JPH0420473Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、夏期には滑降路にプール水を流し
て、水流と共に滑る、流水式滑り台として使用
し、夏期以外の期間は水流を利用しない乾式の滑
り台として使用するように形成した夏冬兼用滑り
台に関するものである。

（従来の技術） 従来例における滑り台は、夏期に使用する流水
式滑り台か、年間を通じて使用する乾式滑り台の
いずれかであつて、夏期及び夏期以外の期間中に
も使用する流水式と乾式を兼用した滑り台は存在
していない。

すなわち、流水式滑り台はプール施設に併設さ
れることが多く、プール水を利用して滑降し、プ
ール内に滑り降りるため、利用期間は年間を通じ
て２乃至３ケ月間と短期間に限られ、しかも夏期
に限定されている。

一方水を使用しない乾式の滑り台は公園施設内
に設けられることが多く、砂場に滑り降りるよう
に構成され、夏期以外の期間に多く使用され、暑
い夏期には少ない傾向にある。

いずれも、地面から鉛直上方に高く突出して設
けた複数本の支柱を支えとして、上方から下方に
なだらかな傾斜で旋回しながら下降する滑降路を
設けて形成し、流水式滑り台では、プール施設
を、乾式では砂場施設を併設して形成されてい
る。

（考案が解決しようとする問題点） 従来例における滑り台は、流水式のものでも、
乾式のものでも、その利用する期間が片寄り、使
用しない期間は、遊休施設となり、使用期間が短
い割には高い建設費がかかり、特に流水式のもの
では、使用しない時期にも多大な維持費を必要と
する問題点が存在した。

また、これらの費用は使用期間中の使用料とし
て価格に転化され、直接コスト高となる問題点も
併在する。

（問題点を解決するための手段） この考案においては、上方から下方になだらか
に下降する一本の中央滑降路と当該一本の中央滑
降路の下方部に、プール施設に連通する一本の流
水専用滑降路と、砂場施設に連通する一本の乾式
専用滑降路を設けると共に、中央滑降路と流水専
用滑降路の接続と中央滑降路と乾式専用滑降路と
の接続を切換る分岐滑降路を設けて形成し、当該
分岐滑降路を切換えて、流水式滑り台と乾式滑り
台に使用出来るように形成して上述の問題点を解
決した夏冬兼用滑り台を提供することを目的とす
るものである。

（実施例） この考案を図示の実施例に基づいて詳細に説明
する。

第１図は、この考案に係わる夏冬兼用滑り台の
全体説明図である。図中１は基柱部、２は昇降装
置、３は展望台、４は中央滑降路、７は流水専用
滑降路、８は乾式専用滑降路、９は分岐滑降路で
ある。基柱部１は全体を支える支持架構で内部に
昇降装置、例えばエレベーター、エスカレーター
若しくは階段を設けて形成する。

また、基柱部１は円形若しくは多角形状の横断
面形状に形成し、全体として美的で楽しいムード
を作り出せるように形成する。

また、基柱部１の最上段には展望台３を設け、
周囲が展望できるように形成する。

さらに展望台３の下部にステージ１１を設け
る。ステージ１１は昇降装置２の終点と、中央滑
降路の４の入口を設けるプラツトホームで、基柱
部１に直交するように形成する。

中央滑降路４は、合成樹脂材で筒体若しくはＵ
字形状の開渠に形成する。

当該中央滑降路４は、基柱部１の周囲を螺旋状
に旋回するように形成し、流水式としても、また
乾式としても滑降できる傾斜角、例えば平均勾配
を15度乃至20度に形成する。

すなわち滑降速度を乾式滑り台として使用した
場合に、４メートル毎秒程度、また流水式として
使用した場合は10メートル毎秒程度をもたせるよ
うに形成する。

また中央滑降路４下部は、流水専用滑降路７と
乾式専用滑降路８を設け、両者を分岐する分岐滑
降路９を設けて形成する。

流水専用滑降路７も乾式専用滑降路８も、合成
樹脂材で形成し、中央滑降路４と同形状に形成す
る。

また流水専用滑降路７は平均勾配を６度乃至７
度のゆるやかなな傾斜に形成し出口部はプール５
に突出するように形成する。

また乾式専用滑降路８は平均勾配を15度乃至20
度の傾斜に形成し、出口部は砂場６に設け、滑降
路出口から砂場に滑り出るように形成する。

また、中央滑降路４と流水専用滑降路７を接続
して使用する期間中には、乾式専用滑降路８の入
口に接続する乾式専用ゲート１３および乾式専用
階段１４を利用して、乾式専用滑降路８を乾式専
用滑り台として使用するように形成する。

分岐滑降路９は第２図および第３図に示すよう
に、地面上に設けた分岐架台１０に円板状の回転
台１２を回転自在に固定し、当該回転台１２の上
面に固定して形成する。

分岐滑降路９は中央滑降路４および流水専用滑
降路７並びに乾式滑降路８と同一径又は同一形状
のＵ形開渠に形成した湾曲路に形成する。

すなわち、分岐滑降路９の一の開口端を中央滑
降路４の出口端に接続したとき、他方の開口端は
流水専用滑降路７の入口端に接続するように形成
し、回転台１２を回転して、流水専用滑降路７と
接続していた他方の開口端を中央滑降路４の出口
端に接続した場合に、一の開口端が乾式専用滑降
路８の入口端に接続するように形成する。

また回転台１２は滑降路の勾配に合わせて傾斜
して取り付けておく。

次に他の実施例について説明する。

第１の実施例では分岐滑降路９を回転させるよ
うに形成した。

第２の実施例では、第４図に示すように、分岐
滑降路９０は、中央滑降路４の出口端と流水専用
滑降路７の入口端および乾式専用滑降路８の入口
端に接続する二股路に形成し、内股の分岐点に、
当該分岐点を中心に回転する仕切円板１５を設け
て形成する。

仕切円板１５は回転軸１６と一体に形成し、回
転軸１６を回転させて仕切円板１５を、流水及び
乾式の各々の入口部に設けた仕切溝１７に差し込
んで密着固定する。

この場合、回転軸１６は一定の角度を正逆に交
互回転するように形成する。

次に第３の実施例について説明する。

第３の実施例は第５図に示すように、分岐滑降
路９１を一本の滑降路で形成し、分岐滑降路９１
の一の開口端と中央滑降路４との接続縁下端を分
岐支点１８として、この分岐滑降路９１を上下に
回転させるように形成したもので、流水専用滑降
路７と乾式専用滑降路８が上下に位置している場
合に利点を有する。

すなわち、中央滑降路４の出口端と分岐滑降路
９１の一の開口端が接続し、流水専用滑降路７の
入口端と分岐滑降路９１の他の開口端が接続して
いる場合に、分岐滑降路９１を回転し、他の開口
端を乾式専用滑降路８の入口端に接続するように
形成する。

次に第４の実施例について説明する。

第４の実施例は第６図に示すように、分岐滑降
路９２を一本の滑降路で形成し、分岐滑降路９２
の一の開口端と中央滑降路４との接続縁横部の分
岐支点１９を中心として、分岐滑降路９２を左右
に回転されるように形成したものである。

（効果） この考案においては、分岐滑降路を切換えて、
流水式滑り台としても使用し、乾式滑り台として
も使用できるので、夏期も冬期も四季を問わず使
用できる。

従つて遊休期間がなく効率よい滑り台の活用が
可能となる。

また中央滑降路は高く形成できるので、滑降時
間の長い、かつ、分岐滑降路を自在に切換えて、
変化に富んだ滑りを楽しめる滑り台の提供が可能
となる。また、中央滑降路は兼用して使用される
ので、設備費が割安に出来る利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係わる夏冬兼用滑り台の一
部を欠除した全体説明図、第２図は第１の実施例
における分岐滑降路の平面説明図、第３図はその
斜視図、第４図は第２の実施例における分岐滑降
路の一部を欠如した説明図、第５図は第３の実施
例における分岐滑降路の一部を欠除した側面説明
図、第６図は第４の実施例における分岐滑降路の
平面説明図である。 １……基柱部、４……中央滑降路、５……プー
ル、６……砂場、７……流水専用滑降路、８……
乾式専用滑降路、９，９０，９１，９２……分岐
滑降路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上方から下方になだらかに下降する一本の中央
   滑降路と、当該一本の中央滑降路の下方に、プー
   ル施設に連通する一本の流水専用滑降路と、砂場
   施設に連通する一本の乾式専用滑降路を設けると
   共に、中央滑降路と流水専用滑降路との接続と、
   中央滑降路と乾式専用滑降路との接続を切換る分
   岐滑降路を設けて形成し、当該分岐滑降路を切換
   えて、流水式滑り台と乾式滑り台に使用出来るよ
   うに形成したことを特徴とする夏冬兼用滑り台。