JPH0419362Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、例えばガスレンジによつて揚げ物や
煮炊き物の調理を行う際に、該レンジを衝立状に
囲つて油や煮汁が飛散することによるレンジ周り
の汚れを防止するために使用される焜炉周囲の汚
れ防止板に関するものである。

（従来の技術） 従来より、この種の汚れ防止板は扁平な方形状
の主板部に単一もしくは数条の折曲線を縦方向に
形成して、この折曲線の両側に汚れ成分の受壁を
構成したものが広く普及しており、このような汚
れ防止板は店頭での販売に際して、前記主板部を
折曲線に沿つて折畳んでコンパクトな形状にした
上で包装袋に収納されるのであり、また使用に際
しては所要の折曲線に沿つてＬ字状もしくはコ字
状に折曲げることにより衝立状にして、ガスレン
ジや調理鍋等を囲い、調理時における油や煮汁等
の飛散を防止する用に供していた。

（考案が解決しようとする問題点） しかし乍ら、上記の如き従来構造のものでは包
装時に一旦折畳まれるため、主板部には折曲線部
分で強い折り癖が付き、使用時において該主板部
の折り癖を直して所望の形状に折曲げ或は展開す
るようにしても、折曲線部分に残留した応力の作
用により折り癖がある程度まで復元するため、各
受壁が一列に並ぶ整然とした平坦面を構成するこ
とが困難である。従つて、見た目に悪いだけでな
く、例えばＬ字状に折曲げた時は折り癖部分が出
張つてガスレンジの背壁等に沿わせにくく、その
用を十分に果たさない等といつた問題点があつ
た。

本考案は、かかる従来の問題点に鑑み、折り癖
を矯正する手段を講じることにより、使い勝手を
良くし、また汚れ防止機能を向上させることを目
的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 上記の如き問題点を解決するための本考案の技
術的手段は、Ｌ字状またはコ字状に折曲げ可能な
ようにほぼ方形の主板部に単一または複数の折曲
線を縦方向に形成して、この折曲線の両側にそれ
ぞれ汚れ成分の受壁を構成すると共に、前記主板
部のほぼ全周に亙つて縁巻きを施す一方、この縁
巻部の外形に沿う所要長さのＣ字状筒部を有し、
この筒部の周面に形成された直線状開口の両端縁
からそれぞれ挟持片を延設し、かつ両挟持片に互
いに近接する方向に作用するばね性を付与してな
る押え部材を用意し、この押え部材を折曲線と直
交する主板部の一辺または両辺に差し込んで、前
記筒部を縁巻部にスライド可能に係合すると共
に、前記両挟持片を該主板部の裏表両面に弾性的
に圧接させたことに特徴を有している。

（作用） 上記構成によると、押え部材を折曲線両側の受
壁に亙つて位置すべくスライドさせると、両挟持
片が該両側の受壁を挟持し、これにより折曲線の
折曲げが規制されて両受壁が一直線上に並んだ平
坦な壁部が構成される。また使用後に片付ける時
や包装のために折畳む時は、押え部材を折曲線に
かからない位置まで移動させて折曲げ規制を解除
すればよい。更に押え部材は筒部が縁巻部に係合
しており、主板部からの抜け外れを規制されてい
るので、該押え部材を紛失するといつた不都合は
生じない。

（実施例） 以下、本考案に係る焜炉周囲の汚れ防止板の一
実施例を図面に基づき詳細に説明する。第１図及
び第２図において、１はアルミニウム箔からなる
横長矩形状の主板部であつて、この主板部１は、
その長手方向複数箇所（図では５箇所）に縦方向
の折曲線Ａ１〜Ａ５を凹設し、この各折曲線Ａ１
……間に汚れ成分の受壁２ａ〜２ｆを構成すると
共に、該主板部１の前記折曲線Ａ１……の形成位
置を除くほぼ全周に亙つて縁巻き３を施してなる
もので、前記各受壁２ａ……にはそれぞれ縁巻部
３及び折曲線Ａ１……に沿う外郭部に周回状の補
強条４ａを形成し、また該補強条４ａに囲まれた
部分の中央に横向きの補強条４ｂ……を形成する
と共に、該補強条４ｂ……を挟んで両側に多数の
縦向きの補強条４ｃ……を平行に形成してある。

前記主板部１の各折曲線Ａ１……と直交する両
辺側には、それぞれ押え部材５，５がスライド可
能に係合してある。この各押え部材５は第３図に
示すように、例えばステンレス鋼等の鉄鋼材やプ
ラスチツク材からなる方形状の板材を曲げ加工し
て構成されており、前記縁巻部３の外形に沿う所
要長さのＣ字状筒部６を有し、この筒部６の周面
に形成された直線状開口７の両端縁からそれぞれ
矩形板状の挟持片８，８を延設し、かつ両挟持片
８，８を互いに近接する方向に作用するばね性を
付与したものである。また前記各挟持片８の差込
み側端部を外側に向かつて拡開して、主板部１に
容易に差し込めるようにしてあり、第４図に示す
ように、該主板部１の差し込んだ時は、両挟持片
８，８が主板部１の両面に弾性的に圧接すると共
に、筒部６が縁巻部３にスライド可能に係合する
のである。尚この押え部材５の寸法は例えば長さ
Ａ＝約５cm程度、高さＢ＝約２cm程度に設定され
る。

いま例えば第５図に示すように、前記押え部材
５を折曲線Ａ１両側の受壁２ａ，２ｂに亙つて位
置すべくスライドさせると両挟持片８，８が該両
側の受壁２ａ，２ｂを挟持し、これにより折曲線
Ａ１の折曲げが規制されて、両受壁２ａ，２ｂが
一直線上に並んだ平坦な壁部が構成されるのであ
り、また片付ける時や折畳む時は該押え部材５を
折曲線Ａ１にかからない位置まで移動させて該折
曲線Ａ１に対する折曲げ規制を解除するのであ
る。尚その他の部位に配設した押え部材５……の
使用要領はいずれも上記と同様である。

上記構成の汚れ防止板は、不使用時或は店頭に
おける販売時等においては各折曲線Ａ１……を介
して各受壁２ａ……を折畳んで重ね合わせること
によりコンパクトな形状にし、或はこの状態で包
装袋に収納して店頭販売されるものであり、また
使用時には例えば第６図〜第８図に示すように、
各折曲線Ａ１……を選択的に折曲げることによ
り、該主板部１をＬ字状或はコ字状に折曲げて起
立姿勢で使用されるものである。

即ち、第６図に示す使用態様は２口ガステーブ
ル９の背面及び両側面を囲う汚れ防止用としたも
ので、主板部１両端の受壁２ａ，２ｆをそれぞれ
折曲線Ａ１，Ａ５を介して同方向に直角に折曲げ
ると共に、両受壁２ａ，２ｆ間の４つの受壁２ｂ
〜２ｅを一列に並べ、各受壁間の折曲線Ａ２〜Ａ
４の両端部上にそれぞれ押え部材５……をスライ
ドさせて該受壁２ｂ〜２ｅにより平坦な壁部を構
成している。

また第７図に示す使用態様は焜炉上の天麩羅鍋
を囲つて油飛散防止用としたもので、主板部１を
３等分する２本の折曲線Ａ２，Ａ４を介して両側
の受壁２ｂ，２ｅを直角に折曲げると共に、折曲
線Ａ１，Ａ３，Ａ５上にそれぞれ押え部材５……
をスライドさせて、各対の受壁２ａ，２ｂ、２
ｃ，２ｄ、２ｅ，２ｆにより平坦な壁部を構成し
ている。

更に第８図に示す使用態様は台所壁面隅部の汚
れ防止用としたもので、主板部１を折曲線Ａ２部
分のみで直角に折曲げ、その他の折曲線Ａ１，Ａ
３，Ａ４，Ａ５上にそれぞれ押え部材５……をス
ライドさせて、直交状の２枚の平坦壁部を構成し
ている。

尚本考案は前記実施例に示す態様の汚れ防止板
の他、主板部１に２枚以上の受壁２ａ……を構成
したものであれば、全て適用することができるこ
とは勿論である。

（考案の効果） 以上説明したように本考案によれば、押え部材
を折曲線両側の受壁に亙つて位置させることによ
り該折曲線の折曲げが規制され、これによつて各
受壁が一直線上に並ぶ整然とした平坦壁部を構成
することができるので、折畳み時に生じる折り癖
が使用時に復元することを防止できる。従つて、
例えばＬ字状やコ字状に折曲げて衝立状として使
用した場合、各受壁が内外に出張つて調理の邪魔
になつたり、転倒したりすることがなく安定良く
起立させることができ、調理をする者に不安感を
与えない上、見た目にも美しく、台所の美観を損
なわない。

また使用後に片付ける時や包装のために折畳む
時は、押え部材を折曲線にかからない位置まで移
動させるだけで折曲げ規制が解除されるので、使
い勝手が良く後片付けの手間を要しない。

その上押え部材は筒部が縁巻部に係合している
ため、主板部からの抜け外れを規制されており、
従つて、該押え部材を紛失するといつた不都合が
生じない等、実用上優れた効果を発揮するものと
なつた。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第８図は本考案の一実施例を示してお
り、第１図は展開状態の平面図、第２図は第１図
における切断線−に沿う断面図、第３図は押
え部材の斜視図、第４図は第１図における切断線
−に沿う断面図、第５図は押え部材を折曲線
上に位置させた状態を示す要部拡大斜視図、第６
図〜第８図はそれぞれ異なる使用態様を示す斜視
図である。 １……主板部、２ａ〜２ｆ……受壁、３……縁
巻部、５……押え部材、６……Ｃ字状筒部、７…
…直線状開口、８……挟持片、Ａ１〜Ａ５……折
曲線。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. Ｌ字状またはコ字状に折曲げ可能なようにほぼ
   方形の主板部１に単一または複数の折曲線Ａ１…
   …を縦方向に形成して、この折曲線Ａ１……の両
   側にそれぞれ汚れ成分の受壁２ａ……を構成する
   と共に、前記主板部１のほぼ全周に亙つて縁巻き
   を施す一方、この縁巻部３の外形に沿う所要長さ
   のＣ字状筒部６を有し、この筒部６の周面に形成
   された直線状開口７の両端縁からそれぞれ挟持片
   ８，８を延設し、かつ両挟持片８，８に互いに近
   接する方向に作用するばね性を付与してなる押え
   部材５……を用意し、この押え部材５を折曲線Ａ
   １……と直交する主板部１の一辺または両辺に差
   し込んで、前記筒部６を縁巻部３にスライド可能
   に係合すると共に、前記両挟持片８，８を該主板
   部１の裏表両面に弾性的に圧接させたことを特徴
   とする焜炉周囲の汚れ防止板。