JPH0420269Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はシートバツクの折りたたみ機構を備
えた車両用シートにおいて、シートバツクのリク
ライニング角度を変更するために装備されるリク
ライニング装置に関する。

（従来の技術） 従来のリクライニング装置では、例えば第８図
に示すように、ボデイ側に固定されたストライカ
ｓには複数個の凹部ｏが前後方向に配列され、シ
ートバツクｂに設けたロツク部材ｒを凹部ｏに対
し選択的に係入させてシートバツクｂのリクライ
ニング角度を調節していた。

（考案が解決しようとする問題点） リクライニングシート用のシートバツクに取着
されるロツク部材と、リクライニング装置が装備
されない固定タイプのシートバツクに取着される
ロツク部材とは相異し、またボデイ側に取着され
るストライカについても同様であるため、異種の
ロツク部材を備えた２仕様のシートと、異種のス
トライカ機構を備えた２仕様のボデイとが必要と
なつて、ボデイおよびシートの品種数が増加する
問題点があつた。

本考案の目的は上記問題点を解消して共通のロ
ツク部材をリクライニングシートのシートバツク
および固定タイプのシートバツクに適用しうるよ
うにした車両用シートのリクライニング装置を提
供することである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は車室の側面にはシートバツクに取着さ
れたロツク部材を解離可能に掛止するためのスト
ライカが固着されたストライカベースを、シート
バツクのリクライニング姿勢を変更するために前
後方向への変位可能に支持した車両用シートのリ
クライニング装置を要旨とするものである。

（作用） 本考案装置はシートバツクのリクライニング角
度を変更するに際し、車室側面に支持されてスト
ライカが固着されたストライカベースを前後方向
へ変位させてストライカと、シートバツクに取着
されたロツク部材との掛合位置を前後方向へ変位
させるように構成したものである。

（実施例） 次に、本考案の第１実施例を第１図〜第４図に
したがつて説明する。

車室内に設置されたシートＳはシートバツク１
の折りたたみ機構を備えるとともに、シートバツ
ク１はその下端に設けたヒンジ２を支点として前
後方向への傾動可能に枢支されている。

シートバツク１のリクライニング角度を変更お
よび規定するために装備されたリクライニング装
置のロツク部材３はシートバツク１の上部外端に
対し埋込み状態で垂直回動可能に取着され、この
ロツク部材３の中央部には掛合部３ａが凹設さ
れ、シートバツク１の上端面から突出されたつま
み４を上下動操作してロツク部材３を掛合部３ａ
が後側に配置される姿勢と、下側に配置される姿
勢とに変換させることができる。

車室側面５に対しロツク部材３に対向して装着
されたストライカ機構Ｋにおいて、ほぼ惰円板状
のストライカベース６はその一端部に挿通された
ブツシユ８およびこのブツシユ８を貫通して車室
側面５のねじ孔９に螺嵌された支持ボルト１０を
介して車室側面５に対し回動支点ａの回りの回動
可能に枢着されている。ストライカベース６には
コ型状に曲折されたストライカ７がロツク部材３
の掛合部３ａを解離可能に掛止するために固着さ
れて内方へ横出されるとともに、ストライカベー
ス６の自由端部には回動支点ａの前方のねじ孔１
１に螺嵌された前係止ピン１２に係合させるため
の第１係合凹部６ａと、回動支点ａの後方のねじ
孔１３に螺嵌された後係止ピン１４に係合させる
ための第２係合凹部６ｂとが相互に逆向き状で若
干喰違い状に凹設されている。そして、ストライ
カベース６を反時計回りに回動して第１係合凹部
６ａを前係止ピン１２に係合させたときにはスト
ライカベース６の前後両端部が前係止ピン１２お
よび支持ボルト１０で支持されてストライカ７が
回動支点ａの前方に配置される一方、ストライカ
ベースを時計回りに回動して第２係合凹部６ｂを
後係止ピン１４に係合させたときにはストライカ
７の前後両端部が支持ボルト１０および後係止ピ
ン１４で支持させてストライカ７が回動支点ａの
後方に配置され、ロツク部材３がストライカ７に
掛止される位置を回動支点ａの前方および後方へ
変位してシートバツク１のリクライニング角度を
緩急２段階に変更することができる。

続いて、上記した構成をもつ実施例の作用と効
果を説明する。

さて、本例では車室側面５にはシートバツク１
に取着されたロツク部材３を解離可能に掛止する
ためのストライカ７が固着されたストライカベー
ス６を、シートバツク１のリクライニング姿勢を
変更するために前後方向への回動変位可能に支持
してある。

このため、シートバツク１のリクライニング姿
勢をワンタツチで容易に変更しうるとともに、ス
トライカ機構Ｋに代えて、固定タイプのシートバ
ツク用のストライカ機構を車室側面５にねじ孔
９，１１，１３を利用して締着すると、ストライ
カ機構を変更するだけで同形状のロツク部材３を
リクライニングシート用のストライカ機構Ｋと、
固定タイプのシートバツク用のストライカ機構と
に適用してロツク部材３を共通化することがで
き、リクライニング機構のコストを節減しうると
ともに、異種のロツク部材をそれぞれ装備したシ
ートバツクが必要となる不具合を排除しうる効果
がある。

次に、本考案の第２実施例を第５図，第６図に
従つて説明すると、本例では車室側面には断面が
ほぼコ型状で横長状のガイドレール１５が車室側
面５Ａのねじ孔１６，１６に螺嵌されたボルト１
７，１７を介して水平状に締着され、このガイド
レール１５の上片１５ａには複数個の調節孔１８
〜１８が貫通されて前後方向に配列されるととも
に、ガイドレール１５内には直方体状のストライ
カベース６Ａがスライド可能に嵌合されている。
ストライカベース６Ａの内側面にはシートバツク
のロツク部材を解離可能に掛止するために内方へ
横出されたストライカ７Ａが固着されるととも
に、ストライカ７Ａの若干上方でストライカベー
ス６Ａの内側面には上片１９ａがガイドレール１
５の上片１５ａの上方へ平行状に延出されたロツ
クベース１９が固着されている。ロツクベース１
９の上片１９ａにはストライカベース６Ａの上面
に凹設された係止孔２０内に対しガイドレール１
５の調節孔１８を貫通して挿脱可能に係入された
ロツクプレート２１が垂直状に貫挿され、このロ
ツクプレート２１はスプリング２２で下方へ付勢
されるとともに、ロツクプレート２１の上端には
ノブ２１ａが嵌着されていて、ノブ２１ａを持上
げてロツクプレート２１を係止孔２０および調節
孔１８内から引抜いた状態でロツクプレート２１
をストライカベース６Ａおよびストライカ７Ａと
ともに前後方向へ移動調節しかつ所望の調節孔１
８に貫挿してストライカ７Ａを所望位置でロツク
し、ロツク部材とストライカ７Ａとの係合位置を
前後方向へ変位してシートバツクのリクライニン
グ角度を変更することができる。また、車室側面
の両ねじ孔１６を利用して固定タイプのシートバ
ツク用のストライカ機構を車室側面に締着するこ
とができる。

次に、第７図に示す本考案の第３実施例につい
て説明すると、本例では車室側面に締着されたガ
イドレール２５には後端にハンドル２６ａを備え
た調節ねじ２６が前後方向に沿つて貫挿されて可
転支持されるとともに、この調節ねじ２６はスト
ライカ７Ｂが固着された直方体状のストライカベ
ース６Ｂに対し貫通状に螺嵌され、ハンドル２６
ａを正逆に回転操作してストライカ７Ｂをストラ
イカベース６Ｂとともに調節ねじ２６の軸方向へ
移動調節することができる。

なお、第２実施例および第３実施例のその他の
作用効果については第１実施例とほぼ同様である
ため、その説明を省略する。

（考案の効果） すなわち、本考案は車室の側面にはシートバツ
クに取着されたロツク部材を解離可能に掛止する
ためのストライカが固着されたストライカベース
を、シートバツクのリクライニング姿勢を変更す
るために前後方向への変位可能に支持したことに
よつて、共通のロツク部材をリクライニングシー
ト用のストライカ機構と、固定タイプのシートバ
ツク用のストライカ機構とに適用することがで
き、ストライカ機構を変更するだけでロツク部材
の共通化が可能となつて、リクライニング装置の
コストを節減しうる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本考案の第１実施例を示すも
ので、第１図は要部の斜視図、第２図はシートの
斜視図、第３図は同じく側面図、第４図はストラ
イカ機構の分解斜視図、第５図は第２実施例のス
トライカ機構を示す斜視図、第６図は同じく拡大
縦断面図、第７図は第３実施例のストライカ機構
を示す斜視図、第８図は従来のリクライニング装
置の例を示す斜視図である。 １……シートバツク、３……ロツク部材、６，
６Ａ，６Ｂ……ストライカベース、７，７Ａ，７
Ｂ……ストライカ、Ｋ……ストライカ機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車室の側面にはシートバツクに取着されたロツ
   ク部材を解離可能に掛止するためのストライカが
   固着されたストライカベースを、シートバツクの
   リクライニング姿勢を変更するために前後方向へ
   の変位可能に支持したことを特徴とする車両用シ
   ートのリクライニング装置。