JP5638323B2 - パイプ材の開先加工装置 - Google Patents

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本発明は倣いローラを使用したパイプ材の開先加工装置に係り、特に倣いローラを退避可能に構成してパイプ材の外周面に突出した溶接ビード等の突起部に影響されることなく正しい開先面を形成可能にした開先加工装置に関する。
角パイプや円形パイプなどの鋼製パイプ材で比較的厚肉のものは、例えば建築用では角コラムや円形コラムとして広く使用されている。この角コラムや円形コラムを継ぎ足して延長する場合、コラム同士の継手部分で一般に開先溶接が行われる。この開先溶接では倣いローラ方式の開先加工装置を使用してコラム端縁に所定幅のルートフェース(開先加工しない平面)を残した開先を予め切削加工しておき、このように開先加工したコラムの端部同士の間にダイヤフラムを挟み込み、前記開先形状によってダイヤフラムとの間にできた溝部にアーク溶接により盛金を溶け込ませてコラム同士を溶接する。コラムの内側には必要に応じて予め裏当て金を取り付けておく。
ところで、この種のパイプ材は、一般的に鋼板をプレス機あるいはロールベンダーにより屈曲して製作することが多いが、その場合屈曲した鋼板の端部同士を溶接で接続する結果、図13のように溶接ビード50が残る(二箇所ないし一箇所)。このような溶接ビード50が残っていると開先加工で角パイプ材Pの端縁を切削加工するときに倣いローラが溶接ビード50に乗り上げ、その分だけカッタが後退して開先面に膨らんだ箇所ができ、その膨らみ箇所51では盛金55の量や溶け込みが不足して正しい溶接が行われないことになる。このため、開先加工装置による加工後にサンダーなどを用いて開先面の膨らみ箇所51を除去して所定の連続した正しい開先面に仕上げる手作業が必要であった。なお、溶接角柱の突起(デポ)を除去するデポ処理装置として特許文献1に記載の発明があり、また倣いローラを使用してコラム材を開先加工する装置として特許文献2に記載の発明があるが、いずれも開先面の膨らみ箇所の除去に関するものではない。
特開平5−200615号公報 特開平7−214413号公報
従来の倣いローラ方式の開先加工装置では、前述のように手作業による開先面の膨らみ箇所の除去作業が必要であったが、このような作業はコストと時間がかかるうえに正確な開先面を形成することが難しい。
本発明はこのような従来の課題を解決すべく発明するに至ったもので、パイプ材の開先面の膨らみ箇所を自動的に除去することができる倣いローラ方式の開先加工装置を提供することを目的とする。
本発明の第1と第2の発明は前記課題を解決するものである。第1の発明は、パイプ材の開先加工装置であって、当該パイプ材の周りを回転可能かつ当該パイプ材の径方向に移動可能に配設されたカッタヘッドと、当該カッタヘッドに取り付けられた開先加工用のカッタ及び前記パイプ材の外周面形状を倣う倣いローラと、前記倣いローラを前記パイプ材の外周面に当接させるように前記カッタヘッドを前記パイプ材の径方向に押圧する押圧手段と、前記倣いローラを支持して前記カッタヘッドに取り付けられた倣いローラ進退手段とを有し、前記倣いローラ進退手段を、前記パイプ材の外周面形状の変化を前記倣いローラを介して前記カッタに伝えて前記パイプ材の端縁に所定幅のルートフェースを有する開先面を形成する作動モードと、前記パイプ材の外周面に突出した溶接ビード部を加工する際は前記押圧手段をロックした状態にして前記パイプ材の外周面形状の変化をカッタに伝えない不作動モードに切り換えるようにしたパイプ材の開先加工装置である。
この装置によれば、倣いローラを不作動モードにすることによりパイプ材の外周面に突出した溶接ビード部に影響されない正しい開先面を形成することができる。
ここで「パイプ材」とは、少なくとも角パイプ材と円形パイプ材を含む概念である。また、倣いローラを往復動させる手段には、油圧シリンダなどの流体圧シリンダやモータと送りねじを組み合わせたものなど任意の手段が採用可能である。
第2の発明は、パイプ材の開先加工装置であって、昇降板と、前記昇降板に回動自在に配設した回動板と、前記回動板の径方向に一対で配設したカッタヘッドと、前記カッタヘッドに配設した開先加工用のカッタ及び前記パイプ材の外周面形状を倣う倣いローラと、前記倣いローラを前記パイプ材の外周面に当接させるように前記カッタヘッドを前記パイプ材の径方向に押圧する押圧手段と、前記倣いローラを支持して前記カッタヘッドに取り付けられた倣いローラ進退手段とを有し、前記倣いローラ進退手段を、前記パイプ材の外周面形状の変化を前記倣いローラを介して前記カッタに伝えて前記パイプ材の端縁に所定幅のルートフェースを有する開先面を形成する作動モードと、前記パイプ材の外周面に突出した溶接ビード部を加工する際は前記押圧手段をロックした状態にして前記パイプ材の外周面形状の変化をカッタに伝えない不作動モードに切り換えるようにしたパイプ材の開先加工装置である。
この装置によれば、一対のカッタヘッドをパイプ材の周りで半回転させることによりパイプ材の周縁の能率的な開先加工を行うと共に、倣いローラを不作動モードすることによりパイプ材の外周面に突出した溶接ビード部に影響されない正しい開先面を形成することができる。
本発明の開先加工装置は、倣いローラを、パイプ材の外周面形状の変化をカッタに伝える作動モードと、パイプ材の外周面形状の変化をカッタに伝えない不作動モードに切り換え可能に配設したので、倣いローラを作動モードにした状態で従来と同様の開先加工が可能であると共に、倣いローラを不作動モードにすることにより、パイプ材の開先面に存在する膨らみ箇所をカッタによって除去することが可能になる。
本発明に係るパイプ材の開先加工装置の前側斜視図である。 本発明に係るパイプ材の開先加工装置の後側斜視図である。 本発明に係るパイプ材の開先加工装置の前正面図である。 本発明に係るパイプ材の開先加工装置の後正面図である。 本発明に係るパイプ材の開先加工装置の右断面図である。 本発明に係るパイプ材の開先加工装置の平面図である。 作動モードの倣いローラユニットの正面図である。 作動モードの倣いローラユニットの平面図である。 作動モードの倣いローラユニットの左側面図である。 不作動モードの倣いローラユニットの正面図である。 不作動モードの倣いローラユニットの平面図である。 角パイプ材の開先加工時の初期における倣いローラとカッタの移動状態を示す正面図である。 角パイプ材の開先加工時の中期における倣いローラとカッタの移動状態を示す正面図である。 角パイプ材の開先加工時の終期における倣いローラとカッタの移動状態を示す正面図である。 本発明の開先加工装置で加工をした角パイプ材の端部斜視図である。 本発明の開先加工装置で加工をした角パイプ材同士をダイヤフラムを介して溶接した状態の一部切欠き側面図である。 円形パイプ材の開先加工時の倣いローラとカッタの移動状態を示す正面図である。 従来の開先加工装置で加工をした角パイプ材の端部斜視図である。
以下に本発明に係るパイプ材の開先加工装置の実施形態を図面を参照しつつ説明する。この実施形態においては、前記倣いローラを不作動モードとするのに倣いローラを積極的に退避させる方法をとっている。
図1はパイプ材の開先加工装置1を斜め前側から見た斜視図であり、図2は同装置1を斜め後側から見た斜視図である。図1と図2に示すように、パイプ材の開先加工装置1はやぐら状のフレーム体3を有し、このフレーム体3内に昇降板5と回動板7が配設されている。回動板7は、開先加工用のカッタ9と倣いローラ11(図7A、7B参照)を装着したカッタヘッド25を左右一対で支持し、開先加工を施す角パイプ材Pの端部周囲を半回転するもので、図1ではカッタ9が倣いローラ11に隠れないよう便宜的に倣いローラ11を省略してある。
開先加工を施す角パイプ材Pは装置の前側から水平に供給され、この角パイプ材Pをクランプするためにフレーム体3の前側に水平クランプ13A、13Bと垂直クランプ17が配設されている(図3〜図6参照)。水平クランプ13A、13Bはセンタリング機能を有するように左右一対で構成され、各水平クランプ13A、13Bは、フレーム体3の前側に水平に設けられたガイドレール16に摺動自在に係合されている。そして各水平クランプ13A、13Bに個別に連結された水平シリンダ15A、15Bを伸縮作動させることによって一対の水平クランプ13A、13Bを左右対称的に互いに接近離反駆動できるようになっている。一方、垂直クランプ17は一対の水平クランプ13A、13B間の中央の垂直線上に配設され、垂直クランプ17の上方に連結された垂直シリンダ19を伸張させることによって、角パイプ材Pを載せた水平な送材ローラ20との間で角パイプ材Pを上下方向で固定できるようになっている。
図3〜図6は開先加工装置1の前正面、後正面、右断面、平面を順番に示したもので、以下、これらを参照して昇降板5をはじめとする各部の詳細を説明する。
昇降板5の四隅には断面凹状の被ガイド部5aが縦方向に形成されている。一方、フレーム体3の後側の左右の柱の内側には断面凸状のガイド部3aが縦方向に形成されている。そして、昇降板5の四隅の被ガイド部5aがフレーム体3のガイド部3aに摺動自在に係合している。フレーム体3の後側の左右の柱に隣接して、昇降板5を昇降させるための昇降シリンダ6が配設されている。この昇降シリンダ6のピストンロッド6aは昇降板5に連結され、昇降シリンダ6のピストンロッド6aの伸縮により昇降板5が昇降するようになっている。
昇降板5の中央には、円形貫通孔5bが形成されている。この円形貫通孔5bは、装置1の前側から供給した角パイプ材Pを開先加工した後に、必要に応じて、そのまま装置1の後側に送り出す際に角パイプ材Pを通すためのものである。昇降板5の前面には、前記円形貫通孔5bの縁に沿うようにして回動板7を回動自在に支持するためのリングレール21が固定されている。また、昇降板5の後面の上部隅部に回動板7を駆動するための回動板駆動モータ23が固定されている。
回動板7は円形であって、その周縁部は円形貫通孔5bの直径よりも一回り大きくされており、この周縁部に前記回動板駆動モータ23のピニオンギア23aと噛合するためのリングギア7aが形成されている。回動板7の形状は、リングギア7a以外の回動駆動機構を採用する場合には円形以外も可能である。回動板7の中央には前記のように開先加工をした角パイプ材Pを装置1の後側に送り出す際に通すためのいくぶん縦長の矩形孔7bが形成されている。回動板7の昇降板5側の面には、前記リングレール21に摺動自在に係合する断面凹状の被係合部7cが回動板の円周方向に沿って等間隔に4つ固定され、この4つの被係合部7cがリングレール21に摺動自在に係合している。
回動板7の昇降板5側とは反対側の面には、装置1を前面側又は後面側から見た場合に前記矩形孔7bと隣接する位置にL字状のカッタヘッド25が配設されている。このL字状のカッタヘッド25は矩形孔7bを間に挟んで一対で配設され、各カッタヘッド25のL字状の長辺側に、矩形孔7bの短辺と平行に配設された断面凸状の倣いガイドレール27に係合するための断面凹状の被ガイド部25aを有する。この倣いガイドレール27は図1、図5に示すように、回動板7の前面に対して垂直に立てた支持板29と、この支持板29を補強するための複数のリブ31を介して回動板7に固定されている。なお、図5の一対のカッタヘッド25の被ガイド部25aと倣いガイドレール27は、実際の装置ではそれぞれ二列で配設されるのであるが、図の複雑化を避けるために便宜的に一列で表示している。
倣いガイドレール27には、カッタヘッド25を倣いガイドレール27に沿って駆動するための倣いシリンダ33が、倣いガイドレール27に隣接して配設され、この倣いシリンダ33のピストンロッド33aがカッタヘッド25に連結されている。そして、倣いシリンダ33のピストンロッドの伸縮作動によってカッタヘッド25が倣いガイドレール27に沿って往復動するようになっている。
各カッタヘッド25のL字状の短辺側には、開先加工用カッタ9を駆動するためのカッタ駆動モータ35と、カッタ9を角パイプ材Pの外周に沿って案内するための倣いローラ11が取り付けられている。カッタ駆動モータ35はカッタヘッド25の後面に取り付けられ、カッタ駆動モータ35の回転軸は、図示しない減速機構を介してカッタ9の回転軸9aに連結されている。
カッタヘッド25の前面にはカッタヘッド蓋板25bが固定され、このカッタヘッド蓋板25bに倣いローラユニット41が取り付けられている。倣いローラユニット41は、ユニットベース41aと、このユニットベース41aに取付けられた断面凸状の一対のガイド部41bと、この一対のガイド部41bに摺動自在に係合する断面凹状の一対の被ガイド部41cを有する倣いローラ支持板41dと、この倣いローラ支持板41dに回転自在に取り付けられた倣いローラ11と、倣いローラ支持板41dをガイド部41bに沿って往復駆動する倣いローラ進退シリンダ(倣いローラ進退手段)43を有する。
一対のガイド部41bは互いに平行で、かつ、回動板7との関係ではその矩形孔7bの長辺に対して直角とされている。角パイプ材Pは、図4のように、装置1の前後方向から見た場合に回動前の回動板7の矩形孔7bにちょうど収まる位置関係で固定されるので、一対のガイド部41bは角パイプ材Pの側面に対して直角になっている。
倣いローラ支持板41dは正面視では図7Aのような形状であるが、平面視では図7Bのように、先端がカッタ9の前側にオーバハングして延在したL字状を成している。そしてこの倣いローラ支持板41dの先端部分の内面側すなわちカッタ9に面した側に倣いローラ11が取り付けられている。
倣いローラ11は転がり軸受で構成され、その内輪の内径は、倣いローラ支持板41dに固定した支軸11aに嵌合されている。図7Aと図7Bは倣い加工時における倣いローラ11の位置を示しており、この状態では倣いローラ進退シリンダ43のピストンロッド43bが最大に伸張して、倣いローラ11の支軸11aがカッタ9の回転軸9aと同軸となるように構成されている。倣いローラ11の外径はカッタ9の先端径よりもやや大きくされ、この倣いローラ11の外周が角パイプ材Pの端部外周を転動することによりカッタ9が角パイプ材Pの先端を所定のルートフェースを残しながら開先加工するようになっている。
倣いローラ進退シリンダ43は、そのシリンダ本体43aがカッタヘッド蓋板25bに取付けられ、またピストンロッド43bの先端が、倣いローラ支持板41dの基端側において、図7Cのように、一対の被ガイド部41cの中間にV字状に突出した突起部41eの先端に連結されている。倣いローラ進退シリンダ43のピストンロッド43bは、前述のように、倣い加工時に最大長さに伸張作動することにより倣いローラ11を図7A、図7Bのように、カッタ9と同軸位置(第1位置)まで移動させ、溶接ビード部50の膨らみ箇所51切削時には倣いローラ進退シリンダ43のピストンロッド43bを最小長さに短縮作動することにより、倣いローラ11を図8A、図8Bのようにカッタ9の回転軸9aからオフセットした位置(第2位置)まで移動して溶接ビード50から逃がすように構成されている。
(開先加工の工程)
次に、本発明の開先加工装置1によって角パイプ材Pを開先加工する工程について説明する。
まず、図9Aに示すように、左右一対のカッタ9を角パイプ材Pの中心Cよりも距離D1だけ下側の所定高さ位置Aの外側まで移動させる。この時は倣いローラ進退シリンダ43のピストンロッド43bを短縮作動して、倣いローラ11を図8Aおよび図8Bのように退避位置(第2位置)に移動させておく。この状態で、開先加工を施す角パイプ材Pを送材ローラ20の上に載せて角パイプ材Pの先端を図5に示すようにフレーム体3内の所定位置まで水平に送り込み、水平シリンダ15a、15bと垂直シリンダ19を駆動して水平クランプ13a、13bと垂直クランプ17を角パイプ材Pの左右両側面と上面に当接させることにより角パイプ材Pを固定する。開先加工装置1のフレーム体3には角パイプ材Pの先端送り込み位置を規制するための、図示しない突き当て部材がシリンダ等の駆動手段によって出没可能に設けられていて、この突き当て部材に角パイプ材Pの先端を突き当てた後に当該突き当て部材を下方に退避させる。
次に、倣いローラ進退シリンダ43を伸張作動させてカッタ9に対して倣いローラ11を図7A、図7Bの位置(第1位置)まで移動させる(倣いローラ11の作動モード)。この状態でカッタ駆動モータ35を駆動してカッタ9を回転させ、倣いシリンダ33のピストンロッド33aを伸張作動して一対のカッタヘッド25を互いに接近する方向に水平移動させる。このカッタヘッド25の水平移動によって左右の倣いローラ11の外周面が角パイプ材Pの左右の溶接ビード50の少し下方の外側面に当接すると共に、左右のカッタ9が角パイプ材Pの左右の溶接ビード50の少し下方の端縁に切り込んでカッタ9の中心が図9Aの位置Aに到達する。なお、この時の倣いシリンダ33の油圧力は後述する倣いローラ11の不作動モードまで継続して維持する。
次に、角パイプ材Pに対する倣いローラ11の当接状態を維持したまま回動板駆動モータ23を駆動して回動板7を図1〜図4の矢印B方向に回動させる。この回動板7の回動によりカッタ9と倣いローラ11は角パイプ材Pの周りを図9Aで矢印方向(時計方向)に移動する。この移動中も倣いローラ11は押圧手段としての倣いシリンダ33の油圧力により角パイプ材Pの外側面に当接した状態を維持し、カッタ9は角パイプ材Pの端縁に沿って連続的に切削加工しながら開先面を形成していく。
カッタ9と倣いローラ11を図9Aから図9Bの位置まで移動させる間に、一方(図9Aの左側)のカッタ9と倣いローラ11は左右の溶接ビード50を横断する。このとき、倣いローラ11は溶接ビード50の凸形状に沿って移動するので、この倣いローラ11の動きに従って一方のカッタヘッド25は倣いシリンダ33のピストンロッド33aを油圧力に抗して短縮方向に押し戻しながら後退する。このため、カッタ9による溶接ビード50部分の切削状態が図13のように膨らみ箇所51のある不完全な状態となるが、そのままカッタ9と倣いローラ11を角パイプ材Pの周りに半回転(180°)させ、右側の溶接ビード50部分も左側の溶接ビード部分と同様に切削する。カッタ9と倣いローラ11が図9Bのように角パイプ材Pの反対側の位置Aまで移動したら、倣いシリンダ33の油圧をロックすると共に、倣いローラ進退シリンダ43を短縮作動して倣いローラ11を図9Cのように角パイプ材Pの外側面から離間した第2位置に退避させる(倣いローラ11の不作動モード)。
次に、図9Cの状態から左右一対の昇降シリンダ6を伸張作動して昇降板5を上昇させることにより、カッタ9を角パイプ材Pの中心Cよりも距離D2だけ上側の二点鎖線で示す位置まで上昇させる。この際、倣いローラ11が退避しているため左右一対のカッタ9は昇降板5と一体となって垂直方向上方に直線状に移動する。これにより、カッタ9が角パイプ材Pの左右の溶接ビード50部分の膨らみ箇所51を下から上に直線状に削り上げ、正しい開先面を形成する。このとき、溶接ビードが一箇所しかない角パイプ材であっても何ら問題は生じないのは勿論である。溶接ビード50部分の切削を完了した後は、倣いシリンダ33のピストンロッド33aを短縮作動して左右のカッタヘッド25を互いに離間する方向に移動させ、左右のカッタ9を角パイプ材Pから離間させた後、水平クランプ13A、13Bと垂直クランプ17を解放して角パイプ材Pを装置1から水平方向に搬出する。
図10は、以上の工程で開先加工を完了した角パイプ材Pを示すもので、溶接ビード50部分を含めて角パイプ材Pの端縁全周に、所定のルートフェースFを有する正しい開先面が形成された状態を示している。そして、このように正しい開先面が形成された角パイプ材Pは、図11のように角パイプ材Pの端部同士をダイヤフラム53を介して突き合わせて開先溶接を行うとき、盛金55を全周にわたって均等に溶け込ませることができるので、欠陥のない完全な溶接が行われる。なお、図11において57は角パイプ材Pの内側に溶接した角リング状の裏当て金である。
以上、角パイプ材Pの開先加工について述べたが、本発明は円形パイプ材の開先加工にも使用可能である。詳しくは図12に示すように、円形パイプ材P2を開先加工する場合は、まず円形パイプ材P2の溶接ビード60部分を水平位置から反時計方向に少し回した位置で、円形パイプ材P2を図3などに示す水平クランプ13A、13Bと垂直クランプ17で固定する。次いで、左右一対のカッタヘッド25の相互中心(すなわち左右一対のカッタ9の相互中心)を円形パイプ材P2の中心Cに合わせ、角パイプ材Pの場合と同じ手順によりカッタ9で円形パイプ材P2の端縁に切り込んでいく。回動板7を時計方向に半回転(180°)させて全周の切削が終わったところで、倣いシリンダ33の油圧をロックすると共に、倣いローラ進退シリンダ43を短縮作動して倣いローラ11を第2位置に退避させ、回動板駆動モータ23を駆動して回動板7を逆方向、すなわち反時計方向に所定量回転させる。これにより、図12の左側のカッタ9が円形パイプ材P2の溶接ビード60部分の膨らみ箇所を削り取り、角パイプ材Pの場合同様、正しい開先面を形成することができる。なお、円形パイプ材P2の膨らみ箇所の削り取り工程においては昇降シリンダ6は使用しない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば前記実施形態では溶接ビードの膨らみ箇所を削り取るときに倣いローラ11をパイプ材の外周面に当接しない第2位置に退避させたが、このように倣いローラ11を積極的に退避させるのではなく、倣いローラ進退シリンダ43の油圧を解放して倣いローラ11を不作動モードにすることでも同様の効果が得られる。また、前記実施形態では加工時間を短縮するためにカッタヘッド25を一対で配設したが、カッタヘッドを一つだけにしてこの一つのカッタヘッドをパイプ材の周りに一回転させて開先加工を行うことも可能である。
1 パイプ材の開先加工装置
3 フレーム体
3a ガイド部
5 昇降板
5a 被ガイド部
5b 円形貫通孔
6 昇降シリンダ
6a ピストンロッド
7 回動板
7a リングギア
7b 矩形孔
7c 被係合部
9 カッタ
9a 回転軸
11 倣いローラ
11a 支軸
13A、13B 水平クランプ
15A、15B 水平シリンダ
16 ガイドレール
17 垂直クランプ
19 垂直シリンダ
20 送材ローラ
21 リングレール
23 回動板駆動モータ
23a ピニオンギア
25 カッタヘッド
25a 被ガイド部
25b カッタヘッド蓋板
27 倣いガイドレール
29 支持板
31 リブ
33 倣いシリンダ
33a ピストンロッド
35 カッタ駆動モータ
41 倣いローラユニット
41a ユニットベース
41b ガイド部
41c 被ガイド部
41d 倣いローラ支持板
41e 突出部
43 倣いローラ進退シリンダ
43a シリンダ本体
43b ピストンロッド
50 溶接ビード
51 膨らみ箇所
53 ダイヤフラム
60 溶接ビード
P 角パイプ材
P2 円形パイプ材

Claims (2)

  1. パイプ材の開先加工装置であって、当該パイプ材の周りを回転可能かつ当該パイプ材の径方向に移動可能に配設されたカッタヘッドと、当該カッタヘッドに取り付けられた開先加工用のカッタ及び前記パイプ材の外周面形状を倣う倣いローラと、前記倣いローラを前記パイプ材の外周面に当接させるように前記カッタヘッドを前記パイプ材の径方向に押圧する押圧手段と、前記倣いローラを支持して前記カッタヘッドに取り付けられた倣いローラ進退手段とを有し、
    前記倣いローラ進退手段を、前記パイプ材の外周面形状の変化を前記倣いローラを介して前記カッタに伝えて前記パイプ材の端縁に所定幅のルートフェースを有する開先面を形成する作動モードと、前記パイプ材の外周面に突出した溶接ビード部を加工する際は前記押圧手段をロックした状態にして前記パイプ材の外周面形状の変化をカッタに伝えない不作動モードに切り換えるようにしたパイプ材の開先加工装置。
  2. パイプ材の開先加工装置であって、
    昇降板と、
    前記昇降板に回動自在に配設した回動板と、
    前記回動板の径方向に一対で配設したカッタヘッドと、
    前記カッタヘッドに配設した開先加工用のカッタ及び前記パイプ材の外周面形状を倣う倣いローラと、
    前記倣いローラを前記パイプ材の外周面に当接させるように前記カッタヘッドを前記パイプ材の径方向に押圧する押圧手段と、
    前記倣いローラを支持して前記カッタヘッドに取り付けられた倣いローラ進退手段とを有し、
    前記倣いローラ進退手段を、前記パイプ材の外周面形状の変化を前記倣いローラを介して前記カッタに伝えて前記パイプ材の端縁に所定幅のルートフェースを有する開先面を形成する作動モードと、前記パイプ材の外周面に突出した溶接ビード部を加工する際は前記押圧手段をロックした状態にして前記パイプ材の外周面形状の変化をカッタに伝えない不作動モードに切り換えるようにしたパイプ材の開先加工装置。
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