JPH0418069Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は原料粉を湯で溶いて払出す簡易な調理
ではなくて、原料粉と湯との混合液をフイルタで
濾過して抽出液を払出す調理方法の自動販売機に
関する。

従来の技術 この種の調理方法を採用している自動販売機と
しては、コーヒ粉と湯との混合液を濾過抽出する
よう構成されたコーヒの自動販売機を挙げること
ができる。従来、この自動販売機は第２図のよう
に構成されている。

抽出濾過装置Ａは第３図に示すように構成され
ている。抽出室１の下方には濾過液受け２が昇降
自在に取付けられており、抽出室１と濾過液受け
２の間には、巻装体３から引き出された帯状フイ
ルタ４が掛張されている。

濾過工程は、濾過液受け２を第４図のように上
昇させて抽出室１下面開口５に帯状フイルタ４を
押し当て、第３図のように開放している連通孔６
から抽出室１に１杯分のコーヒ粉Ｂと湯Ｃを投入
し、次いで第４図のように弁体７で連通孔６を閉
塞して、空気供給口８から加圧空気９を吸込んで
加圧する。コーヒ粉と湯との混合液１０はフイル
タ４の抽出室側と濾過液受け側との圧力差によつ
て強制濾過され、混合液１０中のコーヒエキスの
溶け込んだ湯成分がフイルタ４を通過して加圧空
気と共に流下通路１１に流れて加圧空気で圧送さ
れる。

加圧空気で圧送された熱いコーヒ抽出液Ｄは第
２図に示すようにボウル１２で補助原料としての
クリームＥと砂糖Ｆと混ぜられ、クリームＥと砂
糖Ｆとが溶け込んだ熱い抽出液D′はボウル１２
からカツプ１３に払出される。

ここで、販売商品が冷たいコーヒの場合には、
製氷機１４からカツプ１３へ氷Ｇを払出すととも
に、冷水Ｈがカツプ１３へ払出される。２２は冷
水Ｈを作るための冷水槽で、貯められた水１５が
コンプレツサ１６と熱交換器１７とで０℃〜２℃
に温度制御されており、前記冷水Ｈは、この１５
中に投入された別の熱交換器１８を介してポンプ
１９でカツプ１３に送られている。

また、実開昭61−46686号公報には、補助原料
である砂糖とクリームをコーヒ抽出液に溶かした
ものを冷水と熱交換させてからカツプに払い出す
自動販売機が開示されている。

考案が解決しようとする問題点 第２図に示した従来の構成では、カツプ１３に
おいて熱い抽出液D′と冷水Ｈを混合して冷たい
コーヒとしているため、抽出液Ｄとしては濃度が
高いことが必要である。しかし、第３図と第４図
に示すような形式の抽出濾過装置Ａで濃い抽出液
Ｄを得るためには、冷水で薄める分だけすくない
湯量で抽出しなければならず、そのため抽出効率
が悪く、一杯当りの必要コーヒ粉Ｂの量が熱いコ
ーヒを販売する場合よりも多く必要とする欠点が
ある。

実開昭61−46686号公報の技術では、熱交換し
て冷却しているために、抽出液Ｄとしては普通の
濃度のものでよいが、熱交換して急激に冷やされ
る際に、熱交換する管路の内周面に補助原料であ
る砂糖とクリームの一部が付着し、長期間にわた
つて運転していると熱交換している管路が閉塞す
る問題が残されている。

本考案は少ない原料粉でありながら冷たい商品
を販売することができ、しかも、長期間にわたつ
て安定した販売動作を期待できる自動販売機を提
供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 本考案の抽出濾過装置付き自動販売機は、原料
粉と湯との混合液をフイルタを介して強制濾過し
て抽出液を得るよう構成するとともに、抽出液の
払出し経路中に設けられ冷却装置を介して払出す
第１の切替状態と前記冷却装置を介さずに払出す
第２の切替状態とに切替える切替弁と、一販売動
作中に前記第１の切替状態と第２の切替状態を切
替えるよう前記切替弁に指示する制御装置と、第
２の切替状態の前記切替弁を介して払出された抽
出液で補助原料を溶いて払出す混合容器とを設け
たことを特徴とする。

作 用 この構成によると、一販売動作中に制御装置を
介して切替弁が第１の切替状態と第２の切替状態
とに切替つて、一部の熱い抽出液は冷却装置を介
して払出され、残りの熱い抽出液は混合容器で補
助原料を溶いで、冷やされた抽出液と混合され、
全体として補助原料入りの冷たい商品となる。

実施例 以下、本考案の一実施例を第１図に基づいて説
明する。なお、第２図〜第４図と同様の作用を成
すものには同一符号を付けてその説明を省く。

第１図では抽出濾過装置Ａで抽出された抽出液
Ｄの払出し経路だけが第２図とは異なつている。
つまり、第１図では抽出液Ｄは切替弁２０によつ
て払出し経路が切替えられている。切替弁２０は
一販売動作中にポートP₁を使用する第１の切替
状態とポートP₂を使用する際２の切替状態とに
切換えるよう制御装置２１によつて時間制御され
ている。具体的には、制御装置２１は販売動作開
始の初期には切替弁２０を第１図とは逆の第２の
切替状態にしており、抽出液ＤはポートP₂を介
してボウル１２へと払出される。ボウル１２で
は、抽出液ＤでクリームＥと砂糖Ｆを溶いてカツ
プ１３に払出される。規定時間が経過したことを
制御装置２１が検出すると、切替弁２０が第１図
の第１の切替状態に切換つて、ボウル１２への流
路が閉塞されて抽出液ＤはポートP₁を介して流
れ、熱交換器１８を介して冷やされてカツプ１３
に払出される。また、必要に応じて氷Ｇがカツプ
１３に払出される。

このように抽出液Ｄを熱交換器１８で直接に冷
やして、この冷やされた抽出液Ｉと、クリームＥ
と砂糖Ｆが溶け込んだ熱い抽出液D′とをカツプ
１３で混ぜ合せて冷たいコーヒとしているため、
熱交換器１８にはクリームＥと砂糖Ｆとが溶け込
んでいない抽出液Ｄが通されるだけで、補助原料
が通過することがなく、熱交換して急激に冷やし
ても、熱交換器１８の内周面に補助原料が付着す
ることがなく、長期間にわたつて安定した販売動
作を期待できる。

考案の効果 以上説明のように本考案の抽出装置付き自動販
売機は、熱い抽出液の払出し経路を、一販売動作
中に切替弁によつて冷却装置を介して払出す期間
と混合容器で補助原料を溶いで払出す期間とに切
換えられているため、従来のように熱い抽出液の
全量で補助原料を溶いて、これに抽出液ではない
冷水を混ぜ合せて冷たい商品としている従来の装
置に比べて、少ない原料粉で従来と同じ濃度の商
品を得ることができる。

さらに、冷却装置の管路の内周面に補助原料が
付着することもなく、長期間にわたつて安定した
販売動作を期待できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の構成図、第２図は
従来装置の構成図、第３図と第４図は第２図にお
ける抽出濾過装置の動作過程を示す縦断面図であ
る。 １２……ボウル〔混合容器〕、１３……カツプ、
１４……冷水槽、１８……熱交換器、２０……切
替弁、２１……制御装置、Ａ……抽出濾過装置、
Ｂ……コーヒ粉〔原料粉〕、Ｃ……湯、Ｅ……ク
リーム〔補助原料〕、Ｆ……砂糖〔補助原料〕。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 原料粉と湯との混合液をフイルタを介して強制
   濾過して抽出液を得るよう構成するとともに、抽
   出液の払出し経路中に設けられ冷却装置を介して
   払出す第１の切替状態と前記冷却装置を介さずに
   払出す第２の切替状態とに切替える切替弁と、一
   販売動作中に前記第１の切替状態と第２の切替状
   態を切替えるよう前記切替弁に指示する制御装置
   と、第２の切替状態の前記切替弁を介して払出さ
   れた抽出液で補助原料を溶いて払出す混合容器と
   を設けた抽出濾過装置付き自動販売機。