JPH0418830B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、玉葱、大蒜、辣韮等の鱗茎の皮剥装
置に関するものである。

従来の技術 一般に、玉葱あるいは大韮等の鱗茎は調理用材
料として広く愛用されているが、これを細断加工
する前に、鱗茎の外周の黄褐色の外皮を剥脱しな
ければならず、これを大量に加工しようとする場
合には、機械的手法に頼らざるを得ない。

この外皮の剥脱手段としては、噴射空気が最も
有効なものであり、玉葱の皮剥ぎ工程は、移送部
に載置転送した鱗茎に圧縮空気を噴射して表皮を
剥脱し、さらに細断工程を経て鱗茎を裁断し、さ
らに噴射空気を噴出して剥脱することにより調理
材料として用いていた。

そのために、従来、上下のヘタを切り落した多
数の玉葱を、自転させつつ移送するローラーコン
ベアを基台に設け、該コンベアの移送経路上に、
前記玉葱に圧縮空気を吹付けて外皮を剥ぎ取る送
気ノズルを上下調整自在に列設した玉葱の皮剥機
が実開昭52−127098号公報として知られており、
また、移送部上に臨ませてノズルを配置し、この
ノズルから空気を噴射して、前記移送部上を通過
する鱗茎の外皮を剥脱するようにした鱗茎の皮剥
装置において、前記ノズルと移送部に置かれた前
記鱗茎との距離を最適距離に設定する切換手段
と、前記ノズルが前記移送部を通過する鱗茎上を
自動的に水平方向に揺動する手段とを具備した鱗
茎の皮剥装置が実開昭57−154994号公報として知
られており、これらのものは、鱗茎の大きさや形
状に係わらず外皮を剥脱することを可能にするた
めに、鱗形の大きさや形状に合せてノズルを上下
に移動させるために構造及び作動が複雑であり、
高価なものになつていた。

また、螺旋状の焼成軸を回転して玉葱を移動し
ながら移送する玉葱の自動皮剥ぎ装置が特開昭48
−23982号公報として提案されているが、このも
のは螺旋状の焼成軸を回転させるため、軸と玉葱
の接触面が大きいので傷む恐れがあり、前記螺旋
状の焼成軸の凹凸条で玉葱の表皮を剥ぎ起こした
後、表皮をバーナーで焼成して回転ブラシと噴水
管により表皮を剥ぎ取るものであつた。

発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は、上述する欠点に対処して、鱗
茎との接触面が小さくして、鱗茎を傷める恐れを
なくし、鱗茎を確実に搬送することが可能で、鱗
茎が移動する長い間ノズルにより鱗茎のスリツト
を形成した外皮のみを確実に剥脱することが可能
な鱗茎の皮剥装置を提供することにある。

問題点を解決するための手段 本発明の鱗茎の皮剥装置は、基台と、前記基台
に回動自在に並設した同方向に回転する回転ロー
ルと、前記回転ロールの上方に設けられた下方に
向く噴射ノズルを有する上部エアーパイプと、前
記回転ロールの下方に前記上部エアーパイプに対
向して設けた上方に向く噴射ノズルを有する下部
エアーパイプと、前記回転ロール上をその長手方
向に沿つて移動する搬送体とからなることを特徴
とする構成を有するものである。

作 用 切断装置により茎部と根部を切断して外皮にス
リツトを形成した鱗茎を基台上に並設して同方向
に回転する回転ロール上に供給すると、前記回転
ロール上で転動して外皮を剥ぎ起こされながら前
記回転ロール上を搬送体によつて長手方向に沿つ
て移動し、前記回転ロールの上方に設けた上部エ
アーパイプの下方に向く噴射ノズルから噴出する
圧縮空気によつて前記回転ロールに押付けられる
と共にスリツトに沿つて外皮を剥脱し、前記回転
ロールの下方に設けた下部エアーパイプの上方に
向く噴射ノズルから噴出する圧縮空気を噴き付け
ながら外皮を確実に剥脱し、前記回転ロールと鱗
茎との接触面を小さくして傷みを防止する。

実施例 以下、本発明の実施例を図面に基いて詳細に説
明する。

第１図、第２図及び第３図において、１は皮剥
装置の基台であり、前記基台１上部には同方向に
回転する回転ロール２，３が回転自在に並設さ
れ、前記回転ロール２，３間はわずかな間隙４を
有しており、前記回転ロール２，３はその両端の
支軸部２ａ，３ａが前記基台１の長手方向両端の
側板５，６上に設けた支持体７，８によりそれぞ
れ回転自在に軸支され、前記回転ロール２の一方
の支軸部２ａにはその先端に回転用スプロケツト
９とそれに隣接して回転伝達用スプロケツト１０
が一体に軸止され、前記回転ロール３の一方の支
軸部３ａには先端に前記回転用スプロケツト９に
隣接して回転用スプロケツト１１が一体に軸止さ
れている。１ａは基台１に形成された外皮を排出
するための排出口である。

Ｍは基台１の一端側部に設けられた駆動用モー
タで、その側部には歯車等の変速機構を収納する
変速機構収納体１２が設けられ、前記駆動用モー
タＭと前記変速機構収納体１２とは歯車等の伝達
機構を収納する伝達機構収納体１３により連結さ
れて前記駆動用モータＭの回転を伝達機構を介し
て変速機構に伝達させる。前記変速機構収納体１
２には回転ロール２，３の回転用スプロケツト
９，１１と並んで駆動用スプロケツト１４が駆動
軸１４ａの先端に一体に軸止されている。前記駆
動用スプロケツト１４と前記回転用スプロケツト
９，１１間には回転用チエーン１５が張設され、
前記駆動用スプロケツト１４の回転により回転ロ
ール２，３が同方向に回転されるようになつてい
る。

１６は回転ロール２，３間上方に設けられた上
部エアーパイプであり、下部には長手方向に沿つ
て下方に向いて突出した複数の噴射ノズル１７が
設けられ、前記上部エアーパイプ１６の本体が機
体１８の上端一側に形成した上部支持体１９に取
付けられた固定杆２０に設けた垂下支持杆２１下
端の保持具２２により支持され、前記上部エアー
パイプ１６が移動しないように固定されている。

２３は回転ロール２，３間下方で上部エアーパ
イプ１６に対向して設けられた下部エアーパイプ
で、上部には長手方向に沿つて上方に向いて突出
した複数の噴射ノズル２４が設けられ、前記下部
エアーパイプ２３の一端にはキー溝を有するガイ
ド軸２５が設けられ、前記ガイド軸２５の先端に
はピン取付部２６が形成され、前記ガイド軸２５
と前記下部エアーパイプ２３の本体が基台１の下
部支持部２９に取付けたガイド支持体２７，２８
により長手方向に往復移動自在に取付けられてい
る。

３０は、下部エアーパイプ２３の下方に設けら
れた回動軸であり、その両端には摺動用回転変換
ギヤボツクス３１と搬送用回転変換ギヤボツクス
３２が基台１下面上に載置して設けられ、前記摺
動用回転変換ギヤボツクス３１の一側には摺動用
スプロケツト３３が設けられ、回動ロール２の回
転伝達用スプロケツト１０と前記摺動用スプロケ
ツト３３間には摺動用チエーン３４が張設され、
前記摺動用回転変換ギヤボツクス３１上部には回
転支持体３５を介して軸３６と一体に偏心輪３７
が設けられ、前記偏心輪３７には係合リング３８
が嵌合係合され、前記係合リング３８と下部エア
ーパイプ２３のピン取付部２６間には揺動リンク
３９がピン４０を介して取付けられ、偏心輪３７
の回動により係合リング３８を介して揺動リンク
３９を揺動運動させ、ガイド支持体２７，２８で
支持されたガイド軸２５によつて下エアーパイプ
２３は回転ロール２，３の長手方向に沿つて矢印
ａ方向に往復運動を行なう。

そして、搬送用回転変換ギヤボツクス３２に
は、上部に回転支持体４１を介して軸４２の上端
に搬送機構駆動用スプロケツト４３が取付けら
れ、第３図に示すように、基台１上には前記搬送
機構駆動用スプロケツト４３と並んで中間スプロ
ケツト４４と一体の回転軸４５が支持体４６，４
７により回動自在に支持され、前記搬送機構駆動
用スプロケツト４３と前記中間スプロケツト４４
間には搬送機構作動用チエーン４８が張設されて
いる。回転軸４５の上端寄りには第１スプロケツ
ト４９が一体に取付けられ、第２図にも示すよう
に、前記第１スプロケツト４９は基台１の一側他
端に設けられ、前記基台１の一側一端寄りには第
２スプロケツト５０がその軸５０ａを支持部材５
１により支持して回転自在に設けられ、前記第１
スプロケツト４９と前記第２スプロケツト５０間
で前記基台１の一側に第３スプロケツト５２が回
動自在に配設され、第１スプロケツト４９と第２
スプロケツト５０及び第３スプロケツト５２間に
は搬送用チエーン５３が張設され、前記搬送用チ
エーン５３は第１スプロケツト４９の回転により
矢印ｂ方向に回動する。５２ａは第３スプロケツ
ト５２の軸である。

５４は搬送用チエーン５３に一定間隔で設けら
れた搬送体取付杆（図ではその一部のみを示す。）
で、その先端には玉葱を搬送するための搬送体５
５が設けられ、前記搬送体５５は搬送用チエーン
５３の回転によつて回転ロール２，３上を長手方
向に沿つて移動する。

なお、５６は伝達機構１２を調整する調整用ハ
ンドルであり、ガイド軸２５はキーでなくスプラ
インにすることも可能である。

次に、この実施例の作動について説明すると、
駆動用モータＭが作動すると伝達機構及び変速機
構を介して駆動用スプロケツト１４が回動し、回
転用チエーン１５によつて回転用スプロケツト
９，１１が回転することにより回転ロール２，３
が同方向に回転され、一方の回転ロール２の支軸
部２ａに設けた回転伝達用スプロケツト１０も回
転用スプロケツト９と共に回転を行なつて摺送用
チエーン３４を介して摺動用スプロケツト３３を
回転し、前記摺動用スプロケツト３３の回転が摺
動用回転変換ギヤボツクス３１内の図示しない歯
車機構により偏心輪３７と回動軸３０を回動す
る。前記偏心輪３７の偏心回転により前記偏心輪
３７と嵌合する係合リング３８が揺動リンク３９
を揺動運動させて下部エアーパイプ２３を矢印ａ
方向に直線状に往復移動させ、回転ロール２，３
の上方に設けた上部エアーパイプ１６の噴射ノズ
ル１７より下方に圧縮空気が噴出され、前記回転
ロール２，３の下方に設けた往復移動する前記下
部エアーパイプ２３の噴射ノズル２４より上方に
圧縮空気が噴出される。

そして、回動軸３０の回転は、搬送用回転変換
ギヤボツクス３２内の図示しない歯車により搬送
機構駆動用スプロケツト４３を回動し、搬送機構
作動用チエーン４８を介して中間スプロケツト４
４を回動してその回転軸４５と一体の第１スプロ
ケツト４９を回転し、前記第１スプロケツト４９
と第２スプロケツト５０と第３スプロケツト５２
間に張設した搬送用チエーン５３を図面矢印ｂ方
向に回動するため、前記搬送用チエーン５３に設
けた搬送体取付杆５４の搬送体５５が回転ロール
２，３上を長手方向に沿つて移動する。

第４図に示すように、図示しない切断装置によ
り茎部と根部を切断し外皮にスリツト５７を形成
された玉葱５８が、同方向に回転する回転ロール
２，３上に一端側より供給されて、前記回転ロー
ル２，３上で転動するために外皮が剥ぎ起される
と共に、搬送用チエーン５３の回転によつて搬送
体５５が前記回転ロール２，３上を長手方向に沿
つて移動し、上部エアーパイプ１６の噴射ノズル
１７より噴出する圧縮空気で回転ロール２，３に
押し付けられると同時に外皮をスリツト５７に沿
つて細かく剥脱され、下方からも往復移動する下
部エアーパイプ２３の噴射ノズル２４より噴出す
る圧縮空気によつて外皮を剥脱され、前記回転ロ
ール２，３上を長手方向に沿つて搬送されながら
上部エアーパイプ１６と下部エアーパイプ２３か
らの圧縮空気により確実に外皮が剥脱され、外皮
を剥脱された玉葱５８は前記回転ロール２，３の
他端より図示しない次工程に送られる。また、剥
脱された外皮は、上部エアーパイプ１６の噴射ノ
ズル１７より噴出する圧縮空気で回転ロール２，
３間の間隙４より基台１の排出口１ｂより外部に
排出される。

発明の効果 以上に述べたように、本発明の鱗茎の皮剥装置
によれば、切断装置により茎部と根部を切断され
外皮にスリツトを形成された鱗茎は、基台上に回
動自在に並設した同方向に回転する回転ロール上
で転動して回転ロール上をその長手方向に沿つて
移動する搬送体によつて移送されて全周面が均等
にノズルに対向し、回転ロールの上方に設けた下
方に向く噴射ノズルより噴出する圧縮空気により
回転ロールに押付けられると共に全周面の外皮が
均等に剥脱され、回転ロールの下方に上部エアー
パイプに対向して設けた下部エアーパイプの上方
を向く噴射ノズルより噴出する圧縮空気によつて
も全周面の外皮が均等に剥脱され、鱗茎と回転ロ
ールとの接触面を小さくして鱗茎を傷める恐れを
なくし、鱗茎を搬送体によつて前記回転ロール上
を確実に搬送することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の実施例の正面図、第２図
は、同上の平面図、第３図は、同上の右側面図、
第４図は、鱗茎移送時における要部の拡大図であ
る。 １……基台、１ａ……排出口、２，３……回転
ロール、２ａ，３ａ……支軸部、４……間隙、
５，６……側板、７，８……支持体、９，１１…
…回転用スプロケツト、１０……回転伝達用スプ
ロケツト、１２……変速機構収納体、１３……伝
達機構収納体、１４……駆動用スプロケツト、１
４ａ……駆動軸、１５……回転用チエーン、１６
……上部エアーパイプ、１７……噴射ノズル、１
８……機体、１９……上部支持部、２０……固定
杆、２１……垂下支持杆、２２……保持具、２３
……下部エアーパイプ、２４……噴射ノズル、２
５……ガイド軸、２６……ピン取付部、２７，２
８……ガイド支持体、２９……下部支持部、３０
……回動軸、３１……摺動用回転変換ギヤボツク
ス、３２……搬送用回転変換ギヤボツクス、３３
……摺動用スプロケツト、３４……摺動用チエー
ン、３５……回転支持体、３６……軸、３７……
偏心輪、３８……係合リング、３９……揺動リン
ク、４０……回転支持体、４２……軸、４３……
搬送機構駆動用スプロケツト、４４……中間スプ
ロケツト、４５……回転軸、４６，４７……支持
体、４８……搬送機構作動用チエーン、４９……
第１スプロケツト、５０……第２スプロケツト、
５０ａ……軸、５１……支持部材、５２……第３
スプロケツト、５２ａ……軸、５３……搬送用チ
エーン、５４……搬送体取付杆、５５……搬送
体、５６……調整用ハンドル、５７……スリツ
ト、５８……玉葱、Ｍ……駆動用モータ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 基台と、前記基台上に回動自在に並設した同
   方向に回転する回転ロールと、前記回転ロールの
   上方に設けられた下方に向く噴射ノズルを有する
   上部エアーパイプと、前記回転ロールの下方に前
   記上部エアーパイプに対向して設けた上方に向く
   噴射ノズルを有する下部エアーパイプと、前記回
   転ロール上をその長手方向に沿つて移動する搬送
   体とからなることを特徴とする鱗茎の皮剥装置。