JPH0419190Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、チヤンネル構造をなす二枠材の側壁
をコーナの内側及び外側でそれぞれ突き合わせ接
合する枠材のコーナ接合装置に関する。

〔従来の技術〕

カーテンウオール、出窓、コーナサツシ等の施
工においては、障子、板ガラス、パネル等を建込
む開口部を中空もしくはチヤンネル構造をなす枠
材を用いて組み立てている。特に開口部コーナは
枠材の長手端部を互いに突き合わすようにして接
合している。この接合にあたつては、一般にコー
ナをかたどつたＬ形の継手金具を用い、その両端
に枠材の長手端部にそれぞれ嵌合した後、二枠材
を突き合わせてビス止めしている。

〔考案が解決しようとする課題〕

Ｌ形継手金具を用いたコーナ接合は、枠材の端
部を隙間なく完全に突き合わせることが困難であ
る。これは枠材の切断誤差等によるものである
が、従来は上記隙間に湿式コーテイング材を充填
して漏水対策をたてている。しかし、経年変化
で、コーテイング材が劣化するため、従来の継手
金物では漏水対策が十分なされない。

また、突き合わせが完全であつたとしても枠材
の歪み等で隙間が発生し易く、コーテイング材の
劣化と相俟つて完全な漏水対策がとれない。

他方、実開昭57−17378号公報には、隣接する
枠材を２つの金属片および両者を連結するボルト
により、相互に固定することが開示されている。

確かに、この固定構造は接合構造が簡素となる
などの点で興味を抱かせるものであるけれども、
二枠材の突合せ面に対して、圧着力が外側壁がわ
に偏つてしまう。

これでは、後述する本考案のように、突合せ面
に成形シール材を介在させるとき、その成形シー
ル材に対する圧着力が均一でなくなり、却つてシ
ール材を阻害することの危険性がある。

したがつて、本考案の課題は、接合される枠材
の合わせ目に漏水の原因となる隙間を発生させな
いとともに、その合わせ目に介在させる成形シー
ル材に対して、外側壁の突合せ部位および内側壁
の突合せ部位に対してより圧着力を集中させるこ
とで、シール性を高めることにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題は、チヤンネル構造をなす二枠材の側
壁をコーナの内側及び外側でそれぞれ突き合わせ
接合する装置であつて、 上記突き合わされた隣接する外側壁同士をコー
ナ内部でそれぞれ連結する外連結金物と、隣接す
る内側壁同士をコーナ内部でそれぞれ連結する内
連結金物と、この二つの連結金物を緊張状態で締
結し前記合わせ目に沿つて設けられた締結具と、
上記二枠材の合わせ目に介在させる成形シール材
とを含み、 前記外連結金物の両端は隣接する枠材の各外側
壁に固定され、前記内連結金物は断面ほぼハツト
形状をなし、その両鍔部は隣接する枠材の各内側
壁に固定され、さらに外連結金物および内連結金
物の天壁が前記締結具により撓むことにより、前
記二枠材の各内外側壁は突き合わせ面と直交する
方向に引き寄せられることで解決できる。

〔作用〕

締結具により二つの連結金物が緊張状態に置か
れると、連結金物には枠材の長手端部をあわせ目
方向に引つ張る力が生じる。この力により長手端
部同士が圧接するため、たとえ切断誤差があつた
としてもその誤差を吸収し、隙間の発生を防止す
る。また、上記圧接に加え、合わせ目にはシール
材が介在するため、より強力な漏水防止が図れ
る。

さらに、外連結金物の両端は隣接する枠材の各
外側壁に固定され、前記内連結金物は断面ほぼハ
ツト形状をなし、その両鍔部は隣接する枠材の各
内側壁に固定されているので、締結具により、外
連結金物および内連結金物の天壁が撓み変形する
と、圧着力は、シール性の良否を左右する主に外
側壁の突合せ部位および内側壁の突合せ部位に両
者に対して圧着力が集中され、よりシール性を高
めることができる。

〔実施例〕

以下、図面を参照して実施例を説明する。

実施例は、第４図に見られるようなコーナサツ
シＡにおいて、上枠１，１の長手端部１ａ，１ａ
を90°コーナＣで突き合わせ接合した例である。

図示のコーナサツシＡは上下の枠に建込まれた
板ガラスＧ，Ｇが嵌め殺しとされ、上枠１，１に
は第２図にみられるようなチヤンネル構造の枠材
が用いられている。そして枠材１，１の長手端部
１ａ，１ａが45°に切断され、コーナＣの内側及
び外側において枠材１，１の内側１ｂ，１ｂどう
し、外壁１ｃ，１ｃどうしがそれぞれ突き合わさ
れている。

上記のようにして突き合わされた二枠材１，１
の合わせ目は本考案に係るコーナ接合装置１０に
より隙間なく接合される。

以下、その構成について説明すると、第１図に
みられるように、装置１０はコーナＣ内部におい
て内壁１ｂ，１ｂ同士および外壁１ｃ，１ｃ同士
を第１及び第２連結金物１１，１２にそれぞれ連
結し、その連結金物１１，１２を締結具１３によ
り締結して各連結金物１１，１２に緊張力を生じ
させるようにしている。締結具１３にはボルト１
３ａ、ナツト１３ｂが用いられている。

内壁１ｂ，１ｂ同士を連結する第１連結金物１
１は、横断面ほぼハツト状をなし、内壁１ｂ，１
ｂが内コーナを形成するため、その鍔部を構成す
る両端１１ａ，１１ａがそれぞれ内壁１ｂ，１ｂ
に向かうように天壁１１ｂが合わせ目を線対称と
してコの字に折曲され、両端１１ａ，１１ａは内
壁１ｂ，１ｂに対しビス１４，１４止めされるよ
うになつている。そして天壁１１ｂにはボルト１
３ａの軸部を貫通させる穴１１ｃが設けられてい
る。

一方、第２連結金物１２は、その両端１２ａ，
１２ａが外壁１ｃ，１ｃに沿つて折曲され、第１
連結金物１１同様、外壁１ｃ，１ｃに対し、ビス
１４，１４止めされるようになつている。また、
第１連結金物１１と同じく天壁１２ｂにはボルト
１３ａの軸部を貫通させる穴１２ｃが設けられて
いる。

ところで、本考案においては、枠材１，１の合
わせ目をより緊密なものとするため、合わせ目に
所定形状に成形されたシール材１５が介在される
が、そのシール材１５の形状は合わせ目の輪郭を
とつて、たとえば第３図に示す形状とすることが
望ましい。

次いで装置１０の取り付け方について説明する
と、まず枠材１，１の合わせ目にシール材１５を
挟み込み、次いで第１及び第２連結金物１１，１
２を内壁１ｂ，１ｂ及び外壁１ｃ，１ｃにそれぞ
れビス１４，…止めする。続いてボルト１３ａの
軸部を第１及び第２連結金物１１，１２の穴１１
ｃ，１２ｃに貫通させ、その貫通先においてナツ
ト１３ｂを螺合する。さらに、ナツト１３ｂを締
め付け、第１及び第２連結金物１１，１２の天壁
１１ｂ，１２ｂを、第１図二点鎖線で示すよう
に、撓ませて緊張力を与える。

続いて装置１０を取り付けた後の力関係につい
て説明すると、ボルト締結により、第１及び第２
連結金物１１，１２の天壁１１ｂ，１２ｂが撓
み、第１図、矢印で示すように互いに引き寄せら
れ、各連結金物１１，１２に緊張力Ｔが生じる。
第１連結金物１１においては上記緊張力Ｔが連結
金物１１の両端１１ａ，１１ａで二分され、ビス
１４，１４止めされた内壁１ｂ，１ｂを合わせ目
方向に引き寄せるため、内壁１ｂ，１ｂの合わせ
目が強く圧接されて、上記緊張力に抗する反力Ｒ
が生じる。また第２連結金物１２においてはその
両端１２ａ，１２ａに上記緊張力Ｔに抗する反力
Ｒ／２が生じ、その反力Ｒ／２によつて外壁１
ｃ，１ｃが合わせ方向に引き寄せられるため、外
壁１ｃ，１ｃの合わせ目に強い圧接力Ｐが生じ
る。

従つて、長手端部１ａ，１ａの合わせ目には総
じて強い圧接力Ｐが、主に外壁がわおよび内壁が
わに生じ、たとえ切断誤差があつたとしてもそれ
を吸収して隙間なく接合する。また、合わせ目に
はシール材１５が介在するため、合わせ目の漏水
対策が完璧なものとなる。

なお、上枠１に建込まれる板ガラスＧは第２図
にみられるように内外の側縁１６，１６及びパツ
キン１７，１７により固定される。

上記説明は、90°コーナについてのものである
が、本考案は90°コーナ以外においても実施する
ことができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、枠材の
長手端部を連結金物及び締結具により圧接するも
のであるから枠材の切断誤差を吸収して隙間の発
生を防止することができる。

また、合せ目にはシール材を介在させているた
め、より強力な漏水防止が図れる。

また、外部より装置が見えないため、美感を害
することもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示した水平断面
図、第２図は第１図の−断面図、第３図はシ
ール材の平面図、第４図は本考案が実施されてい
るコーナサツシの概略図である。 １……枠材（内壁）、１ａ……長手端部、１ｂ
……側壁（内壁）、１ｃ……側壁（外壁）、１０…
…コーナ接合装置、１１，１２……連結金物、１
１ｂ，１２ｂ……天壁、１３……締結具、１４…
…ビス、１５……シール材、Ｃ……コーナ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 チヤンネル構造をなす二枠材の側壁をコーナの
   内側及び外側でそれぞれ突き合わせ接合する装置
   であつて、 上記突き合わされた隣接する外側壁同士をコー
   ナ内部でそれぞれ連結する外連結金物と、隣接す
   る内側壁同士をコーナ内部でそれぞれ連結する内
   連結金物と、この二つの連結金物を緊張状態で締
   結し前記合わせ目に沿つて設けられた締結具と、
   上記二枠材の合わせ目に介在させる成形シール材
   とを含み、 前記外連結金物の両端は隣接する枠材の各外側
   壁に固定され、前記内連結金物は断面ほぼハツト
   形状をなし、その両鍔部は隣接する枠材の各内側
   壁に固定され、さらに外連結金物および内連結金
   物の天壁が前記締結具により撓むことにより、前
   記二枠材の各内外側壁は突き合わせ面と直交する
   方向に引き寄せられることを特徴とする枠材のコ
   ーナ接合装置。