JPH0416247Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は磁気ヘツド構体に関し、詳しくは
VTR装置の回転ドラム等に装着される磁気ヘツ
ドの構造に関するものである。

従来の技術 VTR装置等に使用される磁気ヘツドは、一般
に単結晶フエライト等からなる２個１対のコアブ
ロツクを、磁気ギヤツプを形成して接合一体化し
たコアチツプに、絶縁被覆処理した銅線等の線材
を数ターン或いはそれ以上巻装した構造のもので
ある。上記磁気ヘツドは、ヘツドベースに固定さ
れ配線された磁気ヘツド構体の状態で、例えば２
ヘツド方式のVTR装置の場合、回転ドラムに
180°間隔で２個実装される。

上記磁気ヘツド構体の具体例を第６図乃至第８
図を参照しながら説明する。同図に於いて、１は
金属製の非磁性体ヘツドベース、２は該ヘツドベ
ース１の表面先端部に貼着固定した磁気ヘツド、
３は上記ヘツドベース１の裏面基部に貼着固定し
たプリント基板である。上記磁気ヘツド２は、前
述したように２個１対のコアブロツク２ａ，２ｂ
をその先端に磁気ギヤツプｇが形成されるように
して接合一体化したコアチツプに、絶縁銅線等の
線材４を所定の回数巻回したものである。またプ
リント基板３の表面には、例えば、銅等からなる
１対の導電パターン５，５を被着形成すると共
に、上記磁気ヘツド１に巻装された線材４の両端
部、即ち巻始め端及び巻終わり端４ａ，４ｂを、
ヘツドベース１の先端部近傍に形成された挿通穴
６にヘツドベース表面側から裏面側へ挿通させ
て、上記導電パターン５，５の端部に、半田７，
７で電気的且つ機械的に接続する。８はヘツドベ
ース１の基部中央に穿設した取付穴で、後述する
ように上記ヘツドベース１を回転ドラムにネジ止
めする際に利用される。

上記磁気ヘツド構体９を２個有する２ヘツド方
式のVTR装置用の回転ドラムを第９図及び第１
０図に示し説明すると、例えば上記回転ドラム１
０は２つの分割ドラム１１，１１′を重ねた２分
割型ドラムで、一方の分割ドラム１１′の内面周
辺部に180°間隔で、２個の磁気ヘツド構体９，
９′を、後述の位置調整を行つて固定し、更に他
の分割ドラム１１′を重ね一体化したものである。
磁気テープ１２は回転ドラム１０の外周に、テー
プガイド１３，１３で位置規制されて略半周巻付
けられながら僅かに斜め方向に相対的に走行する
ことにより、この間に磁気ヘツド２，２が磁気テ
ープ１２の記録トラツクに沿つて走行して再生が
行われる。

上記回転ドラム１０の一方の分割ドラム１１へ
の磁気ヘツド構体取付けは、第１１図乃至第１３
図に示すように、まず磁気ヘツド構体９のヘツド
ベース１の取付穴８を、分割ドラム１１の定位置
に形成されたネジ穴１４に合わせて、取付穴８よ
りネジ穴１４に取付ネジ１５を螺合させて締め付
けることによりヘツドベース１の固定を行う。こ
の時磁気ヘツド構体９が分割ドラム１１の半径方
向に正確に向くように調整すると共に、分割ドラ
ム１１の内部から、調整ネジ１６を螺装してその
先端をヘツドベース１の磁気ヘツド取付面１ａに
当接させ、上記調整ネジ１６の先端を突出させる
ことによりヘツドベース１を取付ネジ１５で固定
された取付穴８の周辺を支点にして若干反らせ
て、磁気ヘツド２の磁気ギヤツプｇが磁気テープ
１２の記録トラツクに、正確に当接するように、
分割ドラム１１のヘツドベース取付面１１ａから
磁気ヘツド２の磁気ギヤツプｇまでの距離、即ち
磁気ヘツド２の取付高さＨを調整する。この調整
時磁気ヘツド２の取付高さＨを所望の寸法に設定
しても上記調整ネジ１６のみでは、その位置決め
が不充分なため、分割ドラム１１とヘツドベース
１との間に形成された隙間に所定の厚みを有する
スペーサ１７を挿入して確実な調整を行つてい
る。

考案が解決しようとする問題点 回転ドラム１０の一方の分割ドラム１１への磁
気ヘツド構体９の取付け時には、上述したように
調整ネジ１６及びスペーサ１７による磁気ヘツド
２の取付高さＨについて調整が行われるが、この
時分割ドラム１１とヘツドベース１との間の隙間
に挿入されるスペーサ１７の厚みを、所定の厚み
に厳密に設定しなければならない。これは仮にこ
のスペーサ１７の厚みが所定の厚みより大きけれ
ば、該スペーサ１７の挿着に困難性を伴い、また
所定の厚みにより小さければ、調整ネジ１６のみ
の位置決めでは不充分なため取付高さＨに狂いが
生じ易いためである。また分割ドラム１１とヘツ
ドベース１との隙間の間隔に応じた厚みを有する
複数種のスペーサ１７を用意しなければならずそ
の選定にも熟練を要する。このように調整ネジ１
６及びスペーサ１７による磁気ヘツド２の取付高
さＨの調整では上述のように様々な困難性を伴
い、製品の量産性を向上させる点ではあまり適し
ているとはいえなかつた。

問題点を解決するための手段 本考案は上記問題点に鑑み提案されたもので、
この問題点を解決するための技術的手段は、金属
製のヘツドベースに、磁気ヘツドとプリント基板
を貼着固定し、上記磁気ヘツドに巻装された線材
の両端部を、プリント基板上に被着形成された導
電パターンに電気的、且つ、機械的に接続したも
のにおいて、上記ヘツドベースの両側縁部に、磁
気ヘツドの取付け高さを規制するサポートを固着
したものである。

実施例 本考案を第６図乃至第８図に示した磁気ヘツド
構体９と同一タイプのものに適用した一実施例を
第１図乃至第３図を参照しながら説明する。第６
図乃至第８図と同一参照符号は同一物を示しその
説明を省略する。本考案における磁気ヘツド構体
１８は、第１図乃至第３図に示すようにヘツドベ
ース１の基部両側縁に接着剤（図示せず）を介し
てステンレス製のサポート１９，１９を固着した
構造のものである。このサポート１９，１９のヘ
ツドベース１への取付けは、磁気ヘツド２の製造
工程において所定の測定機器により予め測定され
たコアチツプ側面から磁気ギヤツプｇまでの寸法
Hoに基づいた算定結果から磁気ヘツド２の取付
高さＨが所望寸法になるように行われる。即ち、
サポート１９，１９の分割ドラム取付予定面１９
ａ，１９ａから磁気ヘツド２の磁気ギヤツプｇま
での寸法が上記取付高さＨとなるように、上記測
定寸法Hoからの算定結果に基づいてサポート１
９，１９の分割ドラム取付予定面１９ａ，１９ａ
がヘツドベース１の磁気ヘツド取付面１ａから所
定の寸法だけ突出させて上記サポート１９，１９
の取付けが行われる。

上述のようにしてヘツドベース１にサポート１
９，１９が固着された磁気ヘツド構体１８の分割
ドラム２０への取付けは、第４図及び第５図に示
すように磁気ヘツド構体１８のヘツドベース１の
取付穴８を、分割ドラム２０の定位置に形成され
たネジ穴２１に合わせて、取付穴８よりネジ穴２
１に取付ネジ２２を螺合させて締付けることによ
りサポート１９，１９の分割ドラム取付予定面１
９ａ，１９ａを分割ドラム２０のヘツドベース取
付面２０ａに接合させて上記サポート１９，１９
によつてヘツドベース１を位置規制させた状態で
該ヘツドベース１の固定を行う。この時磁気ヘツ
ド構体１８が分割ドラム２０の半径方向に正確に
向くように調整するが、従来のように調整ネジ１
６による磁気ヘツド２の取付高さＨの調整は不要
となる。即ち、サポート１９，１９によつてヘツ
ドベース１を位置規制した状態で該ヘツドベース
１が分割ドラム２０に取付けられているため、分
割ドラム２０のヘツドベース取付面２０ａを基準
面とする磁気ヘツド２の取付高さＨは所望の寸法
に設定されている。

尚、本考案では、磁気ヘツド２の製造工程中に
測定されたコアチツプ側面から磁気ギヤツプｇま
での寸法Hoにバラツキがあつてもサポート１９，
１９をヘツドベース１に取付けるに際して、ヘツ
ドベース１の磁気ヘツド取付面１ａからのサポー
ト１９，１９の分割ドラム取付予定面１９ａ，１
９ａの突出寸法を調整するのみで、簡便に磁気ヘ
ツド２の取付け高さＨを所望の寸法に設定するこ
とが可能である。

考案の効果 本考案によれば、磁気ヘツドの取付け高さが所
望の寸法になるように、予めヘツドベースにサポ
ートを取付けるため、従来のように磁気ヘツド構
体を回転ドラムに取付けた後のネジ調整やスペー
サによる取付け高さ調整が不要となり、磁気ヘツ
ド構体の回転ドラムへの取付けが非常に容易に行
えて作業性が大幅に向上する。また磁気ヘツドの
取付け高さ調整は、予めサポートをヘツドベース
に固着する際に容易に行え、且つ、磁気ヘツドの
製造工程中に測定されるコアチツプ側面から磁気
ギヤツプまでの寸法に基づいて行われるため、コ
アチツプの加工精度も高精度を必要としない。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案に係る磁気ヘツド構
体の一実施例を示す正面図、背面図、平面図、第
４図は第１図乃至第３図の磁気ヘツド構体を回転
ドラムに実装した状態を示す平面図、第５図は第
４図の要部拡大側断面図である。第６図乃至第８
図は従来の磁気ヘツド構体の一例を示す正面図、
背面図、側面図、第９図及び第１０図はVTR装
置の回転ドラムの一例を示す平面図及び正面図、
第１１図は第６図乃至第８図の磁気ヘツド構体を
回転ドラムに実装した状態を示す平面図、第１２
図は第１１図の部分拡大正面図、第１３図は第１
２図の要部拡大側断面図である。 １……ヘツドベース、２……磁気ヘツド、３…
…プリント基板、４……線材、５……導電パター
ン、１８……磁気ヘツド構体、１９……サポー
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヘツドベースに磁気ヘツドとプリント基板を貼
   着固定し、上記磁気ヘツドに巻装された線材を、
   プリント基板上に被着形成された導電パターンに
   電気的、且つ、機械的に接続したものにおいて、
   上記ヘツドベースの両側縁部に磁気ヘツドの取付
   け高さを規制するサポートを固着したことを特徴
   とする磁気ヘツド構体。