JPH0419306Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、バーナキヤツプにおけるフレーム
リテンシヨン部の熱応力の緩和とともに、バーナ
ダクトへの熱伝導による加熱を防止すること、及
び、構造の簡略化、耐久性の向上を図つたバーナ
キヤツプに関するものである。

〔従来技術〕 この種のバーナキヤツプは、バーナヘツドを支
持するとともに、バーナの火炎を保炎、整形し
て、バーナの燃焼性を向上させることに用いられ
るもので、従前の例としては、実開昭61−204130
号公報に記載の囲い板の他、特開昭58−26911号
公報に記載の燃焼板が公知である。

しかるに、それらバーナキヤツプのフレームリ
テンシヨン部は、バーナの火炎に直接さらされ、
過大な温度勾配が発生することに対する対策を持
たないために、熱応力による亀裂や変形を起し易
いという問題点を持つている。このような現象が
生じると、火炎の保炎性と同時に、バーナの燃焼
性が低下するが、これに止どまらず、バーナヘツ
ド自体の支持が不可能になるという不具合も生じ
る。

しかも、フレームリテンシヨン部からの熱伝導
によりバーナダクト全体が加熱し易く、この熱に
よつてバーナダクト内の混合ガスに引火する恐れ
もある。

〔考案の目的及び概要〕

この考案の目的は、上記問題点を解消し、熱応
力による亀裂や変形及び、バーナダクトの過熱に
よる引火事故を生じないバーナキヤツプを提供す
ることである。

即ち、均質に成形した粒子状部材から成るバー
ナヘツドのためのバーナキヤツプであつて、スカ
ート部と、このスカート部の先端箇所に半径方向
内側に折曲形成した複数のフレームリテンシヨン
部及び、バーナヘツドの上側周縁部に適合するシ
ヨートパス防止用バーナヘツド支持部を設け、上
記フレームリテンシヨン部の下方に適度の間隔を
おいてバーナヘツド支持部を一体的、かつ、同軸
状に形成し、更にバーナキヤツプに沿つて、この
バーナキヤツプとバーナダクトとの間に、断熱層
として働く間隙を設けることにより、バーナの火
炎の熱によるフレームリテンシヨン部先端の変形
やバーナダクトへの熱伝導による過熱を防止する
こと、及び構造を簡略化し耐久性を増加させるこ
とをねらいとしている。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図において、総括符号１は、バーナキヤツ
プを、１ａは該キヤツプのフレームリテンシヨン
部を、１ｂはそのスカート部を、１ｃは該キヤツ
プ１内側下方に適度の間隔をおいて設けたバーナ
ヘツド支持部を、それぞれ示している。

上記フレームリテンシヨン部１ａは、スカート
部１ｂの先端箇所に半径方向内側に折曲した状態
で複数個連設されている。このスカート部１ｂの
内部には更に上記バーナヘツド支持部１ｃを一体
に形成してある。

又、２は、隣り合うフレームリテンシヨン部１
ａ間に設けたスリツトで、各スリツトは、スカー
ト部１ｂの上端部まで延びている。２ａは、該ス
リツトの一方の端部（基端部）に形成した円形部
である。上述のようなスリツトは、上記フレーム
リテンシヨン部１ａとスカート部１ｂとの交合部
分つまりは、バーナキヤツプ１の上端折曲部にお
ける熱応力の発生を緩和し、主としてフレームリ
テンシヨン部１ａの変形を防止することに役立
つ。

次にこのバーナキヤツプを、均質に形成した粒
子状部材から成るバーナヘツドを用いた表面燃焼
バーナに適用した場合について説明する。第２図
に示すように、バーナキヤツプ１をバーナダクト
５に対し、バーナキヤツプのスカート部１ｂの取
付部に設けた締結部材６にて装着する。この状態
で、バーナヘツド支持部１ｃの下面にシール部材
３を当てがい、このシール部材を介してバーナヘ
ツド７の周縁を抑えるようにする。

一方、該バーナヘツドの内周縁部にはフレーム
アレスター４を密着して設ける。

また、この考案においては、バーナキヤツプ１
に沿つて、このバーナキヤツプとバーナダクト５
との間に、断熱層として機能する間隙１４を設け
てあつて、これによりバーナキヤツプの熱が直接
バーナダクトに伝達するのを防止している。

このような構成においては、バーナヘツド支持
部１ｃにより、バーナヘツド７の側縁とバーナダ
クト５先端内壁との隙間から燃料ガスの噴出（い
わゆるシヨーパス）するのを阻止できると共に、
バーナヘツド７周縁からの火炎の発生を防止する
ことにより、フレームリテンシヨン部１ａが直接
火炎にさらされることがなくなるため、バーナキ
ヤツプ周壁やフレームリテンシヨン部１ａの過熱
並びに熱変形を防止することができる。

尚、この実施例では、上述の如き効果に加え
て、フレームリテンシヨン部を設けたスリツトに
よつて、燃焼火炎からの幅射熱による熱変形量を
吸収することができるため、熱変形に起因する亀
裂等の破損を完全に防止することができる。

さらに、バーナキヤツプのスカート部上のスリ
ツトの端部を円形部としていることにより、該部
における応力集中を免がれることができる。

これにより、この考案によれば、安価な方策に
より、バーナキヤツプ、並びに、バーナダクト全
体の熱変形を有効に防止し、その初期機能を長期
間に亙つて維持することができ、前述の如き、バ
ーナダクト内の混合ガスへの引火も抑えることが
できる。

〔考案の効果〕

以上詳述したこの考案は、次のような効果を奏
するものである。

シヨートパス防止用バーナヘツド支持部をフ
レームリテンシヨン部の下方に一体的に設けて
あるため、バーナヘツドの側縁とバーナダクト
先端内壁との隙間からの燃料ガスの噴出（シヨ
ートパス）を防止すると共に、バーナヘツド周
縁からの火炎の発生を防止することにより、バ
ーナキヤツプ周壁やフレームリテンシヨン部に
火炎が直接当たるのを防止し、フレームリテン
シヨン部の過熱、並び、熱変形を有効に防止す
ることができる。

上記の効果に伴い、バーナキヤツプでの亀
裂の発生や進行を免れることができ、これによ
りバーナキヤツプの寸法が変化し、パイロツト
バーナに対する位置関係がずれたり、パイロツ
トバーナの吹き消えの原因になつたりすること
がなくなり、パイロツトバーナの保炎性が向上
する。

亀裂や変形が生じなくなり、長期に亙つて安
定した性能を発揮するバーナキヤツプとするこ
とができる。

フレームリテンシヨン部とバーナヘツド支持
部を一体的に構成したので、バーナヘツドに対
するフレームリテンシヨン部の位置関係が常に
適正に保てるので、安定した燃焼性能のバーナ
を得ることができる。

フレームリテンシヨン部とバーナヘツド支持
部を一体的に構成したことにより、バーナヘツ
ドを取付ける際の組付部品点数が減少するの
で、後の保守作業等も容易となる。

更に、バーナヘツドの火炎により熱せられた
バーナキヤツプの熱は、間隙が断熱層として機
能するため、直接バーナダクトに伝わることが
なく、従つて熱伝導によりバーナダクトの、特
に（混合ガス下流域を含む）先端箇所が熱せら
れるという事態を解消して、バーナダクト内部
での混合ガスへの引火を抑えること（逆火防
止）ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一例を示すバーナキヤツ
プの斜視図であり、第２図は、その適用例を示す
縦断側面図である。 １……バーナキヤツプ、１ａ……フレームリテ
ンシヨン部、１ｂ……スカート部、１ｃ……シヨ
ートパス防止用バーナヘツド支持部、２……スリ
ツト、２ａ……スリツトの端部（円形部）、３…
…シール部材、４……フレームアレスター、５…
…バーナダクト、６……締結部材、７……バーナ
ヘツド、１４……間隙。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 均質に成形した粒子状部材から成るバーナヘツ
   ド７のためのバーナキヤツプ１であつて、 スカート部１ｂと、このスカート部１ｂの先端
   箇所に半径方向内側に折曲形成した複数のフレー
   ムリテンシヨン部１ａ及び、バーナヘツド７の上
   側周縁部に適合するシヨートパス防止用バーナヘ
   ツド支持部１ｃを設け、上記フレームリテンシヨ
   ン部１ａの下方に適度の間隔をおいてバーナヘツ
   ド支持部１ｃを一体的、かつ、同軸状に形成し、
   更にバーナキヤツプ１に沿つて、このバーナキヤ
   ツプ１とバーナダクト５との間に、断熱層として
   働く間隙１４を設けたことを特徴とするスリツト
   付バーナキヤツプ。