JPH0418585B2 - - Google Patents

Description

(d) 次の各部を含む制御弁１ () 一側に上記ブレーキ管圧力、他側に上記
制御溜圧力を受け、上記ブレーキ管の減圧に
応じて一方向に推力を発生する主ピストン
５、 () 上記一方向と対向する方向に押力を発生
する弛めばね１６、 () 上記制御溜に接続された供給通路４２，
４０，５１、及び () 上記推力が上記押圧より大きくなつたと
き上記供給通路と上記ブレーキシリンダとの
流体圧連通を成立させ、その推力と押力が等
しくなつたとき上記流体圧連通を閉塞する供
給弁９、 とから構成されたブレーキ制御装置に、次の各
部を追設した上記ブレーキ制御装置。

(e) 上記供給通路の途中に設置され、上記制御溜
と上記供給通路の下流との間に上記押力に対応
する圧力差を発生させる差圧逆止弁３２及び (f) 通常上記差圧逆止弁を経て上記ブレーキ管か
ら圧力流体を供給され、上記供給通路の上記下
流に接続された常用溜２９。

【発明の詳細な説明】

（産業上の利用分野） 本発明は鉄道車両に使用されるブレーキ制御装
置、特に直接弛め方式と階段弛め方式との何れの
方式にも選定し得るブレーキ制御装置の改良に関
するものである。

（従来の技術） この種のブレーキ制御装置の一例が特許出願公
告昭56−38426号の特許公報に開示されている。

この装置には第２図に示す通りブレーキ管１、
管座７、制御弁１２、切替蓋１５、ブレーキシリ
ンダ２及び制御溜３，４が含まれ、蓋１５を図示
の位置に取り付けたとき直接弛め方式として作動
し、蓋１５を別の位置に取り付けたとき段階弛め
方式として作動する。

蓋１５が図示の位置に取り付けられたときこの
装置は次の通り作用する。

ブレーキ管１の圧力が特定の規定値に保持され
ているとき、制御弁１２の主ピストン９９の上室
１０８、下室１０７、及び制御溜３，４の圧力は
その規定値に保持されている。

ブレーキ管１が減圧すると室１０７と１０８と
の圧力差により主ピストン９９は上動し、供給弁
５８が離座して制御溜３，４の圧力流体がブレー
キシリンダ２に流入し車両にブレーキが適用され
る。

ブレーキの適用によつて制御溜３，４即ち室１
０７の圧力が低下し、室１０７と１０８との圧力
差によつて主ピストン９９の上向きの推力が弛め
ばね８７の押力と等しくなつたとき供給弁５８が
着座し制御弁１２はブレーキ重なり位置をとる。

ブレーキ管１が段階的に減圧するとブレーキシ
リンダ３０の圧力は段階的に上昇し、ブレーキシ
リンダ３０と制御溜３，４の圧力が釣り合つたと
きブレーキシリンダ３０の圧力は最大になる。こ
のときのブレーキシリンダ圧力は全ブレーキ圧力
と呼ばれ、制御溜３，４の合計容積はこの全ブレ
ーキ圧力が後述の第３図に示すブレーキ制御装置
の場合と同一になるように設定されている。

一方、現在一般の車両には実用新案公報昭60−
36506号に開示された制御弁が多用されているが、
この制御弁は第３図に示す通り、ピストン１５を
内臓し、その上室１６は通路１４を経てブレーキ
管１に、下室１７は通路１８を経て補助溜４に連
通している。

ブレーキ管１が減圧するとピストン１５は滑弁
２０を伴つて上動し、補助溜４はブレーキシリン
ダ２に接続されて車両にブレーキが適用される。

ブレーキ管の減圧が進行し、補助溜４とブレー
キシリンダとの圧力が釣り合つたとき、ブレーキ
シリンダ２の圧力は全ブレーキ圧力となる。この
時点におけるブレーキ管減圧量は全ブレーキ減圧
量と呼ばれ、補助溜４の容積は全ブレーキ圧力が
この時点におけるブレーキ管圧力と等しくなるよ
うに設定されている。

従つてこの時点におけるブレーキ管圧力、補助
溜圧力及びブレーキシリンダ圧力はすべて同圧に
なる。

（問題点） 第２図に示した装置を設置された車両と、第３
図に示した装置を設置された車両とを混成した場
合に次の通りの問題点が発生する。

ブレーキ管の減圧が前述の全ブレーキ減圧量に
達したとき後者の車両のブレーキシリンダ圧力は
全ブレーキ圧力になるが、前者の両者においては
全ブレーキ圧力にならない。その理由は弛めばね
８７の押力が関与するため補助溜圧力がその時点
のブレーキ管圧力まで減圧されないからであり、
全ブレーキ圧力を得るためにはブレーキ管圧力を
全ブレーキ減圧量を超えて減圧しなければならな
い。

上述の通り、全ブレーキ圧力に到達する時期が
相違するため列車全体を通じブレーキ力の均等性
が悪くなり、円滑なブレーキの適用ができなくな
る。

（技術的手段） 上述の問題点を解決するため本発明において
は、ブレーキ管、制御溜、ブレーキシリンダ、制
御溜に接続された供給通路、及び主ピストンと弛
めばねと供給弁とを含む制御弁とから成るブレー
キ制御装置に次の各部が追設されている。

(1) 供給通路の途中に配置され、制御溜と供給通
路の下流との間に弛めばねの押力に対応する圧力
差を発生させる差圧逆止弁、及び (2) 通常差圧逆止弁を経てブレーキ管から圧力流
体を供給され、供給通路の下流に接続された常用
溜。

（作用ならびに効果） 上記の差圧逆止弁と常用溜を追設することによ
つて本発明によるブレーキ制御装置は次の通り作
用する。

ブレーキ管が減圧すると制御弁が作動し、常用
溜からブレーキシリンダへ圧力流体が供給され、
車両にブレーキが適用されるとともに常用溜圧力
は降下し、制御溜圧力も差圧逆支弁を経て減圧さ
れる。

制御溜圧力は第２図に示した装置と同様にブレ
ーキ管圧力に弛めばねの押力に相当する圧力を加
算された値になるが、常用溜圧力は差圧逆止弁の
効果により、この加算された値を差引いた値、即
ちその時のブレーキ管圧力と同圧になる。

従つて常用溜と制御弛との合計容積を全ブレー
キ圧力が第３図に示した装置の場合と同じ値にな
るように設定しておくことによりブレーキ管減圧
量が前述の全ブレーキ減圧量に達したとき、ブレ
ーキシリンダ圧力も全ブレーキ圧力になり前述し
た問題点は完全に解決される。

（実施例） 第１図に示す本発明によるブレーキ制御装置は
ブレーキ管２６、制御溜２７、ブレーキシリンダ
３０、制御弁１、管座３、切換弁２、補助溜２８
及び本発明の主眼点の１つである常用溜２９から
構成されている。

管座３には本発明の主眼点の他の１つの差圧逆
止弁３２と通常の逆止弁３１とが内蔵され、管座
３の右側に制御弁１、上部に切換弁２が取り付け
られている。

制御弁１は第２図に示したものと略同一の構造
で、主ピストン５、補助ピストン６及び給排弁部
４から構成されている。

主ピストン５の上下に夫々室１２，１３が形成
され、主ピストン５の中心部にはスプール弁２０
が滑入されている。

補助ピストン６の上下に夫々室１４，１５が形
成され、室１５は常に大気に連通している。室１
４に配設された弛めばね１６によつて補助ピスト
ン６は通常図示の通り最下端位置にあり、このと
き補助ピストン６に固定されている弁軸８の下端
は押棒７を介してスプール弁２０の上端に当接
し、主ピストン５はスプール弁ばね２５に押され
て図示の通り最下端位置にあり、このとき室１２
はスプール弁２０の内部通路及び絞り孔３７を経
て室１３に連通している。

補助ピストン６の上方に給排弁部４が配設さ
れ、給排弁部４は弁軸８の上端に形成された排出
弁座１１と供給弁９と弁体に形成された供給弁座
１０とから構成され、通常供給弁９は供給弁ばね
１７に押されて弁座１０に着座し、弁座１１は供
給弁９から離座している。

切換弁２にはスプール弁３３が内蔵され、この
スプール弁３３はハンドル３４によつて直接弛め
位置または階段弛め位置の何れかに設定される。
スプール弁３３が図示の直接弛め位置にあると
き、通路４０と４２、通路４８と大気とが夫々接
続される。従つて補助ピストン６の上室１４は大
気に接続されるから、補助ピストン６の上下はと
もに大気圧になり、この場合補助ピストン６はピ
ストンとして作動しない。

以下この切替弁２が図示の直接弛め位置にある
ときの作用について説明する。

ブレーキ管２６に圧力流体が供給されると、そ
の流体は通路３５、室１２、絞り孔３７、室１
３、通路４３，４２を経て制御溜２７に流入し、
更に通路３５，３８、逆止弁３１、通路４０、差
圧逆止弁３２、通路５１，５２を経て常用溜２９
に流入する。従つてブレーキ管２６の圧力が規定
値に達したとき室１２，１３、及び制御溜２７の
圧力はその規定値になる。但し常用溜２９の圧力
は差圧逆止弁３２の効果によつてその規定値より
一定量低い値になる。

このときブレーキシリンダ３０は通路４４、排
出弁座１１、弁軸の内部通路４６、通路４７を経
て大気に接続され、ブレーキは弛められている。

ブレーキ管２６が減圧されると室１２の圧力は
ブレーキ管圧力とともに低下するが、室１３の圧
力は絞り孔３７の効果により減圧速度が遅く室１
２と１３との間に圧力差が発生し、主ピストン５
はスプール弁ばね２５を圧縮して上動しスプール
弁２０による室１２と１３との連通は閉塞され
る。弛めばね１６の押力はスプール弁ばね２５の
押力より大きく設定されているからこのとき補助
ピストン６はまだ上動しない。

室１２と１３との圧力差が増加しその圧力差に
よる主ピストン５の推力が弛めばね１６の押力よ
り大きくなつたとき、主ピストン５、補助ピスト
ン６とともに弁軸８が上動し、弁座１１は供給弁
９に着座しブレーキシリンダ３０と大気との連通
は遮断され、つづいて供給弁９は弁座１０から離
座する。

供給弁９の離座により常用溜２９の圧力流体は
通路５２，５１、供給弁９、通路４４を経てブレ
ーキシリンダ３０に供給され、車両にブレーキが
適用されるとともに常用溜圧力は効果する。また
この常用溜の圧力降下に追随して制御溜２７の圧
力流体は差圧逆止弁３２を経てブレーキシリンダ
３０に供給されて制御溜圧力も降下する。

ブレーキ管減圧を停止してもブレーキシリンダ
３０への圧力流体の供給はつづくが、その供給に
よつて制御溜圧力即ち室１３の圧力が低下し、主
ピストン５の推力が弛めばねの押力と等しくなつ
たとき、ばね１７によつて供給弁９は弁座１０に
着座して制御弁１はブレーキ重なり位置をとり、
ブレーキシリンダ圧力の上昇は停止する。

ブレーキ管圧力を階段的に減圧すると上述の作
用が繰り返されてブレーキシリンダ圧力は階段的
に上昇し、その圧力が常用溜圧力と釣り合つたと
き全ブレーキ圧力となる。制御溜２７及び常用溜
２９の合計容積はこの全ブレーキ圧力が第３図に
示した装置における全ブレーキ圧力と同じになる
ように設定されている。

次に差圧逆止弁３２について説明する。

この弁は制御溜２７と給排弁部４とを接続する
供給通路４２，４０，５１の途中に設置され、下
流の供給通路５１の圧力を制御溜２７の圧力より
一定量低くするように作動し、その圧力差が弛め
ばね１６の押力に対応する室１３の圧力と等しく
なるよう設定されている。

制御弁１が前述のようにブレーキ重り位置をと
つたとき、制御溜圧力即ち室１３の圧力はそのと
きのブレーキ管圧力に弛めばね１６の押力に対応
する圧力を加算された圧力値になるが、常用溜圧
力は差圧逆止弁３２の作用によつて制御溜圧力か
ら上記の加算された圧力を減算された値、即ちそ
の時のブレーキ管圧力と同一値に保持される。

従つてブレーキ管の減圧が前述した全ブレーキ
減圧量に達したとき、ブレーキシリンダ圧力も全
ブレーキ圧力になり、前述の問題点は完全に解決
される。

適用されたブレーキを弛めるためにブレーキ管
圧力を上昇させると、室１２の圧力は室１３の圧
力より高くなり、主ピストン５は下動し、排出弁
座１１は供給弁９から離座してブレーキシリンダ
３０の圧力流体は大気に放出され、ブレーキは弛
められる。

この場合ブレーキ管圧力の上昇を途中で停止し
ても室１３の圧力が室１２の圧力より高くなるこ
とはないから、弁座１１は供給弁９から離座した
ままに保持され、ブレーキシリンダ圧力は大気圧
まで降下する。

従つて切換弁２を図示の位置においた場合、こ
の装置は直接弛め方式により作動する。

次に切換弁２を階段弛め位置に設定した場合の
作用について説明する。、 この場合、通路４０と５３、通路５４と４８が
夫々接続され、ブレーキシリンダ３０は通路４
４，５４，４８を経て補助ピストン６の上室１４
に、ブレーキ管２６は通路３５，３８、逆止弁３
１、通路４０，５３を経て補助溜２８に接続され
る。

ブレーキ管圧力が規定値まで上昇すると、室１
２，１３及び制御溜２７の圧力は前述の場合と同
様に上記の規定値まで上昇し、補助溜２８及び常
用溜２９の圧力は夫々逆止弁３１，３２によつて
ブレーキ管２６の規定値より少し低い圧力まで上
昇する。

ブレーキ管２６が減圧すると制御弁１は前述の
場合と同様に作動して供給弁９は弁座１０から離
座する。

供給弁９の離座により、補助溜２８及び常用溜
２９の圧力流体は通路５１、供給弁９、通路４４
を経てブレーキシリンダ３０に供給され、車両に
ブレーキが適用される。

このとき補助溜圧力及び常用溜圧力は低下する
が、制御溜圧力は低下せず最初の規定圧に保持さ
れる。また補助ピストン６の上室１４はブレーキ
シリンダ３０に接続されているから、ブレーキシ
リンダの圧力上昇に伴い補助ピストン６の下向き
の推力は増加し、その推力と弛めばね１６の押力
との合力が主ピストン５の上向きの推力と等しく
なつたとき制御弁１はブレーキ重なり位置をと
り、ブレーキシリンダ３０の圧力上昇は停止す
る。

ブレーキ管圧力は段階的に減圧すると、上述の
作用が繰り返されブレーキシリンダ圧力は階段的
に上昇し、常用溜圧力とブレーキシリンダ圧力が
釣り合つたときブレーキシリンダ圧力は最高値に
なる。

適用されているブレーキを弛めるためにブレー
キ管圧力を上昇させると、主ピストン５の推力が
小さくなり弁軸８は下動して弁座１１は供給弁９
から離座し、ブレーキシリンダ３０は大気に接続
されてその圧力は降下する。この圧力降下に伴つ
て室１４の圧力が降下し、補助ピストン６の推力
と弛めばね１６の押力との合力が主ピストン５の
推力より小さくなつたとき、排出弁座１１が供給
弁９に着座して制御弁１は弛め重り位置をとり、
ブレーキシリンダ圧力の降下は停止する。

ブレーキ管圧力は階段的に上昇させると、その
都度制御弁１は弛め重り位置をとり、ブレーキシ
リンダ圧力は階段的に降下する。

上述の通りこの装置は切換弁２を階段弛め位置
に選定した場合、階段弛め方式として作動する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例としてのブレーキ制
御装置の作用説明図、第２図及び第３図は従来技
術によるブレーキ制御装置の説明図である。 １……制御弁、５……主ピストン、９……供給
弁、１６……弛めばね、２６……ブレーキ管、２
７……制御溜、２９……常用弛、３０……ブレー
キシリンダ、３２……差圧逆止弁、４２，４０，
５１……供給通路、５１……下流の供給通路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 鉄道車両に使用され、 (a) 圧力流体によつて通常特定の規定値に充填さ
   れているブレーキ管２６と、 (b) 通常上記ブレーキ管から圧力流体を供給され
   ている制御溜２７と、 (c) 流体圧力によつて作動し、車両にブレーキを
   適用するブレーキシリンダ３０と、