JPH04211960A - 液体噴射記録ヘッド、液体噴射記録ヘッド用基体及び液体噴射記録装置 - Google Patents

液体噴射記録ヘッド、液体噴射記録ヘッド用基体及び液体噴射記録装置

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JPH04211960A
JPH04211960A JP6320291A JP6320291A JPH04211960A JP H04211960 A JPH04211960 A JP H04211960A JP 6320291 A JP6320291 A JP 6320291A JP 6320291 A JP6320291 A JP 6320291A JP H04211960 A JPH04211960 A JP H04211960A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録用液体を吐出し、
吐出された液体により文字等の画像の記録を行う液体噴
射記録ヘッドに関する。また本発明は、前記ヘッドを形
成するために用いられる液体噴射記録ヘッド用基体に関
する。更に本発明は、前記ヘッドを具備する液体噴射記
録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液体噴射記録方式(以下、「インクジェ
ット記録方式」とも称する)については、過去に種々の
方式が提案されている。そうした提案の内で、例えば米
国特許第4,723,129 号明細書や米国特許第4
,740,796 号明細書等に記載された液体噴射記
録方式は、代表的なものとして最近注目を集めている。 この方式は、端的に言えば熱エネルギーを利用して記録
用液体(以下、「インク」とも称する)を吐出し、吐出
された液体により記録を行うものである。そしてこうし
た液体噴射記録方式は、高密度にして高精細であり且つ
高画質の記録を高速で行うことを可能にし、更にはヘッ
ドや装置のコンパクト化を比較的容易に達成しやすいな
どの利点を有している。
【0003】この熱エネルギーを利用する液体噴射記録
方式が適用されるヘッドとしては、液体を吐出するため
の吐出口と、該吐出口に連通し、該吐出口から液体を吐
出するために利用される熱エネルギーが液体に作用する
部分である熱作用部を構成の一部として有する液路と、
該液路に対応して設けられ、液体を吐出するために利用
される熱エネルギーを発生する手段である電気熱変換体
と、を具備するものが代表的である。そして、この電気
熱変換体は一般的に、一対の電極と、この一対の電極に
接続されて設けられ、一対の電極の間に発熱する領域(
熱発生部)が形成される発熱抵抗層と、を有する。この
電気熱変換体の上には、通常、記録用液体から電気熱変
換体を保護するための上部保護層が設けられる。この様
な液体噴射記録ヘッドを形成するために用いられる液体
噴射記録ヘッド用基体の一例を、図1の(a)及び(b
)に示す。
【0004】図1の(a)は、液体噴射記録ヘッド用基
体の一例の主要部の模式的平面図(説明のために、一部
透視図にしてある)であり、図1の(b)は、図1の(
a)について一点鎖線X−Yで示す部分で切断した模式
的断面図である。
【0005】図1の(a)及び(b)において、液体噴
射記録ヘッド用基体101は、支持体105上に、下部
層106、発熱抵抗層107、一対の電極層103、1
04、第1の上部保護層108、第2の上部保護層10
9、第3の上部保護層110を順次積層して形成されて
いる。発熱抵抗層107の、電極103と104との間
の部分が、熱発生部111となる。これらの各構成要素
については、後程詳述する。
【0006】この様な液体噴射記録ヘッド用基体101
の上部保護層を形成するために使用される材料は、要求
される耐熱性、耐液性、熱伝導性及び絶縁性等の特性に
応じて夫々適宜選択される。第1の上部保護層108の
主たる役割は、電極103と電極104との間の絶縁性
を保つことである。第2の上部保護層の主たる役割は、
耐液性と機械的強度の補強である。第3の上部保護層の
主たる役割は、液浸透防止性と耐液作用である。そして
この様に夫々要求される特性に応じて、第1の上部保護
層は無機絶縁性材料を、第2の上部保護層は無機材料(
特に金属材料)を、第3の上部保護層は有機材料を用い
て形成することが多い。
【0007】この様な液体噴射記録ヘッド用基体を用い
て比較的高い信頼性を備えた液体噴射記録ヘッドが製造
されており、この液体噴射記録ヘッドを具備する液体噴
射記録装置が商品化されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、液体噴射記録
装置については、記録速度を一層向上せしめると共に記
録画像の画質を一層向上せしめることが社会的要求とし
て存在する。こうした社会的要求を満足することができ
る理想的な液体噴射記録ヘッドの一つは、基本的には液
体の吐出口をでき得る限り多数高密度に備えていて、し
かも長期間の使用に十分耐えるものと言うことができる
【0009】ところが、この様な液体噴射記録ヘッドを
提供するに当たり、次に述べる様な事項が、解決を要す
る課題として顕現してきた。即ち、吐出口が高密度に多
数配設された液体噴射記録ヘッドを、頻繁に繰返して使
用したり長時間連続して使用したりすると、電極などの
電気熱変換体が記録用液体によって徐々に腐食されるこ
とがあるという課題である。
【0010】この課題は、吐出口の数が比較的少なくそ
れらの配設密度がさほど高くないヘッドの場合には、さ
ほど問題視されなくてそれなりに妥協できるところでは
あった(問題の発生し得る箇所がさほど多くなく、発生
しやすさもさほど高くなかったためであろうと想像する
)が、吐出口が多数、高密度に配されるに従って軽視し
難いものとなってきた。とりわけ、記録がなされる被記
録部材の記録領域の全幅にわたって多数、高密度に吐出
口が設けられ、該多数の吐出口に対応して、電気熱変換
体が多数、高密度に基体に配された所謂フルライン型の
液体噴射記録ヘッドにおいては、このことは顕著な技術
課題となる。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の主たる目的は、
前述した技術課題を解決することであり、頻繁なる繰返
し使用や長時間の連続使用を行っても、耐久性、信頼性
に優れた液体噴射記録ヘッドを提供することである。
【0012】本発明の他の目的は、熱エネルギーを利用
してインクを吐出する方式の液体噴射記録ヘッドの上部
保護層に工夫を施すことにより、前述した技術課題を解
決し、信頼性を格段に向上させることができる液体噴射
記録ヘッドを提供することである。
【0013】本発明の更に他の目的は、液体を吐出する
ために利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体
が複数、高密度に基体に配された液体噴射記録ヘッドに
おいて顕現しがちな前述の技術課題を、比較的簡易な構
造上の工夫をもって解決することができる液体噴射記録
ヘッドを提供することである。
【0014】本発明の別の目的は、液体を吐出する吐出
口が、記録がなされる被記録部材の記録領域の全幅にわ
たって多数、高密度に設けられ、該多数の吐出口に対応
して、電気熱変換体が多数、高密度に基体に配されたフ
ルライン型の液体噴射記録ヘッドにおいて一層顕現しが
ちな前述の技術課題を、比較的簡易な構造上の工夫をも
って解決することができる液体噴射記録ヘッドを提供す
ることである。
【0015】本発明の更に別の目的は、前記ヘッドを形
成するために用いられる液体噴射記録ヘッド用基体及び
前記ヘッドを具備する液体噴射記録装置を提供すること
である。
【0016】本発明者は、前述した課題を解決してこれ
らの目的を達成すべく、詳細なる調査検討を行った。そ
の結果、パターン状の電極層の段差部分において上部保
護層による被覆性が必ずしも良好でなかったり、或いは
上部保護層にピンホールなどの欠陥が生じている液体噴
射記録ヘッドが中にはあり、それを長時間連続して使用
したりすると、記録用液体に含有されるナトリウムイオ
ン、塩素イオン等の可動イオンが上部保護層中に浸透し
、更に上部保護層を通して電極などの電気熱変換体に到
達して、遂には電気熱変換体に腐食が発生するらしいこ
とが判明してきた。
【0017】本発明者は、この点に基づいて更に鋭意研
究した結果、次の様な知見を得るに至った。即ち、電気
熱変換体を覆う上部保護層中にイオン交換体を含有させ
ることで、液体噴射記録ヘッドに対してイオン交換反応
を有効に適用でき、その結果、液体中のナトリウムイオ
ン、塩素イオン等の可動イオンを上部保護層中にトラッ
プさせることができる、との知見である。
【0018】本発明者は、この知見を液体噴射記録ヘッ
ドに実際に適用することを試みた。その結果、電極など
の電気熱変換体の腐食が従来の液体噴射記録ヘッドの場
合に較べて格段に減少していた。また、得られた液体噴
射記録ヘッドを装置本体に装着して実際に液体を吐出し
て記録を行った。その結果、当該液体噴射記録ヘッドは
、本発明の前述した目的を十分に達成するものであるこ
とが分かった。
【0019】かくして、本発明が完成するに至った。本
発明の液体噴射記録ヘッドは、支持体と、該支持体上に
設けられ発熱抵抗層と該発熱抵抗層に電気的に接続され
た電極とを有する電気熱変換体と、該電気熱変換体を覆
う様に設けられイオン交換体を含有する上部保護層と、
を有する液体噴射記録ヘッド用基体の上に、前記電気熱
変換体の熱発生部に対応して、液体を吐出する吐出口に
連通する液路が設けられていることを特徴とするもので
ある。
【0020】本発明は更に、前記ヘッドを形成するため
に用いられる液体噴射記録ヘッド用基体及び前記ヘッド
を具備する液体噴射記録装置を包含する。
【0021】
【実施例】本発明の好ましい態様の一つを、図面を参照
して詳述する。
【0022】図1の(a)及び(b)に示された液体噴
射記録ヘッド用基体101において、符号105はシリ
コンなどの金属、ガラス或いはセラミック等から形成さ
れる支持体である。この支持体105の上には、発生す
る熱エネルギーを適切に制御して基体全体での均一化を
図るための下部層106が設けられている。この下部層
106は、例えば酸化シリコンなどの絶縁性材料から形
成される。
【0023】下部層106の上には、液体を吐出するた
めに利用される熱エネルギーを発生する発熱抵抗層10
7が設けられている。発熱抵抗層107を形成するため
の材料としては、通電されることによって所望通りの熱
が発生する材料が適宜採用され得る。その様な材料とし
て具体的には、窒化タンタル、ニクロム、銀−パラジウ
ム合金、シリコン半導体、或いはハフニウム、ランタン
、ジルコニウム、チタン、タンタル、タングステン、モ
リブデン、ニオブ、クロム、バナジウム等の金属、それ
らの合金、若しくはそれらの硼化物等を挙げることがで
きる。この発熱抵抗層107は、スパッタリング法、C
VD法、蒸着法などの気相反応法等により形成すること
ができる。
【0024】発熱抵抗層107の上には、該発熱抵抗層
107に電気信号を付与するための一対の電極層103
、104が設けられている。この一対の電極層103と
104との間に位置する発熱抵抗層107が、液体を吐
出するために利用される熱エネルギーを発生する熱発生
部111となる。電極層103及び104を形成するた
めの材料としては、通常使用される電極材料の多くのも
のが使用され得る。具体的には例えば、Al,Ag,A
u,Pt,Cu等の金属を挙げることができる。この電
極層は、スパッタリング法、CVD法、蒸着法などの気
相反応法等により形成することができる。
【0025】これら発熱抵抗層107と一対の電極層1
03、104とを含む電気熱変換体を保護する目的で、
電気熱変換体の上には種々の上部保護層が設けられる。 この上部保護層を形成するために使用される材料は、要
求される耐熱性、耐液性、熱伝導性及び絶縁性等の特性
に応じて夫々適宜選択される。
【0026】第1の上部保護層108の主たる役割は、
前述した様に、電極103と104との間の絶縁性を保
つことである。この第1の上部保護層108は、例えば
SiO2等の無機酸化物やSi3N4等の無機窒化物等
の無機絶縁性材料から構成される。この第1の上部保護
層108は、スパッタリング法、CVD法、蒸着法など
の気相反応法、或いは液体コーティング法等により形成
することができる。
【0027】第2の上部保護層109の主たる役割は、
前述した様に、耐液性と機械的強度の補強の付与である
。この第2の上部保護層109は、粘りがあって比較的
機械的強度に優れ、且つ第1の上部保護層108に対す
る密着性のある、例えばSc,Yなどの周期律表第II
Ia族の元素、Ti,Zr,Hfなどの第IVa族の元
素、V,Nb,Taなどの第Va族の元素、Cr,Mo
,Wなどの第VIa族の元素、Fe,Co,Niなどの
第VIII族の元素、それら金属の合金、硼化物、炭化
物、珪化物、窒化物等を挙げることができる。この第2
の上部保護層109は、スパッタリング法、CVD法、
蒸着法などの気相反応法等により形成することができる
【0028】第3の上部保護層の主たる役割は、前述し
た様に、液浸透防止性と耐液作用である。本態様では、
この第3の上部保護層110を、無機イオン交換体と主
成分である有機材料とを含有する材料、即ち実質的に無
機イオン交換体を含有する有機材料を用いて形成してい
る。イオン交換体を含有する母材となる材料としては、
無機材料に較べて有機材料の方が好ましい。その理由は
、無機材料に較べて有機材料の中では、イオンの可動性
が一層高くなるからである。この第3の上部保護層11
0は、液体コーティング法等により形成することができ
る。
【0029】ここで用いられる有機材料としては、例え
ばシリコーン樹脂、フッ素樹脂、芳香族ポリアミド、付
加重合型ポリイミド、ポリペンズイミダゾール、金属キ
レート重合体、チタン酸エステル、エポキシ樹脂、フタ
ル酸樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、P−ビニルフェノ
ール樹脂、サイロック樹脂、トリアジン樹脂、BT樹脂
(トリアジン樹脂・ビスマレイミド付加重合樹脂)、ポ
リキシリレン樹脂及びその誘導体等を挙げることができ
る。更に、ポリイミドイソインドロキナゾリンジオン(
商品名:‘PIQ’,日立化成社製)、ポリイミド樹脂
(商品名:‘PYRALIN’,デュポン社製)、環化
ポリブタジエン樹脂(商品名:‘JSR−CBR’,日
本合成ゴム社製)、フォトニース(商品名,東レ社製)
などの感光性ポリイミド樹脂等が、特に優れた高精度微
細加工性を有するので好ましく用いられる。
【0030】イオン交換体としては、無機イオン交換体
を用いるのが好ましい。記録用液体中に含まれていて前
述した不都合を引き起こすのは、ほとんどがナトリウム
イオンや塩素イオンなどの無機可動イオンであるからで
ある。この様な無機イオン交換体としては、‘IXE’
、‘グレードIXE−100’、‘グレードIXE−2
00’、‘グレードIXE−300’、‘グレードIX
E−400’、‘グレードIXE−500’、‘グレー
ドIXE−600’、‘グレードIXE−700’、‘
グレードIXE−800’、‘グレードIXE−900
’、‘グレードIXE−1000’、‘グレードIXE
−1100’、‘グレードIXE−1200’、‘グレ
ードIXE−1300’(以上、商品名,東亜合成化学
工業社製)等を挙げることができる。それらの中でも、
‘グレードIXE−600’、‘グレードIXE−12
00’及び‘グレードIXE−1300’が好ましい。
【0031】この様なイオン交換体は、液体噴射記録ヘ
ッドの液路を流れる液体から浸透するナトリウムイオン
や塩素イオンなどの可動イオンを、イオン交換反応を利
用するなどして自らが含有される上部保護層中にトラッ
プし、可動イオンが下層にまで至るのを抑制する作用を
有するものと考えられる。そしてこの作用により、電気
熱変換体の腐食を防ぐことができる。
【0032】この様なイオン交換体は、自らが含有され
る上部保護層中に1〜5wt.%含有されるのが好まし
い。1wt.%未満であると、可動イオンのトラップ作
用が不十分となり、トラップし切れなかった可動イオン
が電気熱変換体に達して腐食を引き起こすことがあるか
らである。また5wt.%を越えると、母材中に均一に
分散されずに偏析し、そこで硬度、強度、密着力などの
特性を劣化させたり、母材が感光性を有する場合には光
感度を低下させたりすることがあるからである。
【0033】イオン交換体が主成分である材料中に含有
されている状態としては、分散されている状態をとって
いることが最も好ましい。その製造方法としては、イオ
ン交換体を溶液中に分散させた後に層状に硬化させる方
法、或いはイオン交換体を溶融媒体中に加えて固化する
ことで固体中に分散させ、然る後に蒸着法やスパッタリ
ング法などを用いて層状に形成する方法等を挙げること
ができるが、イオン交換体の層中での分散の均一性と量
産性との観点から、前者の製造方法の方が一層好ましい
【0034】特に、液体を吐出するために利用されるエ
ネルギーとして熱エネルギーを用いる形態の液体噴射記
録ヘッドにおける熱エネルギー発生部の近傍で、イオン
交換体を含有する材料からなる上部保護層を用いる場合
には、本発明の効果を際立たせることができる。その理
由は、電気熱変換体が腐食される原因の一つである記録
液体が熱エネルギー発生部の近傍では比較的高温になっ
ているので、液体中の可動イオンが上部保護層中に浸透
拡散しやすくなり、またイオン交換体による可動イオン
のトラップも促進されやすくなるからである。
【0035】以上、第3の上部保護層110を、イオン
交換体を含有する有機材料を用いて形成する態様につい
て説明したが、本発明はこの態様に限られるものではな
い。即ち、本発明は電気熱変換体を覆う様に設けられた
上部保護層の少なくとも一部が、イオン交換体を含有す
る材料からなるものを全て包含する。例えば、第1の上
部保護層108を、イオン交換体を含有する無機材料を
用いて形成したヘッドであってもよい。
【0036】この場合、P、B、Al、As、Zn及び
Ti等の化合物からなるガラス質形成剤や有機バインダ
と共に、例えばRnSi(OH)4−n、Si(OH)
4、HnSi(OH)4−n、(RO)nSi(OH)
4−n等の珪素化合物を、アルコールを主成分としてエ
ステル、ケトン等を含む有機溶剤に溶解し、それに対し
て更にイオン交換体を溶解し、それをスピンコート、ロ
ールコート、ディッピング、吹き付け、刷毛塗布等の塗
布方法で塗布し、ベークすることで、SiO2を主成分
とする無機上部保護層を形成するなどの製造方法が一例
として採用される。
【0037】また、上部保護層の層構造やそれらを形成
するために用いられる材料についても、以上述べた態様
の内容に限られるものではない。例えば、第3の上部保
護層110を、イオン交換体を含有する無機材料を用い
て形成する場合も、或いは第1の上部保護層108を、
イオン交換体を含有する有機材料を用いて形成する場合
も、本発明に包含されるものである。加えて、例えば場
合によっては、電気熱変換体を覆う上部保護層として、
イオン交換体を含有する材料を用いて形成された第1の
上部保護層108のみが設けられた形態であっても、本
発明に包含される。但し、層構造の機能的なバランス等
の点から、最先に述べた態様が本発明にあって最も好ま
しいものである。
【0038】図2は、前述した液体噴射記録ヘッド用基
体を用いて形成された液体噴射記録ヘッドの一例の主要
部を示す模式的斜視図である。電気熱変換体の発熱部(
斜線部)が配された基体101上に、液路201の壁2
00、更にその上に天板205が設けられている。液体
は、図示されていない液体貯溜部から液体供給口206
を通して共通液室204に供給される。共通液室204
に供給された液体は、所謂毛管現象により液路201に
供給され、液路201に連通する吐出口202でメカニ
カスを形成して安定的に保持される。そして、電気熱変
換体の発熱部が発熱することにより、発熱部上の液体が
急峻に加熱され、液路201の液体に気泡が形成され、
それに基づいて吐出口202から液体が吐出される。本
図には、8個/mmという高い配列密度で例えば128
個設けられた吐出口を有する液体噴射記録ヘッドの主要
部が示されている。
【0039】図3は、図2に示された液体噴射記録ヘッ
ドを具えた液体噴射記録装置の一例の主要部を示す模式
的斜視図である。
【0040】図3において、320はプラテン324上
に搬送された記録紙(不図示)の記録面に対向してイン
クの吐出口を複数具えた、記録液体貯溜部一体構造の取
り外し自在カートリッジ型の液体噴射記録ヘッドである
。316は液体噴射記録ヘッド320を載置するための
キャリッジであり、駆動モータ317の駆動力を伝達す
る駆動ベルト318の一部と連結され、互いに平行に配
設された2本のガイドシャフト329A及び329Bと
摺動可能とされている。これにより、液体噴射記録ヘッ
ド320は、記録紙の全幅にわたる往復移動が可能とさ
れている。
【0041】326は液体噴射記録ヘッド320からの
液体吐出不良の回復及び予防を行う回復装置であり、液
体噴射記録ヘッド320の移動範囲の所定箇所、例えば
ホームポジションと対向する位置に配設される。回復装
置326は、伝動機構323を介したモータ322の駆
動力によって液体噴射記録ヘッド320の吐出口のキャ
ッピングを行なう。この回復装置326のキャップ32
6Aによる液体噴射記録ヘッド320の吐出口のキャッ
ピング動作に関連して、回復装置326に設けられた適
宜の吸引手段(不図示)による吐出口からの液体吸引、
若しくは液体噴射記録ヘッドへの液体供給経路に設けら
れた適宜の加圧手段(不図示)による液体圧送が行なわ
れる。これにより、液体を吐出口から強制的に排出させ
て、吐出口内方の増粘インク等の異物を除去するといっ
た回復処理がなされる。
【0042】330は回復装置326の側面に配設され
、シリコンゴムで形成されたワイピング用部材としての
ブレードである。このブレード330はブレード保持部
材330Aに片持ち梁形態で保持され、回復装置326
と同様、モータ322および伝動機構323によって動
作して、液体噴射記録ヘッド320の吐出口面との係合
が可能となる。これにより、例えば液体噴射記録ヘッド
320の記録動作中の適切なタイミングで、或いは回復
装置326を用いた回復処理の後等に、液体噴射記録ヘ
ッド320の移動範囲中にブレード330を突出させ、
液体噴射記録ヘッド320の移動動作に伴なって、液体
噴射記録ヘッド320の吐出口面に付着した結露、濡れ
或いは麈埃等の異物をふきとることができる。
【0043】この液体噴射記録装置の記録紙搬送手段、
キャリッジ及び回復装置の駆動、更に記録ヘッドの駆動
等は、例えば装置本体側のCPU を含む制御手段より
出力された命令、信号に基づいて制御される。
【0044】図4は、フルライン型液体噴射記録ヘッド
32が搭載された液体噴射記録装置の概略を示す模式的
斜視図である。本図において、65は紙などの被記録部
材を搬送するための搬送ベルトである。この搬送ベルト
65は、搬送ローラ64の回転に伴って不図示の被記録
部材を搬送する。液体噴射記録ヘッド32の下面は、被
記録部材の記録領域の全幅に対応して吐出口が複数配さ
れた吐出口面31となっている。
【0045】 実施例1 図1の(a)及び(b)に示す様に、Si単結晶ウエハ
からなる支持体105上に、熱酸化によりSiO2の下
部層106(層厚:5μm)を形成した。次に、真空チ
ャンバー内でHfB2(純度99.9%以上)をターゲ
ットとしてスパッタリングを行うことにより、下部層1
06上に発熱抵抗層107となるHfB2 層(層厚:
1300Å)を形成した。このスパッタリングの条件は
、次の通りであった。
【0046】 スパッタリング条件 ターゲット面積:8inchφ 高周波電力    :1kW 支持体設定温度:100℃ 成膜時間      :10分 ベースプレッシャー  :1×10−4Pa以下スパッ
タリングガス  :アルゴン スパッタリングガス圧:0.5Pa 次に、HfB2 層上に電子ビーム蒸着により密着層(
不図示)となるTi層(層厚:50Å)を形成した。こ
の電子ビーム蒸着の条件は、次の通りであった。
【0047】 電子ビーム蒸着条件 支持体設定温度:150℃ ベースプレッシャー  :1×10−4Pa以下(水晶
層厚計で前述の層厚となる様に制御した。)続いて、T
i層上に電子ビーム蒸着により電極層103,104と
なるAl層(層厚:5000Å)を形成した。この電子
ビーム蒸着の条件は、次の通りであった。
【0048】 電子ビーム蒸着条件 支持体設定温度:150℃ ベースプレッシャー  :1×10−4Pa以下(水晶
層厚計で前述の層厚となる様に制御した。)続いて、H
fB2 層、Ti層及びAl層について、次の様にして
フォトリソグラフィによるパターニングを行った。先ず
、Al層の上にフォトレジスト(商品名:OFPR80
0、東京応化社製)を層状に(層厚:1.3μm)塗布
し、これに対して常法に則り露光、現像、及びベーキン
グを施した。次いで、酢酸とリン酸と硝酸との混合液(
酢酸9重量%、リン酸73重量%、硝酸2重量%、残部
16重量%)をエッチング液として用いて、Al層のエ
ッチングを行った。然る後、真空チャンバー内でHfB
2 層とTi層とのリアクティブエッチングを行い、フ
ォトレジストを除去してパターニングを完了した(パタ
ーン幅:12μm,パターンの個数:64個)。 このリアクティブエッチングの条件は、次の通りであっ
た。
【0049】 リアクティブエッチング条件 高周波電力    :450W エッチング時間:5分 ベースプレッシャー:1×10−3Pa以下エッチング
ガス    :BCl3 エッチングガス圧  :3Pa この様にして、HfB2 層、Ti層及びAl層のパタ
ーニングを行うことにより、HfB2 の発熱抵抗層1
07とTiの密着層(不図示)及びAlの電極層103
、104を形成した。本実施例では、電極層103が選
択電極として、電極層104が共通電極として用いられ
る。
【0050】以上の様にして形成された薄膜の積層構造
の上に、真空チャンバー内でSiO2 (純度99.9
%以上)をターゲットとしてスパッタリングを行うこと
により、第1の上部保護層108であるSiO2 層(
層厚:1.0μm)を形成した。
【0051】次に、真空チャンバー内でTa(純度99
.9%以上)をターゲットとしてスパッタリングを行う
ことにより、第2の上部保護層109となるTa層(層
厚:0.3μm)を形成した。続いて、真空チャンバー
内でTa層のリアクティブエッチングを行い、図1の(
a)及び(b)に示す熱発生部111の上部を覆う様な
パターンを有する第2の上部保護層109を形成した。 このリアクティブエッチングの条件は、次の通りであっ
た。
【0052】 リアクティブエッチング条件 高周波電力    :500W エッチング時間:10分 ベースプレッシャー:1×10−3Pa以下エッチング
ガス    :CF4,O2エッチングガス圧  :1
0Pa 以上の様にして形成された薄膜の積層構造の上に、感光
性ポリイミド(商品名:‘フォトニース’,東レ社製)
に無機イオン交換体(商品名:‘イグセ’,東亜合成化
学工業社製)を3wt.%混合させた材料を層状に(層
厚:3μm)塗布した。これに対して露光、現像及びベ
ーキングを施した。露光、現像及びベーキングの条件は
、夫々次の通りであった。
【0053】 露光、現像及びベーキングの条件 プリベーク  :90℃,30分 露光        :紫外線  200mJ/cm2
現像        :専用現像液  25℃,1分ポ
ストベーク:140℃,30分の後、300℃,60分 この様にして、図1の(a)及び(b)に示す電極層1
03、104の上部を覆う様なパターンを有する第3の
上部保護層110を形成した。これにより、本実施例に
係る液体噴射記録ヘッド用基体101の製造を完了した
【0054】この液体噴射記録ヘッド用基体101の上
に、吐出口202に連通する液路201と共通液室20
4との横壁を形成する壁部材200を感光性樹脂層(層
厚:50μm)のフォトリソグラフィーを利用して形成
し、更にその上に不図示のエポキシ系接着剤を介してガ
ラス製の天板1106を設けることにより、図2に模式
的に示された液体噴射記録ヘッドを得た。この液体噴射
記録ヘッドは、前述した発熱部に対応して64個の吐出
口を有するものである。符号206は、共通液室204
へのインク供給口である。
【0055】本実施例では、この液体噴射記録ヘッドを
全部で100個製造した。
【0056】 実施例2 無機イオン交換体(商品名:‘イグセ’,東亜合成化学
工業社製)を3wt.%混合させたOCD(商品名、東
京応化社製)をスピンコート(3000rpm)によっ
て1μmの厚さに塗布した後、450℃で30分ベーク
することにより、SiO2を主成分としてイオン交換体
を含有する第1の上部保護層108となる無機材料層を
形成することと、第3の上部保護層110の材料として
無機イオン交換体を含有しない感光性ポリイミド(商品
名:フォトニース、東レ(株)製)を用いることとを除
いて、前述した実施例1と同様にして、液体噴射記録ヘ
ッド用基体と該基体を備えた液体噴射記録ヘッドとを製
造した。
【0057】本実施例でも、液体噴射記録ヘッドを全部
で100個製造した。
【0058】 比較例 第3の上部保護層110の材料として、無機イオン交換
体を含有しない感光性ポリイミド(商品名:フォトニー
ス、東レ(株)製)を用いることを除いて、前述した実
施例1と同様にして、液体噴射記録ヘッド用基体と該基
体を備えた液体噴射記録ヘッドとを製造した。
【0059】本比較例でも、液体噴射記録ヘッドを全部
で100個製造した。
【0060】 比較実験 実施例1,2及び比較例で夫々得られた100個ずつの
液体噴射記録ヘッド用基体に関し、電極の腐食の発生の
有無を検査した。その結果、比較例に較べて、実施例1
,2では腐食の発生率が平均的に格段に減少していた。
【0061】また、実施例1,2及び比較例で夫々得ら
れた100個ずつの液体噴射記録ヘッドを、図3に示す
液体噴射記録装置本体に装着し、実際に次に記す記録用
液体を吐出させて記録を行った。
【0062】 用いた記録用液体の組成 C.I.フードブラック    :3.0wt.%(C
.I.フードブラックはこの内にナトリウムイオンを1
0wt.%含む。即ち、ナトリウムイオンは記録用液体
中に0.3wt.%含まれる。) トリエチレングリコール:  10wt.%ジエチレン
グリコール  :  20wt.%純水       
           :  67wt.%その結果、
比較例に較べて、実施例1,2に係る液体噴射記録ヘッ
ドの方が、優れた記録品位を示した。これは、電極を含
む電気熱変換体の腐食の発生率が前述した様に減少する
ことで、実施例1,2に係る液体噴射記録ヘッドの信頼
性が向上したことが主たる原因であると考えられる。
【0063】本発明は、熱エネルギーを利用してインク
を吐出する方式の記録ヘッド、記録装置に於いて、優れ
た効果を奏する。
【0064】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型
、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、
特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保
持されているシートや液路に対応して配置されてい電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生
せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、結果的
にこの駆動信号に一対一対応し液体(インク)内の気泡
を形成出来るので有効である。この気泡の成長,収縮に
より吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、
少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス
形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわれる
ので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成
でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号として
は、米国特許第4463359号明細書、同第4345
262号明細書に記載されているようなものが適してい
る。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国
特許第4313124号明細書に記載されている条件を
採用すると、更に優れた記録を行なうことができる。
【0065】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応せる構成を開
示する特開昭59年第138461号公報に基づいた構
成としても本発明は有効である。
【0066】更に、記録装置が記録できる最大記録媒体
幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッ
ドとしては、上述した明細書に開示されているような複
数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さを満たす
構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドとしての構
成のいずれでも良いが、本発明は、上述した効果を一層
有効に発揮することができる。
【0067】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0068】又、本発明の記録装置の構成として設けら
れる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手
段等を付加することは本発明の効果を一層安定できるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャピング手段、クリーニング手
段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の
加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手段、
記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なうこと
も安定した記録を行なうために有効である。
【0069】更に、記録装置の記録モードとしては黒色
等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッド
を一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも
よいが、異なる色の複色カラー又は、混色によるフルカ
ラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて
有効である。
【0070】以上説明した本発明実施例においては、液
体インクを用いて説明しているが、本発明では室温で固
体状であるインクであっても、室温で軟化状態となるイ
ンクであっても用いることができる。上述のインクジェ
ット装置ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものであれば良い。 加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固
形状態から液体状態への態変化のエネルギーとして使用
せしめることで防止するか又は、インクの蒸発防止を目
的として放置状態で固化するインクを用いるかして、い
ずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によ
ってインクが液化してインク液状として吐出するものや
記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等
のような、熱エネルギーによって初めて液化する性質の
インク使用も本発明には適用可能である。このような場
合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特
開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔
質シート凹部又は貫通孔に液状又は固形物として保持さ
れた状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態
としても良い。本発明においては、上述した各インクに
対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行す
るものである。
【0071】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、電
気熱変換体を覆う上部保護層中にイオン交換体を含有さ
せることで、液体噴射記録ヘッドに対してイオン交換反
応を有効に適用でき、その結果、電極などの電気熱変換
体の腐食を格段に減少させることができる。これにより
、頻繁なる繰返し使用や長時間の連続使用を行っても、
耐久性、信頼性に優れた液体噴射記録ヘッドを提供する
ことができる。また、前記ヘッドを形成するために用い
られる液体噴射記録ヘッド用基体及び前記ヘッドを具備
する液体噴射記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、液体噴射記録ヘッド用基体の一例の
主要部の模式的平面図であり、(b)は、(a)につい
て一点鎖線X−Yで示す部分で切断した模式的断面図で
ある。
【図2】前述した液体噴射記録ヘッド用基体を用いて形
成された液体噴射記録ヘッドの一例の主要部を示す模式
的斜視図である。
【図3】図2に示された液体噴射記録ヘッドを具えた液
体噴射記録装置の一例の主要部を示す模式的斜視図であ
る。
【図4】フルライン型液体噴射記録ヘッドが搭載された
液体噴射記録装置の概略を示す模式的斜視図である。
【符号の説明】
101  液体噴射記録ヘッド用基体 103,104  電極層 105  支持体 106  下部層 107  発熱抵抗層 108  第1の上部保護層 109  第2の上部保護層 110  第3の上部保護層 111  熱発生部 200  液路壁 201  液路 202  吐出口 204  共通液室 205  天板 206  液体供給口 316  キャリッジ 317  駆動モータ 318  駆動ベルト 320  液体噴射記録ヘッド 322  モータ 323  伝動機構 324  プラテン 326A  キャップ 329  ガイドシャフト 330  ブレード 330A  ブレード保持部材

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  支持体と、該支持体上に設けられ発熱
    抵抗層と該発熱抵抗層に電気的に接続された電極とを有
    する電気熱変換体と、該電気熱変換体を覆う様に設けら
    れイオン交換体を含有する上部保護層と、を有する液体
    噴射記録ヘッド用基体の上に、前記電気熱変換体の熱発
    生部に対応して、液体を吐出する吐出口に連通する液路
    が設けられていることを特徴とする液体噴射記録ヘッド
  2. 【請求項2】  前記イオン交換体が無機イオン交換体
    である請求項1に記載の液体噴射記録ヘッド。
  3. 【請求項3】  前記イオン交換体が前記上部保護層中
    に1〜5wt.%含有されている請求項1に記載の液体
    噴射記録ヘッド。
  4. 【請求項4】  前記イオン交換体が前記上部保護層中
    に分散されて含有されている請求項1に記載の液体噴射
    記録ヘッド。
  5. 【請求項5】  前記イオン交換体を含有する上部保護
    層の母材が有機材料である請求項1に記載の液体噴射記
    録ヘッド。
  6. 【請求項6】  前記イオン交換体を含有する上部保護
    層の母材が無機材料である請求項1に記載の液体噴射記
    録ヘッド。
  7. 【請求項7】  前記支持体と前記電気熱変換体との間
    に下部層が介在する請求項1に記載の液体噴射記録ヘッ
    ド。
  8. 【請求項8】  前記液体が可動イオンを含む請求項1
    に記載の液体噴射記録ヘッド。
  9. 【請求項9】  前記可動イオンがナトリウムイオンで
    ある請求項8に記載の液体噴射記録ヘッド。
  10. 【請求項10】  前記可動イオンが塩素イオンである
    請求項8に記載の液体噴射記録ヘッド。
  11. 【請求項11】  前記吐出口から吐出された液体によ
    って記録がなされる被記録部材の記録領域の全幅にわた
    って前記吐出口が複数設けられたフルライン型である請
    求項1に記載の液体噴射記録ヘッド。
  12. 【請求項12】  支持体と、該支持体上に設けられ発
    熱抵抗層と該発熱抵抗層に電気的に接続された電極とを
    有する電気熱変換体と、該電気熱変換体を覆う様に設け
    られイオン交換体を含有する上部保護層と、を有するこ
    とを特徴とする液体噴射記録ヘッド用基体。
  13. 【請求項13】  前記イオン交換体が無機イオン交換
    体である請求項12に記載の液体噴射記録ヘッド用基体
  14. 【請求項14】  前記イオン交換体が前記上部保護層
    中に1〜5wt.%含有されている請求項12に記載の
    液体噴射記録ヘッド用基体。
  15. 【請求項15】  前記イオン交換体が前記上部保護層
    中に分散されて含有されている請求項12に記載の液体
    噴射記録ヘッド用基体。
  16. 【請求項16】  前記イオン交換体を含有する上部保
    護層の母材が有機材料である請求項12に記載の液体噴
    射記録ヘッド用基体。
  17. 【請求項17】  前記イオン交換体を含有する上部保
    護層の母材が無機材料である請求項12に記載の液体噴
    射記録ヘッド用基体。
  18. 【請求項18】  前記支持体と前記電気熱変換体との
    間に下部層が介在する請求項12に記載の液体噴射記録
    ヘッド用基体。
  19. 【請求項19】  支持体と、該支持体上に設けられ発
    熱抵抗層と該発熱抵抗層に電気的に接続された電極とを
    有する電気熱変換体と、該電気熱変換体を覆う様に設け
    られイオン交換体を含有する上部保護層と、を有する液
    体噴射記録ヘッド用基体の上に、前記電気熱変換体の熱
    発生部に対応して、液体を吐出する吐出口に連通する液
    路が設けられている液体噴射記録ヘッドと、前記吐出口
    から吐出された液体によって記録がなされる被記録部材
    を搬送するための搬送手段と、を具備することを特徴と
    する液体噴射記録装置。
  20. 【請求項20】  前記液体噴射記録ヘッドが、前記被
    記録部材の記録領域の全幅にわたって前記吐出口が複数
    設けられたフルライン型である請求項19に記載の液体
    噴射記録装置。
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