い方法ならラジカル重合、イオン重合のいずれの方法で
もよく、溶液重合等でもよい。例えば、上記の第2の方
法における反応性高分子界面活性剤製造の場合の4VP
の重合の場合と同様に行えばよい。
【0070】(部分4級化) 重合により得られたP4VPを、適宜の溶媒、例えばM
eOHとトリクロロエタン(以下、TCEと称する)の
混合溶剤に溶解させ、4級化剤、例えばMIを30〜8
0℃の温度範囲で1時間〜数十時間反応させP4VPの
有するピリジン環中の窒素原子を部分4級化させる。こ
のときの4級化率は、次の工程でこのポリマーを水中に
分散させてミクロスフェアとするときに必要とされる分
散能に応じて決められる。また、残余の窒素原子は次の
橋架け反応、さらに粒子が規則的に配列された後に隣接
粒子相互の架橋固定化にも用いるため、P4VPのうち
の5〜90モル%の窒素原子を4級化すればよい。
【0071】(エマルジョン化) 上記の方法で部分4級化したP4VPの溶液を、高速で
撹拌しながら大量の水中に注ぐことにより粒径の均一な
ミクロスフェアを製造することが出来る。
【0072】(部分4級化ポリマーの橋架け)次に、上
記で得られたミクロスフェアの粒子内において分子間架
橋させ3次元網目構造のミクロゲルにする。
【0073】部分4級化P4VPには、そのピリジン環
中に窒素原子が存在するのでこれを利用してDIB等の
親油性の2官能性4級化剤により4級化反応を利用して
架橋する。この橋架けは、部分4級化P4VPのミクロ
スフェアに、DIBのTCE等の極性溶媒溶液を加えて
30〜80℃で1〜数十時間反応させることにより橋架
けを行なう。この場合も、全てのピリジン環の窒素原子
を4級化することは必要でない。残余の窒素原子は、粒
子の固定化に利用される。
【0074】かくすることにより、安定な架橋されたミ
クロゲルの水分散液が得られる。
【0075】上記の方法で、粒径分布幅の狭いミクロス
フェアないしミクロゲルが得られるのは、粒径が粒子表
面に存在する電荷の量に規定されるためである。すなわ
ち、粒子表面の電荷の量はポリマーが限定されればその
粒径の2乗に比例し、このため重合または粒子形成の過
程で、粒径が大きくなると表面電荷の量も大きくなり、
同一電荷をもつモノマーあるいは他のポリマー粒子に対
する斥力が大きくなり、これらを粒子内に取り込むこと
が出来なくなる。従って、粒径が一定の大きさになると
粒子が肥大化できなくなり、均一な粒径のミクロスフェ
アが得られることになる。
【0076】以上の各方法により得られた有機高分子の
安定な分散液を用いて次の工程で粒子の規則配列体を製
造する。
【0077】これまでに説明したミクロスフェアの製造
方法はいずれも実質的に分散粒子の粒径分布が単分散で
あるか、あるいはそれに近い粒子径分布の狭いものが製
造されるのに適した方法である。しかしながら、従来公
知のソープフリー重合を利用することもでき、また適当
な分別方法を利用できるならば、上記以外の広い粒子分
布を有する分散粒子の分散液製造方法であっても、特定
粒径に分別し、これを利用することもできる。
【0078】<粒子の配列> このようにして、例えば媒体としての水中に安定に分散
し、界面活性機能を有する極性基および粒子間架橋用の
反応性官能基を持ち、球形でかつ実質的に単分散の粒径
分布の高分子ミクロゲルを含む分散液が得られる。
【0079】この水分散液を静置した状態で濃縮し、最
終的には乾燥することによりミクロゲルの秩序配列構造
体が得られる。このため、ミクロゲルの水分散液濃度は
、高低により濃縮、乾燥に要する時間が変わるだけで、
特に制限はない。
【0080】(粒子の分散液の精製) 本発明においては、分散した高分子粒子を含む媒体中に
は、実質的に低分子電解質が存在しないものを用いるこ
とが肝要である。すなわち、イオン解離性極性基をもつ
単量体を使用した場合等は、有機イオンである該モノマ
ーが水媒体中に存在することになる。
【0081】本発明においては、ポリマー以外の電解質
が存在すると後述の電気二重層の発現を妨げたり弱めた
りするため、このような対イオンも含めて低分子イオン
は実質的に除去するようにしなければならない。さらに
、電解質物質でなくとも、共存する低分子量物質は、粒
子が規則的に配列することの妨げになり得るからこれも
除去することが必要である。
【0082】これらの不純物を除去するには、コロイド
精製のために用いられる半透膜を利用する通常の透析方
法により除去すれば良い。半透膜としてセロファンその
他の高分子膜あるいはパイプを用いる透析方法が適宜に
利用できる。また電気透析法も適宜に利用できる。この
透析には通常数時間〜数十時間かければ十分である。
【0083】もちろん低分子イオンおよび非イオン性低
分子物質の選択的な除去が可能である限り他の適当な方
法を採用することもできる。
【0084】(粒子の規則的な配列) 次いで、本発明においては可能な限り分散した粒子の電
気的環境を乱さないようにしながら分散媒を蒸発させて
分散質濃度を向上させ、最終的には分散液から分散媒体
を実質的に除去する。
【0085】具体的には、例えばこの高分子粒子を含む
水分散液を平型容器または平板上にキャストし、液を静
置状態で水を乾燥蒸発させる。この媒体の除去は可能な
限り荷電粒子の電気的環境が乱れないように、あるいは
対流等により粒子が激しく動かないように行なう。
【0086】なお、ミクロゲルがキャストにより規則的
に配列するのは、陽イオンまたは陰イオンもしくはイオ
ン化せずに荷電した粒径の均一なミクロゲルの周囲に電
気二重層ができ、この電気二重層が相互に反発し合うた
め、乾燥の途中でミクロゲルの濃度が高くなる過程で粒
子間相互の距離をできるだけ大きく保とうとし、その結
果、各粒子が規則的に配列するようになるためである。
【0087】以上のようにして、有機高分子の分散液を
静置状態で乾燥させれば粒子が規則正しく配列した配列
構造体の乾燥膜が得られる。この状態は、乾燥膜が虹色
を発する鮮やかな虹彩が認められることによっても確認
できる。これは、微細な球体が規則的に配列すると光の
干渉により虹色が発生するためである。
【0088】この配列状態は、粒子が単層に最密充填な
される層が、複数層秩序正しく積層されてなる配列構造
を有することが、透過型あるいは走査型電子顕微鏡によ
り観察される。
【0089】<粒子間の固定> 秩序配列構造体を構成するミクロゲルを相互に架橋する
方法として、通常のポリマーの架橋方法を利用すること
ができる。例えば、ポリマー分子内にある酸基、水酸基
、アミノ基、複素環基、エポキシ基等の官能基と多官能
のエポキシ基、酸基、水酸基、アミノ基、ハロゲン化ア
ルキル基等を有し、前記官能基と反応する橋架け剤とを
反応させて架橋する方法およびポリマーの分子に二重結
合、エポキシ基、水酸基等をペンダントの形で導入し、
付加重合、開環重合、あるいは脱水縮合等により架橋す
る方法である。
【0090】4VPの重合体を例に2種類の方法につい
て説明する。
【0091】第一の方法では、DIBを代表とするジハ
ロアルカン等の2官能性4級化剤のアセトン(以下、A
CEと称する)等の溶液を秩序配列構造体に含浸させ、
30〜80℃に加熱すればアルキレン鎖を介して粒子表
面のピリジン環の窒素原子同士が容易に架橋される。
【0092】第二の方法では、ピリジン環と反応する官
能基およびオレフィン性二重結合を有する化合物、例え
ば、CMSを代表とするハロゲン化アルキルビニル芳香
族炭化水素等を秩序配列構造体を構成する粒子と反応さ
せて粒子表面に二重結合を導入したのち、加熱すること
により二重結合の重合反応を進行させ、秩序配列構造体
の隣接した粒子同士を相互に架橋させることができる。
【0093】すなわち、秩序配列構造体をCMSのAC
E溶液に浸漬させて、適宜に加熱し、通常は室温で反応
させ、ピリジン環の窒素原子を4級化させる。かくする
ことにより秩序配列構造体の構成粒子表面にビニル基が
導入される。次に、この秩序配列構造体を適宜に加熱し
、通常30〜80℃で、先に導入されたビニル基同士を
付加重合させることにより、相接する粒子を架橋し固定
化する。この場合、ラジカル開始剤として、適宜に通常
のもの、例えばAIBNあるいはV−50等を適宜添加
して用いることもできる。
【0094】また、ミクロゲルを規則的に配列したのち
にCMSと反応させる代わりに、ミクロゲルの水分散体
にCMSのACE溶液を加えてこれと反応させたのち規
則的に配列させ、しかるのちに加熱することにより二重
結合の重合反応を進行させ、秩序配列構造体の隣接した
粒子同士を相互に架橋させ、固定化させることもできる
【0095】なお、粒子が熱可塑性樹脂により構成され
てなるときは、各隣接粒子を部分的な熱融着により結合
させ、これにより配列構造体を固定化、安定させること
もできる。
【0096】規則的に配列したミクロゲルを相互に架橋
する目的は、周囲の環境の変化や物理的な力により規則
的な粒子の配列が乱されるのを防ぐことである。すなわ
ち、架橋されないものはその後の配列体の使用が制限さ
れる。もちろん配列体の用途によっては、架橋する必要
もない。
【0097】このように、本発明の方法により得られる
構造体は、互いに橋架けされた実質的に均一粒径の高分
子架橋粒子が規則的に配列してなる一層または多層の規
則配列体である。一層からなる配列体は、例えば分散液
を適宜の液面に展開しこれを採取し乾燥することにより
得られる。多層の場合の層の重なりの数は、任意であっ
て濃縮乾燥の際に電気的環境あるいは熱運動による乱れ
がない限り特に制限がない。通常、前述のようなキャス
ト(流延)による場合は1mm以下の厚みのものである
【0098】<フィルターとしての使用方法>全く同じ
大きさの真球を最密充填した場合、その空間部分を通過
できる球体の大きさは最密充填された球体の大きさの約
10分の1であることが知られており、これを利用して
粒子を分別することができる。本発明により製造した規
則配列構造体も、粒子分別のためのフィルターとして利
用できる。
【0099】粒径の非常に小さなミクロゲルを用いてフ
ィルターを製造すれば、その配列体の有する空間部分も
微小となり分子篩として利用することもできる。すなわ
ち、適宜の支持体上に本発明の秩序配列体を形成すれば
、固定化された秩序配列体それ自身でもってミクロフィ
ルターとなる。
【0100】ここでは、ガラスフィルターを支持体とし
て具体的に説明すると、適宜に親和性を付与したガラス
フィルターに、特定粒径のミクロゲル分散液を注入し、
乾燥後配列粒子間を固定化する。次に、既に充填したミ
クロゲルよりも粒径の小さいミクロゲルをさらに充填し
、乾燥固定化する。必要に応じてこれを繰り返すことに
よりミクロフィルターが形成される。該ミクロフィルタ
ーの排除限界粒径は、配列粒子が最密充填であるために
その粒径に依存する。
【0101】
【発明の効果】本発明の方法により、微細な粒子が固定
化され極めて秩序正しく配列した配列体が得られる。従
って、本発明の配列体はフィルター用途に最適である。
【0102】
【実施例】以下、実施例等により本発明を詳述する。
【0103】製造例1   撹拌機、凝縮器および窒素導入管を供えた三つ口フ
ラスコに窒素雰囲気下で水1000mlを入れ4VP5
0gおよびDVB2.5gを分散させた後、70℃で開
始剤V−50を1g加え8時間重合したところ、収率約
100%で、粒径690±30nmのミクロゲルの水分
散液が得られた。
【0104】参考例:反応性高分子界面活性剤の調製4
VPモノマー100g、溶媒MeOH100ml、開始
剤AIBN0.5gを封管用ガラスアンプルに入れ均一
に混合し、ドライアイス/MeOHで冷却しながら脱気
封管した後、60℃の恒温槽内に入れ24時間重合させ
た。重合後、ポリマーを水中に沈澱させ、減圧乾燥によ
り分子量24万のP4VPを得た。
【0105】得られたポリマーを10倍量のMeOH/
TCE混合液(容量比2/3)に溶解させた後、4VP
単位の20モル%のCMSを加え、室温で24時間撹拌
反応させてポリ4VPを部分的に4級化し、二重結合を
導入した。
【0106】ついで、これに4VP単位に対して60%
のMIを加え、室温で24時間撹拌反応させてポリ4V
Pを部分的に4級化して、反応性高分子界面活性剤を製
造した。
【0107】この反応性高分子界面活性剤は、分子内に
4級アンモニウムイオン構造と二重結合とを有するもの
で、疎水性モノマーを乳化させることが可能でありかつ
モノマーと反応することが可能である。
【0108】製造例2   製造例1において、参考例で製造した反応性高分子
界面活性剤を4VPモノマーに対して0.3wt%添加
して重合を実施したところ、粒径300±12nmのミ
クロゲルが得られた。
【0109】反応性高分子界面活性剤の製造およびこれ
を用いたミクロゲルの製造プロセスのスキームを図1に
示す。
【0110】製造例3   製造例2において、反応性高分子界面活性剤の添加
量を4VPモノマーに対して5.0wt%とすると粒径
は100±5nmとなった。4VP濃度を1wt%、反
応性高分子界面活性剤を4VPに対して5.0wt%と
すると粒径は70±4nmとなった。
【0111】このように反応性高分子界面活性剤および
モノマーの添加量を変えることによりミクロゲルの粒径
を調節することが可能であった。
【0112】製造例4   4VPモノマー150g、溶媒MeOH100ml
、開始剤AIBN0.5gを封管用ガラスアンプルに入
れ均一に混合し、ドライアイス/MeOHで冷却しなが
ら脱気封管した後、60℃の恒温槽内に入れ24時間重
合させた。重合後、ポリマーを水中に沈殿させ、減圧乾
燥により分子量64万のP4VPを得た。
【0113】得られたポリマーを10倍量のMeOH/
TCE混合液(容量比2/3)に溶解させた後、4VP
単位に対して20モル%のMIを加え、60℃で24時
間撹拌反応させてポリ4VPを部分的に4級化した。
【0114】部分的に4級化したポリマーの溶液に大量
の水を加えて溶液を乳化させ、さらにポリマー中の4V
P単位に対し5モル%のDIBを加え30℃で24時間
反応させてミクロスフェア内部を橋架けし、粒径80±
5nmの安定なカチオン性のミクロゲルを得た。
【0115】本製造例によるミクロゲルの製造プロセス
のスキームおよびミクロゲルの赤外線チャートを図2お
よび図3に示す。
【0116】製造例5   製造例4において、部分4級化するときのMIの添
加量を4VPに対して75モル%とすると、粒径20±
1nmのミクロゲルが得られた。
【0117】製造例4および5の方法では、部分4級化
の程度を調節することによりミクロゲルの粒径を調節す
ることが可能であり、かつ製造例1〜3の方法と比較し
て相対的に粒径の小さなミクロゲルを製造することが可
能であった。
【0118】製造例6   製造例1の操作で、モノマーとして4VPの代わり
にDMASを用いて反応を実施し、粒径600±20n
mのミクロゲルの水分散液を得た。
【0119】製造例7   製造例1の操作で、モノマーとして4VPの代わり
にN,N−ジメチル−β−アミノエチルアクリレートを
用いて反応を実施し、粒径120±10nmのミクロゲ
ルの水分散液を得た。
【0120】製造例8   製造例1の操作で、モノマーとして4VPの代わり
にビニルイミダゾールを用いて反応を実施し、粒径51
0±20nmのミクロゲルの水分散液を得た。
【0121】製造例9   製造例1において、4VPの代わりにメタクリル酸
、DVBの代わりにエチレングリコールジアクリレート
を用いて重合を実施した。その結果、粒径120±10
nmのミクロゲルの水分散液が得られた。
【0122】製造例10   製造例1において、4VPの代わりにジメチルアミ
ノプロピルアクリルアミド、DVBの代わりにエチレン
グリコールジアクリレートを用い、さらにN−メチロー
ルアクリルアミド6.3gを加えて重合を実施した。そ
の結果、粒径140±10nmのミクロゲルの水分散液
が得られた。
【0123】実施例1   製造例1で得られた粒径690nmのミクロゲルの
水分散液を透析により精製した。透析は、ミクロゲルの
水分散体をセロファン製の半透膜に入れて5倍量のイオ
ン交換水を用いて実施し、水は1日に1回ずつ取り替え
、室温で1週間継続した。
【0124】精製したミクロゲルをテフロン板上にキャ
ストしたのち、60℃の恒温乾燥器で乾燥し、成膜した
。乾燥成膜の過程で虹彩が発現するのが観察された。
【0125】DIB2gをACE100mlと混合した
液の入っている容器に、得られた膜を1日浸漬した後、
60℃の恒温乾燥器で8時間加熱し、ミクロゲルの粒子
間を相互に架橋した。
【0126】架橋後の秩序配列構造体の表面および破断
面の走査型電子顕微鏡写真を図4および図5に示す。図
4〜5からミクロゲルの各粒子が規則的に配列している
ことが認められた。
【0127】架橋前後の秩序配列構造体をそれぞれP4
VPの良溶媒であるMeOHとTCEの50%ずつの混
合溶媒に浸漬したところ、架橋後のものは変化がなかっ
たが、架橋前のものは被膜が崩れミクロゲルが溶媒に分
散した状態になった。
【0128】実施例2〜8   製造例1で得たミクロゲルの代わりに製造例2〜8
で得られたミクロゲルを用いて実施例1と同様の操作を
実施した。
【0129】いずれの場合も、電子顕微鏡により秩序配
列構造体が得られたことが確認された。架橋後の構造体
はMeOHとTCEの混合溶媒に浸漬しても安定であっ
た。
【0130】実施例9   実施例1の操作で、DIBに代えて2,2−ビス(
4−グリシジルフェニル)プロパン2.2gおよび酢酸
0.77gを用いて架橋反応を実施した。得られた被膜
をACEとTCEの50%ずつの混合溶媒に浸漬したが
変化は認められなかった。電子顕微鏡により秩序配列構
造体が得られたことが確認された。
【0131】実施例10   実施例9の操作で、製造例1で得たミクロゲルの代
わりに製造例6で得たミクロゲルを使用して成膜し、さ
らにDIBに代えて2,2−ビス(4−グリシジルフェ
ニル)プロパン2.2gおよび酢酸0.77gを用いて
架橋反応を実施した。得られた被膜をACEとTCEの
50%ずつの混合溶媒に浸漬したが変化は認められなか
った。電子顕微鏡により秩序配列構造体が得られたこと
が確認された。
【0132】実施例11   実施例1の操作で、製造例1で得たミクロゲルの代
わりに製造例9で得たミクロゲルを使用して成膜し、さ
らにDIBに代えて2,2−ビス(4−グリシジルフェ
ニル)プロパン2.2gを用い、触媒としてベンジルジ
メチルアミンをグリシジル基に対して0.1モル%加え
て80℃で24時間加熱し、架橋反応を実施した。
【0133】得られた被膜をACEとTCEの50%ず
つの混合溶媒に浸漬したが変化は認められなかった。電
子顕微鏡により秩序配列構造体が得られたことが確認さ
れた。
【0134】実施例12   実施例1の操作で、製造例1で得たミクロゲルの代
わりに製造例10で得たミクロゲルを使用して成膜し、
さらにDIBに代えてグルタルアルデビド2.0gおよ
び触媒として1規定の塩酸1mlを用いて架橋反応を実
施した。
【0135】得られた被膜を水に浸漬したが再溶解は認
められなかった。電子顕微鏡により秩序配列構造体が得
られたことが確認された。
【0136】実施例13   実施例12の操作で、グルタルアルデヒドおよび塩
酸に代えて2,2−ビス(4−グリシジルフェニル)プ
ロパン2.2gおよび触媒としてテトラメチルヒドロキ
シアンモニウムをグリシジル基に対して0.1モル%を
用いて架橋反応を実施した。
【0137】得られた被膜を水に浸漬したが変化は認め
られなかった。電子顕微鏡により秩序配列構造体が得ら
れたことが確認された。
【0138】実施例14   実施例1の操作で、得られた被膜をCMSのACE
溶液(濃度10wt%)に浸漬し、室温で24時間反応
させた後、60℃の恒温乾燥器で8時間加熱し粒子間の
架橋を行った。
【0139】乾燥の過程で虹彩の発現が確認された。成
膜架橋後の走査型電子顕微鏡写真による破断面の観察に
より(図6参照)、ミクロゲル粒子が規則的に配列して
いることが確認された。
【0140】得られた被膜をMeOHとTCEの50%
ずつの混合溶液に浸漬したが変化は認められなかった。
【0141】実施例15   製造例10で得られたミクロゲルを透析したのち、
これにミクロゲル中のメチロール単位に対して10モル
%のグリシジルメタクリレートおよびテトラメチルヒド
ロキシアンモニウムをグリシジル基に対して0.1モル
%を加え、室温で24時間反応させた後、実施例1と同
様の方法で精製しテフロン板上にキャストした。これを
60℃の恒温乾燥器で8時間加熱し、水を蒸発させかつ
粒子間の架橋を行った。
【0142】乾燥の過程で虹彩の発現が観察された。
【0143】得られた被膜を水またはメタノールにそれ
ぞれ浸漬したが変化はいずれも認められなかった。電子
顕微鏡により秩序配列構造体が得られたことが確認され
た。
【0144】実施例16   実施例14の操作で、製造例1で得たミクロゲルの
代わりに製造例10で得たミクロゲルを使用して成膜し
たのち、アクロレインのACE溶液に常温で24時間浸
漬し、その後60℃の恒温乾燥器で8時間加熱して粒子
間の架橋固定化を実施した。
【0145】得られた被膜をACEとTCEの50%ず
つの混合溶媒に浸漬したが変化は認められなかった。電
子顕微鏡により秩序配列構造体が得られたことが確認さ
れた。
【0146】実施例17   (秩序配列構造体より成るフィルターの製造)ガラ
スフィルターを支持体として、ミクロゲルの規則配列構
造体を充填した微小孔径のフィルターを製造した。
【0147】まず、最大孔径5μmのガラスフィルター
5個を水酸化ナトリウム水溶液で処理し、水洗後乾燥し
た。次に、ガラスフィルターとミクロゲルとの親和性を
高めるため、脱水トリクロロメチルシランのベンゼン溶
液をフィルターに2〜3回流し、フィルター部にアルキ
ル基を導入した。最後にベンゼンで洗浄し、水洗後に乾
燥して支持体とした。
【0148】ガラスフィルター部に、製造例1〜5と同
様の方法で製造した粒径700,550,250,15
0および70nmのP4VPのミクロゲルを次の要領で
充填した(図7参照)。
【0149】まず、5個のガラスフィルターのフィルタ
ー部分に粒径700nmのP4VPのミクロゲルの水分
散液を充填したのち、60℃の乾燥器に入れて水を蒸発
乾燥させ、P4VPのミクロゲルの規則配列被膜を得た
。次いでDIBのACE溶液に浸した後、60℃の乾燥
器に10時間入れてポリマーの粒子間を架橋により固定
して、粒径700nmのミクロゲルを充填したフィルタ
ー5個を製造した。
【0150】次に、得られた粒径700nmのミクロゲ
ル充填のフィルターのうち4個に、上と同様の操作によ
り粒径550nmのミクロゲルを充填し、架橋により固
定した。同様に順次250,150,70nmのP4V
Pのミクロゲルを充填し、それぞれ孔径の異なるフィル
ターを製造した。
【0151】すなわち、充填物の最小粒径がそれぞれ7
00,550,250,150,70nmである秩序配
列構造体より成るフィルターを得た。
【0152】実施例18   (フィルターによるミクロゲルの篩分け)実施例1
7で製造した5種類の孔径の秩序配列構造体より成るフ
ィルターおよびガラスフィルターに、同じく実施例17
でフィルター充填に用いた粒径が700,550,25
0,150,70nmのP4VPのミクロゲルの水分散
体を流して粒子の透過の有無を測定し、結果を表1に示
した。なお、同表において、○はフィルターを透過する
もの、×はフィルターを透過しないもの、△は透過する
が、透過率が5%以下のものをそれぞれ示す。
【0153】
【表1】
【0154】表1に見られるように、ガラスフィルター
では全てのミクロゲルが透過するのに対して、秩序配列
構造体より成るフィルターでは、150nm以上の粒径
のミクロゲルはいずれの場合も透過せず、また150n
m以下の充填フィルターでは、70nmのミクロゲルも
透過しない。このため、秩序配列構造体より成るフィル
ターは、微小粒径の物質の篩分けに利用することが出来
る。
【0155】実施例19   実施例17で製造した秩序配列構造体より成るフィ
ルター(充填物の最小粒径;700nmおよび250n
m)を用いて実験室において乳化重合により製造したポ
リスチレンの分別を行った。
【0156】ポリスチレンのテトラヒドロフラン0.2
5%溶液を各々のフィルターに注いで、フィルター処理
前後のポリマーのGPCを測定した。得られたデータを
図8に示す。
【0157】フィルター処理後はピークの位置が変わる
と同時に低分子量の比率が高くなりフィルターによりポ
リマーが分別されることが認められた。
【0158】実施例20   実施例17で製造した秩序配列構造体より成るフィ
ルター(充填物の最小粒径;150nm)を用いて実験
室において乳化重合により製造したポリ酢酸ビニルの分
別を行った。
【0159】酢酸ビニルのテトラヒドロフラン0.25
%溶液を各々のフィルターに注いで、フィルター処理前
後のポリマーのGPCを測定した。得られたデータを図
9に示す。
【0160】フィルター処理後はピークの位置が変わる
と同時に高分子量部分の比率が低くなりフィルターによ
りポリマーが分別されることが認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】反応性高分子界面活性剤を用いるミクロゲルの
製造のプロセス図。
【図2】ポリマー(溶液)を乳化させ、次いで架橋剤を
用いてミクロゲルを製造するプロセス図。
【図3】部分四級化P4VPのIR吸収スペクトル図。
【図4】秩序配列構造体(実施例1)の表面の走査型電
子顕微鏡写真。
【図5】秩序配列構造体(実施例1)の破断面の走査型
電子顕微鏡写真。
【図6】秩序配列構造体(実施例14)の破断面の走査
型電子顕微鏡写真。
【図7】ガラスフィルターへのミクロゲルへの充填のス
キーム図。
【図8】ミクロゲル充填フィルター処理前後のポリスチ
レンGPCチャート図。
【図9】ミクロゲル充填フィルター処理前後のポリ酢酸
ビニルのGPCチャート図。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】  以下の■〜■の工程からなることを特
    徴とする固定化された単層または多層積層秩序配列構造
    体の製造方法。■粒子表面に存在する極性基による界面
    活性機能により分散媒体中に分散してなる分散媒体に実
    質的に相溶しない有機高分子からなる実質的に粒径の均
    一な球形の粒子を分散質とする分散液から、該分散液中
    に含まれる該粒子以外の他の電解質を選択的かつ実質的
    に除去する工程、■該分散液を静置状態に維持しながら
    分散媒体を実質的に除去することにより該粒子が実質的
    に秩序配列した単層または該単層が複数層に積層した粒
    子の秩序配列単層体または多層積層体を得る工程、およ
    び■配列した相接触する各粒子間を化学的に固定化させ
    る工程。 【請求項2】  以下の■〜■の工程からなることを特
    徴とする架橋固定化された単層または多層積層秩序配列
    構造体の製造方法。■粒子表面に架橋用官能基を有しか
    つ該粒子表面に存在する極性基による界面活性機能によ
    り分散媒体中に分散してなる分散媒体に実質的に相溶し
    ない有機高分子からなる実質的に粒径の均一な球形の粒
    子を分散質とする分散液から、該分散液中に含まれる該
    粒子以外の他の電解質を選択的かつ実質的に除去する工
    程、■該分散液を静置状態に維持しながら分散媒を実質
    的に除去することにより該粒子が実質的に秩序配列した
    単層または該単層が複数層に積層した粒子の秩序配列単
    層または多層積層体を得る工程、および■前記粒子表面
    の架橋用官能基および/または極性基同士あるいは必要
    に応じて加えられた架橋剤と共に架橋させることにより
    配列した相接触する各隣接粒子間を固定化させる工程。 【請求項3】  前記有機高分子が、実質的に三次元網
    目構造を有する有機高分子である請求項1または2に記
    載の製造方法。 【請求項4】  実質的に均一粒径の有機高分子架橋粒
    子が最密充填構造をもって単一の層に配列してなりかつ
    相接触する隣接粒子間が化学結合により固定化されてな
    ることを特徴とする粒子配列層。 【請求項5】  実質的に均一粒径の高分子架橋粒子が
    最密充填してなりかつ相接触する高分子粒子が互いに化
    学結合により固定化されてなる粒子配列層が相接して複
    数積層され、かつ配列層間の相接触する各隣接高分子粒
    子間も化学結合により固定化されてなることを特徴とす
    る秩序配列多層積層構造体。 【請求項6】  前記結合が、粒子表面の橋架け用官能
    基同士または該官能基と架橋剤との架橋を介して橋架け
    されることにより結合されてなる請求項4または5に記
    載の秩序配列多層積層構造体。 【請求項7】  前記有機高分子粒子が三次元網目構造
    により構成されてなる高分子粒子である請求項4または
    5に記載の多層積層秩序配列構造体の製造方法。  【
    請求項8】実質的に均一粒径の高分子架橋粒子が最密充
    填してなりかつ相接触する各隣接粒子間が化学結合によ
    り固定化されてなる粒子配列層が相接して複数積層され
    、かつ配列層間における相接触する各隣接高分子粒子間
    も化学結合により固定化されてなる秩序配列多層積層構
    造体からなることを特徴とするフィルター。 【請求項9】  前記結合が、粒子表面の橋架け用官能
    基同士または該官能基と架橋剤との架橋を介して橋架け
    されることにより結合されてなる請求項8に記載のフィ
    ルター。
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