JPH0420400Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は衣類乾燥機、電子レンジ等の電気機器
の開口部に配設される扉体の開閉装置に係り、更
に詳しくは扉体に脱落防止機構を設けた扉開閉装
置に関する。

〈従来の技術〉 第１０図は従来の例えば衣類乾燥機の機器本体
１に扉体２を取り付ける状態の分解斜視図であ
る。機器本体１はその略中央に物品出入用の開口
部３を形成する。この開口部３の右側部Ｒ及び左
側部Ｌにフツク軸４，４と支持軸５，５…を設
け、夫々保持片４ａ，４ａ…と保持片５ａ，５ａ
…で固着されている。又支持軸５，５の太さは後
述する支持部材のＵ字状溝の内径と略等しく形成
される。

一方扉体２の右切欠部ｒ及び左切欠部ｌには
夫々把手６ｒ，６ｌが把手軸６ａ，６ａを枢軸と
して回転自在に取り付けられる。更に両把手６
ｒ，６ｌの内面側、所謂機器本体側に鉤状のフツ
ク４ｒ，４ｌを突設する。そして扉体の内面で且
つフツク４ｒ，４ｌの上、、下方に支持部材５ｂ，
５ｂ…を取り付ける。この支持部材５ｂ，５ｂに
は、機器本体側に開口したＵ字状溝５ｃ，５ｃが
夫々形成されている。第１１図の一部破断斜視図
に示す様に、上記構成を持つ機器本体１と扉体２
は、支持軸５，５に対して支持部材５ｂ，５ｂが
嵌合し、且つフツク４ｒ，４ｌがフツク軸４，４
に掛合して一体所謂閉じられる。そして第１２図
の平断面図に示す様に、把手６ｌを回動してフツ
ク４ｌをフツク軸４から解放すれば、フツク４ｒ
はフツク軸４に掛合したままとなり、扉体２は右
側の支持軸５，５を中心にして開扉する。又同様
にして把手６ｒを回動させると、上記とは逆に左
側の支持軸５，５を中心にして扉体２は開扉す
る。この様に扉体２は左右両方向に開閉できるも
のである。

〈考案が解決しようとする問題点〉 しかし上記の様な扉開閉装置にあつては、扉体
の閉扉時のみならず、開扉時において両方の把手
を同時に回動させると、両方の掛合状態が同時に
解かれて扉体が機器本体から外れ、従つて脱落事
故等が生じる問題があつた。

〈問題点を解決するための手段〉 従つて本考案は、機器本体のフツク軸の上部と
下部に係止突片を形成するとともに、扉体の左右
フツク間に横移動自在な作動桿を配設し、この作
動桿の両端に係止孔を設けて扉体の開扉において
も該係止孔を係止突片に係着させることにより、
扉体の完全な脱落を防止するものである。

〈作用〉 上記手段により一方の把手を回動してフツクを
作動させると、作動桿が移動して他方のフツクの
動作が阻止される。そして作動桿に設けられた係
止孔を係止突片に係着させて扉体を回動する。

〈実施例〉 以下本考案の一実施例を第１図乃至第９図に基
づいて説明すると、尚従来例で説明した構成部品
と相異ないものについては同一の番号を付して説
明する。

第１図は本考案による機器本体１と扉体２の取
付状態を示す分解斜視図、第２図はフツク軸４の
斜視図、第３図は作動桿７の斜視図である。

機器本体１と扉体２の概略構成は従来例と同様
であるので省略する。

図において、フツク軸４は一対の保持片４ａ，
４ａで機器本体１の前面に固着され、該保持片４
ａ，４ａの上、下部に夫々係止突片４ｂ，４ｂ…
が形成される。この係止突片４ｂ，４ｂは短辺４
b₁と長辺４b₂により略直方体に形成され、長辺４
b₂は機器本体１と略平行となる様に設けられる。
一方扉体２に配設する作動桿７は、両端部に当接
端７ｌ，７ｒが設けられ、この上下に夫々耳辺７
ａ，７ａを設けたもので、この耳辺７ａ，７ａに
は前記係止突片４ｂの長辺４b₂と同長の径である
係止孔７ｂ，７ｂ…が穿設され、各係止孔７ｂ，
７ｂの外方側には前記係止突片４ｂの短辺４b₁と
略同幅の切欠７ｃ，７ｃ…が形成されている。上
記構成の作動桿７は第４図の一部破断斜視図に示
す様に、扉体２の裏面に取り付けられたガイド
８，８…に案内されて横移動自在に設けられてい
る。

上記構成の扉体２は、機器本体１に対してその
支持部材５ｂ，５ｂ…が支持軸５，５…に係着
し、更にフツク４ｒ，４ｌがフツク軸４，４に
夫々掛合することにより取着する。この扉体２の
閉扉状態においては、第５図の平断面図で示す如
く、作動桿７がフツク４ｒ，４ｌの中間に配置さ
れている。

次に扉体２の回動について説明する。先ず扉体
２を反時計回転方向に回動させるには、第６図の
平断面図で示す如く、把手６ｌを回動させてフツ
ク４ｌをフツク軸４から解放する。この時フツク
４ｌが作動桿７の当接端７ｌを押圧し、作動桿７
を図面に向つて右側に移動させる。すると反対側
の当接端７ｒによりフツク４ｒが押圧され、耳片
７ａに設けられた係止孔７ｂの切欠７ｃが係止突
片４ｂの短辺４b₁に挿入され、第７図の平断面図
に示す如く、耳片７ａは係止突片４ｂに係着す
る。すなわち係止突片４ｂの長辺４b₂は、係止孔
７ｂの径よりも幾分小さく形成されているので、
係止突片４ｂは係止孔７ｂ内を回動自在となる。

斯かる状態において、把手６ｌを更に手前に引
くと、扉体２は第８図の平断面図で示す状態に開
扉される。この開扉状態において把手６ｒを操作
しても、前述の如く係止孔７ｂに係止突片４ｂが
係着し、且つ作動桿７によりフツク４ｒが押圧さ
れているので扉体２は外れない。又閉扉状態にお
いても第９図の平断面図で示す如く、作動桿７が
フツク４ｌ，４ｒの動作を阻止し、扉体２の外れ
が防止される。尚扉体を時計の回転方向に回動さ
せる場合には、上記操作を把手６ｒを中心に行え
ば同様の作動が得られる。

〈考案の効果〉 上記の様に本考案による扉開閉装置は、開閉作
動中に扉体が脱落することなく、極めて安全性の
高い扉開閉装置である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す分解斜視
図、第２図は、フツク軸を説明する斜視図、第３
図は、作動桿を説明する斜視図、第４図は、機器
本体と扉体との取着状態を示す一部破断斜視図、
第５図は、同平断面図、第６図は、フツクと作動
桿の動作を示す平断面図、第７図は、係止孔と係
止突片の係着を示す平断面図、第８図は、扉体開
扉状態を示す平断面図、第９図は、扉体閉扉状態
での作動桿の動作を示す平断面図、第１０図は、
従来例を示す分解斜視図、第１１図は、同一部破
断斜視図、第１２図は、同扉体の平断面図であ
る。 尚、図中１は機器本体、２は扉体、３は開口
部、４はフツク軸、４ｂは係止突片、４ｒはフツ
ク、５は支持軸、５ｂは支持部材、７は作動桿、
７ｂは係止孔である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 扉体の左右両側部にフツクと支持部材を設ける
   とともに、機器本体の開口部左右に前記扉体のフ
   ツクと掛合するフツク軸と、前記支持部材と係着
   する支持軸を設けて、前記の左右何れか一方のフ
   ツクをフツク軸から解放し、他方のフツクをフツ
   ク軸に掛合して扉体を開閉自在とするものにおい
   て、 前記フツク軸の上部と下部に係止突片を形成す
   るとともに、前記の左右フツク間に作動桿を横移
   動自在に配設し、該作動桿の両端部に係止孔を設
   けたものであつて、 何れか一方のフツクをフツク軸から解放した際
   に他方のフツクが掛合するフツク軸に設けられた
   係合突片に、前記作動桿の係止孔を押圧して係着
   させることを特徴とする電気機器の扉開閉装置。