JPH0420370Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、特に家庭で焼おにぎりをつくるの
に好適な焼おにぎり調理用電熱器に関するもので
ある。

［従来の技術］ 一般家庭で焼おにぎりをつくるには、コンロで
焼網を載せて焼くか、オーブンを用いているのが
現状である。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、コンロを用いる場合、下面から
のみ加熱されるので、おにぎりを裏返しする手間
を要するばかりでなく、裏返しの際、おにぎりの
表面部分が焼網にこびりついて、表面だけが剥が
れてしまうという失敗が起こりやすい。また、オ
ーブンは上下からの輻射熱を利用しているのでお
にぎりを裏返す手間は省けるが、一般に大型なの
で熱消費の無駄が多い。

そこで本考案は、このような問題を解決するた
めに成されたもので、無駄のない熱消費でおにぎ
りを一度に両面から加熱することができ、しかも
片面加熱用調理器としても有用な焼おにぎり調理
用電熱器を提供することを目的としている。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案による調理
用電熱器は、それぞれが有底凹部を有し、向かい
合わせに重ねられたときに閉鎖された加熱室を画
成するように別体に形成された一対の熱伝導性外
殻部材と、閉鎖された両外殻部材内に収容可能な
熱伝導性型部材とを有し、各外殻部材が、少なく
とも底板のほぼ全域にわたつて配線されて電気的
に外部に接続された発熱線を内蔵し、前記熱伝導
性型部材が、少なくとも全側面を囲繞する有底ま
たは無底の筒形状を有し、前記閉鎖された加熱室
内にその一端面が少なくとも一方の外殻部材の底
面に接するように一個または複数載置可能である
ことを特徴としている。

［作用］ 熱伝導性型部材に米飯を詰め込み、両外殻部材
を重ね合わせた閉鎖された加熱室に載置して加熱
すれば、米飯は各外殻部材の底板に内蔵された発
熱線によつて両面から同時に加熱されるととも
に、外殻部材の底板から直接熱伝導により加熱さ
れた型部材によつて側部材も同時に加熱されるの
で、周囲全体から同時に加熱されることとなり、
裏返すことなく米飯を均一にかつ効率的に焼くこ
とができる。また、両外殻部材を分離して、それ
ぞれを独立の片面加熱調理器として用いることも
できる。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図及び第２図は本考案の一実施例による焼
おにぎり調理用電熱器の斜視図及び断面図、第３
図はこれに使用する型部材の斜視図である。

焼おにぎり調理用電熱器本体１は分離可能な上
半分１０と、下半部２０とから成る。上下両半部
１０，２０は底板１１，２１と側壁１２，２２と
から成り、有底凹部を画成する外殻部材で、鉄な
どの熱伝導体によりそれぞれ一体に形成されてい
る。底板１１，２１と側壁１２，２２はほぼ全域
にわたつて配線された発熱線１３，２３を内蔵
し、発熱線１３，２３は側壁１２，２２に取付け
られた端子１４，２４を介して、ぞれぞれ図示し
ない電気コードによつて外部に導かれている。ま
た、側壁１２，２２にはそれぞれ、熱伝導率の低
い材料で形成された一対の把手１５，２５が取付
けられており、各把手１５，２５の端部は上下両
半部１０，２０の底面より外方に突き出し、この
突き出し部１５ａ，２５ａが脚となつている。

両半部１０，２０は、第１図及び第２図に示す
ように各側壁１２，２２が当接するように重ね合
わされたとき、閉鎖された両面加熱用加熱室３０
を画成するが、両者は分離可能である。

第３図に示した型部材４０は側壁４１によつて
おにぎりの外形として適当な形状、寸法の内部空
間４２を画成する無底の筒状部材で、鉄などの熱
伝導性に優れた材料で形成され、一個または数個
同時に加熱室３０内に配置可能である。

このような構成を有する調理用電熱器本体１及
び型部材４０を用いて焼おにぎりをつくるとき
は、各内部空間４２内に米飯をいつぱいに詰め込
み、一端面が下半部２０の底板２１に接するよう
に加熱室３０内に置き、上半部１０で蓋をして加
熱室３０を閉じて加熱する。

おにぎり５０は、上下両半部１０，２０の全面
にわたつて配線された発熱線１３，２３からの熱
を上下から受けるとともに底板２１の熱が型部材
４０に直接伝導され、その熱によりおにぎり５０
の側面が焼かれるため、裏返す手間を要すること
なく、しかも数個のおにぎりを加熱室３０内に載
置しても他のおにぎりによつて熱の供給を遮られ
ることなく、全表面がほぼ均一に焼かれることに
なる。

本考案による調理用電熱器本体１は、上下両半
部１０，２０を分離して、底板１１，２１が下に
なる状態に置かれたときは、それぞれが独立の片
面加熱用調理器として機能するので、卓上電熱鍋
あるいは電熱鉄板として利用できる。

図示した調理用電熱器本体１では１１，２１ば
かりでなく側壁１２，２２にも発熱線１３，２３
を配線しているが、側壁１２，２２の部分は省略
しても上下からの輻射熱で充分な焼き上がりが期
待できる。

また、両半部１０，２０の内表面、特に底板１
１，２１の内表面及び型部材４０の内表面にはテ
フロン（商標）加工など、被調理物の剥離を容易
にする表面処理を施すのが望ましい。

［考案の効果］ 以上述べたように、本考案による調理用電熱器
は分離可能な熱伝導性上下両半部にそれぞれ発熱
線を配線し、上下両半部を重ね合わせたときに加
熱室内の被調理物を全方向から加熱できるように
なし、また熱伝導性型部材を用いているので、複
数個のおにぎりの全表面を一度に均一に加熱で
き、裏返すなどの手間を省くことができるととも
に、上下両半部を分離してそれぞれを独立の加熱
調理器としても利用でき、実用上極めて簡便且つ
有益である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例による焼おにぎり調
理用電熱器の斜視図、第２図はこの調理用電熱器
の断面図、第３図はこれに使用する型部材の斜視
図である。 １……調理用電熱器本体（外殻部材）、１０…
…上半部、１１，２１……底板、１２，２２……
側壁、１３，２３……発熱線、１４，２４……端
子、１５，２５……把手、２０……下半部、３０
……加熱室、４０……型部材、５０……おにぎ
り。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 それぞれが有底凹部を有し、向かい合わせに重
   ねられたときに閉鎖された加熱室を画成するよう
   に別体に形成された一対の熱伝導性外殻部材と、
   閉鎖された両外殻部材内に収容可能な熱伝導性型
   部材とを有し、 各外殻部材が、少なくとも底板のほぼ全域にわ
   たつて配線されて電気的に外部に接続された発熱
   線を内蔵し、 前記熱伝導性型部材が、少なくとも全側面を囲
   繞する有底または無底の筒形状を有し、前記閉鎖
   された加熱室内にその一端面が少なくとも一方の
   外殻部材の底面に接するように一個または数個載
   置可能であることを特徴とする焼おにぎり調理用
   電熱器。