JPH0418854Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、一般商業印刷用、あるいは、証券印
刷用などの印刷版、特にアルミ製等の平版印刷版
を印刷機本体の印刷版胴に巻き付けて装着するた
めに、印刷版端縁部を折り曲げるための印刷版折
り曲げ装置に関する。

（従来の技術） 一般に、版装着のために版両端部を折り曲げる
場合は、第３図に図示するように、アルミ版の印
刷版３の印刷方向（矢印）一方端縁部４に装着幅
相当部に沿うようにして折り曲げ用マーク３ａを
刻設して該マーク３ａを折り曲げ定盤１の直線エ
ツジ２に見当合わせして、位置決めを行ない、第
５図に図示するように図面上方より、折り曲げ用
押圧板６を前記エツジ２に近接して平行に下降さ
せてその印刷版３の装着端縁部４を図面下方に
90°折り曲げるようにするものである。

しかしながら、折り曲げ用見当マーク３ａを定
盤１の直線エツジ２に合致させることは、版の微
動操作が必要であり、かなりの熟練を必要として
おり、また、熟練しない場合は、慎重に版の微動
を行なう必要があるため、かなりの時間を要して
いた。

（考案の目的） 本考案は、印刷機の版胴に装着する印刷版の装
着端縁部を、該版面に表示した見当合わせマーク
に従つて正確に折り曲げを行なうための版折り曲
げ装置を提供するものである。

（考案の構成） 本考案は、定盤１の両端部とそれと直交する方
向の両端縁に、該定盤面より突出する堰堤部１４
と折り曲げ用エツジ部２をそれぞれ設け、前記堰
堤部１４の長手方向両側に、版微動調整ネジ１
２、他方の堰堤部長手方向両側にバネ１３ａを内
装して定盤１内側方向に付勢する前当て部１３を
設け、前記ネジ１２、前当て部１３は、定盤１面
に平行に該面より突出するように埋設して、前記
一方の堰堤部１４側にブラケツト９に軸支された
支軸１０を介して水平乃至垂直に倒起できるアー
ム７を設け、水平状態における前記エツジ部２中
央真上相当部に位置する前記アームに、見当マー
クを表示した透明な見当合わせ用ゲージ８を取り
付けたことを特徴とする印刷版折り曲げ装置であ
る。

第１図は、本考案装置の一実施例であり、版折
り曲げ定盤１の両端縁に、該定盤１面より突出す
る堰堤部１４，１４を設ける。その一方堰堤部の
外側の長手方向両側にブラケツト９を設ける。そ
して、該ブラケツト９に、支軸１０を介して見当
合わせ用アーム７の回動軸受７ａを取り付け、該
アームを水平方向乃至は垂直方向に倒置、あるい
は起立自在に設ける。支軸１０部分には、バネ１
０ａを取り付け、例えば垂直方向に付勢させて、
アーム７を軽い力で起立させることができるよう
にする。アーム７の長手方向に延設部１５を設
け、該延設部の先端には、定盤１の支軸１０取り
付け側と相対する堰堤部１４に前記延設部１５の
先端を装着固定する固定用ハンドル１１を設け
る。アーム７及び延設部１５を定盤１に水平に、
堰堤部の突出高さであつて、印刷版の厚さ以上の
間隔を有して重ね合わせることができる。そして
例えば、前記アーム及び延設部の定盤に対向する
内面に所望厚さにウレタンなどのクツシヨン部材
を貼り付けることができる。延設部１５の先端に
設けた固定用ハンドル１１に一体に設ける回動軸
の端部に半円形、又は偏心カム形状などの係合板
１１ａを設け、該板を前記堰堤部に設ける孔設部
１４ａに装填して、ハンドル１１を回転させて係
合板を孔設部内の装着締止部に装着する。固定ハ
ンドル１１を固定する堰堤部１４の長手方向両側
に、定盤１面と平行に、該定盤の孔設部１ａ内に
埋設され、且つ印刷版の端縁部を押して微動操作
する微動用調整ネジ１２、他方の堰堤部長手方向
両側に、バネ１３ａを内装し定盤１内側に付勢す
る前当て部１３を設ける。前記ネジ１２、前当て
部１３は、定盤１面より突出するように埋設して
設けるものである。

第２図は、第１図の平面図である。アーム７
は、定盤１外側の両側に設け、ブラケツト９に支
軸１０を介して取り付けられている。そして、ア
ーム７と一体に、これと直交する方向に、定盤１
の両側エツジ部２の長手中央部の真上に相当部す
る位置まで延設するアーム７ｂを設け、その位置
に貫設した孔設部に見当合わせ用ゲージ８が取り
付けられ、該ゲージ取り付け部分のアーム７ｂの
定盤１側に、発光ダイオードなどの照明器を設け
て明るく見やすくするようにしてもよい。第２図
に図示する実施例においては、前記ゲージ８は、
アーム７と一体の、堰堤部に平行なゲージ取り付
け用アーム７ｂの両端に設ける。そして、該アー
ム７ｂの中間部より、調節ネジ１２側の堰堤部１
４方向に、延設アーム１５を設け、そのアーム先
端１５ａに、前記固定用ハンドル１１を設けるも
のである。

本考案装置の使用例を次に説明すれば、第４図
は、本考案装置を使用して、印刷版を折り曲げる
場合に使用する見当合わせマークの配置の一例を
説明する平面図であり、装置のエツジ部２に合致
させて見当を合わせるための折り曲げマーク３ａ
を印刷版３幅方向端部に設け、本考案装置のアー
ム７に備えたガラス板など透明板に見当合わせマ
ーク８ａを表示したゲージ８の該マーク８ａに対
して見当を合わせるためのセンターマーク３ｂを
刻設し、これは、、印刷版３の幅方向中心部を通
る垂直線と、折り曲げエツジ相当部の折り目を通
る水平線とを直交させたもので、印刷版３の印刷
方向端部中央に設ける。この印刷版を、本考案装
置によつて折り曲げるものであるが、まず、第１
図、アーム７を垂直方向に起立させた状態で、本
考案装置の定盤１面に前記印刷版３を載せ、第４
図印刷版３を装置のエツジ部２に折り曲げマーク
３ａをおおよそ見当を合わせて載せる。次に、十
字などのマークの表示されたゲージ８内のマーク
線８ａ（点線）に印刷版３のセンターマーク３ｂ
を合致させるため、両側の調整ネジ１２のハンド
ル部１２ａを回転させながら、印刷版３を定盤１
上で微細移動させて見当合わせした後、版３上面
より、例えば磁石を載せて、金属定盤１側に磁着
させて固定する。次に、第５図イ、印刷版３の折
り曲げ両端縁部４の内側を、上方より押え部材１
６により押えて固定した状態で、押圧部材６を降
下させて、第５図ロに図示するように、版３の両
端縁部４を折り曲げるものである。折り曲げた後
は、第５図ハのように、押圧部材６、後に押え部
材１を上方に復帰させて、印刷版３を定盤１より
取り外し、そして第６図、印刷機本体の印刷版胴
５の版装着用版万力１７に、前記折り曲げた印刷
版３の端部４をクランプして、印刷版胴５周面に
巻回して、他端の版折り曲げ端縁部４を巻き締め
シヤフト１８に装着し、該装置により巻き締めし
て、版３を版胴５周面に密着させることによつて
装着するものである。

（考案の作用） 本考案装置は、ゲージ８を備えた見当合わせ用
アーム７を、版曲げ装置に一体に取り付け、ま
た、印刷版３を載せる定盤１に、印刷版を微動調
整できる装置を設けたもので、印刷版に表示した
見当マークとアームに備えたゲージの見当マーク
とをマーク線が合致するまで正確に見当合わせの
微動操作ができるもので、見当合わせが行ない易
く、短時間で正確に位置合わせができる。

（考案の効果） 本考案は、印刷機本体の印刷版胴の印刷版装着
位置に印刷版を正確に装着することができ、印刷
方向に見当合わせが比較的に容易にでき、多色印
刷あるいは、印刷紙面に対する印刷画像位置の正
確さが要求される印刷の場合に、印刷版胴の回転
方向の位相を変更したりする印刷機上での調整時
間を短縮でき、印刷幅方向の見当合わせだけで印
刷版を印刷機の所定位置に設定することも可能で
あり、印刷版の折り曲げ作業の能率向上、及び印
刷版の折り曲げ精度の向上及びそれに伴なう印刷
版装着作業の能率向上に実用的価値のあるもので
ある。

また、印刷版を微細移動させることで位置合わ
せを行うので、極めてコンパクトは折り曲げ装置
とすることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案装置の一実施例側面図、第２
図は、本考案装置の一実施例平面図、第３図は、
従来の印刷版折り曲げ用見当マークを説明する平
面図、第４図は、本考案装置を使用する場合の印
刷版折り曲げ用見当マークを説明する平面図、第
５図は、印刷版の折り曲げ操作の説明図、第６図
は、版胴に印刷版を装着した状態の側面図であ
る。 １……定盤、２……折り曲げエツジ、３……印
刷版、７……アーム、８……見当合わせゲージ、
１０……支軸、１１……ハンドル、１２……調整
ネジ、１３……前当て部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 印刷版を載置する定盤１の両端部とそれと直交
   する方向の両端部に、該定盤面より突出する堰堤
   部１４と折り曲げ用エツジ部２をそれぞれ設け、
   前記堰堤部１４の長手方向両側に、前記印刷版微
   動調整ネジ１２、他方の堰堤部長手方向両側にバ
   ネ１３ａを内装して定盤１内側方向に付勢する前
   当て部１３を設け、前記ネジ１２、前当て部１３
   は、定盤１面に平行に該面より突出するように埋
   設して、前記一方の堰堤部１４側にブラケツト９
   に軸支された支軸１０を介して水平乃至垂直に倒
   起できるアーム７を設け、水平状態における前記
   エツジ部２中央真上相当に位置する前記アーム
   に、見当マークを表示した透明な見当合わせ用ゲ
   ージ８を取り付けたことを特徴とする印刷版折り
   曲げ装置。