JP4663990B2 - 球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法、その3次元粒子整合体及びその3次元粒子整合体塗工膜の製造方法。 - Google Patents

球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法、その3次元粒子整合体及びその3次元粒子整合体塗工膜の製造方法。 Download PDF

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Description

本発明は、球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法に関し、より詳細には、有機又は無機の球状微細粒子が分散する固−液サスペンジョンを乾燥させて、分散質である有機又は無機の球状微細粒子を縦・横方向に規則的に整合する3次元粒子整合体の製造方法に関する。
また、本発明は、このような3次元粒子整合体の製造方法を用いて、組成的にも構造的にも均質で、その構造的均質さに係わって各種の特性を発揮させる球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法及びその3次元粒子整合体に関する。
更には、分散質としての球状微細粒子を特定することにより鮮明な有彩光発色、優れる紫外線反射性又は優れる赤外線反射性を発揮する特定球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法及びその3次元粒子整合体、その鮮明な有彩光発色、優れる紫外線反射性又は優れる赤外線反射性を発揮する特定球状微細粒子の3次元粒子整合体塗工膜の製造方法にも関する。
従来から、球状単分散微細粒子を分散質として分散する固−液分散サスペンジョンを用いて、流込み、噴霧、塗布、泳動等で粒子を配列・整合・乾燥・固定させて、平坦な下地部材上に分散質の球状微細粒子が、縦・横方向に規則的に配列する粒子状積層体の製造方法が種々提案されている。このように微細球状粒子を規則的に配列させることで、その粒子状積層体は、その構成粒子素材が有する諸特性等に係わって発揮される各種の表面特性が期待され、特にその構成粒子サイズがサブミクロン、ナノのような極微細領域になれば、それだけ微細表面に係わって発揮される表面特性もより明確になり、また、新しい表面機能を発揮させる機能素材として期待されるからである。
そこで、その表面特性として、近年、色材として色を視感させるに、染料又は顔料なる染顔料物質による物体色又はカラーテレビのような光源色の他に、例えば、[特許文献1]に提案されているように、顔料等の着色材を用いない単分散酸化チタン粒子を基材上に堆積させた薄膜において、その粒子の粒径に応じて、その外観色調が、赤色系から青色系の干渉色調になる単分散酸化チタンの単層及び多層薄膜が提案されている。また、その単分散酸化チタンの粒径を制御することでその大きさに準じて、その外観干渉光色調が、赤色系から青色系に自在に調製できる単分散酸化チタンの薄膜であるとも記載されている。
また、[特許文献2]には、干渉による着色光が明瞭に視感させるために、標準色立体において明度が6以下で、彩度が8以下の黒色或いは暗色である合成樹脂等の撥液性の下地層表面上に、光透過性の単分散の固体微粒子を凝集配列させた規則的周期構造物なる付着物が、光干渉発色として明瞭な単色光を呈することが記載されている。この付着物を構成する無着色の固体微粒子は単分散粒子であって、このような固体微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、シリカ・アルミナ、チタニア・セレン等の無機酸化物微粒子や、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂等の有機ポリマー微粒子が挙げられ、その数平均粒子径が100nm〜1μmの範囲にあると記載されている。
また、[特許文献3]には、乳化重合法等で調製される200〜700nmの球状単分散ポリマー粒子が分散する固−液サスペンジョンを、透析処理で電解質を実質的に除去させて分散質粒子に電気二重層を形成させてなるサスペンジョンを静置下に、乾燥(60℃温度下)させてなる有機高分子の球状単分散粒子からなる多層積層秩序配列構造体を形成させ、次いで、配列する相接触する粒子間を化学的に固定化させる多層積層秩序配列構造体の製造方法が記載されている。
特開2001−206719号公報 特開2001−239661号公報 特開平04−213334号公報
従来から、このような相当厚を有する固−液サスペンジョンを乾燥させると、サスペンド粒子は乾燥によって凝集して集合体を形成させるが、通常、このような固−液サスペンジョン表面(又は分散体表面)には、乾燥収縮によって亀裂を発生させる傾向にある。しかも、このような乾燥亀裂を発生させる傾向は、乾燥占有面であるこのサスペンジョン層面が大きければ、また、そのサスペンジョン層厚が厚ければ一層、亀裂を発生させる傾向にあるのが一般的である。
すなわち、このような固−液サスペンジョンを乾燥させると、通常、その表面には肉眼で目視され難い1μm幅程度の亀裂から、容易に目視できるmm幅程度に発達した亀裂が、乾燥の進捗と共に無数に発生する。このような微細粒子がサスペンドする水性又は油性の固−液分散体の表面では、水又は有機溶媒が蒸発するに伴いサスペンド微細粒子が毛管力で凝集集合すると共に、微細粒子間に介在する分散媒(又は予めバインダー樹脂分を含有する分散媒であってもよい。)は、乾燥収縮によって一様な表面を維持させ難くなって、その収縮相当分が亀裂として残留する傾向にある。
そこで、本発明者らの先の出願特許である特願2003−59210においては、乾燥による収縮亀裂の恐れのない粒子集合を可能にさせる方法として、このようなコロイド粒子が分散するサスペンジョン中に対向する一対の電極板を浸漬させて、電気泳動下に電極板上に粒子状積層物を泳動堆積(又は電着)させた粒子集合体は、一定の粒子配列の粒子整合体であって、鮮明な有彩光色を発色する粒子状積層物なる光発色部材であることを提案している。更には、先の出願特許である特願2003−73123においては、メッシュ材のように目開き基準で表して50〜170μm幅で、その深堀のアスペクト比が0.4〜0.8の範囲にある深堀区分けが、平面方向に規則的に配列するシートをカラー発色基材シートと称して、設けた平坦な下地部材上に、コロイド粒子が分散する固−液サスペンジョンを流し込み、所定厚のスペンジョン層を形成させ、50〜60℃で乾燥させることで、乾燥による収縮亀裂発生を効果的に防止させ、同様に鮮明な有彩光色を発色する粒子状積層物なる光発色部材であることを提案している。
すなわち、本発明者らが上記に提案する粒子状積層物なる光発色部材とは、(1)その有彩光色が視感される粒子状積層物表面は、有機又は無機の黒色系無彩色である単分散球状粒子が、縦及び横方向に規則的に整合されている粒子状積層物である。(2)また、このような積層物表面を形成する有機又は無機の球状粒子は、少なくとも灰色、黒褐色、黒色等の黒色系無彩色の単分散球状粒子である。(3)更には、この黒色系無彩色の有機又は無機の単分散球状粒子は、体積基準で表す平均粒子径(d)が130〜350nmの範囲にある特定の粒子径を有している。(4)また、光発色部材の粒子状積層物を形成する、例えば、有機ポリマー球状粒子に係わる表面に、可視光線が照射されて視感される垂直反射光色は、紫色系、青色系、緑色系、黄色系及び赤色系等の色みに深み感のある有彩光色である。(5)また、視感されるこれらの垂直反射光色種は、例えば、単分散球状粒子が(メタ)アクリル系ポリマーにおいては、下記する特定の平均粒子径(d)との係わりを有し、
(イ)d=160〜170nmの範囲においては、発色する有彩光色が紫色系(P)で、(ロ)d=180〜195nmの範囲においては、発色する有彩光色が青色系(B)で、(ハ)d=200〜230nmの範囲においては、発色する有彩光色が緑色系(G)で、(ニ)d=240〜260nmの範囲においては、発色する有彩光色が黄色系(Y)で、(ホ)d=270〜290nmの範囲においては、発色する有彩光色が赤色系(R)であること等を特徴とする。
しかるに、従来から提案されている固−液サスペンジョンを乾燥させて分散質粒子が配列整合されて形成される粒子状積層物(又は3次元粒子整合体)には、その表面には全く亀裂発生が見られないものであっても、粒子整合体内には、特に粒子配列の縦・横方向に沿って、十分に整合されていない層が混在していたり、また、異なる方向に整合されて異なる粒子整合体面を混在させる傾向にあって、粒子整合体として構造的な均質さを欠き、その粒子整合体の不均質さ及び欠陥構造に係わって発揮される特性においても、未だ十分満足されるに至っていなのが実状である。
そこで、本発明の目的は、このような固−液サスペンジョン中に分散する単分散性の球状微細粒子を3次元方向に規則的に整合させて3次元粒子整合体を形成させるに際して、従来の電気泳動法のように、整合体を形成させる下地部材が、電極板であることによる有用性(又は用途)が著しく限られてしまう。また、従来の乾燥法によって形成される粒子状積層物に見られるように、乾燥・収縮による亀裂発生の恐れがなく、しかも、粒子状積層物の表面及び/又は粒子状積層物内に異なる粒子整合が殆ど混在せず、しかも、粒子整合体として構造的に均質であり、その均質さに係わって、その表面特性としての光特性等を含む諸特性が明確に発揮される3次元粒子整合体の製造方法を提供することである。
しかも、得られる単分散性の球状微細粒子の3次元粒子整合体を効果的に安定に固定させて、粒子構造体として著しく均質な3次元粒子整合体の製造方法を用いることを特徴とする塗工膜が組成的にも、構造的にも均質で、その均質さに係わって、その塗膜表面特性として光特性を含む諸特性が明確に発揮させる球状微細粒子の3次元粒子整合体塗工膜の製造方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、このような固−液サスペンジョンとしての単分散性の球状微細粒子を粒子構造体として著しく均質な3次元粒子整合体の製造方法において、用いる分散質の球状微細粒子が、単分散性の黒色系無彩色の特定する球状微細粒子で、得られる3次元粒子整合体が、粒子構造体として著しく均質で、しかも、可視光照射下に鮮明な有彩色の光発色性を呈していることを特徴とする特定球状微細粒子の有彩光発色3次元粒子整合体の製造方法及びこの製造方法を用いることを特徴とする黒色系無彩色の特定球状微細粒子からなり、塗工膜が組成的にも、構造的にも均質で、しかも、自然光又は白色光の照射下に鮮明な有彩光発色を呈する特定球状微細粒子の3次元粒子整合体塗工膜の製造方法を提供することである。
また、本発明の更に他の目的は、このような固−液サスペンジョンとしての単分散性である球状微細粒子の3次元粒子整合体として著しく均質な3次元粒子整合体の製造方法において、用いる分散質の球状微細粒子が、単分散性で、しかも、特定の粒子径を有する球状微細粒子で、得られる3次元粒子整合体が、粒子構造体として著しく均質で、紫外線又は赤外線に対して優れる反射特性を発揮させることを特徴とする紫外線又は赤外線反射性に優れる特定球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法及びこの製造方法を用いることを特徴とする特定する粒子径を有する球状微細粒子からなり、塗工膜が組成的にも、構造的にも均質で、しかも、紫外線又は赤外線に対して優れる光反射特性を発揮する特定球状微細粒子の3次元粒子整合体塗工膜の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を鋭意検討した結果、乳化重合法で調製した平均粒子径が190nmで、黒色無彩色の単分散球状粒子で、しかも、粒子中には高濃度にカルボキシル基を含有するアクリル系ポリマーコロイド粒子を用いて水性サスペンジョンを調製した。このサスペンジョンの電気伝導度は4200μS/cmであったが、透析処理を行って分散体の電気伝導度を410μS/cmに低減させた後、分散粒子の分散濃度を体積基準で約45%になるように濃縮させた固−液サスペンジョンを、平坦なガラス板上に流込み、約25℃の温度下に静置させたところ、サスペンジョン層が乾燥するに伴って鮮やかな青色の有彩光色を視感させることを見出して、本発明を完成させるに至った。
本発明によれば、固−液サスペンジョン中に分散質として分散する単分散性の球状微細粒子を、例えば、平坦な下地部材上に整合させて、走査型電子顕微鏡写真像で観察すると、球状微細粒子が、縦・横方向に規則的に配列・整合されて、しかも、異なる粒子配列を形成する粒子整合体が、略皆無で3次元粒子整合体である粒子配列構造体として著しく均質であることを特徴とする球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法を提供する。
すなわち、本発明による「第1の製造方法」として、体積基準で表す平均粒子径(d)が0.01〜30μmの範囲にある有機ポリマー又は無機ポリマーの単分散性である球状微細粒子が、分散質として水系又は溶解水を含む非水系の溶液分散媒中に、分散質粒子が体積基準で表して20%以上で、70%を超えない分散濃度で、しかも、固−液分散体としての電気伝導度が2000μS/cm以下であるサスペンジョン(S−1)を調製する。
次いで、サスペンジョン(S−1)のグリーンシートを形成させた後、少なくとも固−液分散体中の分散媒の氷点を超える温度雰囲気下に曝して乾燥させる。
これによって、形成させたグリーンシートには、単分散性の球状微細粒子が、縦・横方向に規則的に整合する3次元粒子整合体(SPL−1)が形成される。
次いで、3次元粒子整合体の表面及び3次元粒子配列の粒子間隙を満たすように、重合性有機モノマー液又は有機ポリマー液又は無機バインダー液の何れかを塗布又は散布させた後、重合又は硬化させることで、3次元粒子整合体(SPL−1)の均質な粒子配列を乱すことなく安定な粒子配列構造体として、これらのバインダーで封止されている球状微細粒子の3次元粒子整合体が製造される。
また、本発明によれば、固−液サスペンジョン中に分散質として分散する単分散性の球状微細粒子として、灰色〜黒色である黒色系無彩色粒子の特定球状微細粒子を、例えば、平坦な下地上に整合させて、走査型電子顕微鏡写真像で観察すると、この黒色系無彩色の特定球状微細粒子が、縦・横方向に規則的に整合されて、しかも、異なる粒子配列からなる粒子整合体が、略皆無である3次元粒子整合体であって、しかも、自然光又は白色光の照射下に特性反射スペクトルに基づく鮮明な有彩光発色を呈していることを特徴とする球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法を提供する。
すなわち、本発明による「第2の製造方法」として、固−液分散系には、分散質として、体積基準で表す平均粒子径(d)が130〜350nmの特定範囲にある灰白色、灰色、灰黒色、黒色から選ばれる何れか1種の黒色系無彩色の有機ポリマー又は無機ポリマーの単分散性である特定球状微細粒子と、分散媒として、水系又は溶解水を含む非水系の溶液とを含有し、この分散質が体積基準で表して20%以上で、70%を超えない分散濃度で、且つ固−液分散体の電気伝導度が2000μS/cm以下であるサスペンジョン(S−2)を調製する。
次いで、サスペンジョン(S−2)のグリーンシートを形成させた後、少なくとも固−液分散体中の分散媒の氷点を超える温度雰囲気下に曝して乾燥させて、縦・横方向に規則的に整合する特定球状微細粒子の3次元粒子整合体(SPL−2)を形成させる。
次いで、この分散粒子の特定球状微細粒子の屈折率(nP)とは異なり、重合体又は硬化体としての屈折率(nB)である重合性有機モノマー液、有機ポリマー液又は無機バインダー液の何れかを、3次元粒子整合体の表面及び3次元粒子配列の粒子間隙を満たすように塗布又は散布させた後、重合又は硬化させてなる有機樹脂バインダー又は無機バインダーで封止されている特定球状微細粒子の3次元粒子整合体(SPL−2)は、自然光又は白色光の照射下に特性反射スペクトルに基づく鮮明な有彩光発色を呈する特定球状微細粒子からなる有彩光発色3次元粒子整合体が製造される。
また、本発明によれば、固−液サスペンジョン中に分散質として分散する単分散性の球状微細粒子として、体積基準で表す平均粒子径(d)が10〜130nmの特定範囲にある有機ポリマー又は無機ポリマーの単分散性の特定球状微細粒子を、例えば、平坦な下地上に整合させて、走査型電子顕微鏡写真像で観察すると、この特定球状微細粒子が、縦・横方向に規則的に整合されて、しかも、異なる粒子配列からなる粒子整合体が、略皆無である3次元粒子整合体であって、しかも、400nm以下の紫外線照射下に特性反射スペクトルを呈して、優れる紫外線反射性を発揮することを特徴とする球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法を提供する。
すなわち、本発明による「第3の製造方法」として、固−液分散系には、分散質として、体積基準で表す平均粒子径(d)が10〜130nmの特定範囲にある有機ポリマー又は無機ポリマーの単分散性の特定する球状微細粒子と、分散媒として、水系又は溶解水を含む非水系の溶液とを含有し、分散質が体積基準で表して20%以上で、70%を超えない濃度で分散させ、且つ固−液分散体としての電気伝導度が2000μS/cm以下であるサスペンジョン(S−3)を調製する。
次いで、サスペンジョン(S−3)のグリーンシートを形成させ、分散媒の氷点を超える温度雰囲気下に曝して乾燥させて、縦・横方向に規則的に整合する特定球状微細粒子の3次元粒子整合体を形成させる。
次いで、重合性有機モノマー液、有機ポリマー液又は無機バインダー液を、3次元粒子整合体の表面及び3次元粒子配列の粒子間隙を満たすように塗布又は散布させた後、重合又は硬化させてなる有機樹脂バインダー又は無機バインダーで封止させる3次元粒子整合体が、波長400nm以下の紫外線照射下に特性反射スペクトルに基づく紫外線反射性を発揮する特定球状微細粒子からなる紫外線反射3次元粒子整合体が製造される。
また、本発明によれば、固−液サスペンジョン中に分散質として分散する単分散性の球状微細粒子として、体積基準で表す平均粒子径(d)が350〜800nmである有機ポリマー又は無機ポリマーの特定球状微細粒子を、例えば、平坦な下地上に整合させて、走査型電子顕微鏡写真像で観察すると、この特定球状微細粒子が、縦・横方向に規則的に配列・整合されて、しかも、異なる粒子配列からなる粒子整合体が、略皆無である3次元粒子整合体であって、しかも、波長800〜1500nmの赤外線照射下に特性反射スペクトルを呈して、優れる赤外線反射性を発揮することを特徴とする球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法を提供する。
すなわち、本発明による「第4の製造方法」として、固−液分散系には、分散質として、体積基準で表す平均粒子径(d)が350〜800nmの特定範囲にある有機ポリマー又は無機ポリマーの単分散性の球状微細粒子と、分散媒として、水系又は溶解水を含む非水系の溶液とを含有し、前記分散質が体積基準で表して20%以上で、70%を超えない濃度で分散させ、且つ固−液分散体としての電気伝導度が2000μS/cm以下であるサスペンジョン(S−4)を調製する。
次いで、サスペンジョン(S−4)のグリーンシートを形成させ、分散媒の氷点を超える温度雰囲気下に曝して乾燥させて、縦・横方向に規則的に整合する球状微細粒子の3次元粒子整合体を形成させる。
次いで、重合性有機モノマー液、有機ポリマー液又は無機バインダー液の何れかを、3次元粒子整合体の表面及び3次元粒子配列の粒子間隙を満たすように塗布又は散布させた後、重合又は硬化させてなる有機樹脂バインダー又は無機バインダーで封止される3次元粒子整合体は、波長800〜1500nmの赤外線照射下に特性反射スペクトルに基づく赤外線反射性を発揮する特定球状微細粒子からなる赤外線反射3次元粒子整合体が製造される。
以上から、本発明者らは、上記するように本発明による球状微細粒子が3次元方向に整合されてなる粒子配列構造体が著しく均質な構造体として安定に固定されている球状微細粒子の3次元粒子整合体の「第1の製造方法」、又はその球状微細粒子として特定する平均粒子径130〜350nmの黒色系無彩色球状微細粒子である有彩光発色3次元粒子整合体の「第2の製造方法」、又はその球状微細粒子として平均粒子径10〜130nmの範囲にある特定する球状微細粒子である紫外線反射3次元粒子整合体の「第3の製造方法」、更にはその球状微細粒子として平均粒子径350〜800nmの範囲にある特定する球状微細粒子である赤外線反射3次元粒子整合体の「第4の製造方法」においては、何れにおいても調製される固−液サスペンジョン液を塗工液として用いて、各種の塗板上に塗布(塗工)させてグリーンシートを形成、乾燥させることで、塗板上には球状微細粒子の3次元粒子整合体が均質な粒子配列構造体の一様な平坦面が形成され、次いで、その3次元粒子整合体の粒子配列構造を損ねることなくバインダーで封止させることで、均質な塗工膜が形成されることを見出した。
そこで、本発明者らは、本発明による粒子配列構造体として著しく均質である3次元粒子整合体の第1〜第4の製造方法を用いることを特徴とする球状微細粒子の3次元粒子整合体塗工膜の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記する球状微細粒子の3次元粒子整合体の「第1の製造方法」を用いて得られるサスペンジョン(S−1)を塗工液として塗板上に塗工させてなる構造的に均質な表面特性を発揮する球状微細粒子の3次元粒子整合体塗工膜の製造方法を提供する。
すなわち、分散質として、体積基準で表す平均粒子径(d)が0.01〜30μmである有機ポリマー又は無機ポリマーの単分散性の球状微細粒子と、分散媒として、水系又は溶解水を含む非水系の溶液とを含有し、分散質が体積基準濃度で表して20%以上で、70%を超えない分散濃度で、且つ固−液分散体としての電気伝導度が2000μS/cm以下であるサスペンジョン(S−1)を調製する。
次いで、サスペンジョン(S−1)を塗工液として、ガラス板、プラスチックス板、鋼板、アルミニユウム板、ステンレス板、セラミックス板、木板、布地シートから選ばれる何れかの塗板上に塗工させて、サスペンジョン(S−1)のグリーンシートを塗工形成させる。
次いで、グリーンシート中の分散媒の氷点を超える温度雰囲気下に曝して乾燥させて、塗板上の塗工形成させたグリーンシートに縦・横方向に規則的に整合する球状微細粒子の3次元粒子整合体を形成させる。
次いで、重合性有機モノマー液、有機ポリマー液又は無機バインダー液の何れかを、3次元粒子整合体の表面及び3次元粒子配列の粒子間隙を満たすように塗布又は散布させた後、重合又は硬化させて有機樹脂バインダー又は無機バインダーで球状微細粒子の3次元粒子整合体を塗工膜として固定されて球状微細粒子の3次元粒子整合体塗工膜が施工される。
また、本発明によれば、上記する球状微細粒子の3次元粒子整合体の「第2の製造方法」を用いて得られるサスペンジョン(S−2)を塗工液に用いて塗板上に塗工させて、塗工膜が均質な特定球状微細粒子の3次元粒子整合体であって、自然光又は白色光の照射下に鮮明な有彩光発色を呈する特定球状微細粒子の有彩光発色3次元粒子整合体塗工膜の製造方法を提供する。
すなわち、分散質として、体積基準で表す平均粒子径(d)が130〜350nmである灰白色、灰色、灰黒色、黒色から選ばれる何れか1種の黒色系無彩色の有機ポリマー又は無機ポリマーの単分散性の特定する球状微細粒子と、分散媒として、水系又は溶解水を含む非水系の溶液とを含有し、前記分散質が体積基準濃度で表して20%以上で、70%を超えない分散濃度で、且つ固−液分散体として電気伝導度が2000μS/cm以下であるサスペンジョン(S−2)を調製する。
次いで、サスペンジョン(S−2)を塗工液としてガラス板、プラスチックス板、鋼板、アルミニユウム板、ステンレス板、セラミックス板、木板、毛皮シート、布地シートから選ばれる何れかの塗板上に塗工させて、サスペンジョン(S−2)のグリーンシートを塗工形成させる。
次いで、グリーンシート中の分散媒の氷点を超える温度雰囲気下に曝して乾燥させて、塗板上に塗工形成させたグリーンシートに縦・横方向に規則的に整合する特定球状微細粒子の3次元粒子整合体を形成させる。
次いで、球状微細粒子の屈折率(nP)とは異なり、重合体又は硬化体としての屈折率(nB)である重合性有機モノマー液、有機ポリマー液又は無機バインダー液の何れかを、3次元粒子整合体の表面及び3次元粒子配列の粒子間隙を満たすように塗布又は散布させた後、重合又は硬化させて、自然光又は白色光の照射下に特性反射スペクトルに基づく鮮明な有彩光発色を呈する3次元粒子整合体の塗工膜として固定されて特定球状微細粒子の有彩光発色性3次元粒子整合体塗工膜が施工される。
また、本発明によれば、上記する球状微細粒子の3次元粒子整合体の「第3の製造方法」を用いて得られるサスペンジョン(S−3)を塗工液に用いて塗板上に塗工させて、塗工膜が均質な球状微細粒子の3次元粒子整合体であって、波長400nm以下の紫外線照射下に特性反射スペクトルに基づく紫外線反射性を発揮させる特定球状微細粒子からなる3次元粒子整合体塗工膜の製造方法を提供する。
すなわち、分散質として、体積基準で表す平均粒子径(d)が10〜130nmの特定範囲にある有機ポリマー又は無機ポリマーの単分散性の特定する球状微細粒子と、分散媒として、水系又は溶解水を含む非水系の溶液とを含有させ、分散質が体積基準濃度で表して20%以上で、70%を超えない分散濃度で、且つ固−液分散体として電気伝導度が2000μS/cm以下であるサスペンジョン(S−3)を調製する。
次いで、サスペンジョン(S−3)を塗工液としてガラス板、プラスチックス板、鋼板、アルミニユウム板、ステンレス板、セラミックス板、木板、毛皮シート、布地シートから選ばれる何れかの塗板上に塗工させて、サスペンジョン(S−3)のグリーンシートを塗工形成させる。
次いで、グリーンシート中の分散媒の氷点を超える温度雰囲気下に曝して乾燥させて、塗板上に縦・横方向に規則的に整合する特定球状微細粒子の3次元粒子整合体を形成させる。
次いで、球状微細粒子の屈折率(nP)とは異なり、重合体又は硬化体としての屈折率(nB)である重合性有機モノマー液、有機ポリマー液又は無機バインダー液の何れかを、3次元粒子整合体の表面及び3次元粒子配列の粒子間隙を満たすように塗布又は散布させた後、重合又は硬化させて、波長400nm以下の紫外線照射下に特性反射スペクトルに基づく紫外線反射性3次元粒子整合体の塗工膜として固定されて定球状微細粒子の紫外線反射3次元粒子整合体塗工膜が施工される。
更にまた、本発明によれば、上記する球状微細粒子の3次元粒子整合体の「第4の製造方法」を用いて得られるサスペンジョン(S−4)を塗工液に用いて塗板上に塗工させて、塗工膜が均質な球状微細粒子の3次元粒子整合体であって、波長800nm以上の赤外線反射性を発揮させる球状微細粒子の赤外線反射性3次元粒子整合体塗工膜の製造方法を提供する。
すなわち、分散質として、体積基準で表す平均粒子径(d)が350〜800nmである有機ポリマー又は無機ポリマーの単分散性の球状微細粒子と、分散媒として、水系又は溶解水を含む非水系の溶液とを含有し、前記分散質が体積基準濃度で表して20%以上で、70%を超えない分散濃度で、且つ電気伝導度が2000μS/cm以下であるサスペンジョン(S−4)を調製する。
次いで、サスペンジョン(S−4)を塗工液として、ガラス板、プラスチックス板、鋼板、ステンレス板、セラミックス板、木板、毛皮シート、布地シートから選ばれる何れかの塗板上に塗工させて、サスペンジョン(S−4)のグリーンシートを塗工形成させる。
次いで、グリーンシート中に含有する分散媒の氷点を超える温度雰囲気下に曝して乾燥させて、塗板上に縦・横方向に規則的に整合する特定球状微細粒子の3次元粒子整合体を形成させる。
次いで、球状微細粒子の屈折率(nP)とは異なり、重合体又は硬化体としての屈折率(nB)である重合性有機モノマー液、有機ポリマー液又は無機バインダー液の何れかを、3次元粒子整合体の表面及び3次元粒子配列の粒子間隙を満たすように塗布又は散布させた後、重合又は硬化させて、波長800nm〜1500nmの赤外線照射下に特性反射スペクトルに基づく赤外線反射性を発揮する3次元粒子整合体の塗工膜として固定されて特定球状微細粒子の赤外線反射性3次元粒子整合体塗工膜が施工される。
以上のように、単分散性の球状微細粒子が配列・整合する粒子配列構造体として著しく均質である3次元粒子整合体を形成させる本発明による上記第1〜第4の製造方法によれば、球状微細粒子が分散質として分散する固−液分散体において、球状微細粒子が「固−液サスペンジョン」として、電気伝導度が、2000μS/cm以下であって、しかも、分散質の分散濃度が、体積基準で表して20〜70%である固−液サスペンジョンを調製することが、粒子構造体として著しく均質に3次元粒子整合体を形成させるに極めて重要な要件になっている。そこで、本発明による球状微細粒子の3次元粒子整合体としての粒子配列構造体としての「均質さ」とは、添付する[図1]、[図2]に表示するSEM写真像を観察することによりよく説明される。
(1)[図1]のSEM写真像は、本発明によって得られる単分散性の球状微細粒子の3次元粒子整合体の表面像;結晶学的に説明すれば、粒子配列構造体の格子面とすれば、Miller指数の(hkl)面としての粒子整合体のc軸方向[001]である(001)面の粒子配列像を表示している。そのSEM写真像から観察されるように、著しく均質な規則的粒子配列を呈している。
(2)[図2]のSEM写真像は、本発明によって得られる単分散性の球状微細粒子の3次元粒子整合体表面に対する縦方向の破断面像;同様に(hkl)面としての粒子整合体のa軸方向[100]又はb軸方向[010]である(100)面又は(010)面の粒子配列像を表示しており、明らかにSEM写真像から観察すると、著しく均質な規則的粒子積層を呈している。
しかも、(001)粒子整合体面が、c軸方向[001]に積み重ね積層するに際して、整合する単分散性の球状微細粒子が、a軸方向[100]及びb軸方向[010]に、球状微細粒子の半径分である[1/2・(d)]だけ移相した(001)粒子整合体面が形成されて順次積重ね層として整合されている。その結果、本発明によって得られる3次元粒子整合体は、結晶学的にc軸方向に積層される(001)粒子整合体面が、[1/2・(d)]相当分、a軸及びb軸方向へ斜方して形成されてなる単純な斜方晶形の3次元粒子整合体を形成させる傾向にあると言える。
以上から、本発明によって製造される球状微細粒子の3次元粒子整合体は、[図1]に図示する(001)粒子整合体面が、縦方向の[001]方向に規則的に積層する3次元粒子整合体であって、粒子配列構造体として3次元的に著しく均質な粒子整合体として製造されている。
すなわち、本発明の製造方法における[固−液分散体の帯電性の最適化]−[分散質である単分散性の球状微細粒子分散濃度の最適化]を介して調製される固−液サスペンジョンを、[分散媒の限りなく沸点以下の常温程度の低温度下での靜置乾燥]によって、粒子配列構造体として著しく均質な3次元粒子整合体が形成される。このように調製される固−液サスペンジョン中に分散する分散質の球状微細粒子が、限りなく低電気伝導の帯電下に、帯電性の球状微細粒子として分散する粒子周辺には、対帯電の分散媒が固定されて電気二重層が形成される。その結果、その粒子サイズが数10μm以下の微細粒子において、また、特に1μm以下の数10nm〜サブμmサイズのいわゆるコロイド粒子においては、従来の乾燥法とは著しく相違して、形成される3次元粒子整合体には、従来の乾燥法のように乾燥・収縮亀裂発生の恐れがなく、しかも、粒子状積層物の表面及び/又は粒子状積層物内に異なる粒子配列が混在せず、粒子整合体として構造的にも高純度である3次元粒子整合体として、しかも、比較的に簡便な製造方法で、粒子配列構造体として異質の粒子整合体形成を効果的に防止させながら、高均質の3次元粒子整合体を高効率に製造することができる。
また、このような粒子配列構造体として均質で、しかも、粒子整合体表面である(001)粒子整合体面が、縦方向であるc軸方向の[001]方向に規則的に積層する3次元粒子整合体であることから、その3次元粒子整合体の表面に発揮される特性は、例えば、既に上述する特定球状微細粒子に係わって可視光線及び紫外線等の照射下に発揮させる特性は、その粒子配列構造体としての均質さが、散乱による方向性の定まらぬ不明確さを低減又は防止させて効率よく干渉効果として強められて、著しく明確な反射特性を発揮させている([図3]〜[図6]参照)。従って、このような粒子配列構造体としての均質さによって発揮させる特性は、球状微細粒子が上述する以外の例えば、帯磁性、帯電性、吸着性、イオン交換性、化学的反応性等の機能剤又は官能基等が内包又は粒子表面に修飾させてなる特定球状微細粒子に係わって発揮される他の諸特性においても、その著しく均質である粒子配列構造体の構造特性として、明確に特性を反映させる3次元粒子整合体となる。
以下に、本発明による固−液分散系のサスペンジョンを用いて、分散質である単分散性の球状微細粒子を3次元粒子整合体に製造するに際して、その実施する最良の形態について更に説明する。
以上のように、既に上述した如く、本発明による単分散性である球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法によれば、[固−液サスペンジョンの調製]−[固−液サスペンジョンの電気伝導度の最適低減化処理]−[分散質球状微細粒子の分散濃度の最適化]−[分散媒沸点の限りなく沸点以下の低温度下での粒子整合化]−[バインダーによる粒子整合体の封止]なる製造工程において、その固−液分散系サスペンジョン中に分散する分散質の単分散性の球状微細粒子が、例えば、透析処理によって電気伝導度で表す所定の帯電下に分散され、その粒子サイズが数10μm以下の微細粒子において、また、特に数μm以下の数10nm〜サブμmサイズのいわゆるコロイド粒子の球状微細粒子においても、従来の乾燥法とは著しく相違して、形成される3次元粒子整合体には、従来の乾燥法のように乾燥・収縮亀裂発生の恐れがなく、しかも、粒子状積層物の表面及び/又は粒子状積層物内に異なる粒子配列が殆ど混在せず、粒子整合体として構造的にも高純度である3次元粒子整合体として、しかも、比較的に簡便な製造方法で、異質な粒子整合体形成を効果的に防止させて、高純度の3次元粒子整合体を高効率に製造することができる。
すなわち、本発明においては、分散質である単分散性の球状微細粒子の体積基準で表す平均粒子径(d)が0.01〜30μmである有機ポリマー又は無機ポリマーの球状微細粒子、又は、特に体積基準で表した平均粒子径(d)が130〜350nmで、色みの無い灰白色、灰色、灰黒色、黒色から選ばれる何れか1種の黒色系無彩色である有機ポリマー又は無機ポリマーを適宜好適に用いることができる。そこで、サスペンジョン中での分散質の分散性から、粒子サイズとして、μmサイズ領域において好ましくは、0.01〜20μmで、更に好ましくは、上限値10μm以下であることが好適である。また、nmサイズ領域においては、その発揮させる諸特性にもよるが、特に本発明においては、可視光照射下における光発色の観点から、130〜400nmで、好ましくは350nm以下であることが好ましい。また、本発明においては、紫外線照射下における紫外線反射の観点からは、10〜140nmで、好ましくは135nm以下で、更には、赤外線照射下における赤外線反射の観点からは、350〜1000nm、好ましくは800nm以下であることが好適である。また、本発明において、分散質の有機ポリマー又は無機ポリマー粒子が、固−液分散系においてコロイド粒子として存在するに、通常、その粒子径は、少なくとも数μmサイズ以下の微細粒であって、通常、コロイド粒子サイズの微細粒子であることが適材粒径である。本発明においては、例えば、可視光波長領域光(400〜780nm)に係わって光の反射、吸収、透過等の光特性が明確に発揮される観点から、粒子径は体積基準で表す平均粒子径(d)が400nm以下、好ましくは350nm以下の範囲にある有機ポリマー又は無機ポリマーのコロイド粒子・サイズの粒子であることが適宜好適である。また、固−液分散系での分散性、球状微細粒子表面の帯電性、整合性等から、好ましくは、平均粒子径(d)が10nm〜数千nmで、好ましくは、100〜1000nmで、更に好ましくは900nm以下で、特に好ましくは800nm以下であることが好適である。
そこで、本発明においては、既に上述する如く、その3次元粒子整合体の光特性の光発色性から、灰白色、灰色、灰黒色、黒色から選ばれる何れか1種の黒色系無彩色の球状単分散コロイド粒子であることが好ましい。すなわち、既に上述するように、本発明によって得られるコロイド粒子を含む球状微細粒子の3次元粒子整合体は、異なる粒子整合体を有さない粒子配列構造体として著しく均質であることから、照射された可視光の一部が、粒子状整合体面で、その粒子の周辺で生ずる反射光以外に生じる散乱、透過等による迷光を適宜効果的に吸収し、削減させ、粒子配列構造体として著しく均質であることによる光干渉効果が強められて、光特性としての反射光色の色みをより鮮明にさせている。また、好ましくは、このコロイド粒子の明度が5以下、更に好ましくは3以下の色みの無い無彩色であることがよい。従って、本発明においては、このような無彩色粒子として、マンセル色票で表される明度及び彩度が、略ゼロである灰白色、灰色、灰黒色、更には、黒色である黒色系の無彩色である有機ポリマー又は無機ポリマーの特定球状微細粒子であることによるものである。
また、このような粒子サイズの分散質として分散する固−液サスペンジョンにあって、このようなサスペンジョンを調製する製造方法にもよるが、分散媒溶液中に含有する有機及び/又は無機の酸・塩基官能基等に係わる電解質濃度として、本発明においては、このサスペンジョン中の体積濃度で表して、分散質粒子が5〜70%の濃度範囲に分散するサスペンジョンにおいて、電解質濃度を電気伝導度で表して2000μS/cm以下、好ましくは1000μS/cm以下、更に好ましくは500μS/cm以下、100μS/cm以上に調整させることが好適である。特に、下限値の100μS/cm以下に調整させても単に経済的にコスト高を招くだけである。
また、このように調整するサスペンジョン中に分散する単分散性である分散質粒子の球状微細粒子の分散濃度は、本発明においては、体積基準で表して70%を超えない範囲になるように調整することが好適である。この上限値を超える分散濃度ではサスペンジョン中の分散質粒子をランダムに部分凝集する粒子群を生じさせ易く、本発明が求める3次元粒子整合体を形成させる粒子の規則的な整合を著しく阻害させる傾向にあって好ましくない。固−液サスペンジョンとしての分散安定性や、また、サスペンジョンを取り扱うハンドリング性の観点から、好ましくは、上限値として40〜60%程度の分散濃度に調整することが好適である。また、下限値は、そのグリーンシート中に、例えば、乾燥法によって粒子整合体を形成させる速度や、また、そのサスペンジョンの取り扱いハンドリング性から、好ましくは20%以上で、更に好ましくは、30%以上で、特に好ましくは40%以上であることが適宜好適に本発明による3次元粒子整合体を調製することができる。
また、本発明においては、上記するように分散質である球状微細粒子の分散濃度及びその固−液サスペンジョンの電気伝導度で表す帯電性とを、所定濃度及び所定電気伝導度に調整するサスペンジョンを用いることで、従来の乾燥法によって形成される粒子状積層物に見られるように、乾燥・収縮による亀裂発生の恐れがなく、しかも、粒子状積層物の表面及び/又は粒子状積層物内に異なる粒子配列・整合が混在せず、しかも、粒子整合体として構造的に均質であり、その均質さに係わって、その表面特性としての光特性等を含む諸特性が明確に発揮される3次元粒子整合体を製造することができる。
また、その詳細は不明であるが、このような特定するサスペンジョンを用いて乾燥形成される本発明による3次元粒子整合体の粒子配列構造体を樹脂バインダー又は無機バインダーで封止させるに際しては、重合性有機モノマー液(例えば、重合開始剤を含有する重合性有機モノマー液)と、有機ポリマー液又は無機バインダー液の何れかのバインダーを、3次元粒子整合体の表面及び3次元粒子配列の粒子間隙を満たすように塗布又は散布させることで、全くその粒子配列構造体を損ねることなく、安定に固定させることができる。
また、重合性有機モノマー液、有機ポリマー液又は無機バインダー液を用いて塗布又は散布させた後、重合又は硬化させてなるバインダーが、本発明においては、配列整合する粒子とバインダーとが、必ずしも相互に化学的に固定される必要がなく、その両者間は、物理的に封止固定されるものでよい。
そこで、このように形成される3次元粒子整合体を封止固定させるに好適に用いられる有機又は無機バインダーとしては、好ましくは透明性のバインダーであって、特に、有彩光発色を呈する3次元粒子整合体においては、配列・整合する粒子が光学的に明確に認識される観点から、本発明においては、球状微細粒子の屈折率(nP)とは異なり、重合体又は硬化体としての樹脂バインダー又は無機バインダーの屈折率(nB)とには、|nP−nB|≧0.05なる関係を満足する透明性バインダーであることが重要である。本発明においては、この|nP−nB|が、右限値よりも小さいと、明度を低下させて例えば、色調を暗く低下させて好ましくない。
また、このように調整されたサスペンジョンを、平坦は下地部材上に流込み、噴霧、塗布させて形成させる相当厚のサスペンジョン層(又はグリーンシート)は、本発明においては、固−液サスペンジョンにおける分散媒の氷点以上で、好ましくは、20℃±5程度の通常の室温程度である低温度下に曝すことで、暫時下地部材上には縦・横方向に規則的に整合されてなる球状微細粒子の3次元粒子整合体が形成される。このような温度下での靜置曝し下において、必要に応じて3次元粒子整合体の形成速度を高める場合には、好ましくは40℃以上、更に好ましくは50℃程度の温度下で適宜好適に対処させることができる。また、本発明においては、このような靜置曝しを、大気圧以下の減圧下において適宜好適に実施することができる。
以上から、本発明においては、このようなグリーンシート(又はサスペンジョン層)を形成させる例えば平坦な下地部材としては、特に限定することなく、透明、半透明、不透明の何れにおいてもよく、部材としてプラスチックフィルム、硬質プラスチックシート、ガラス板、セラミックス板、各種の鋼板、ステンレス板、アルミニウム合金板、銅板、木板、布地等を挙げることができる。また、特にポラスチックス材においては、上記するサスペンジョンに係わって耐水性又は耐溶剤性を有するものであれば、特に限定することなく通常の有機ポリマーが用いられ、特に必要に応じて透明部材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリスチレン等が挙げられる。また、下地部材が粘着シートであって、その接着下地面が、鋼板、ステンレス板、アルミニウム板、アルミニウム合金板、セラミックス板、モルタル板、ガラス板、プラスチック板、木質板及び厚紙から選ばれる何れか1種の部材であることもできる
また、特に必要に応じて、上述する平坦な下地部材上に、多数の深堀区分けが平面方向に規則的に配列又は平面方向に不規則に高密に分布する支持部材が設けられた下地部材上に、本発明によるサスペンジョン層を適宜好適に形成させることができる。このような支持部材として、ステンレス製、フッ素樹脂製及びナイロン製から選ばれるメッシュ材で、そのメッシュ材の深堀区分けが、目開き基準で表して50〜200μmで、アスペクト比が0.4〜0.8の範囲にあるものであれば適宜好適に支持部材として用いることができる。また、このような支持部材の他の態様として、例えば、ネガ型フォトレジスト又はポジ型フォトレジストで、フォトレジストシートには、ピッチ幅が1μm〜10mmで、アスペクト比が0.5〜2の多数の深堀区分けが平面方向に規則的に配列又は平面方向に不規則に高密に分布する部材を適宜好適に使用することができる。また、このような支持部材を設けることにより、本発明において特に亀裂発生を防止させる理由の詳細は不明であるが、この支持部材上に形成する所定厚のグリンシート(又はサスペンジョン層)を乾燥させると、グリンシート中のサスペンド粒子が、乾燥収縮力(又は乾燥凝集力)によって凝集移動しながら整合される。本発明においては、無数に仕分けられ、しかも、平面方向に一様に配列する深堀区分け上で、このサスペンド粒子が凝集移動されてこれらの深堀区分け内に誘引されるように整合されるため、グリーンシートに生ずる乾燥収縮力は、この深堀区分け上で無数に仕分け分散されて緩和消滅させることができる。
また、本発明においては、固−液分散系のサスペンジョンにあって分散質のコロイド粒子の表面帯電量、すなわち、固−液コロイド分散系における帯電性が重要である。その粒子の表面帯電性として、有機ポリマー又は無機ポリマー粒子においては、予め含有するカルボキシル基(−COOH)、スルホン基(−SO3H)、水酸基(−OH)、アミノ基(−NH2)、アミド基(−CONH2)等の酸・塩基官能基や、また、例えば、アルケン類(−CH=CH−)、アルキン類(−C≡C−)、ビニールエーテル類(−CH=CH−O−)、ニトリル基(−C≡N)、イソシアネート基(−N=C=O)、ニトロ基、チオール基(−SH)、−CF3基等の官能基部位を吸着活性点とする吸着イオン等によって帯電する(+)又は(−)表面電荷値の絶対値数値が、ブローオフ法で測定して50〜500(μC/g)であることが好適である。
また、本発明における固−液コロイド分散系で、配列粒子構造体として著しく均質である3次元粒子整合体を形成させるに、粒子形状が、好ましくは球状であって、しかも、この有機ポリマー又は無機ポリマーである球状微細粒子の平均粒子径は、その均斉度を示すCv値で表して、好ましくは5%以下、更に好ましくは3%の単分散粒子であることが好適である。また、分散質の球状粒子が、特にサブμm以下で、数10nm以上の粒子サイズ領域においては、光反射特性、紫外線反射特性等の観点からも、その表面に照射される可視光、紫外線、赤外線等が、この3次元粒子整合体面に係わって回折干渉して反射される反射効率が、例えば、光発色部材の発色する色みに及ぼすことから、好ましくは、この有機又は無機の単分散球状粒子は、好適には単分散粒子である。その単分散性を表す粒子径の均斉度であるCv値が、5%以下で、反射光色の色みの濃さ、鮮明さから、より好ましくは3%以下の単分散粒子であることがより好適である。
そこで、本発明においては、このような有機ポリマーの単分散の球状コロイド粒子として、必ずしも限定されるものではないが、好ましくは、(メタ)アクリル系、(メタ)アクリル−スチレン系、フッ素置換(メタ)アクリル系及びフッ素置換(メタ)アクリル−スチレン系から選ばれる少なくとも一種の有機ポリマー球状粒子を適宜好適に挙げることができる。また、同様に必ずしも限定されるものではないが、無機ポリマーの単分散球状コロイド粒子として、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、チタニア及びチタニア−シリカから選ばれる少なくとも一種の無機ポリマー球状粒子を適宜好適に挙げることができる。また、本発明においては、これらの何れもが、染料及び顔料によって灰色〜黒色である黒色系の無彩色コロイド粒子で、且つ単分散の球状粒子であることが重要且つ特徴である。すなわち、このような特徴のあるコロイド粒子が、しかも、固−液コロイド分散系で帯電性コロイド粒子として適宜調製することができることが重要である。
以上のような固−液分散系サスペンジョン中に分散する分散質としての有機ポリマーの単分散球状粒子として、必ずしも以下に記載するポリマー種に特定されないが、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、テトラフルオロエチレン、ポリ-4-メチルペンテン-1、ポリベンジル(メタ)アクリレート、ポリフェニレンメタクリレート、ポリシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等を挙げることができる。本発明においては、既に上述した如く光特性として太陽光等の自然光又は白色光の照射下に、その可視光波長領域光に係わって光発色部材としての反射光色を視感させることから、そのポリマー樹脂として、好ましくは、耐光性に優れている観点から、好ましくは、耐候性に優れる(メタ)アクリル系、(メタ)アクリル−スチレン系、フッ素置換(メタ)アクリル系及びフッ素置換(メタ)アクリル−スチレン系から選ばれる何れかのアクリル系の有機ポリマー微粒子が適宜好適に使用される。
そこで、モノマー種で表す帯電性アクリル系樹脂の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシシエチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド及びジアセトンアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類並びにグリシジル(メタ)アクリレート;エチレングリコールのジメタクリル酸エステル,ジエチレングリコールのジメタクリル酸エステル,トリエチレングリコールのジメタクリル酸エステル,ポリエチレングリコールのジアクリル酸エステル,プロピレングリコールのジメタクリル酸エステル,ジプロピレングリコールのジメタクリル酸エステル,トリプロピレングリコールのジメタクリル酸エステル等を挙げることができる。また、上述する(メタ)アクリル系モノマー以外のその他のモノマーとしては、例えば、スチレン,メチルスチレン,ジメチルスチレン,トリメチルスチレン,エチルスチレン,ジエチルスチレン,トリエチルスチレン,プロピルスチレン,ブチルスチレン,ヘキシルスチレン,ヘプチルスチレン及びオクチルスチレン等のアルキルスチレン;フロロスチレン,クロルスチレン,ブロモスチレン,ジブロモスチレン,クロルメチルスチレン等のハロゲン化スチレン;ニトロスチレン,アセチルスチレン,メトキシスチレン、α−メチルスチレン,ビニルトルエン等のスチレン系モノマーを挙げることができる。更には、スチレン系モノマー以外の他のモノマーとして、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,n−酪酸ビニル,イソ酪酸ビニル,ピバリン酸ビニル,カプロン酸ビニル,パーサティック酸ビニル,ラウリル酸ビニル,ステアリン酸ビニル,安息香酸ビニル,p−t−ブチル安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル等のビニルエステル類;塩化ビニリデン、クロロヘキサンカルボン酸ビニル等が挙げられる。更にはまた、必要に応じて、その他のモノマーとして官能基を有するモノマーとして、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸が挙げられ、また、これらの誘導体として、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、また、例えば、水酸基(OH;ヒドロキシル基)を有する重合反応性モノマーとしては、アクリル酸2−ヒドロキシエチル,メタクリル酸2−ヒドロキシエチル,アクリル酸2−ヒドロキシプロピル,1,1,1-トリヒドロキシメチルエタントリアクリレート,1,1,1-トリスヒドロキシメチルメチルエタントリアクリレート,1,1,1-トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレート;ヒドロキシビニルエーテル,ヒドロキシプロピルビニルエーテル,ヒドロキシブチルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキシプロピルアクリレート,ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの単独又は2種以上の複合モノマーを適宜好適に使用することができる。更にはまた、(メタ)アクリル酸の部分又は完全フッ素置換系モノマーとして、例えば、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル,(メタ)アクリル酸−2−トリフルオロメチルエチル,(メタ)アクリル酸−2−パ−フルオロメチルエチル,(メタ)アクリル酸−2−パ−フルオロエチル−2−パ−フルオロブチルエチル,(メタ)アクリル酸−2−パ−フルオロエチル,(メタ)アクリル酸パ−フルオロメチル,(メタ)アクリル酸ジパ−フルオロメチルメチル等のフッ素置換(メタ)アクリル酸モノマー(又はフルオロ(メタ)アルキルアクリレート)が挙げられ、また、フルオロエチレン、ビニリデンフルオリド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソール等のフロオロオレフィンが挙げられる。本発明においては、これらの単独重合体、又は他の重合性モノマーとの共重合体であってもよい。
また、本発明に用いる単分散球状粒子の中で、上述する如く、黒色系の無彩色に着色されている球状単分散粒子を含め、必要に応じて予め他の添加剤として、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光剤、帯電付与剤、帯電防止剤、分散安定剤、消泡剤等を適宜添加させることができる。また、他の添加剤として、生成させる分散質粒子の球状性、単分散性、及びサスペンジョン中での分散性等を阻害させない限り、予め帯磁性、帯電性、吸着性、イオン交換性、化学反応性等の各種の機能剤又は官能基等を内包又は粒子表面に修飾させることもできる。
そこで、以上のような特徴を有する固−液分散系サスペンジョン中に分散する有機ポリマーの球状単分散微細粒子は、通常、一般的に用いられるソープフリー乳化重合、懸濁重合、乳化重合系で適宜調製することができる。
例えば、ソープフリー乳化重合では、通常、用いる重合開始剤として、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩が重合時に水性媒体に可溶であればよい。通常、重合単量体100重量部に対して、重合開始剤を0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜2重量部の範囲で添加すればよい。また、乳化重合法の場合では、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルエーテル等の乳化剤を重合単量体100重量部に対して、通常、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部で水性媒体に混合させて乳化状態にし、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩の重合開始剤を、重合単量体100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜2重量部で添加すればよい。また、懸濁重合を含め、上記する乳化剤も特に特定する必要がなく、通常に使用されているアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤又は必要に応じてノニオン系界面活性剤等から選んで、その単独又は組合わせて使用することができる。例えば、アニオン系界面活性剤としてはドデシルベンゼンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ウンデシルベンゼンスルホネート、トリデシルベンゼンスルホネート、ノニルベンゼンスルホネート、これらのナトリウム、カリウム塩等が挙げられ、また、カチオン系界面活性剤としてはセチルトリメチルアンモニウムプロミド、塩化ヘキサデシルピリジニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム等が挙げられ、また、ノニオン系界面活性剤としては、リピリジニウム等が挙げられる。また、反応性乳化剤(例えば、アクリロイル基、メタクロイル基等の重合性基を有する乳化剤)としては、例えば、アニオン性、カチオン性又はノニオン性の反応性乳化剤が挙げられ、特に限定することなく使用される。また、本発明に用いる黒色系樹脂粒子にするために、例えば、重合単量体、乳化剤及び水との混合系に着色剤である黒色系の油溶性染料又はカーボンブラックを含む黒色系の顔料を適宜分散混合又は懸濁混合させる。
そこで、上述する重合性モノマーから適宜選んだ単量体100重量部当たり、水200〜350重量部の範囲にある水を含む系に、例えば、C.Iソルベントブラック27のような黒色系染料の5〜10重量部を、攪拌下に加温し、次いで、乳化剤の0.05〜0.7とを添加させて、充分に攪拌混合後、窒素パージ下に攪拌しながら60〜80℃に昇温させる。次いで、0.3〜0.6重量部の範囲で過硫酸カリウム等の重合開始剤を添加させて、70〜90℃で4〜8時間重合反応を行う。このようなソープフリー乳化重合で得られる反応分散液中には、体積基準で表して平均粒子径(d)が50〜900nmの範囲にある単分散の黒色球状ポリマー粒子が、固形分濃度として10〜35重量%で調製される。
また、本発明においては、上記する有機ポリマーの球状微細粒子に替えて、固−液分散系のサスペンジョン中に分散する無機ポリマーの単分散性の球状微細球状粒子として、以下の無機ポリマーに必ずしも限定されないが、本発明において、例えば、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、ジルコニヤ、チタニア及びチタニア−シリカ、炭化珪素、窒化珪素等の無機ポリマーを挙げることができる。特に、シリカ、アルミニウム、チタニウム等の金属アルコキシドのゾル−ゲル法で調製される無機ポリマー粒子は、染顔料を用いて比較的に黒色系無彩色に着色させ易いことから適宜好適に使用される。その金属アルコキシドとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラエチルシリケート、テトライソプロピルシリケート、テトラブチルシリケート;アルミニウムエトキシド,アルミニウムトリエトキシド,イソブチルアルミニウムメトキシド,イソブチルアルミニウムエトキシド,アルミニウムイソプロポキシド,イソブチルアルミニウムイソプロポキシド,アルミニウムブトキシド,アルミニウムt−ブトキサイド,スズt−ブトキサイド;アルミニウムトリ−n−プロポキシド,アルミニウムトリ−n−ブトキシド;テトラエトキシチタン,テトラ−n−プロポキシチタン,テトラ−n−ブトキシチタン,テトラ−i−プロポキシチタン,チタンメトキサイド,チタンエトキサイド,チタン−n−プロポキサイド,チタンイソプロポキサイド,チタン−n−ブトキサイド,チタンイソブトキサイド;ジルコニウムエトキサイド,ジルコニウム−n−プロポキサイド,ジルコニウムイソプロポキサイド,ジルコニウム−n−ブトキサイド,エトキサイドテトラ−n−プロポキシジルコニウム等が挙げられる。
以上から、本発明の製造方法によって得られる単分散性の球状微細粒子の3次元粒子整合体は、固−液サスペンジョンのグリーンシートを介して、既に上述する如く、各種の下地部材上に、また、各種の容器内において、フィルム状、シート状、成型体として形成されることから、例えば、有彩光発色3次元粒子整合体においては、自然光又は白色光又は蛍光の照射下に赤色系〜青色系に及ぶ鮮明な有彩光発色を呈することから、各種の内装、装飾、意匠、ディスプレイ材等の分野の新規な色材として提供することができる。
また、例えば、紫外線又は赤外線反射性3次元粒子整合体においては、各種の形状の新規な紫外線又は赤外線遮蔽材を提供できる。
また、特に、有彩光発色3次元粒子整合体においては、その粒子サイズ(d)に係わって照射可視光に対して光分光発色、すなわち、スペクトル光発色を呈することから、各種の形状の光変調部材、光量調整フィルター、カラーフィルター、室内透視防止フイルム(シート)等を提供することができる。
また、本発明による3次元粒子整合体の製造方法を用いて、各種のガラス板、プラスチックス板、各種の鋼板、ステンレス板、セラミックス板、木板、毛皮シート、布地シート等の塗板上に、各種の機能を発揮させる球状微細粒子の3次元粒子整合体を塗工させてなる各種の新規な機能性塗工部材を提供することができる。
以下に、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例にいささかも限定されるものではない。
(参考例1)
本発明に用いる黒色系無彩色の単分散球状粒子を調製する。容量1リットルの四つ口フラスコに、モノマーのメチルメタクリレート(MMA)の100重量部と黒色染料のC.Iソルベントブラック27の7.5重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの0.6重量部、水290重量部とを入れて攪拌混合後、窒素パージ下に攪拌しながら80℃に昇温させた。次いで、過硫酸カリウム0.5重量部を加えて80℃で約7時間重合反応を行った。このソープフリー乳化重合で得られたサスペンジョン(S1)中には、電子顕微鏡法で測定した体積基準で表す平均粒子径180nmのほぼ単分散球状粒子の黒色係重合体粒子を調製した。そのサスペンジョン(S1)中の分散質粒子の体積濃度は29%であった。
(実施例1)
このサスペンジョン(S1)中の未反応モノマー、乳化剤などの不純物を取り除くと共に透析を行い、初期の電気伝導度4000μS/cmから400μS/cmに低減させた。この透析したサスペンジョンを徐々に濃縮して体積濃度36%のサスペンジョン(S−2)を用いて形成させた3次元粒子整合体の垂直方向の視感色は、緑の光分光発色であった。
(実施例2)
次いで、容量1リットルの四つ口フラスコにMMAの80重量部と過酸化ベンゾイル1.0重量部とを入れて溶解させた後、水200重量部と、乳化剤のポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩の3.3重量部、黒色染料のC.Iソルベントブラック27の6.5重量部とを加えて強攪拌下に混合させた。次いで、参考例1で得られたサスペンジョン(S1)の28.6重量部を添加し、50℃×0.5時間穏やかに攪拌後、75℃×1.5時間反応させて重合粒子のサスペンジョン(S2)を得た。得られたサスペンジョン(S2)中には、電子顕微鏡法で測定した体積基準で表す平均粒子径200nmの単分散球状粒子の黒色系重合体粒子を調製した。その固形分量は体積濃度で表して21%であった。この得られたサスペンジョン中の未反応モノマー、乳化剤などの不純物を取り除くと共に透析を行い、初期の電気伝導度4000μS/cmから400μS/cmに低減させたサスペンジョンを徐々に濃縮して体積濃度42%のサスペンジョン(S−2)を用いて形成させた3次元粒子整合体の垂直方向の視感色は、赤の光分光発色であった。
(実施例3)
透析処理後の電気伝導度を100μS/cmにした以外は実施例2と同様な操作を行って得られたサスペンジョンを徐々に濃縮して、体積濃度38%のサスペンジョン(S−2)を用いて形成させた3次元粒子整合体の垂直方向の視感色は、赤の光分光発色であった。
(実施例4)
実施例2において、MMAとMAA(90:10のモノマー重量配合比)にした以外は実施例2と同様にして得られたサスペンジョンについて、同様に不純物を取り除き透析を行い、電気伝導度を3900μS/cmから400μS/cmにしたサスペンジョンを徐々に濃縮して体積濃度37%のサスペンジョン(S−2)を用いて形成させた3次元粒子整合体の垂直方向の視感色は、赤の光分光発色であった。
(実施例5)
実施例3において、透析後の電気伝導度を100μS/cmにした以外は実施例3と同様して得られたサスペンジョンを徐々に濃縮して体積濃度31%のサスペンジョン(S−2)を用いて形成させた3次元粒子整合体の垂直方向の視感色は、赤の光分光発色であった。また、このサスペンジョンを更に体積濃度54%まで濃縮させたが赤の光分光発色は安定に呈していた。
(実施例6)
容量1リットルの四つ口フラスコにMMAの78重量部と、エチレングリコールジメタクリレートの2重量部と、2−ヒドロキシエチルメタクリレートの15重量部とを加え、次いで過酸化ベンゾイルの0.5重量部とジメチル−2,2、−アゾビス2−メチルプロピオネートの1.0重量部と、C.Iソルベントブラック27の8重量部を加えて溶解させた後、水250重量部、乳化剤のポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩の10重量部とUNA−Naの0.1重量とを加えて強攪拌下に混合させた。次いで、参考例1でえられたサスペンジョン(S1)の40重量部を添加し、50℃×0.5時間穏やかに攪拌後、78℃×1.5時間反応させた後、90℃×1.5時間熟成させて得られたサスペンジョン中には、電子顕微鏡法で測定した体積基準で表す平均粒子径270nmの単分散球状粒子の黒色系重合体粒子が分散し、このサスペンジョン中の分散質粒子の体積濃度は31%であった。同様に透析処理後の電気伝導度を3900μS/cmから400μS/cmにしたサスペンジョンを徐々に濃縮して体積濃度37%のサスペンジョン(S−2)を用いて形成させた3次元粒子整合体の垂直方向の視感色は、青の光分光発色であった。
(比較例1)
実施例2において透析を行わなかったこと以外は実施例1と同様にしてサスペンジョンを濃縮したところ38%でサスペンジョンが凝集してしまった。
(比較例2)
透析を行わなかったこと以外は実施例4と同様にしてサスペンジョンを濃縮したところ、43%でサスペンジョンは凝集してしまった。
(参考例2)
本発明に用いる黒色系無彩色の単分散球状粒子を調製する。容量1リットルの四つ口フラスコに、モノマーのメチルメタクリレート(MMA)の100重量部と黒色染料のC.Iソルベントブラック27の7.5重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの0.6重量部、水290重量部とを入れて攪拌混合後、窒素パージ下に攪拌しながら80℃に昇温させた。次いで、過硫酸カリウム0.5重量部を加えて80℃で約7時間重合反応を行った。このソープフリー乳化重合で得られた分散液(S1)中には、電子顕微鏡法で測定した体積基準で表す平均粒子径160nmのほぼ単分散球状粒子の黒色係重合体粒子を調製した。その固形分量は29%であった。
(参考例3)
次いで、容量1リットルの四つ口フラスコにMMAの80重量部と過酸化ベンゾイル1.0重量部とを入れて溶解させた後、水200重量部と、乳化剤のポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩の3.3重量部、黒色染料のC.Iソルベントブラック27の6.5重量部とを加えて強攪拌下に混合させた。次いで、参考例1でえられた分散液(S1)の28.6重量部を添加し、50℃×0.5時間穏やかに攪拌後、75℃×1.5時間反応させて重合粒子の分散液(S2)を得た。得られた分散液(S2)中には、電子顕微鏡法で測定した体積基準で表す平均粒子径210nmの単分散球状粒子の黒色系重合体粒子を調製した。その固形分量は29.8%であった。
(参考例4)
容量1リットルの四つ口フラスコにMMAの78重量部と、エチレングリコールジメタクリレートの2重量部と、2−ヒドロキシエチルメタクリレートの15重量部とを加え、次いで過酸化ベンゾイルの0.5重量部とジメチル−2,2、−アゾビス2−メチルプロピオネートの1.0重量部と、C.I.ソルベントブラック27の8重量部を加えて溶解させた後、水250重量部、乳化剤のポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩の10重量部とUNA−Naの0.1重量とを加えて強攪拌下に混合させた。次いで、参考例1でえられた分散液(S1)の40重量部を添加し、50℃×0.5時間穏やかに攪拌後、78℃×1.5時間反応させた後、90℃×1.5時間熟成させて、重合粒子の分散液を得た。得られた分散液中には、電子顕微鏡法で測定した体積基準で表す平均粒子径270nmの単分散球状粒子の黒色系重合体粒子を調製した。その固形分量は31%であった。
(実施例7)
ナイロン製の平滑な下地シート上に、深堀区分けとして目開き60μmで、アスペクト比0.67であるナイロン製のメッシュ材を密着させてた下地部材上に、参考例2で調製した平均粒子径160nmの黒色系無彩色の単分散球状粒子を用いて、サスペンド濃度30重量%のエマルジョンを調製し、イオン交換樹脂で脱塩させたサスペンジョン(S−2)を用いて形成させた3次元粒子整合体の垂直方向の視感色は、鮮やかな紫色系の有彩光色を視感させる。また、このシート上には、目視される亀裂が全く無かった。
(実施例8)
ガラス板の下地シート上に、深堀区分けとして目開き150μmで、アスペクト比0.67であるステンレス製のメッシュ材を密着させた下地部材上に、それぞれ、参考例3及び参考例4で調製した平均粒子径210nm及び270nmの黒色系無彩色の単分散球状粒子を用いて、サスペンド濃度38%エマルジョンに調製し、イオン交換樹脂で脱塩させたサスペンジョン(S−2)を用いて形成させた3次元粒子整合体の垂直方向の視感色は、それぞれ、鮮やかな緑色系と赤色系の有彩光色を視感させまた、何れのシート上には、目視される亀裂が全く無かった。
(実施例9)
ガラス板の下地シート上に、ポジ型フォトレジストを塗布させ、プリベークさせて膜厚3μmのフォトレジスト層を形成させ、次いで、ピッチ幅4μmで、アスペクト比0.75で、土手幅2μmになる深堀区分け(溝)が、平面方向に規則的に配列するように、マスクパターン露光をさせて現像させた後、ポストベークさせて、フォトレジストを用いたカラー発色基材シートを設けた。次いで、参考例4で調製した平均粒子径270nmの黒色系無彩色の単分散球状粒子を用いて、サスペンド濃度35%のエマルジョンを調製し、イオン交換樹脂で脱塩させたサスペンジョン(S−2)を用いて形成させた3次元粒子整合体の垂直方向の視感色は、鮮やかな赤色系の有彩光色を視感させる。また、このシート上には、目視される亀裂が全く無かった。
(実施例10)
重量比で表してスチレン/MMA=90/10のモノマー液に、乳化剤のSDS(0.02)、開始剤のKPS(0.95)を用いて乳化重合させて、体積基準で表す平均粒子径が240nmである単分散性の白色球状粒子サスペンジョン(分散濃度;25%)を調製した。次いで、アセトン、黒色染料(5)、反応性乳化剤(1)、水を添加させて黒色球状粒子に染色させた。次いで、得られたサスペンジョン
を半透膜を介して、電気伝導度で表して約300μS/cmの帯電度の固−液サスペンジョンを調製させた後、濃縮させて体積基準濃度で表して分散質の黒色球状微細粒子が約40%濃度で分散するサスペンジョン(S−2)を調製した。次いで、親水性の糊剤のSKダンイ2094で処理したガラス板上に、ドクターブレード(No2)でサスペンジョン(S−2)を塗布させて、サスペンジョン(S−2)のグリーンシートを形成させた後、常温下に乾燥させた後、重量基準で表してフッ素系モノマー(パーフロロオクチルエチルアクリレート)/光開始剤=100/5のバインダー液を塗布させた後、UV照射下に重合・硬化させて、黒色球状微細粒子の3次元粒子整合体を封止固定させた。得られた3次元粒子整合体は、可視光照射下に極めて鮮やか緑色の光発色を呈している。
以下に示す紫外線、可視光線及び赤外線照射下に呈する反射、透過スペクトル図から、、本発明による「第1の製造方法」によって、鮮明な有彩光発色、紫外線反射性及び赤外線反射を賦与させる球状微細粒子の3次元粒子整合体が得られることがよく判る。
(1)[図3]には、本発明による「第2の製造方法」によって得られる平均粒子径:330nmの黒色系無彩色有機ポリマーの特定球状微細粒子による3次元粒子整合体(バインダー封止体)の自然光又は白色光の照射下に呈する可視光分光特性反射スペクトルである。視感される有彩光発色は、鮮明な紫色系である。
(2)[図4]には、本発明による「第3の製造方法」によって得られる平均粒子径:110nmの有機ポリマーの特定球状微細粒子による3次元粒子整合体(バインダー封止体)の400nm以下の紫外線照射下に呈する紫外線反射スペクトルである。明らかに、明確な紫外線反射性を呈している。
(3)[図5]には、本発明による「第4の製造方法」によって得られる平均粒子径:350nmの有機ポリマーの特定球状微細粒子による3次元粒子整合体(バインダー封止体)の波長800〜1500nmの赤外線領域を含む光照射下に呈する赤外線反射スペクトルである。また、[図6]には、同様の3次元粒子整合体(バインダー封止体、シート厚20μm)の波長800〜1500nmの赤外線に対する赤外線透過スペクトルである。これらから赤外線の反射性に優れていることが判る。
以上から、本発明の製造方法によって得られる単分散性の球状微細粒子の3次元粒子整合体は、各種の下地部材上に、また、各種の容器内面に、フィルム状、シート状、成型体として形成されることから、特に有彩光発色3次元粒子整合体においては、その粒子サイズ(d)に係わって自然光又は白色光又は蛍光の照射光に対する特性反射スペクトルに基づくスペクトル分光光発色として、鮮明な有彩光発色を呈することから、各種の内装、装飾、意匠、ディスプレイ材等の分野の新規な色材の他に、各種の形状の光変調部材、光量調整フィルター、カラーフィルター、室内透視防止フイルム(シート)等を提供することができる。
また、特に、本発明の製造方法によって得られる特定の粒子サイズを有する球状微細粒子の3次元粒子整合体は、紫外線又は赤外線照射に対する特性反射スペクトルに基づく紫外線又は赤外線反射を発揮させることから、各種の形状の新規な紫外線又は赤外線遮蔽材を提供することができる。
また、本発明による3次元粒子整合体の製造方法を用いて、各種の機能を発揮させる球状微細粒子の3次元粒子整合体塗工膜を施工させられることから、各種のガラス板、プラスチックス板、各種の鋼板、ステンレス板、セラミックス板、木板、毛皮シート、布地シート等を塗工板に、各種の機能を発揮させる球状微細粒子の3次元粒子整合体からなる各種の機能性塗工部材を提供することができる。
本発明によって製造される球状微細粒子の3次元粒子整合体表面の粒子配列構造を表すSEM写真像を示す。 本発明によって製造される球状微細粒子の3次元粒子整合体表面に対する整合体縦方向の破断面の粒子配列構造を表すSEM写真像を示す。 本発明による黒色系無彩色の特定球状微細粒子の3次元粒子整合体が呈する可視光反射スペクトル図を示す。 本発明による特定球状微細粒子の3次元粒子整合体が呈する紫外線反射スペクトル図を示す。 本発明による特定球状微細粒子の3次元粒子整合体が呈する赤外線反射スペクトル図を示す。 図5に表示した特定球状微細粒子の3次元粒子整合体の赤外線領域に対する赤外線透過スペクトル図を示す。

Claims (23)

  1. 固−液分散系における分散質球状微細粒子を3次元方向に整合させてなる粒子配列構造体に、均質な構造体特性を賦与させる球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法において、
    固−液分散系には、分散質である体積基準で表す平均粒子径(d)が0.01〜30μmにある有機ポリマー又は無機ポリマーの単分散性の球状微細粒子と、分散媒である水系又は溶解水を含む非水系の溶液とを含有し、前記分散質が体積基準で表して20以上で、70%を超えない濃度で分散させ、且つ固−液分散体としての電気伝導度が2000μS/cm以下であるサスペンジョン(S−1)を調製させ、
    次いで、サスペンジョン(S−1)のグリーンシートを形成させ、前記分散媒の氷点を超える温度雰囲気下に曝し乾燥させて、縦・横方向に規則的に配列する前記球状微細粒子の3次元粒子整合体を形成させ、
    次いで、前記3次元粒子整合体の表面及び3次元粒子配列の粒子間隙を満たすように、重合性有機モノマー液、有機ポリマー液又は無機バインダー液の何れかを塗布又は散布させた後、重合又は硬化させてなるバインダー封止体に、均質な粒子配列構造体に基づく均質な構造体特性が賦与されていることを特徴とする球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法。
  2. 固−液分散系における分散質球状微細粒子を3次元方向に整合させてなる粒子配列構造体に、自然光又は白色光の照射下に鮮明な有彩光発色を賦与させる3次元粒子整合体の製造方法において、
    固−液分散系には、分散質である体積基準で表す平均粒子径(d)が130〜350nmである灰白色、灰色、灰黒色、黒色から選ばれる何れか1種の黒色系無彩色有機ポリマー又は無機ポリマーの単分散性の特定球状微細粒子と、分散媒である水系又は溶解水を含む非水系の溶液とを含有し、前記分散質が体積基準濃度で表して20%以上で、70%を超えない分散濃度で、且つ固−液分散体として電気伝導度が2000μS/cm以下であるサスペンジョン(S−2)を調製させ、
    次いで、サスペンジョン(S−2)のグリーンシートを形成させ、前記分散媒の氷点を超える温度雰囲気下に曝して乾燥させて、縦・横方向に規則的に配列する特定球状微細粒子の3次元粒子整合体を形成させ、
    次いで、前記球状微細粒子の屈折率(nP)とは異なり、重合体又は硬化体としての屈折率(nB)である重合性有機モノマー液、有機ポリマー液又は無機バインダー液の何れかを、前記3次元粒子整合体の表面及び3次元粒子配列の粒子間隙を満たすように塗布又は散布させた後、重合又は硬化させてなるバインダー封止体に、自然光又は白色光の照射下に特性反射スペクトルに基づく鮮明な有彩光発色を発揮させることを特徴とする球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法。
  3. 固−液分散系における分散質球状微細粒子を3次元方向に整合させてなる粒子配列構造体に、著しく優れる紫外線反射性を賦与させる球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法において、
    固−液分散系には、分散質である体積基準で表す平均粒子径(d)が10〜130nmである有機ポリマー又は無機ポリマーの単分散性の球状微細粒子と、分散媒である水系又は溶解水を含む非水系の溶液とを含有し、前記分散質が体積基準で表して20%以上で、70%を超えない濃度で分散させ、且つ固−液分散体として電気伝導度が2000μS/cm以下であるサスペンジョン(S−3)を調製させ、
    次いで、サスペンジョン(S−3)のグリーンシートを形成させ、前記分散媒の氷点を超える温度雰囲気下に曝して乾燥させて、縦・横方向に規則的に配列する前記球状微細粒子の3次元粒子整合体を形成させ、
    次いで、前記球状微細粒子の屈折率(nP)とは異なり、重合体又は硬化体としての屈折率(nB)である重合性有機モノマー液、有機ポリマー液又は無機バインダー液の何れかを、前記3次元粒子整合体の表面及び3次元粒子配列の粒子間隙を満たすように塗布又は散布させた後、重合又は硬化させてなるバインダー封止体に、波長400nm以下の紫外線に対する特性反射スペクトルに基づく紫外線反射を発揮させることを特徴とする球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法。
  4. 固−液分散系に分散質として分散する球状微細粒子を整合させてなる赤外線反射性に優れる球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法において、
    固−液分散系には、分散質として、体積基準で表す平均粒子径(d)が350〜800nmである有機ポリマー又は無機ポリマーの単分散性の球状微細粒子と、分散媒として、水系又は溶解水を含む非水系の溶液とを含有し、前記分散質が体積基準で表して20%以上で、70%を超えない濃度で分散させ、且つ固−液分散体として電気伝導度が2000μS/cm以下であるサスペンジョン(S−4)を調製させ、
    次いで、サスペンジョン(S−4)のグリーンシートを形成させ、前記分散媒の氷点を超える温度雰囲気下に曝して乾燥させて、縦・横方向に規則的に配列する前記球状微細粒子の3次元粒子整合体を形成させ、
    次いで、前記球状微細粒子の屈折率(nP)とは異なり、重合体又は硬化体としての屈折率(nB)である重合性有機モノマー液、有機ポリマー液又は無機バインダー液の何れかを、前記3次元粒子整合体の表面及び3次元粒子配列の粒子間隙を満たすように塗布又は散布させた後、重合又は硬化させてなるバインダー封止体に、波長800〜1500nmの赤外線に対する特性反射スペクトルに基づく赤外線反射を発揮させることを特徴とする球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法。
  5. 前記3次元粒子整合体の粒子構造体が結晶学的に斜方晶形を形成させることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載する球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法。
  6. 前記バインダーが、|nP−nB|≧0.05なる関係を満足する透明性バインダーであることを特徴とする請求項2〜5の何れかに記載する球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法。
  7. 前記3次元粒子整合体を形成させるに、多数の深堀区分けが平面方向に規則的に配列又は平面方向に不規則に高密に分布する支持部材上に前記グリーンシートを形成させることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載する球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法。
  8. 前記支持部材が、ステンレス製、フッ素樹脂製及びナイロン製から選ばれるメッシュ材で、且つ前記メッシュ材の前記深堀区分けが、目開き基準で表して1〜10mmで、アスペクト比が0.4〜0.8の範囲にあることを特徴とする請求項7に記載する球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法。
  9. 前記支持部材が、ネガ型フォトレジスト又はポジ型フォトレジストで、且つ前記フォトレジストシートには、ピッチ幅が1〜900μmで、アスペクト比が0.5〜2の多数の深堀区分けが平面方向に規則的に配列又は平面方向に不規則に高密に分布している部材であることを特徴とする請求項7に記載する球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法。
  10. 前記単分散性の球状微細粒子が、(メタ)アクリル系、(メタ)アクリル−スチレン系、フッ素置換(メタ)アクリル系及びフッ素置換(メタ)アクリル−スチレン系から選ばれる少なくとも一種の有機ポリマー球状粒子であることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載する球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法。
  11. 前記単分散性の球状微細粒子が、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、チタニア及びチタニア−シリカから選ばれる少なくとも一種の無機ポリマー球状粒子であることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載する球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法。
  12. 前記グリーンシートを粘着シートである下地部材上に形成させ、且つその接着下地面が、鋼板、ステンレス板、アルミニウム板、アルミニウム合金板、セラミックス板、モルタル板、ガラス板、プラスチック板、木質板及び厚紙から選ばれる何れか1種の部材であることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載する球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法。
  13. 請求項1、5〜12に記載する何れかの球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法を用いて製造される、体積基準で表す平均粒子径(d)が0.01〜30μmにある有機ポリマー又は無機ポリマーの単分散性の球状微細粒子が、3次元方向に均質な粒子配列構造を有し、粒子配列構造体として均質な特性が賦与されていることを特徴とする球状微細粒子の3次元粒子整合体。
  14. 請求項2、5〜12に記載する何れかの球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法を用いて製造される、体積基準で表す平均粒子径(d)が130〜350nmである灰白色、灰色、灰黒色、黒色から選ばれる何れか1種の黒色系無彩色有機ポリマー又は無機ポリマーの単分散性の特定球状微細粒子が、3次元方向に均質な粒子配列構造を有し、自然光又は白色光の照射下に特性反射スペクトルに基づく鮮明な有彩光発色を呈していることを特徴とする球状微細粒子の有彩光発色3次元粒子整合体。
  15. 請求項3、5、7〜12に記載する何れかの球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法を用いて製造される、体積基準で表す平均粒子径(d)が10〜130nmである有機ポリマー又は無機ポリマーの単分散性の特定球状微細粒子が、3次元方向に均質な粒子配列構造を有し、波長400nm以下の紫外線に対して特性反射スペクトルに基づく紫外線反射性を有していることを特徴とする球状微細粒子の紫外線反射3次元粒子整合体。
  16. 請求項4、5、7〜12に記載する何れかの球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法を用いて製造される、体積基準で表す平均粒子径(d)が350〜800nmである有機ポリマー又は無機ポリマーの単分散性の球状微細粒子が、3次元方向に均質な粒子配列構造を有し、波長800〜1500nmの赤外線に対して特性反射スペクトルに基づく赤外線反射性を有していることを特徴とする球状微細粒子の赤外線反射3次元粒子整合体。
  17. 請求項1に記載する球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法によって得られるサスペンジョン(S−1)を塗工液として塗板上に塗工させてなる構造的に均質な表面特性を発揮する球状微細粒子の3次元粒子整合体塗工膜の製造方法において、
    分散質として、体積基準で表す平均粒子径(d)が0.01〜30μmである有機ポリマー又は無機ポリマーの単分散性の球状微細粒子と、分散媒として、水系又は溶解水を含む非水系の溶液とを含有し、前記分散質が体積基準濃度で表して20%以上で、70%を超えない分散濃度で、且つ固−液分散体としての電気伝導度が2000μS/cm以下であるサスペンジョン(S−1)を調製させ、
    ガラス板、プラスチックス板、鋼板、アルミニユウム板、ステンレス板、セラミックス板、木板、布地シートから選ばれる何れかの塗板上に前記サスペンジョン(S−1)を塗工させ、
    次いで、前記分散媒の氷点を超える温度雰囲気下に曝し乾燥させて、前記塗板上に縦・横方向に規則的に配列する球状微細粒子の3次元粒子整合体を形成させ
    次いで、重合性有機モノマー液、有機ポリマー液又は無機バインダー液の何れかを、前記3次元粒子整合体の表面及び3次元粒子配列の粒子間隙を満たすように塗布又は散布させた後、重合又は硬化させて前記球状微細粒子の3次元粒子整合体を塗工膜としてバインダー固定させることを特徴とする球状微細粒子の3次元粒子整合体塗工膜の製造方法。
  18. 請求項2に記載する球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法によって得られるサスペンジョン(S−2)を塗工液として塗板上に塗工させて、塗工膜が均質な球状微細粒子の3次元粒子整合体であって、自然光又は白色光の照射下に鮮明な有彩光発色を呈する球状微細粒子の有彩光発色3次元粒子整合体塗工膜の製造方法において、
    分散質として、体積基準で表す平均粒子径(d)が130〜350nmである灰白色、灰色、灰黒色、黒色から選ばれる何れか1種の黒色系無彩色の有機ポリマー又は無機ポリマーの単分散性の特定球状微細粒子と、分散媒として、水系又は溶解水を含む非水系の溶液とを含有し、前記分散質が体積基準濃度で表して20%以上で、70%を超えない分散濃度で、且つ固−液分散体として電気伝導度が2000μS/cm以下であるサスペンジョン(S−2)を調製させ、
    ガラス板、プラスチックス板、鋼板、アルミニユウム板、ステンレス板、セラミックス板、木板、毛皮シート、布地シートから選ばれる何れかの塗板上に前記サスペンジョン(S−2)を塗工させ、
    次いで、前記分散媒の氷点を超える温度雰囲気下に曝し乾燥させて、前記塗板上に縦・横方向に規則的に配列する球状微細粒子の3次元粒子整合体を形成させ、
    次いで、前記球状微細粒子の屈折率(nP)とは異なり、重合体又は硬化体としての屈折率(nB)である重合性有機モノマー液、有機ポリマー液又は無機バインダー液の何れかを、前記3次元粒子整合体の表面及び3次元粒子配列の粒子間隙を満たすように塗布又は散布させた後、重合又は硬化させて、自然光又は白色光の照射下に鮮明な有彩光発色を呈する前記3次元粒子整合体の塗工膜としてバインダー固定させることを特徴とする球状微細粒子の有彩光発色3次元粒子整合体塗工膜の製造方法。
  19. 前記塗板上には予め親水性下塗り層が施されていることを特徴とする請求項18に記載する球状微細粒子の有彩光発色3次元粒子整合体塗工膜の製造方法。
  20. 請求項に記載する球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法によって得られるサスペンジョン(S−3)を塗工液として塗板上に塗工させて、塗工膜が均質な球状微細粒子の3次元粒子整合体であって、波長400nm以下の紫外線反射性を発揮させる球状微細粒子の紫外線反射3次元粒子整合体塗工膜の製造方法において、
    分散質として、体積基準で表す平均粒子径(d)が10〜130nmである有機ポリマー又は無機ポリマーの単分散性の球状微細粒子と、分散媒として、水系又は溶解水を含む非水系の溶液とを含有させ、前記分散質が体積基準濃度で表して20%以上で、70%を超えない分散濃度で、且つ固−液分散体として電気伝導度が2000μS/cm以下であるサスペンジョン(S−3)を調製させ、
    ガラス板、プラスチックス板、鋼板、アルミニユウム板、ステンレス板、セラミックス板、木板、毛皮シート、布地シートから選ばれる何れかの塗板上に前記サスペンジョン(S−3)を塗工させ、
    次いで、前記分散媒の氷点を超える温度雰囲気下に曝し乾燥させて、前記塗板上に縦・横方向に規則的に配列する球状微細粒子の3次元粒子整合体を形成させ、
    次いで、前記球状微細粒子の屈折率(nP)とは異なり、重合体又は硬化体としての屈折率(nB)である重合性有機モノマー液、有機ポリマー液又は無機バインダー液の何れかを、前記3次元粒子整合体の表面及び3次元粒子配列の粒子間隙を満たすように塗布又は散布させた後、重合又は硬化させて、波長400nm以下の紫外線に対する特性反射スペクトルに基づく紫外線反射性を有する前記3次元粒子整合体の塗工膜としてバインダー固定させることを特徴とする球状微細粒子の紫外線反射3次元粒子整合体塗工膜の製造方法。
  21. 請求項に記載する球状微細粒子の3次元粒子整合体の製造方法によって得られるサスペンジョン(S−4)を塗工液として塗板上に塗工させて、塗工膜が均質な球状微細粒子の3次元粒子整合体であって、波長800nm以上の赤外線反射性を発揮させる球状微細粒子の赤外線反射3次元粒子整合体塗工膜の製造方法において、
    分散質として、体積基準で表す平均粒子径(d)が350〜800nmである有機ポリマー又は無機ポリマーの単分散性の球状微細粒子と、分散媒として、水系又は溶解水を含む非水系の溶液とを含有し、前記分散質が体積基準濃度で表して20%以上で、70%を超えない分散濃度で、且つ電気伝導度が2000μS/cm以下であるサスペンジョン(S−4)を調製させ、
    ガラス板、プラスチックス板、鋼板、ステンレス板、セラミックス板、木板、毛皮シート、布地シートから選ばれる何れかの塗板上に前記サスペンジョン(S−4)を塗工させ、
    次いで、前記分散媒の氷点を超える温度雰囲気下に曝し乾燥させて、前記塗板上に縦・横方向に規則的に配列する球状微細粒子の3次元粒子整合体を形成させ、
    次いで、前記球状微細粒子の屈折率(nP)とは異なり、重合体又は硬化体としての屈折率(nB)である重合性有機モノマー液、有機ポリマー液又は無機バインダー液の何れかを、前記3次元粒子整合体の表面及び3次元粒子配列の粒子間隙を満たすように塗布又は散布させた後、重合又は硬化させて、波長800nm〜1500nmの赤外線に対する特性反射スペクトルに基づく赤外線反射性を有する前記3次元粒子整合体の塗工膜としてバインダー固定させることを特徴とする球状微細粒子の赤外線反射3次元粒子整合体塗工膜の製造方法。
  22. 前記樹脂バインダー又は無機バインダーが、|nP−nB|≧0.05なる関係を満足する透明性バインダーであることを特徴とする請求項17〜21の何れかに記載する球状微細粒子の3次元粒子整合体塗工膜の製造方法。
  23. 前記3次元粒子整合体の粒子構造体が結晶学的に斜方晶形を形成していることを特徴とする請求項17〜22の何れかに記載する球状微細粒子の3次元粒子整合体塗工膜の製造方法。
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