JPH0421272B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、磁気テープを収納したテープカセ
ツトに関する。

〔従来の技術〕

Ｒ−DAT方式オーデイオテープでは、ハブの
ロツク機構を備えたテープカセツトが使用され
る。

Ｒ−DAT方式オーデイオテープとして既に規
格化された従来のテープカセツトの一般的構成を
第６図と第７図を参照して説明すると、上ハーフ
１と下ハーフ（図示せず）を上下に重ね合わせる
ことによつて、箱形のシエルが形成され、これら
上ハーフ１と下ハーフとの間に、シエルの前面を
開閉するリツド３が枢着される。なお、第５図に
おいて二点鎖線は、上ハーフ１と下ハーフとの間
に回転自在に嵌め込まれたハブ６，６、及びこれ
らに巻かれた磁気テープ８を示している。

上記上ハーフ１には、ハブロツク部材４が前後
にスライド自在に組み込まれている。このハブロ
ツク部材４は、その両側から上記ハブ６，６へ向
けて各々１本ずつ突出されたハブ制動片５，５
と、両側からリツド３へ向けて前方へ延びたアー
ム９，９を有している。さらに、同ハブロツク部
材４にばね７が係装され、後方へ向けて弾力が付
勢されている。

上記ハブロツク部材４は、テープカセツトのア
ンローデイング時、即ち、リツド３が閉じている
とき、ばね７の弾力によつて、ハブ制動片５，５
の先端がハブ６，６の周面に突き当たり、該ハブ
６，６をロツクする。これに対し、テープカセツ
トがテープデツキ等にローデイングされ、リツド
３が開くと、アーム９，９がリツド３に掛かつて
前方へ引かれ、ハブ制動片５，５の先端がハブ
６，６の周面から離れてロツクが解除される。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、上記ハブロツク部材４は、スライドす
る前後方向の寸法に比べて、横幅が広いため、円
滑な前後へのスライドが期待できない。しかも、
ハブ６，６のロツクに際しては、第７図で示すよ
うに、細いハブ制動片５，５の先端がハブ６，６
の周面に１個所で当たるため、ロツクしようとす
るとき、同図において矢印で示す方向にハブ６，
６がずれやすい。このため、確実にロツクされな
かつたり、ロツクされるべきときにロツクが解除
されてしまうという問題があつた。

また、ハブ６，６のロツクのため、シエルを構
成する部材とは別にハブロツク部材４やばね７等
を上ハーフ１の所定の位置に組み込まなければな
らない。このため、部品点数が多くなり、組立て
の手数がかかるといつう欠点がある。

この発明は、従来のテープカセツトにおける上
記の問題点を解決するためなされたものである。

〔問題を解決するための手段〕

第１図〜第４図の符号を引用しながら、この発
明の構成について説明すると、この発明によるテ
ープカセツトは、箱形のシエル１０を構成する上
ハーフ１１と下ハーフ１２、下ハーフ１２に前後
へスライド自在に設けたスライダ１４、同両ハー
フ１１，１２の間に回転自在に支持された一対の
ハブ１６，１６、これらハブ１６，１６に巻かれ
た磁気テープ２４を備える。

上記下ハーフ１２に板ばね状のハブ制動片１
５，１５を設け、該ハブ制動片１５，１５の先端
をハブ１６，１６が嵌め込まれた下ハーフ１２の
ハブ孔１７，１７の口縁に配置する。一方、スラ
イダ１４の下ハーフ１２と接する底面側に、上記
ハブ孔１７，１７とスライダ１４の通孔３１，３
１とが重なり合う位置で、上記ハブ制動片１５，
１５の先端が嵌り込む凹部１８，１８を形成す
る。

〔作用〕

テープカセツトがテープデツキ等にローデイン
グされてないとき、スライダ１４は第３図で示す
ように、下ハーフ１２の前方位に位置する。この
とき、下ハーフ１２とハブ孔１７，１７と、スラ
イダ１４の通孔３１，３１とがずれ、上記ハブ孔
１７，１７がスライダ１４で閉じられる。この位
置では、第４図で示すように、スライダ１４の凹
部１８，１８がハブ制動片１５，１５の先端から
ずれているため、該制動片１５，１５の先端が上
記スライダ１４の底面によつて押し上げられ、ハ
ブ１６，１６の縁に当たる。これによつて、ハブ
１６，１６がロツクされる。

これに対し、テープカセツトがテープデツキ等
にローデイングされたとき、スライダ１４が第４
図において矢印で示すように後方へスライドし、
ハブ孔１７，１７に通孔３１，３１が重なり合
い、該ハブ孔１７，１７が開かれる。この位置で
は、第５図で示すように、スライダ１４の通孔３
１，３１にハブ制動片１５，１５の先端が嵌り込
む。このため、該ハブ制動片１５，１５の先端が
ハブ１６，１６の縁から離れ、ロツクが解除され
る。

〔実施例〕

次に、第１図〜第４図を参照しなから、この発
明の実施例について説明する。

第１図で示すように、上ハーフ１１と下ハーフ
１２を上下に重ね合わせてシエル１０が構成さ
れ、両ハーフ１１，１２の間にシエル１０の前面
を開閉するリツド１３が枢着されている。リツド
１３は、ばね２１によつてケースの前面を閉じる
方向に弾力が付勢されている。上ハーフ１１と下
ハーフ１２の中央部のそれぞれ対応する位置に、
一対のハブ受２５，２５とハブ孔１７，１７が設
けられている。

上記下ハーフ１２にスライダ１４がスライド自
在に取り付けられ、該スライダ１４に上記ハブ孔
１７，１７と対応する円形の通孔３１，３１が開
設されている。この下ハーフ１２とスライダ１４
との間には、下ハーフ１２に対してスライダ１４
を前方へスライドさせる方向に弾力を付勢したば
ね２０が装着されている。シエル１０の外観は、
第３図に示す通りである。

第１図、第４図及び第５図で示す通り、ハブ１
６，１６はボス２２，２２，２３，２３を有し、
これらのボス２２，２２，２３，２３がそれぞれ
上ハーフ１１のハブ受２５，２５と、下ハーフ１
２のハブ孔１７，１７に回転自在に嵌め込まれ
る。なお、２６，２６は磁気テープ２４を挟むフ
リクシヨンシートである。

第１図及び第２図で示すように、下ハーフ１２
の底面には、その底板を一部打ち抜いて形成した
板ばね状のストツパ２７，２７が設けられ、この
先端に突起２８，２８が形成されている。他方、
スライダ１４の上記下ハーフ１２の底面と接する
面側に、上記突起２８，２８に適合した通孔２
９，２９，３０，３０が前後に各々２つずつ開設
されている。

テープカセツトがテープデツキ等にローデイン
グされてないときは、第３図で示すように、スラ
イダ１４が下ハーフ１２の前方位にあり、スライ
ダ１４の通孔３１，３１がハブ１７，１７からず
れる。この位置では、上記ストツパ２７，２７の
突起２８，２８がスライダ１４の後側の通孔３
０，３０に嵌り込み、当該位置が保持される。

一方、テープカセツトがテープデツキ等にロー
デイングされたときは、スライダ１４が下ハーフ
１２の後方へ押されて第３図において矢印で示す
ようにスライドし、ハブ孔１７，１７と通孔３
１，３１とが重なり合い、該ハブ孔１７，１７が
開かれる。この位置では、上記ストツパ２７，２
７の突起２８，２８がスライダ１４の前側の通孔
２９，２９に嵌り込み、当該位置が保持される。

さらに、第１図〜第５図で示すように、下ハー
フ１２のハブ孔１７，１７の両側に、底板を一部
打ち抜いて形成した板ばね状のハブ制動片１５，
１５が形成され、その自由端である先端が、上記
ハブ孔１７，１７の口縁に配置されている。図示
の実施例では、ハブ孔１７，１７の両側に各々２
つずつのハブ制動片１５，１５が形成されている
が、これらは、各ハブ孔１７，１７について各々
１つずつであつてもよい。

上記ハブ制動片１５，１５の先端の上下両面
に、各々突起３２，３２，３３，３３が設けられ
ている。上側の突起３２，３２は、ハブ制動片１
５，１５の最も先端部分に設けられ、また、下側
の突起３３，３３は、先端部よりやゝ基端寄りに
設けられている。上側の突起３２，３２は、ハブ
制動片１５，１５の先端に何等の外力が与えられ
ない自由な状態では、ハブ孔１７，１７に嵌め込
まれたハブ１６，１６の縁から離れている。これ
に対して、第４図で示すように、スライダ１４に
よつてハブ制動片１５，１５の先端が押し上げら
れた状態では、上記ハブ１６，１６の縁に当た
り、該ハブ１６，１６をロツクする。

スライダ１４の下ハーフ１２と接する面側にあ
つて、その通孔３１，３１の両側には、上記ハブ
制動片１５，１５の先端に対応して凹部１８，１
８が形成されている。この凹部１８，１８には、
通孔３１，３１が上記下ハーフ１２のハブ孔１
７，１７と重なりあう位置で、第５図に示すよう
に、ハブ制動片１５，１５の下側の突起３３，３
３が嵌りこむ。これによつて、ハブ制動片１５，
１５の先端を押し上げていた力が除かれ、該ハブ
制動片１５，１５の上面側の突起３２，３２がハ
ブ１６，１６の縁から離れる。これによつて、ハ
ブ１６，１６のロツクが解除される。

〔発明の効果〕

以上説明した通り、この発明では、ハブ制動片
１５，１５がハブ１６，１６を支持した下ハーフ
１２自体に設けられており、これがスライダ１４
の位置に応じて上下することにより、ハブ１６，
１６をロツクし、またはロツクを解除する構造と
なつている。このため、ハブロツク部材を使用し
た従来のテープカセツトのような、スライドの不
安定に伴う問題が解消され、常に確実なロツクが
行なわれる。

さらに、別途ハブロツク部材を上ハーフ１１に
組み込む必要がなく、下ハーフ１２にスライダ１
４を組み込むだけでハブ１６，１６のストツパが
構成される。従つて、部品点数の削減と、組立て
の簡易化が図れる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の実施例を示す底面側から
のテープカセツトの分解斜視図、第２図は、同カ
セツトの下ハーフとスライダを示す上面側からの
分解斜視図、第３図は、同テープカセツトの底面
側からの外観斜視図、第４図及び第５図は、同テ
ープカセツトの要部縦断正面図、第６図は、テー
プカセツトの従来例を示す下ハーフを取り除いた
底面図、第７図は、同従来例におけるハブとハブ
ロツク部材を示す斜視図である。 １０……シエル、１１……上ハーフ、１２……
下ハーフ、１４……スライダ、１５……ハブ制動
片、１６……ハブ、１７……ハブ孔、１８……凹
部、２４……磁気テープ、３１……通孔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 箱形のシエル１０を構成する上ハーフ１１と
   下ハーフ１２、下ハーフ１２に前後へスライド自
   在に設けたスライダ１４、同両ハーフ１１，１２
   の間に回転自在に支持された一対のハブ１６，１
   ６、これらハブ１６，１６に巻かれた磁気テープ
   ２４を備えたテープカセツトにおいて、上記下ハ
   ーフ１２に板ばね状のハブ制動片１５，１５を設
   け、該ハブ制動片１５，１５の先端をハブ１６，
   １６が嵌め込まれた下ハーフ１２のハブ孔１７，
   １７の口縁に配置し、スライダ１４の下ハーフ１
   ２と接する底面側に、上記ハブ孔１７，１７とス
   ライダ１４の通孔３１，３１とが重なり合う位置
   で、上記ハブ制動片１５，１５の先端が嵌り込む
   凹部１８，１８を形成したことを特徴とするテー
   プカセツト。