JPH04168204A - 圧延用紛末供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、粉末圧延によって金属粉末から得られた帯状
圧粉体の幅方向密度変動を抑制するように、圧延ロール
間の粉末溜りに金属粉末を供給する装置に関する。

［従来の技術］ 粉末原料から所定の形状をもった製品を得る方法として
、プレス成形を初めとして各種方法が従来から採用され
ている。なかでも、粉末圧延は、帯状の成形体を連続的
に効率よ（製造する方法として量産化に適した方法であ
る。

粉末圧延においては、−射的に水平或いは斜めに設けら
れた一対の圧延ロールの上方に粉末原料を収容するホッ
パーを配置し、このホッパーからロール間に形成された
粉末溜りに金属粉末を流し込み、ロールギャップを通過
させて圧延することにより帯状の圧粉体としている。

このとき、圧延ロール間の粉末溜りに供給された金属粉
末は、流動性があるため１こロール軸方向に流出し易い
、そのため、ロールギャップの軸方向端部で金属粉末の
供給量が不足しがちになり、製造された帯状圧粉体の両
端部に密度低下や板厚低下が生じる原因となる。その結
果、帯状圧粉体を焼結、圧延するとき、製品の両端部に
亀裂、破断等の欠陥を発生させる原因となる。

従来では、このような欠陥、或いは欠陥発生要因がある
両端部を焼結後又はグリーンシート段階で帯状体から切
り落とすことにより１、要求特性を製品にもたせている
。しかし、この切り代が大きくなると、製品歩留りが低
下し、生産性を阻害する。

そこで、粉末溜りに供給された金属粉末のロール軸方向
への流出を規制するため、粉末溜りの両端部を仕切るサ
イド堰が使用されている。このサイド堰を使用した場合
にあっても、サイド堰の下端と圧延ロールの局面との間
に隙間が生じることが避けられない、そのため、粉末溜
りに供給された金属粉末は、この隙間を介して側方に流
出し、依然として帯状圧粉体の両端部に密度不足の欠陥
が残る。

本発明者等は、金属粉末の側方への流出を阻止するため
、サイド堰が接触する圧延ロールの周面に流出防止用の
液体を供給する方法を開発し、特願平２−４３８９０号
として出願した。

この方法は、有機溶媒等の液滴を滴下供給してサイド堰
近傍のロール表面を濡らすことにより、サイド堰荷担と
圧延ロール周面との間の隙間に金属粉末を補給し、隙間
から金属粉末が漏洩することを防止するものである。

［発明が解決しようとする課題］ ロール軸方向両端をサイド堰で仕切った粉末溜りにある
金属粉末がロールギャップに送られるとき、金属粉末の
流動状態は、ロール軸方向の中央部と両端部とで異なっ
た挙動を示す。すなわち、中央部では金属粉末相互が接
触・転動しながら流下する。これに対して、両端部に金
属粉末の流れにはサイド堰の内壁面と金属粉末との摩擦
が関与する。金属粉末の流れに対して逆方向に作用する
摩擦は、サイド堰内壁面に金属粉末の微細粉が付着する
と大きくなる。特に、前述したように漏洩防止用の液体
を使用すると、金属粉末粒子の団塊化がサイド堰の内壁
面近傍で生じ易くなるため、摩擦抵抗が著しくなり、両
端部における金属粉末粒子のロールギャップへの流れ込
みが大きく阻害される。

本発明は、このようなサイド堰内壁面に対する金属粉末
の付着・団塊化を抑制し、両端部における円滑な金属粉
末の落下を行わせることにより、幅方向に一定した流量
分布で金属粉末を圧延ロール間のロールギャップに送り
込み、幅方向に均一な密度分布をもつ帯状圧粉体を製造
することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明の圧延用粉末供給装置は、その目的を達成するた
め、一対の圧延ロールの間に設けられた粉末溜りに金属
粉末を供給する装置であって、前記圧延ロールの周面に
沿った形状に下端が形成された一対のサイド堰をロール
軸方向に配置し、該サイド堰の内側に振動板を上下動自
在に設けたことを特徴とする。

ここで、振動板としては、複数の粉末落し孔を穿設した
板体を使用することができる。また、振動板に取り付け
たローラを、駆動モータの出力軸に取り付けられたカム
の周面に接触させる振動付与機構を採用することができ
る。

［作　用］ 本発明においては、サイド堰の内側に設けた振動板を振
動させることにより、サイド堰の内壁面近傍にある粉末
粒子の流下を促進させている。また、振動板の下端は、
金属粉末の側方への流出を阻止する役割を一部負担して
いる。その結果、帯状圧粉体の両端部に当たる部分への
金属粉末の供給が積極的に行われ、ロール軸方向に関し
て同様な密度分布をもった金属粉末がロールギャップで
圧延される。

［実施例〕 以下、図面を参照しながら、実施例によって本発明を具
体的に説明する。

本実施例の圧延用粉末供給装置は、第１図及び第２図に
示すように、一対のサイド堰１０．１１を前板２０及び
背板２１で接続して、はぼ四角柱状の粉末収容空間Ｓを
形成している。サイド堰１０．１１の下端は、圧延ロー
ルＲ，，Ｒ，の周面に対応した曲率で形成され、中央部
が突出した湾曲面１２となっている。これにより、粉末
収容空間Ｓの下端位置で、圧延ロールＲ＋　、　Ｒ−と
サイド堰１０．１１との間にできる隙間を可能な限り小
さくし、粉末収容空間Ｓに供給される金属粉末がロール
軸方向に流出することを防いでいる。

それぞれのサイド堰１０．１１の内側に設けた振動板３
０．３１には、複数の粉末落し孔３３が穿設されている
。粉末落し孔３３の形状及び大きさは、特に限定される
ものではないが、図示の例では異なる径の円形孔を適当
な間隔で分散させ、サイド堰１０．１１と振動板３０．
３１との間に入り込んだ金属粉末が各部滞りなく流出す
るようになっている。

振動板３０．３１は、逆Ｔ字状のアーム３４゜３５によ
り縁部が相互に連結されている。アーム３４．３５の中
央突出部３６は、サイド堰ｉｏ。

１１の内壁面に沿って上方に延びており、その先端近傍
にビン３７．３８が取り付けられている。

ビン３７．３８は、前板２０及び背板２１にそれぞれ穿
設した上下方向の長孔１３，１４に嵌められている。

振動板３０．３１の下端は、サイド堰１０，１１の下端
湾曲面１２と同様に、中央部が突出し、両側が圧延ロー
ルＲ，，Ｒ１の周面を倣った湾曲面３９に形成されてい
る。そして、湾曲面３９が可能な限り圧延ロールＲ＋　
、　Ｒ＊の周面に接近するように、振動板３０．３１の
下降位置を設定している。

背板２１にアーム３５を取り付けるビン３８には、振動
付与機構４０のローラ４１が回転可能に設けられている
。ローラ４１は、駆動モータ４２の出力軸４３に装着さ
れたカム４４の周面に接触して転動する。カム４４は、
図示するように楕円或いは長円状に形成されている。し
たがって、カム４４が１回転する間に、カム４４の周面
に当接するローラ４１は、長孔１３に沿った上下動を２
回繰り返す。

他方、前板２０の長孔１４に嵌められたビン３７は、背
板２１側のビン３８に従動して、長孔１４に沿った上下
動を行う。

その結果、アーム３４．３５で吊り下げられた振動板３
０．３１が、サイド堰１０．１１の内側を上下動する。

このとき発生する振動によって、サイド堰１０．１１の
内側に滞留し易い金属粉末に流動性が与えられ、粉末収
容空間Ｓのロール軸方向中央部とほぼ同じ流下状態でロ
ールギャップＧに供給される。また、サイド堰１０．１
１の内壁面に付着している金属粉末やサイド堰１０，１
１と振動板３０．３１との間にある金属粉末も、粉末落
し孔３３から粉末収容空間Ｓに送り返される。そのため
、付着或いは堆積した金属粉末によって振動板３０．３
１の上下動が阻害されることがない。

次いで、粒径１５０μｍ以下に調整したＪＩＳ規格５Ｋ
Ｈ５１相当の高速度工具鋼粉末を粉末原料として使用し
、幅１８０ｍｍ、板厚２．０ｍｍの帯状圧粉体を製造し
たときの操業諸元を示す。

粉末収容空間Ｓとしては、ロール軸方向の長さを１８０
ｍｍ、板厚方向の長さを１００ｍｍに設定した。この粉
末収容空間Ｓに２６００ｇ／分の流量で高速度工具鋼粉
末を供給し、ロールギャップＧを０．６ｍｍに設定した
圧延ロールＲ，，Ｒ。

の間を通過させ、帯状圧粉体Ｑに粉末圧延した。

このとき、サイド堰１０．１１から１．０ｍｍ内側に離
れた位置に、振動板３０．３１を配置した。そして、ス
トローク３５ｍｍで毎分６０回の上下動を振動板３０．
３１に与えた。

得られた帯状圧粉体Ｑの幅方向密度分布を、第３図に示
す。なお、第３図における密度比は、理論密度を１００
％とし、それに対する比率で表したものである。また、
本発明例１は、漏洩防止用液体として水をサイド堰１０
．１１の下端湾曲面１２と圧延ロールＲ１，Ｒｔの周面
との間隙に供給すると共に、サイド堰１０．１１の内側
で振動板３０．３１を上下動させた例である０本発明例
２は、漏洩防止用液体を供給せず、振動板３０．３１を
上下動させて金属粉末の供給を促進させた例である。他
方、比較例は、漏洩防止用液体及び振動板３０．３１の
双方共に使用せず、粉未収容空間Ｓに供給された金属粉
末を自由落下によってロールギャップＧに送り込んだ例
である。

振動板３０．３１を使用しない比較例では、サイド堰１
０．１１の下端湾曲面１２と圧延ロールＲ＋、Ｒｔの周
面との間隙を介してロール軸方向に流出する金属粉末の
漏洩が多くなり、粉末溜りのロール軸方向両端部に供給
される金属粉末が不足しがちであった。その結果、得ら
れた帯状圧粉体Ｑは、第３図に示したように両端部の密
度が大幅に低下し、目標圧粉体密度８２％以上が得られ
る部分は、幅方向中央部の３８ｍｍの範囲に留まってい
た。

これに対し、漏洩防止用液体及び振動板３０゜３１を併
用した本発明例１では、圧粉体密度が低下する領域は、
帯状圧粉体Ｑの両端部から１０ｍｍの範囲に留まってお
り、また密度の低下も最大７８％に遇ぎなっかった。

また、漏洩防止用液体を使用しない本発明例２において
も、圧粉体密度が低下する領域は、帯状圧粉体Ｑの両端
部から３０ｍｍの範囲に収められており、比較例に比べ
大幅に小さくなっている。

しかも、最小圧粉体密度は、７０％であった。

粉末圧延された帯状圧粉体Ｑｌｌ：おいて、幅方向密度
分布が両端部で下がることは避けられない。

この密度低下領域は、帯状圧粉体Ｑを焼結したとき強度
が不足する脆弱部分となるため、焼結前或いは焼結後の
トリミングによって帯状体から切り落とし、製品を得て
いる。しかし、振動板３０゜３１の採用によって、密度
低下領域を小さ（することができるため、トリミング化
を第４図に示すように小さくすることができた。その結
果、製品歩留りは、比較例が２１％であるのに対し１本
発明例１及び２では、それぞれ６７％及び８９％であっ
た。

［発明の効果］ 以上に説明したように、本発明においては、サイド堰の
内側近傍に振動板を配置することによって、サイド堰の
内壁面に付着・堆積した金属粉末を落下させると共に、
サイド堰の内側近傍にある金属粉末の落下を促進させて
いる。そのため、サイド堰の内壁面との間で摩擦がある
点で粉末溜り中央部における粉末粒子の流下挙動と異な
る粉末溜り両端部の金属粉末の流下を円滑に行い、ロー
ル軸方向に沿ってほぼ同じ流量分布で金属粉末をロール
ギャップに供給することが可能となる。その結果、得ら
れた帯状圧粉体は、幅方向密度分布の均一性が向上し、
密度不足のために切り落とされるトリミング化を小さく
することができる。したがって、要求特性を満足する帯
状焼結体を高い歩留りで製造することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例の圧延用粉末供給装置を圧延ロー
ルの軸方向に見た断面図、第２図は同粉末供給装置をロ
ール軸と直行する方向から見た断面図、第３図は粉末圧
延された帯状圧粉体の幅方向密度分布を表すグラフ、第
４図は要求特性を満足する帯状焼結体を得るために密度
不足の両端部を切り落としたときのトリミング化を表し
たグラフである。 １０．１１：サイド堰　１２：湾曲面 １３、　１４：長孔　　　２ｏ：前板 ２１：背板　　　　　　３０．３１：振動板３３：粉末
落し孔　　　３４，３４：アーム３６：中央突出部　　
　３７，３８：ビン３９：湾曲面　　　　　４ｏ：振動
付与機構４１：ローラ　　　　　４２：駆動モータ４３
：出力軸　　　　　４４：カム

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）一対の圧延ロールの間に設けられた粉末溜りに金
   属粉末を供給する装置であって、前記圧延ロールの周面
   に沿った形状に下端が形成された一対のサイド堰をロー
   ル軸方向に配置し、該サイド堰の内側に振動板を上下動
   自在に設けたことを特徴とする圧延用粉末供給装置。
2. （２）請求項１記載の振動板が、複数の粉末落し孔を穿
   設した板体であることを特徴とする圧延用粉末供給装置
   。
3. （３）請求項１記載の振動板にローラを取り付け、駆動
   モータの出力軸に取り付けられたカムの周面に前記ロー
   ラを接触させたことを特徴とする圧延用粉末供給装置。