JPH04198383A - 表面保護フィルム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、合成樹脂板、化粧合板、金属板などの表面に
仮着し、塵の付着や傷つきがないように、その表面を保
護するのに使用する表面保護フィルムに関し、さらに詳
しくは、改善された粘着剤層を有する再剥離性に優れた
表面保護フィルムに関する。

〔従来の技術〕

合成樹脂板、化粧合板、金属板等の表面を加工時および
搬送時の傷防止や汚れの防止のために、表面保護フィル
ムが賞用されている。

表面保護フィルムは、一般に、ポリオレフィンなどの熱
可塑性樹脂からなる基材フィルムの片面に、粘着剤層が
形成された構造を有しており、適度の粘着性（仮着性）
を有するとともに、使用後に、各種被着体の表面を粘着
剤で汚染することなく剥すことができなければならない
。また、表面保護フィルムの製造にあたっては、粘着剤
成分と基材層を形成する熱可塑性樹脂とを共に押出して
積層するいわゆる共押出法が採用されることが多いため
、粘着剤層の材料は、押出特性や製膜性の良好なものが
望ましい。

この種の表面保護フィルムとして、例えば、特公昭５５
−１１９０号公報には、ポリエチレンからなる基材フィ
ルムの片面に、エチレン−αオレフイン共重合体エラス
トマー、低結晶性ポリオレフィンおよびこれらの混合物
のうち一種あるいはこれとエチレン−酢酸ビニル共重合
体との混合物からなる接着剤層を設ける技術が開示され
ている。

ところが、この表面保護フィルムは、貼付は初期の粘着
性は良好であるが、貼付は後の経時粘着性が著しく昂進
する。そのため、要済み後の表面保護フィルムを物品か
ら容易に剥離できず、剥離作業に手間を要し、また急い
で剥離すると、糊残り（粘着剤の残存）したり、基材フ
ィルムが伸びて破断するという問題点があった。

特に、表面保護フィルムが貼付され物品が、例えば、熱
成形加工や塗装後の乾燥工程などにより高温に曝された
り、あるいは中温に長期間保存された場合に、粘着力の
昂進傾向が大きい。具体的には、合成樹脂板の分野にお
いて、板の傷つき、ゴミの付着防止のため、表面保護フ
ィルムを貼付した状態で各種の加工が行なわれるが、そ
の際、比較的高温での熱処理を行なうことが多い。例え
ば、ポリカーボネート樹脂板は、表面保護フィルム貼付
後、印刷加工や真空成型加工が行なわれるが、印刷加工
の際には、インクを乾燥させるため、９０℃で３０分程
度の加熱処理が、また、真空成型加工の際には、１６０
℃で３０分程度の加熱処理が施される。印刷加工では、
印刷が施される面の表面保護フィルムは剥されるが、反
対面のフィルムは表面保護のために剥されずに貼り付け
た状態のまま加工が行なわれる。このような熱処理を受
けた表面保護フィルムは、粘着剤層の粘着力が太き（上
昇してしまい、被保護物からの剥離が不可能になること
もある。

このように、表面保護フィルムは、各種物品に貼付する
際の適度の粘着性、および使用後に剥離する際の剥離容
易性（再剥離性）、糊残り性などに関し、特に粘着剤層
の改良が望まれている。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の目的は、適度の粘着性を有するとともに、経時
変化や高温環境下での粘着性の昂進が抑制され、使用後
には糊残りがなく、再剥離性に優れた表面保護フィルム
を提供することにある。

本発明者らは、前記従来技術の有する問題点を克服する
ために鋭意研究した結果、粘着剤層の材料として、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体に、高級アルキル基の導入さ
れたポリエチレンイミンを適量添加した組成物を用いる
と、適度の粘着性を有し、かつ、この高級アルキル基の
導入されたポリエチレンイミンの作用により、再剥離性
に優れた表面保護フィルムの得られることを見出した。

また、この粘着剤成分は、押出特性が良好であり、基材
層を形成する熱可塑性樹脂との共押出により容易に積層
フィルムとすることができる。

本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったも
のである。

〔課題を解決するための手段〕

かくして、本発明によれば、熱可塑性樹脂からなる基材
層の片面に、粘着剤層が形成されてなる表面保護フィル
ムにおいて、該粘着剤層がエチレン−酢酸ビニル共重合
体と高級アルキル基の導入されたポリエチレンイミンを
含有する組成物からなることを特徴とする表面保護フィ
ルムが提供される。

以下、本発明について詳述する。

基材層を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン
、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、あるいはポ
リエステル等の押出成型可能な熱可塑性樹脂が挙げられ
る。目的、用途によっては、これら熱可塑性樹脂の混合
物であってもかまわない。また、本発明の表面保護フィ
ルムは、必ずしも基材層と粘着剤層との２層のみから形
成されている必要はな（、目的、用途によっては、中間
層を設けたり、離型層を設けるなどの方法により、３層
以上の層から形成されてもかまわない。

本発明の粘着剤層に使用するエチレン−酢酸ビニル共重
合体は、押出成型が可能であれば特に限定されないが、
例えば、酢酸ビニル含有量が５〜３０重量％のものが好
適に用いられる。

本発明の粘着剤層の成分として用いる高級アルキル基の
導入されたポリエチレンイミンとしては、平均分子量が
１０００〜２００００のものが好ましく、また、高級ア
ルキル基はポリエチレンイミンのイミン基に対し０．５
〜１．０当量導入されるのが好ましく、より好ましくは
０．７〜１０当量である。

高級アルキル基としては、一般に、炭素原子が１２以上
のアルキル基が好ましく、特に、オクタデシル基が好適
である。

ポリエチレンイミンに高級アルキル基を導入するには、
例えば、ポリエレンイミンに過剰の高級アルキルイソシ
アネートを加え、付加反応させることにより、容易に導
入することができる。

高級アルキル基の導入されたポリエチレンイミンは、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体１００重量部に対して０，
０１〜１０重量部の割合で混和される。　Ｃ１，０１重
量部未満では、十分な加熱後粘着力の抑制効果が得られ
ず、加熱養生後に糊残りが生じる。一方、１０重量部を
越えると、加熱後粘着力の抑制効果が大きすぎて、貼付
後に加熱処理を施すと、粘着力が低（なりついには自然
剥離してしまう。

基材フィルムと粘着剤層の厚みは、用途により適宜決定
されるが、基材層の厚みは、通常、１゜〜８０ｔＬｍ程
度であり、粘着剤層の厚みは、通常、５〜３０μｍ程度
である。

なお、粘着剤層には、粘着付与剤、軟化剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤などが、基材層には光安定剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤などが必要に応じて添加されてもよい
。

本発明の表面保護フィルムは、通常、インフレーシロン
法、Ｔダイ法その他の方法により、基材層と粘着剤層を
形成する材料を共押出することによって製造することが
できる。

〔作　　用〕

本発明の表面保護フィルムは、粘着剤層がエチレン−酢
酸ビニル共重合体と高級アルキル基の導入されたポリエ
チレンイミンを含む組成物からなり、特に、高級アルキ
ル基の導入されたポリエチレンイミンを混和することに
より、この特定のポリエチレンイミンが粘着剤の表面に
適度にブリードして、貼付けられる物品との物理化学的
な親和力を適度に抑え、極度の接着昂進を防ぐと考えら
れる。

また、この粘着剤組成物は、溶融押出特性も良好であり
、熱可塑性樹脂と共押出するのに適している。

〔実施例〕

以下に、実施例および比較例を挙げて本発明についてさ
らに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみ
に限定されるものではない。なお、これらの例において
、特に断りのない限り部は重量基準である。

［実施例１］ 基材層を形成する熱可塑性樹脂として、低密度ポリエチ
レン（三菱油化社製、商品名ＬＫ−３０）を用い、粘着
剤層を形成する材料として、エチレン−酢酸ビニル共重
合体（三菱油化社製、商品名ＥＶＡ２５Ｋ）１００部に
対し、高級アルキル基の導入されたポリエチレンイミン
〔大原パラジウム化学社製、商品名ＰＵ；オクタデシル
基がポリエチレンイミン（平均分子量１万）のイミン基
に００ｇ当量導入されている〕が０．０５部混和したも
のを用いて、インフレーション二層共押出法により表面
保護フィルムを作成した。基材層の厚味は３３μｍ、粘
着剤層の厚味は１７μｍであった。

［実施例２１ 高級アルキル基の導入されたポリエチレンイミンの混和
量を０．５部とした以外は実施例１と同様にして表面保
護フィルムを得た。

［実施例３］ 高級アルキル基の導入されたポリエチレンイミンの混和
量を５．０部とした以外は実施例１と同様にして表面保
護フィルムを得た。

［比較例１］ 高級アルキル基の導入されたポリエチレンイミンを混和
しないこと以外は実施例１と同様にして表面保護フィル
ムを得た。

［比較例２］ 粘着剤層を形成する材料をスチレン−ブタジェン−スチ
レンブロック共重合体（旭化成工業社製、商品名タフブ
レンＡ）とした以外は実施例１と同様にして表面保護フ
ィルムを得た。

［比較例３］ 粘着剤層を形成する材料をエチレン−エチルアクリレー
ト共重合体（三井デュポンポリケミカル社製、商品名Ａ
７０３）とした以外は実施例１と同様にして表面保護フ
ィルムを得た。

〈物性の測定〉 上記のようにして得られた表面保護フィルムを２ｍｍ厚
のポリカーボネート樹脂板に貼り付け、（１）加熱前、
（２）９０℃で３０分加熱後、（３）１６０℃で３０分
加熱後の剥離力を測定した。

剥離力の測定は、２５ｍｍ幅、１８０°剥離の条件で行
なった。

また、表面保護フィルムの加熱は、所定温度のギアー式
オーブン中に、該フィルムを貼り付けたポリカーボネー
ト樹脂板を３０分間放置した後、取り出し常温にまで冷
やしてから測定した。

結果を第１表に示す。

（以下余白） 第１表 第１表から明らかなように、粘着剤層がエチレン−酢酸
ビニル共重合体に高級アルキル基の導入されたポリエチ
レンイミンを混和した組成物からなる表面保護フィルム
（実施例１〜３）は、常温（加熱前）で、４〜６　ｇ　
ｆ　／　２５　ｍ　ｍ程度の良好な粘着力を有するとと
もに、合成樹脂板に貼付したまま、９０℃で３０分間、
１６０℃で３０分間という通常の印刷加工や熱成型加工
の温度条件下でも、粘着力の急激な上昇がなく、容易に
剥離することができる。

これに対して、粘着剤層がエチレン−酢酸ビニル共重合
体のみからなる表面保護フィルム（比較例１）、スチレ
ン−ブタジェン−スチレンブロック共重合体からなるフ
ィルム（比較例２）、およびスチレン−エチルアクリレ
ート共重合体からなる表面保護フィルム（比較例３）は
、印刷加工や熱成型加工の温度条件下で粘着力が急上昇
して、ついには剥離不能となる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、加熱しても粘着力の上昇の少ない表面
保護フィルム、特に、印刷加工や真空成型加工などの加
熱処理を伴う合成樹脂板用として好適な表面保護フィル
ムが提供される。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、熱可塑性樹脂からなる基材層の片面に、粘着剤層が
   形成されてなる表面保護フィルムにおいて、該粘着剤層
   がエチレン−酢酸ビニル共重合体と高級アルキル基の導
   入されたポリエチレンイミンを含有する組成物からなる
   ことを特徴とする表面保護フィルム。