JPH0416285B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、角鋼管、丸鋼管などの外周を倣つ
てその端縁部に所要の開先加工を施す開先加工機
における倣い切削装置に関するものである。

従来、スピンドル端に傘形のカツターとガイド
ローラとを連設し、ガイドローラの倣い動作によ
り加工材の端縁部に開先加工を施す加工機械があ
つた。このものにおいては、切削系と倣い系を一
体化してあり、カツターの交換を行うとき、同時
にガイドローラを着脱しなければならない。そこ
で設計上ではガイドローラを支承するスピンドル
径を細くする必要を生じる。

倣い切削においては相当大きな押圧力を要し、
前記細径部に応力が集中する。また従来の構成で
はスピンドルに過大なオーバーハングがあるた
め、短期間でスピンドルが疲労し折損するという
問題点がある。

もとよりガイドローラを嵌めた軸径を太くする
ことで上記の問題は解消するが、これでは大形の
特殊カツターを製作しなければならずコストの高
騰を招く結果となつてしまう。

そこで本発明は、切削系と倣い系を別個にする
ことによつて上記問題点を合理的に解決しようと
するものである。

以下、この発明に係る倣い切削装置を一実施例
について具体的に説明する。

本発明の倣い切削装置を備えた開先加工機は、
その基本構成として加工材を所定位置においてク
ランプする固定手段と、この加工材の外周面を倣
つて端縁部に開先加工を行う切削手段を備える。

１は機台、２は機台１の前側に配設した水平ベ
ツドで、上部に第３図左右方向のガイドレール３
を配設する。そして、このガイドレール３に両側
一対のバイス片４ａ，４ｂを移動自在に係合す
る。バイス片４ａ，４ｂにはそれぞれナツト筒５
ａ，５ｂを固定し、これらに螺合した送りねじ軸
６により求心的に開閉動作を行わせる。なお、符
号７は送りねじ軸６の回転操作ハンドルである。

次に符号８ａ，８ｂは水平ベツド２の両側に樹
立した左右一対の支柱で、上部に上下位置調整自
在に横梁９を架設する。そして、この横梁９の中
央部に油圧シリンダ１０を下向きに固定し、その
ピストンロツド端に押圧板１１を取り付ける。

而して、前記の両バイス片４ａ，４ｂによつて
加工材を両側から挟圧し、押圧板１１によつて上
側から押圧して定位置にクランプ固定する。

また前記加工材の先端側には、切削加工時にお
ける加工材の位置決めを行う定規手段を配設す
る。すなわち、符号１５は先端に当接片１６を取
り付けた回動アームで、その根部を水平ベツド２
に設けた水平軸受メタル１７に枢支する。この回
動アーム１５には上向きに油圧シリンダ１８を関
連し、ピストンロツドを伸長動作した場合におい
て前記当接片１６を加工材の前側に臨むようにす
る。

次に前記加工材の固定手段側に対応して設けた
切削手段について説明する。

符号２１は機台１の後側（第１図の左方位置）
に配設した機枠で、この機枠２１は両側一対の竪
枠２１ａ，２１ｂと、これら竪枠２１ａ，２１ｂ
を連結した横梁２１ｃによつて構成される。そし
て、上記竪枠２１ａ，２１ｂにおける各々の内側
に上下方向のガイド２２，２２を配設し、このガ
イド２２，２２にほぼ方形の支持盤２３を係合保
持する。また、前記横梁２１ｃには下向きにして
一対の送りねじ軸２４，２４を支承するもので、
この送りねじ軸２４，２４を支持盤２３の上端の
ナツト筒２５，２５に螺合する。送りねじ軸２
４，２４には、そのそれぞれの上端に設けた伝動
ギヤ手段２６，２６および連動軸２７を介して電
動モータＭ１を連結する。

次に前記支持盤２３の中央部には、大きな円形
の凹陥部２８を穿設し、この凹陥部２８内に支承
部材と回転駆動機構を介して円形の回動盤２９を
回転自由に備える。支承部材は前記支持盤２３の
隅部４箇所に配設した転子３０…によつて構成
し、これら転子３０…を回動盤２９の外周面に当
接する。また回動駆動機構は、回動盤２９の外周
面に刻設したギヤ３１と、このギヤ３１に連係し
たピニオン３３およびこのピニオン３３を出力軸
に固定した減速機付きの電動モータＭ２によつて
構成する。

また回動盤２９の中央部には、直状で幅広の凹
孔３４を穿設し、この凹孔３４の内壁部に回動盤
２９の中心線方向の一対の直線ガイド３５ａ，３
５ｂを設ける。この直線ガイド３５ａ，３５ｂに
はそれぞれ移動体３６ａ，３６ｂをスライド自在
に係合し、さらにこれら移動体３６ａ，３６ｂに
は切削手段とこの切削手段を回動盤２９の中心方
向へ付勢する作動手段を備える。

まず、回動盤２９の前面側にして前記直線ガイ
ド３５ａ，３５ｂと平行に油圧シリンダ３７ａ，
３７ｂを配設し、そのピストンロツドを前記移動
体３６ａ，３６ｂ側に連結し、シリンダ筒を回動
盤２９の周縁部に固定する。そして前記ピストン
ロツドの収縮作動時に各移動体を回動盤２９の中
心方向へ移動するように構成する。また、前記移
動体３６ａ，３６ｂには軸受筒３８ａ，３８ｂを
取付固定すると共に、これら軸受筒３８ａ，３８
ｂにスピンドル３９ａ，３９ｂを回転自由に支承
する。そして、このスピンドル３９ａ，３９ｂの
一端を前方（第１図の右方）へ突出して先端部に
カツター４０ａ，４０ｂを取り付ける。また他端
にはギヤ４１ａ，４１ｂを固定するもので、この
ギヤ４１ａ，４１ｂにピニオン４２ａ，４２ｂを
介して電動モータＭ３，Ｍ４を連結する。

ここで、前記カツター４０ａ，４０ｂは切削刃
部の形状が傘形のフライスカツターを使用するも
ので、その公配（コーナー角）によつて切削加工
しうる開先角度が決定される。また前記カツター
４０ａ，４０ｂの直前部には隣接してカツター有
効径のほぼ最少径の大きさのガイドローラ４３，
４３を配設するもので、このガイドローラ４３，
４３は軸受筒３８ａ，３８ｂに固定して前方へ伸
び出した取付部材４４，４４を介して回転自由に
軸支する。上記ガイドローラ４３，４３の回転軸
心はカツター４０ａ，４０ｂの回転軸心すなわち
スピンドルの回転中心と一致する。ガイドローラ
４３，４３は前記切削手段が回動盤２９の中心方
向に作動したとき加工材の外周面に当接し、カツ
ター４０ａ，４０ｂの切込み量を規制する。

さて上記のように構成した切削装置をもつて開
先加工を行う場合について説明する。

まずスピンドル３９ａ，３９ｂの先端に開先形
状（開先角度）に適合するカツター４０ａ，４０
ｂを装着し、続いてそのカツターの前部に取付部
材４４，４４を介してガイドローラ４３，４３を
取り付ける。カツターおよびガイドローラの取り
つけが終了したならば、固定手段と定規手段によ
り所定位置へ加工材をセツトし、そしてクランプ
固定する。

而して上記の操作が完了したならば、カツター
４０ａ，４０ｂを回転駆動した状態で油圧シリン
ダ３７ａ，３７ｂを作動し、さらに回動盤２９を
所定方向へ回動する。こうすると、加工材の外周
面にガイドローラ４３，４３が当接するまでカツ
ター４０ａ，４０ｂが端面部に切り込まれ、続い
てこのガイドローラ４３，４３が外周面に倣つて
転動する。このカツター４０ａ，４０ｂの移動に
より加工材は所要の開先加工を施されるものであ
る。

ここにおいて本発明に係る倣い切削装置は、ガ
イドローラ４３，４３を取付部材４４，４４によ
つて軸受筒側に保持させ、カツター４０ａ，４０
ｂとの関連を遮断したから、設計上の制限が緩和
され剛性をもつて構成することができる。

また、従来のようにスピンドルに過大なオーバ
ーハングが作用しないので、疲労による折損など
の弊害が生じない効果を発揮する。さらにガイド
ローラとカツターとを隣接して設けることができ
るため、加工材の切削部に可及的にクランプ位置
を接近することができ、重切削においてもビビリ
のない安定した加工を行うことができる利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る倣い切削装置の一実施例を
示すもので、第１図はこの装置を備えた開先加工
機の一部縦断側面図 第２図は第１図に示すＸ−
Ｘ線方向から見た正面図で切削手段の構成を示す
第３図は第１図に示すＹ−Ｙ線方向から見た正
面図で加工材の固定手段を示す 第４図は倣い切
削装置の要部の構成を示す一部縦断側面図であ
る。 ２１：機枠、２２：ガイド、２３：支持盤、２
８：凹陥部、２９：回動盤、３４：凹孔、３６
ａ，３６ｂ：移動体、３７ａ，３７ｂ：油圧シリ
ンダ、３８ａ，３８ｂ：軸受筒、３９ａ，３９
ｂ：スピンドル、４０ａ，４０ｂ：カツター、４
３：ガイドローラ、４４：取付部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 固定手段によつて定位置にクランプ固定した
   加工材の外周面に、カツターとこのカツターの回
   転軸心に一致するガイドローラを配設し、上記ガ
   イドローラを加工材の外周面に当接した状態で転
   動することによつて加工材の端部に所要の開先加
   工を行う機械において、 上記カツターとガイドローラを接近して配設
   し、カツターはスピンドルを介して軸受筒に回転
   自在に保持し、ガイドローラはカツター隣接側と
   反対側の取付部材を介して上記軸受筒に保持し、
   さらに、カツターはガイドローラよりその直径を
   大きく構成したことを特徴とする開先加工機にお
   ける倣い切削装置。