JPH0420519Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は静電塗装のための塗装装置に関する。

（従来の技術） 静電塗装は塗料のロスが少なく、均一な膜厚の
塗膜が得られるため広く用いられており、特に自
動車のボデーの上塗り塗装のための塗装方法とし
て優れている。静電塗装には静電エアガンを使用
する空気霧化式静電塗装、ベル、デイスク等を使
用する静電霧化式静電塗装方法及びエアレス霧化
塗装がある。これらの塗装を、自動車ボデーの塗
装ライン等で行う場合、塗装機を取り付けた昇降
架台と昇降架台の駆動手段等を設置した支柱から
なる塗装装置が使用されている。該塗装装置にお
いては、昇降架台を被塗物の高さに合わせて上下
させて塗装することができ、また塗装機を昇降架
台に沿つて往復動させることにより支柱間の被塗
物をまんべんなく塗装することができる。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、静電塗装の場合、静電塗装機に
は多数のホース類及び電線・ケーブル類、例えば
塗料ホース、高電圧ケーブル、霧化エアー、パタ
ーンエアー、ニードルエアー、アース線等が接続
されており、これらの塗料・エアホース類及び電
線・ケーブル類が静電エアガンの往復動の際に昇
降架台と接触する。これにより、昇降架台上の埃
が擦り落とされて製品の品質を低下させるととも
に、ホース類が擦れて痛み、また電線・ケーブル
類が擦れてひびが生じ絶縁破壊を起こすことによ
り、塗装機自体の耐久性を低下させるという問題
が生じていた。従つて、ホースガイドは静電エア
ガンまたはベルを往復動させた際に、塗料・エア
ホース類及び電線・ケーブル類が昇降架台にほと
んど接触することのない静電塗装装置を提供する
ことを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するために、本考案の静電塗
装装置は、昇降架台を垂直往復動可能に備え、か
つ静電塗装機を該昇降架台に水平往復動可能に取
り付けた塗装装置において、筒状のホースガイド
を昇降架台上面のほぼ中央に回転自在に設け、か
つ静電塗装機に接続される電線・ケーブル類及び
塗料・エアホース類を束ね、これを前記ホースガ
イドの内部に通し止着してなることを特徴とす
る。

静電塗装機としては、静電エアガン、ベル、デ
イスク、エアレススプレーガン等を使用すること
ができる。該塗装機は、水平往復動させることが
できるように取り付けられる。

ホースガイドに通された塗料ホース等のホース
類及び電線・ケーブル類の一端は静電エアガンに
接続され、他端はバルブ、電源、カラーチエンジ
バルブ等に接続されている。バルブ側のホース類
及び電線・ケーブル類はそのまま露出していても
よいが、好ましくは昇降架台または昇降架台上に
設けられたハウジングの内部に通される。静電エ
アガン側のホース類及び電線・ケーブル類は束ね
られており、所望によりゴムで覆うことにより保
護されていてもよい。

（作用） 本考案の静電塗装装置においては、静電塗装機
に接続されたホース類及び電線・ケーブル類がホ
ースガイドに固定されている。従つて、静電塗装
機を水平往復動させると、静電塗装機の動きに伴
つてホース類及び電線・ケーブル類が移動するた
め、また、ホースガイドと静電塗装機の間のホー
ス類及び電線・ケーブル類は束ねられているた
め、昇降架台とは殆ど接触しない。また、この際
にホースガイドが回転するため、ホース類及び電
線・ケーブル類は無理なく移動することができ
る。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図及び第２図に示すように、静電塗装装置
１は、静電エアガン２が往復動自在に取り付けら
れた昇降架台３と、該昇降架台３を上下動させる
ための駆動手段（図示せず）及びカラーチエンジ
バルブ４が設置された支柱５，５からなる。昇降
架台３のカラーチエンジバルブ側の端部上面には
トリガバルブ、ダンプバルブ等を収納したバルブ
類収納箱６が取り付けられている。また、昇降架
台３のほぼ中央部には360度回転自在のホースガ
イド８が設けられており、バルブ類収納箱６とホ
ースガイド８は、昇降架台３上に設けられたハウ
ジング７により連絡されている。ホースガイド８
は第４図に示すように外筒８ａと内筒８ｂからな
り、外筒８ａはハウジング７の上面に固定され、
内筒８ｂは外筒８ａに回転可能に挿入されてい
る。ホースガイドとしては、第５図に示すよう
な、外筒８a′にエルボ形状の内筒８b′を回転可能
に挿入してなるホースガイド８′を使用してもよ
い。カラーチエンジバルブ４とバルブ類収納箱６
内のバルブ、及びバルブ類収納箱６内のバルブと
静電エアガン２とは霧化エアー、パターンエア
ー、ニードルエアー、塗料ホース等のホース類及
び高電圧ケーブル、アース線等の電線・ケーブル
類により接続されており、該ホース類及び電線・
ケーブル類９は、カラーチエンジバルブ４からバ
ルブ類収納箱６、ハウジング７を経て、ホースガ
イド内に入り、ホースガイドの内筒８ｂの内壁に
固定され、そこから外部に出て、静電エアガンに
至る。ホースガイド８から静電エアガン２に至る
部分のホース類及び電線・ケーブル類９は、第３
図に示すように束ねられている。昇降架台３は被
塗物１０の高さに合わせて上下動し、それに伴つ
て静電エアガン２も矢印Ａの方向に上下動し、ま
た静電エアガン２は矢印Ｂの方向に往復動し、そ
れに伴つてホース類９がホースガイド８を回転さ
せながら矢印Ｃの方向に往復動する。

（考案の効果） 本考案の静電塗装装置により塗装を行つた場
合、静電塗装機に接続される塗料・エアホース類
及び電線・ケーブル類は回転自由なホースガイド
に固定されており、また束ねられているため、昇
降架台と殆ど接触せず、従つて、昇降架台の埃が
こすり落とされることがなく、優れた塗装品を提
供することができる。また、ホース類が擦れた
り、電線・ケーブル類が擦れて絶縁破壊を起こし
たりすることもなく、ホース類及び電線・ケーブ
ル類の耐久性の点でも優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例の静電塗装装置を
示す上面図、第２図は該静電塗装装置を示す正面
図、第３図が該静電塗装装置の静電エアガンを示
す図、第４図は該静電塗装装置のホースガイドを
示す図、第５図は該静電塗装装置の他のホースガ
イドを示す図である。 １……静電塗装装置、２……静電エアガン、３
……昇降架台、４……カラーチエンジバルブ、５
……支柱、９……ホース類及び電線・ケーブル
類。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 昇降架台を垂直往復動可能に備え、かつ静電塗
   装機を該昇降架台に水平往復動可能に取り付けた
   塗装装置において、筒状のホースガイドを昇降架
   台上面のほぼ中央に回転自在に設け、かつ静電塗
   装機に接続される電線・ケーブル類及び塗料・エ
   アホース類を束ね、これを前記ホースガイドの内
   部に通し止着してなることを特徴とする静電塗装
   装置。