JPH04194096A - 撥水性および耐含水アルコール性を有する紙 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、撥水性に優れ、含水アルコールに対し耐性を
有し、しかも通常の紙としての風合いを備えた紙に関す
る。

従来技術とその問題点 従来、紙に撥水性を付与するためには、ワックス、脂肪
酸誘導体、合成樹脂、有機珪素誘導体などが使用されて
いる。この様な撥水剤を添加した撥水性紙においては、
いわゆる紙としての感触の変化、反射光による外観の変
化などにより、通常紙が備えている風合い乃至特性が失
われている場合が多い。そのため、例えば、この様な撥
水紙を重ねて置いた場合に、相互に滑り移動して、加工
工種々の問題を生じたりしている。また、有機珪素誘導
体系の撥水剤を使用する場合には、含水アルコールに対
する耐性（耐含水アルコール性）に欠けるため、酒など
の含水アルコールとの接触を避けなければならないとい
う使用上の制約があった。

問題点を解決するための手段 本発明者は、この様な技術の現状に鑑みて研究を進めた
結果、撥水剤としてフッ化ピッチおよび熱処理フッ化ピ
ッチの少なくとも一種を使用する場合には、撥水性およ
び耐含水アルコール性に優れ、紙としての風合いの変化
も殆どないという新たな特性を備えた紙が得られること
を見出した。

すなわち、本発明は、［フッ化ピッチおよび熱処理フッ
化ピッチの少なくとも一種を含むことを特徴とする撥水
性および耐含水アルコール性を有する紙」を提供するも
のである。

本発明で撥水剤として使用するフッ化ピッチは、例えば
、特開昭６２−２７５１９０号公報に記載されている方
法で製造することができ、より詳しくは、ピッチを０〜
３５０℃程度の温度でフッ素ガスにより直接フッ素化す
ることにより得られる。

このフッ化ピッチは、組成式ＣＦｘ　　（０，５＜ｘ＜
１．８）で表わされ、その色は、褐色乃至黄白色乃至白
色であり、耐水性、アルコール、酸、非フツ素系有機溶
媒などに対する耐薬品性に優れ、空気中で非常に安定し
ている。また、本発明においては、この様なフッ化ピッ
チをさらにフッ素雰囲気中で１５０〜３１０℃程度で５
分乃至１０時間程度熱処理したものを使用することによ
り、上記の特性をさらに一層改善するとともに、下記の
フッ素系溶媒に対する溶解性を向上させることができる
。

本発明の撥水性紙を製造するに際しては、上記のような
フッ化ピッチおよび／または熱処理フッ化ピッチ（以下
特に必要でない限り、単にフッ化ピッチという）をフッ
素系溶媒に溶解し、得られた溶液により紙を処理する。

フッ素系溶媒としては、フッ化ピッチを溶解し得る限り
、特に制限されるものではないが、通常へキサフルオロ
ベンゼン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフ
ルオロジメチルシクロヘキサン、パーフルオロデカリン
、パーフルオロフェナンスレン、クロロペンタフルオロ
ベンゼン、パーフルオロトリブチルアミンなどが使用さ
れる。

また、熱処理フッ化ピッチの場合には、１，１゜２−ト
リクロロ−１，２，２−１リフルオロエタン、ジブロモ
テトラフルオロエタン、ジクロロジフルオロメタン、ジ
クロロペンタフルオロプロパンなどのフロン類も溶媒と
して使用することができる。即ち、熱処理フッ化ピッチ
の場合には、適用できる溶媒の種類が多くなる。

溶液中のフッ化ピッチの濃度は、紙に対し要求される撥
水性、紙の処理方法、溶媒の溶解能などに応じて適宜選
択すれば良いが、通常２〜１０重量％程度である。

紙の処理は、フッ化ピッチ溶液を紙に対してスプレーす
る方法、フッ化ピッチ溶液に紙を浸漬する方法、フッ化
ピッチ溶液を紙に対して塗布する方法などの任意の方法
により、行なうことができる。

紙に対するフッ化ピッチの付与量は、乾燥重量として、
紙の５％程度までで十分であり、通常０．２〜２％程度
で良い。フッ化ピッチの量が過剰となる場合には、紙の
風合いが損なわれることがある。

発明の効果 本発明によれば、下記の様な顕著な効果が達成される。

（１）本発明による紙は、感触、外観などの点で、処理
前の紙と殆ど変わるところがない。

（２）本発明による紙は、撥水性および耐含水アルコー
ル性に優れている。

（３）また、本発明による紙は、アルコール以外の有機
溶媒に対して親和性を有するので、有機溶媒の選択的濾
過作用を利用して、水−有機溶媒系混合物からの有機溶
媒の分離に使用することができる。

（４）上記の様な従来の撥水性紙とは異なる特性を有す
る本発明撥水性紙は、広範な分野での利用が可能である
。

実施例 以下に実施例を示し、本発明の特徴とするところをより
一層明確にする。

実施例１ （ａ）フッ化ピッチの製造： 軟化点１００℃、キノリンネ溶分０．　２％、べンゼン
不溶分３０％のコールタールピッチに２倍量の水素化ア
ントラセン油を加え、４３０℃で９０分間加熱し、さら
に減圧下３００℃で水素化アントラセン油を除去して、
還元ピッチを得た。

次いで、得られた還元ピッチに窒素ガスを導入して、低
分子量成分を除去し、４００℃で５時間熱重合して、軟
化点３００℃、キノリンネ溶分６０％、ベンゼン不溶分
９８％、メソフェーズ含有量９０％以上のメソフェーズ
ピッチを得た。

得られたメソフェーズピッチ５０ｇをニッケル製反応容
器に仕込み、系内を真空排気した後、アルゴンガスで満
たした。次ぎに、反応容器に７０℃でフッ素含有ガス（
フッ素２０％＋アルゴン８０％の混合ガス）を平均６５
０ｃｃ／分の割合で流通させつつ、２０時間反応させる
ことにより、１４４ｇのフッ化ピッチを得た。

元素分析の結果、得られたフッ化ピッチの組成式は、Ｃ
Ｆよ、９であった。

この様にして得られたフッ化ピッチをフッ素雰囲気中で
２５０℃で５時間熱処理した。

（ｂ）撥水性紙の製造： 上記で得られた熱処理フッ化ピッチを１．１゜２−トリ
クロロ−１，２，２−）リフルオロエタンに溶解し、濃
度１〜５重量％の溶液を得た。次いで、これらの溶液に
予め重量を測定しておいた濾紙、上質紙、クレープ加工
紙および和紙を浸漬し、風乾した後、計量して、フッ化
ピッチの付着量を求めた。

また、各紙の処理前後の撥水性をＪＩＳ　　Ｐ８１３７
　ｒ撥水度試験法」により測定した。さらに、比較のた
めに、市販の分液濾紙の撥水度を同様にして測定した。

結果は、第１表に示す通りである。

なお、本実施例および以下の各実施例における撥水度の
評価は、４５度傾けた紙の上に１　ａｍ上方から０．ｌ
ｃｃの水滴をビユレットで落下させ、以下の基準により
行なった。

＊Ｒｏ・・・連続した跡であって−様な幅を示す。

＊Ｒ２・・・連続した跡であって水滴よりも僅かに狭い
幅を示す。

＊Ｒ４・・・連続した跡であるが所々で切れていて、明
らかに水滴よりも僅かに狭い幅を示す。

＊Ｒ６・・・跡の半分が濡れている。

＊Ｒ７・・・跡の１／４は長くのびた水滴によって濡れ
ている。

＊Ｒ８・・・跡の１／４以上は球形の小水滴が散在して
いる。

＊Ｒ９・・・所々に球形の小水滴が散在している。

＊Ｒ１ｏ・・・水滴が完全に転がり落ちる。

第１表 紙の種類　　　フッ化ピッチの量　　　撥水度（重量％
） 濾紙　　　　　　０．２〜６％　　　　　Ｒ。

０％　　　　　Ｒ。

上質紙　　　　　０．５〜５％　　　　　Ｒ２Ｈ。

クレープ　　　　０．５〜３％　　　　　Ｒ９加工紙 ０％　　　　　Ｒ６ 和紙　　　　　　０．５〜５％　　　　　Ｒ９０％　　
　　　Ｒ。

市販器 液源紙　　　　　　　　　　　　　　　　Ｒ８実施例２ ヘキサフルオロベンゼン：ジクロロジフルオロメタン＝
１＝１の混合溶媒に、実施例１と同様にして製造したフ
ッ化ピッチ（ただし、得られたフッ化ピッチの熱処理は
していない）を溶解して、０、　５〜５重量％の溶液を
調製し、この溶液をノズルにより濾紙にスプレーした。

その結果、０．５〜５重量％の含浸量で撥水度は、Ｒ９
であった。

実施例３ 実施例１と同様の手法（熱処理も実施した）により製造
したフッ化ピッチ含浸濾紙（フッ化ピッチ含浸量２〜３
重量％）を使用して、メタノールおよびメタノール−メ
タノール混合物に対する撥水性を測定した。

結果は、第２表に示す通りである。なお、第２表には、
市販の分液濾紙についての結果をも合わせて示す。

第２表 メタノール　　　フッ化ピッチ　　　市販分液（％）　
　　　　含浸濾紙　　　　　濾紙１０　　　　　　Ｒ９
−８Ｒ７ ２０Ｒ７Ｒｂ ３０　　　　　　Ｒ７Ｒａ ４０　　　　　　Ｒｂ　　　　　　　　Ｒ４５０Ｒ６Ｒ
４ ６０Ｒ６Ｒ２ ７０Ｒ６Ｒ２ ８０Ｒ６Ｒ。

９０　　　　　　Ｒ４ＲＯ ９６Ｒ２Ｒ。

１００　　　　　Ｒ２Ｒ８ 実施例４ 実施例１で得られたフッ化ピッチ含浸濾紙を使用して、
ヘキサン：水＝１：１の混合液を濾過した。

その結果、フッ化ピッチ含浸量の多少に関係なく、ヘキ
サンのみが濾別され、水は、濾紙上に残った。

（以　上）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）フッ化ピッチおよび熱処理フッ化ピッチの少なく
   とも一種を含むことを特徴とする撥水性および耐含水ア
   ルコール性を有する紙。