JPH0416445B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、主として人間を対象とした直腸、
膣、口腔、鼻腔等の粘膜を保護する粘膜保護剤に
関するものであり、本発明に係る粘膜保護剤と
は、ポリアクリル酸ソーダを水に主成分とした溶
剤に溶解させてなることを特徴とするものであ
る。

本発明を以下に詳細に説明する。本発明に用い
るポリアクリル酸ソーダの粘度平均重合度（Pv）
は10000以上である。これ以下になると、所定の
粘度に必要な樹脂分が多くなり、したがつて使用
時に溶剤の蒸発によつて所定個所に付着する樹脂
分が多くなり、被処理者に不快感を与え粘膜保護
性が低下しまた事後の水洗も困難になる。また性
交の際の膣の粘膜保護剤として用いる場合には、
性交時のスラスト運動にもとづく往復繰返し剪断
力によりPvが10000以下のポリアクリル酸ソーダ
は急速に粘度が低下し、粘膜保護性がますますな
くなつてしまう。

該ポリアクリル酸ソーダは、水単独または若干
の皮膚を刺激しない他の溶剤、例えばアルコール
類、エステル類等と水との混合溶剤に溶解せられ
る。上記他の溶剤としては、例えばエタノール、
エチレングリコール、グリセロール、酢酸アミル
等がある。特に溶剤としてエチレングリコール、
グリセリン、エリスリツト、ペンチツト、ピナコ
ール等の液状多価アルコールを50重量％（以下単
に％とする）以下、望ましくは５％以上含むもの
はポリアクリル酸ソーダの溶解作業も容易とな
り、かつ上記アルコールは湿潤作用を有するので
液が乾燥しにくく、粘度保護性が極めて良好なも
のとなる。

該ポリアクリル酸ソーダの溶液は、常温で5000
〜15000cps程度の粘度を示すのが粘膜の保護にと
つて適当である。上記粘度は、例えばPv＝35000
のポリアクリル酸ソーダにあつては１〜２％程度
の低い濃度において得られる。更に粘膜を適応す
るPHを考慮すればポリアクリル酸ソーダ溶液をPH
5.5〜6.5に調節することが望ましい。PH調節は通
常塩酸、酢酸等の無機酸や有機酸が用いられる
が、ポリアクリル酸ソーダ溶液の粘度低下の少な
い酸としてポリアクリル酸のような高分子酸を用
いることが望ましい。

該ポリアクリル酸ソーダ溶液に他の成分例えば
乳化剤、殺菌剤、ホルモン剤、粘膜栄養剤、その
他の薬剤、亜鉛華、香料、色素等を若干添加して
もよい。

該ポリアクリル酸ソーダは、粘膜への刺激性が
少なく、人畜に全く無害であり、かつ水を主体と
した溶剤を使用するから本発明の粘膜保護剤は人
畜に対して全く安全なものである。そしてその溶
液は低濃度で粘膜の保護に適した年生を有するも
のであり、使用中に上記溶剤が一部蒸発したとし
ても被処理個所に樹脂分の多量の付着がなく皮張
り感等の不快感がなく、性交時、浣腸時、口膣、
鼻腔、膣腔、直腸、肛門等に対する施術時等に塗
布して局所に潤滑性を与え、往復繰返し剪断力が
及ぼされるような場合であつても粘度低下をきた
さず局所の粘膜を効果的かつ持続的に保護するも
のであり、更に靴ずれし易い局所に塗布して靴ず
れ防止する目的等にも有用である。したがつて本
発明の粘膜保護剤は大きな粘膜保護能を有し、か
つ使用感が良好で、しかも物理的に洗浄が困難な
状態の粘膜に適用しても洗浄除去が極めて簡単に
出来る。

実施例 １ Pv＝38000のポリアクリル酸ソーダの1.5％水溶
液は10200cps／25℃の粘度を示しPH９である。該
水溶液のPHをポリアクリル酸によつて5.5に調節
すると粘度は10100cps／25℃となる。

本溶液は、好ましい粘性および潤滑性を有する
粘膜保護剤となる。

実施例 ２ Pv＝30000のポリアクリル酸ソーダの５％のエ
チレングリコールを含む水に溶解して５％とな
す。該溶液の粘度は7500cps／25℃である。該溶
液に100ppmのクマリンを香料として添加する。

人畜に無害で芳香であり、良好な潤滑性をもた
らす粘膜保護剤を得る。

実施例 ３ Pv＝35000のポリアクリル酸ソーダ1.7重量部お
よびポリオキシエチレンアルキルフエノールエー
テル５重量部をグリセリン20重量部に分散し、75
重量部の水に注加し撹拌溶解する粘度13000cps／
25℃の粘膜保護剤を得る。本品は湿潤性に富み良
好な粘膜保護作用を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 粘度平均重合度10000以上のポリアクリル酸
   ソーダを水を主成分とした溶剤に溶解させてなり
   常温で5000〜15000cpsの粘度を有する粘膜保護
   剤。