JPH041721Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はボリユームやバリコン等の回転式可変
電気素子を有する電子機器に関する。

従来の技術 ラジオ受信機等の電子機器にはボリユームやバ
リコン等の回転式可変電気素子が用いられてい
る。これらの素子は素子本体が通常プリント基板
に取り付けられており、機器の外面に配された操
作摘みに連結されて操作される。

考案が解決しようとする問題点 素子本体とプリント基板との取付けは、素子の
脚（端子）をプリント基板の挿通孔に挿通して半
田付けすることによつて行われるが、素子の脚と
プリント基板の挿通孔との間には通常かなり大き
な遊びが設けられる。このため、素子とプリント
基板との間の位置合わせは正確には行われない。
又プリント基板を機器のフレームに取り付ける際
にも取付誤差が生じる。更に、半田デイツプ時の
熱によるプリント基板のそりに起因する誤差も存
在する。

従来のこの種電子機器においては、上記の誤差
が集積されて素子とフレームとの間の位置関係が
大きく狂つてしまい、素子本体に連結された操作
摘みの位置が不正確になつていた。この結果、機
器の外面に設けられた表面パネルと操作摘みとが
互いに位置ずれを起こし、回転摘みが偏心して体
裁が悪くなつたり、表面パネルに設けた目盛と操
作摘みの指示部とが合わなくなつたりする不都合
があつた。

問題点を解決するための手段 本考案は上述の問題点に鑑みてなされたもので
あつて、キヤビネツトの一部であるか又はキヤビ
ネツトに位置決めされた表面パネルに挿通孔を設
け、この挿通孔の近傍又は内部における上記表面
パネルに取付部を設けて、回転式可変電気素子を
上記表面パネルに対して位置決めした状態で上記
取付部に取り付け、且つ上記回転式可変電気素子
のリード端子をプリント基板に半田付けしたもの
である。

実施例 以下、本考案を薄型ラジオ受信機に適用した一
実施例につき図面を参照して説明する。

第１図〜第３図に示すように、ラジオ受信機
は、合成樹脂製のフレーム１とこのフレーム１の
両側に取り付けられる金属製の表面パネル２，３
とを夫々具備している。プリント基板４は、裏側
のパネル３とフレーム１との間に配される。

ラジオ受信機にはチユーニング用のバリコン５
が設けられている。バリコン５は、表側のパネル
２に設けられた略円形の挿通孔６に取り付けられ
る。即ち、表面パネル２には、挿通孔６内に突出
して一対の取付部７，８が夫々一体設けられてい
る。

第２図に拡大図示するように、各取付部７，８
は略クランク状に折曲された突片で構成されてお
り、略コ字状断面に折曲成形された係合部９が各
取付部７，８の先端に夫々設けられている。そし
てバリコン５に設けられた取付用突部１０が各取
付部７，８の係合部９の両側壁部１１，１２の間
に嵌合して図中矢印Ｘ方向の位置規制がなされ
る。

一方、各取付部７，８の係合部９の後端側に
は、両側壁部１１，１２の延長部分を略直角に折
り曲げて形成した後壁部１３が設けられている。
そしてバリコン５の取付用突部１０の先端面がこ
の係合部９の後壁部１３に当接することによつて
図中矢印Ｙ方向の位置規制がなされる。

このようにしてバリコン５は、Ｘ，Ｙの両方向
において略完全に位置合わせされた状態で表面パ
ネル２に取り付けられる。

各取付部７，８の係合部９にはねじ挿通孔１４
が設けられている。そしてこのねじ挿通孔１４を
挿通したねじ１５を、バリコン５の取付用突部１
０に設けられたねじ孔１６に螺合してバリコン５
を表面パネル２に固着する。

表面パネル２は４本のねじ１７によつてフレー
ム１に取り付けられる。この時、フレーム１には
表面パネル２の外形に対応した形状の凹部１８が
設けられており、表面パネル２はこの凹部１８に
嵌合されて位置規制される。

バリコン５の回転操作子１９には、回転摘み２
０がねじ２１によつて取り付けられる。そして、
回転摘み２０の上面に設けられた凹部２２に円形
の化粧パネル２３が嵌装される。

回転摘み２０は、表面パネル２の挿通孔６の周
囲に設けられた略円形の凹部２４内に配される。
そしてこの凹部２４の周囲に所定の目盛２５が設
けられている。一方、回転摘み２０に取り付けら
れる化粧パネル２３には、上記目盛２５を指示す
るための指示マーク２６が設けられている。

第３図に示すように、バリコン５のリード端子
２７はプリント基板４に接続される。プリント基
板４はそのパターン面を下にして配されている。
そしてこのプリント基板４に設けられた端子挿通
孔２８はバリコン５のリード端子２７を挿通し、
半田２９によつて所定のパターンに接続する。

プリント基板４には、例えばその四隅にねじ挿
通孔３０が設けられている。そしてねじ１７をこ
のねじ挿通孔３０に挿通し、プリント基板４を表
面パネル２及びフレーム１と共に裏側の表面パネ
ル３に共締めして固定する。符号３１は裏側のパ
ネル３に設けられたボス部である。

プリント基板４の端子挿通孔２８及びねじ挿通
孔３０は、第３図に明示するように、夫々若干大
きめに形成されている。そしてバリコン５の取付
位置に応じてこのプリント基板４の取付位置を調
整し得るようになされている。即ち、本例におい
ては、バリコン５が表側の表面パネル２に固着さ
れている。このため、バリコン５とプリント基板
４との間で位置ずれを生じる場合がある。この
時、本例においては、プリント基板４の取付位置
をずらせて調節するようにしている。

第１図に示すように、回転摘み２０の下面に
は、ストツパー用の突起３２が一体に設けられて
おり、この突起３２が、表面パネル２の取付部７
と８とに夫々当接して回転摘み２０の回転が規制
されるようになつている。即ち、回転摘み２０
は、突起３２が一方の取付部７に当接する位置と
他方の取付部８に当接する位置との間でのみ回転
されるようになつている。

本例においては、バリコン５を表面パネル２に
固着し、プリント基板４の取付位置をバリコン５
に対して調節するようにしている。従つて、バリ
コン５と表面パネル２との間に位置ずれを生じる
ことがない。それ故、バリコン５に取り付けられ
る回転摘み２０が常に表面パネル２に対して略完
全に位置合わせされた状態になる。従つて、従来
のように、回転摘み２０が表面パネル２に対して
偏心して体裁が悪くなつたり、回転摘み２０の指
示マーク２６が表面パネル２の目盛２５に合わな
くなつたりすることがない。

尚上記実施例においては、合成樹脂製のフレー
ム１と金属製の表面パネル２，３とによつてラジ
オ受信機のキヤビネツトが構成されている。即
ち、表面パネル２はキヤビネツトの一部として構
成されている。しかしながら、本考案は、キヤビ
ネツトとは別体に構成され且つこのキヤビネツト
に位置決めされて取り付けられる表面パネルを有
するような電子機器にも適用が可能である。

又上記実施例においては、バリコン５等の可変
電気素子の取付部７，８を挿通孔６の内部に突出
するように形成したが、取付部は挿通孔６の周囲
に設けられても良い。

更に、本考案はバリコンに限られず、ボリユー
ムその他の種々の回転式可変電気素子を有する電
子機器に適用が可能である。

考案の効果 以上説明したように、本考案においては、回転
式可変電気素子を表面パネルに固着している。従
つて、回転式可変電気素子の操作摘みが表面パネ
ルに対して常に位置合わせされた状態になる。そ
れ故、操作摘みが偏心して体裁が悪くなつたり、
表面パネルの目盛と操作摘みの指示部とが合わな
くなつたりすることがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案をラジオ受信機に適用した一実施
例を示すもので、第１図はラジオ受信機の分解斜
視図、第２図はチユーニング用バリコンの取付部
の拡大分解斜視図、第３図は同上の要部拡大縦断
面図である。 尚図面に用いられた符号において、 ２……表面パネル、４……プリント基板、５…
…バリコン、６……挿通孔、７，８……取付部、
２０……回転摘みである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. キヤビネツトの一部であるか又はキヤビネツト
   に位置決めされた表面パネルと、この表面パネル
   に設けられた挿通孔と、この挿通孔の近傍又は内
   部において上記表面パネルに設けられた取付部と
   を夫々具備し、回転式可変電気素子が上記表面パ
   ネルに対して位置決めされて上記取付部に取り付
   けられるとともに、上記回転式可変電気素子のリ
   ード端子がプリント基板に半田付けされているこ
   とを特徴とする回転式可変電気素子を有する電子
   機器。