JPH04173985A - 装飾品の装飾面形成方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、時計用外装部品、メガネフレーム等の装飾品
の装飾面形成方法に関するものである。

〔従来の技術〕

近年、時計用外装部品、メガネフレーム等を多彩化し、
さらに、ホーニング仕上げ、鏡面仕上げ等のコンビネー
ションによって、これらに装飾性と高級感を与えること
が行なわれている。

この場合の装飾面の形成方法は、基体を鏡面に仕上げ、
マスキングを施し、部分的にホーニング仕上げを行ない
、鏡面仕上げとホーニング仕上げのコンビネーションを
あらかじめ仕上げておいて、その後、メッキ等で被膜を
形成していた。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、従来の装飾品の装飾面形成方法の場合、
ホーニング仕上げ面にホーニングのガラスピーズやセラ
ミックの粒子が残留し、通常の洗浄工程において除去さ
れにくく、その結果、乾式メッキにおいての被膜形成時
、この残留物が原因となって密着不良が多発していた。

また、鏡面仕上げ面とホーニング仕上げ面を境に２色調
の被膜を形成する場合、その境界線に沿って正確にマス
キングを施さなければならず、スクリーン印刷、タコ印
刷等でマスキングが境界線からずれた場合、いちじるし
く外観を損ねていた。

本発明は上述した従来の欠点を無くし、乾式メッキにお
いての被膜の密着性の向上と、マスキングのずれによる
外観不良のない装飾品の装飾面形成方法を提供すること
を目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、鏡面仕上げの基体に乾式メッキまたは湿式メ
ッキにより、メッキ被膜を形成し、次いで該メッキ被膜
の表面に部分的にマスキングを施し、その後、アーク式
イオンプレーティング処理により、未溶融粒子を多量に
含む梨地面をもつアークイオンプレーティング被膜を形
成し、前記マスキングを除去することを特徴とするもの
である。

〔実施例〕

以下本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。

第１図は装飾品の途中工程での要部断面図、第２図は完
成した装飾品の要部断面図である。

実施例１ 基体１として装飾品であるチタン製メガネフレームを鏡
面仕上げし、多陰極方式のイオンプレーティング装置の
真空槽内に取り付ける。真空槽内を排気後、アルゴンガ
スを導入、圧力３Ｘ１０”−’Ｔｏｒｒにし、基体１に
３０Ｖの負電位の加速電圧を印加し、アルゴンイオンで
基体１の表面をボンバードクリーニングする。次に反応
ガスとして窒素ガスを導入し、アルゴンガスと窒素ガス
の混合ガスとして、真空槽内を２Ｘ１０−３Ｔｏｒｒに
保持する。次に、適当な加速電圧で電子ビームを金属チ
タンの蒸発源に照射してチタンを気化させ、真空槽内の
中間に設けたイオン化電極によりチタン蒸気と窒素ガス
をイオン化し基体１の表面に膜厚約１μｍの窒化チタン
層を形成させる。次に金合金からなる蒸発源に電子ビー
ムを照射して、金合金を気化させ、窒化チタン層の上に
金合金層な形成させ、基体１の表面に窒化チタンと金合
金よりなるメッキ被膜２が得られた。次に、イオンプレ
ーティング装置の真空槽内より取り出し、基体１の鏡面
仕上げ面を残したい部分に、スクリーン印刷、タコ印刷
等の印刷方法や筆ぬり等釦より、マスキング材４を形成
する。このマスキング材４は、アクリル樹脂をベースに
したアクリル変性樹脂やエポキシ樹脂が使用される。ま
た、マスキング材４はアーク式イオンプレーティング装
置の真空槽内でガス発生が起きなければ材質は限定され
ない。

その後、マスキングを施した基体１をアーク式イオンプ
レーティング装置の真空槽内に取り付け、メッキ被膜２
を形成したのと同様にアルゴンイオンでボンバードクリ
ーニングを行なう。次に反応ガスとして窒素ガスとエチ
レンガスの混合ガスを導入し、真空槽内を４．５　Ｘ　
１０−３Ｔｏｒｒに保持する。基体１には、バイアス電
源により大地に対し−５０〜−３００Ｖの電圧を印加し
、アーク電流を６０〜１００Ａに保ちながら、イグナイ
ターによりアーク放電を開始し、チタンからなるターゲ
ツト面を溶融させ、基体１のメッキ被膜２上にグレー色
の未溶融粒子の多いアーク式イオンプレーティング被膜
６を形成させる（第１図）。未溶融粒子は一般にドロッ
プレフトと呼ばれているものである。次にアーク式イオ
ンプレーティング装置の真空槽内より取り出した基材１
をマスキング剥離液に浸漬し、マスキング材４を剥離す
ると共にマスキング材４上に形成したアーク式イオンプ
レーティング被膜３も除去される（第２図）。このよう
にして形成された装飾品は、金色の鏡面仕上げ面に対し
てグレー色の部分がホーニング仕上げと同様な梨地仕上
げ面となり、美しい金色とグレー色のツートンカラーの
装飾品が得られた。アーク式イオンプレーティング被膜
乙の表面自体が梨地となっているため、鏡面仕上げ部の
境よりグレー色がはみ出すことがなく、マスキングのず
れにより外観をいちじるしく損ねることはない。

また、アーク式イオンプレーティングの特徴として被膜
中に通常多少未溶融粒子を含んでいるが梨地となるほど
ではないので、本発明の目的には通常以上に多く未溶融
粒子を含ませる必要がある。

そのためには、通常のアーク式イオンプレーティングの
条件よりも基体温度を極力低く保ち、ターゲットからな
るべく遠い位置に基体を取り付けると良い。未溶融粒子
が大きく、多量に含まれるほど面粗さが増しコントラス
トが強くなる。

実施例２ 実施例１では窒化チタンと金合金でメッキ被膜２を形成
したが、これに代えてチタンとプラチナでメッキ被膜２
を形成し、アーク式イオンプレーティング被膜６は反応
ガスとして窒素ガスを用い金色の窒化チタンの被膜な形
成したところ、鏡面仕上げ部がプラチナの白色と梨地仕
上げ部が金色の美しいツートンカラーの装飾品が得られ
た。

実施例３ 同様にメッキ被膜２として湿式メッキで金を形成し、ア
ーク式イオンプレーティング被膜６は、反応ガスを導入
せずにアルゴンガスのみでチタンを形成したところ、鏡
面仕上げ部が金色で、梨地仕上げ部がチタンの白色の装
飾品が得られた。

実施例１，２．３の装飾品において、アーク式イオンプ
レーティング被膜６の密着性はテープテストによりすべ
て良好な結果が得られ、十分装飾品として耐えられるも
のであった。

なお、メッキ被Ｍ２については、湿式メッキ、乾式メッ
キの多陰極方式イオンプレーティングの他にもホロカン
ード方式、高周波方式、さらには真空蒸着やスパッタリ
ング、ＣＶＤ等でも可能であることはいうまでもない。

また、アーク式イオンプレーティング被膜乙については
、反応ガスとして、窒素、酸素、炭化水素系ガス等を導
入することにより、金色、グレー色、白色の他に茶色、
青色等の被膜も形成できる。

〔発明の効果〕

以上の説明で明らかなように、本発明によればアーク式
イオンプレーティング被膜でホーニング仕上げと同様な
梨地仕上げな形成することができ、ホーニング面での乾
式メッキ被膜の密着不良がたくなり、ホーニング仕上げ
する手間も省ける。さらに、鏡面仕上げ面と梨地仕上げ
面で色調を変える場合も、面仕上げの境界と色調の境界
とにずれを生じないので外観品質が向上され、同一基体
でいろいろな装飾面の形成が容易に成膜のみで得られ装
飾品のバリエーションの拡大が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の装飾品の途中工程での要部断面図、第
２図は完成した装飾品の要部断面図である。 １・・・・・・基体、 ２・・・・・・メッキ被膜、 ３・・・・・・アーク式イオングレーティング被膜、４
・・・・・・マスキンク材。 第１図 第２図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　鏡面仕上げの基体に乾式メッキまたは湿式メッキによ
   り、メッキ被膜を形成し、次いで該メッキ被膜の表面に
   部分的にマスキングを施し、その後、アーク式イオンプ
   レーティング処理により、未溶融粒子を多量に含む梨地
   面をもつアーク式イオンプレーティング被膜を形成し、
   前記マスキングを除去することを特徴とする装飾品の装
   飾面形成方法。