JPH04153312A

JPH04153312A - スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメント

Info

Publication number: JPH04153312A
Application number: JP2272387A
Authority: JP
Inventors: Akihiko Nagai; 明彦永井; Toshimasa Kuroda; 黒田　俊正
Original assignee: Teijin Ltd
Current assignee: Teijin Ltd
Priority date: 1990-10-12
Filing date: 1990-10-12
Publication date: 1992-05-26

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメン
トに関し、さらに詳細には製織時における白粉スカムの
発生が少なく、品質の優れたスクリーン紗を効率よく製
造することができるポリエチレンナフタレートモノフィ
ラメントに関する。

〔従来の技術〕

スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントとしでは
、通常、ポリエチレンテレフタレートモノフィラメント
が用いられている。ポリエチレンテレフタレーＩ・モノ
フィラメントは、多くの優れた特性を有しているため、
従来よりスクリーン紗に使用されてきたほか、近年はエ
レクトロニクス、高級印刷の分野にも進出し、モノフィ
ラメントの細繊度化、高強力化、耐久性などに対する要
求が高まっている。

しかしながら、ポリエチレンテレフタレートモノフィラ
メントを用いてスクリーン紗を製造する際には、白粉ス
カムが発生し、種々の問題を起こし易い。この白粉スカ
ムの発生は、特に繊度２０デニール以下のポリエチレン
テレフタレートモノフィラメントを経糸として使用する
２６０メツシュ以上の高密度スクリーン紗の製織時に問
題になる。この白粉スカムは、繰り返し行われる筬の擦
過により発生するものであり、モノフィラメントの繊度
が２０デニールを超える場合場合は、筬幅（フィラメン
トの断面直径に対する筬の間隔）が広いため擦過の度合
いが軽く、その影響が少ない。

しかも、繊度が大であるため、発生した白粉スカムによ
る生機への実害も少ない。

しかるに、繊度が２０デニール以下のポリエチレンテレ
フタレートモノフィラメントを使用する場合は、通常、
筬間隔がフィラメント直径より小さいので、フィラメン
トは強い擦過を繰り返し受けるため、表面の損傷が著し
く、白粉スカムの発生が多い。従って、この白粉スカム
詰まりによる経糸切れ、生機の経筋斑を生じ、品質およ
び生産効率ともに著しく悪化する。

この問題を解消するために、ポリエチレンテレフタシー
１〜モノフイラメントの強伸度特性を特定する提案がな
されている。例えば、特開昭５５１６９４８号公報には
、モノフィラメントの伸度を３０〜６０％とすることが
効果的であると記載されている。また、特開平１−１２
７５１３号公報には、伸度を３５〜５０％にするほか、
強度を５　ｇ　／　ｄ　ｅ以上および伸度１０％時の強
度を３．２５ｇ／ｄｅ以上とする提案がなされている。

しかしながら、これらのポリエチレンテレフタレートモ
ノフィラメントは、白粉スカムの発生防止効果はあるも
のの、伸度が大であることや弾性率が小であるため、ス
クリーン紗製織時の高張力下での擦過で伸長されやすく
、紗の経筋斑が生じたり、寸法安定性が低下するという
問題がある。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明は、このようなポリエチレンテレフタレートモノ
フィラメントをスクリーン紗に用いた場合の問題点を背
景とし、スクリーン紗製織時に白粉スカムの発生が少な
く、寸法安定性に優れ、紗の経筋などの発生が少なく、
品位の良好な高密度スクリーン紗を製造するに好適な高
級スクリーン紗用モノフィラメントを提供することを目
的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、ポリエチレンナフタレートからなり、下記（
ア）〜（１）を同時に満足することを特徴とするスクリ
ーン紗用ポリエステルモノフィラメントである。

（ア）０．５≦極限粘度≦１．０（イ）４．５≦強度（ｇ／ｄ　ｅ）（つ）２５≦伸度（％）≦４５（１）１２０≦弾性率（ｇ／ｄｅ）本発明のモノフィラメントは、ポリエチレンナフタレー
トよりなるモノフィラメントを主たる対象とする。本発
明でいうポリエチレンナフタレートとは、ポリマー繰り
返し単位の８５モル％以」二がエチレン−２，６−ナフ
タレート単位であるポリエステルによって構成されてい
る。かかるものとしては、ポリエチレン−２，６−ナフ
タレートが最適であるが、１５モル％以下の割合で第３
成分を共重合したものでもよい。かかる第３成分として
は特開昭５（１−４６９２２号公報に記載のもの、例え
ばアジピン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、ナフタレン２．７−ジカルボン酸、
ジフェニルジカルボン酸、ｐ−オキシ安息香酸、ジエチ
レングリコール、テトラメチレングリコール、ビスフェ
ールＡなどがか適当である。

また、該ポリエステルには、安定剤、艶消剤、着色剤な
どを少量含んでいても差し支えない。

このモノフィラメントは、マルチフィラメントとして溶
融紡糸、延伸したのち、分繊しても、あるいは最初から
モノフィラメントとして溶融紡糸、延伸してもよい。

本発明のポリエチレンナフタレートモノフィラメントは
、繊度が２０デニ一ル未満のモノフィラメントを対象と
するとき効果が顕著である。繊度が２０デニ一ル以上の
場合には、白粉スカムの発生が少なくなるだけではなく
、比較的低メツシュ用に使われ、高精度の印刷が要求さ
れない用途に利用されることが多く、厳しい紗の寸法安
定性は要求されない。

本発明は、繊度２０デニ一ル未満のモノフィラメントに
ついて特に有効であるが、２０デニ一ル以上のモノフィ
ラメントにおいても、本発明で規定している物性を有し
ていてもよいことはいうまでもない。

本発明のモノフィラメントは、先ず極限粘度が０．５〜
１．０の範囲にあることが重要である。

極限粘度が０．５未満では、本発明で特定する強伸度の
バランスを達成することが難しく、かつ高張力下での紗
製織における白粉の減少が難しくなる。一方、極限粘度
が１．０を超えると、溶融時の粘度が高く、安定した溶
融紡糸が困難になる。

ここで、極限粘度の値は、フェノールとオルトジクロロ
ベンゼンとの混合溶媒（容量比−６：４）を用いて、３
５°Ｃで測定されたものである。

本発明のポリエチレンナフタレートモノフィラメントは
、強度が４．５ｇ／ｄｅ以上、弾性率が１２０ｇ／ｄｅ
以上であることが必要である。

ここで、強度が４．５ｇ／ｄｅ未満、弾性率が１２０　
ｇ　／　ｄ　ｅ未満のモノフィラメントでは紗製織時の
筬による高張力下での擦過により、部分的に大きな伸長
を受ける箇所が発生し、紗の経筋斑やたるみなどにつな
がり、紗の品位が低下する問題を生ずる。これに対し、
強度４．５ｇ／ｄｅ以上、弾性率が１２０ｇ／ｄｅ以上
の場合は、このような問題を効果的に解消し、品位良好
な紗を得ることができる。

本発明のポリエチレンナフタレートモノフィラメントに
おいて、好ましくはその強度は５．０〜５．８ｇ／ｄｅ
、弾性率は１３０〜１７０ｇ／ｄｅである。

また、本発明のポリエチレンナフタレートモノフィラメ
ントの伸度は、２５〜４５％、好ましくは３０〜４０％
であることが必要である。

ここで、伸度が２５％未満では、製織時のスカムの発生
量が大となり、一方４５％を超えると強度、弾性率を高
くすることが難しく、寸法安定性に劣る。

前記のように、本発明のポリエチレンナフタレートモノ
フィラメントは、その伸度が２５〜４５％であることが
必要であるが、伸度がこの範囲にあっても弾性率が１２
０ｇ／ｄｅに達しないときは製織時のスカムの減少効果
が充分とはならない。

このような場合には、製織時の高張力下での擦過時の伸
長の度合いが大であるため、白粉スカムの発生につなが
るものと考えられる。ポリエチレンテレフタレートモノ
フィラメントの場合は、１２０　ｇ　／　ｄ　ｅのよう
な高弾性率は実質上達成できず、ポリエチレンナフタレ
ートモノフィラメントがスクリーン紗として如何に優れ
ているかを示唆しているとともに、ポリエチレンテレフ
タレートのような低弾性率の場合には弾性率の製織性に
及ぼす影響も自ずとポリエチレンナフタレートの場合と
は異なったものになると推測される。

本発明のポリエチレンナフタレートモノフィラメントを
製造する方法としては、溶融紡糸に供するポリエチレン
ナフタレートの極限粘度、溶融紡糸条件、延伸熱処理条
件を適切に調整することによって作製することができる
。

例えば、紡糸口金直下を３３０°Ｃに加熱しつつ、極限
粘度０．６〜１．２程度のポリエチレンナフタレートチ
ップを３００〜３２０°Ｃの温度で溶融吐出し、引き続
き吐出糸条を冷却固化させながら、５００ｍ／分以下の
紡速で引取り、−旦巻きとる。

次いで、得られた未延伸系を１８０〜２４０°Ｃの非接
触型スリットヒーターで３．５〜４．５倍延伸したのち
、２２０〜２５０°Ｃの非接触型スリットヒーターにて
定長または５％までの制限緩和熱処理を行い、延伸糸を
巻き取ることによって本発明のポリエチレンナフタレー
トモノフィラメントを得ることができる。

ここで、本発明で特定する糸質を満足するモノフィラメ
ントを得るためのポイントは、延伸系の極限粘度が０．
５〜１．　０になるように用いるポリマーの極限粘度と
紡糸温度とを調整すること、また５００ｍ／分以下の低
速度で紡糸すること、延伸に関しては、第１段延伸は非
接触型のスリットヒーターで実施することおよび第２段
延伸は定長または５％までの制限緩和熱処理を行う点に
ある。本発明で特定する強伸度バランスを得るには、低
速紡糸を行ったうえで、幾分フロー気味の第１段延伸を
行う必要がある。加熱ロールを用いる通常の延伸法では
、糸質面からはロール温度を１６５°Ｃ以上の高温にす
る必要があるが、このような高温では未延伸糸条が加熱
ロール上で融着気味となり、延伸性が大幅に低下する。

また、第２段延伸で高温下、定長または制限緩和熱処理
によリ、弾性率の低下を最低限に抑制しながら結晶の完
全化をはかり強度を高めることである。

〔実施例〕

以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に説明する。

なお、実施例中の強伸度は、ＪＩＳ　　Ｌ１０１３１９
８１に準拠し、インストロンＴＭ−Ｍ　（米国インスト
ロン社製）で測定したものであり、試料長２０ｃｍ、引
張強度１００％／分、室温にて任意の１０パーンについ
て各バーンとも５回繰り返し測定して得られた強伸度の
平均値である。

また、弾性率は、スペクトロメーター（岩本製作所製）
を用いて室温、１０　Ｈｚにて測定した貯蔵弾性率（Ｅ
′）を用いた。

実施例１〜６、比較例１〜５極限粘度０．８４のポリエチレンナフタレートポリマー
を使用し、吐出時のポリマー温度が３１２°Ｃとなるよ
うに溶融し、孔径が０．５薗の口金から５００ｍ／分の
引き取り速度で紡糸し、−旦、未延伸糸を巻き取った。

次いで、２２０°Ｃ■ のスリット型非接触ヒーターで種々の条件で熱処理を行
い、１５０ｍ／分にて巻取り、延伸糸を得た。ただし、
比較例４および比較例５は、第１段延伸を１６５℃の加
熱ロールを用いて行った。

これら各種モノフィラメント製造時の第１段延伸倍率（
ＤＰＩ）、熱処理時の倍率（ＤＲ２）および得られたモ
ノフィラメントの糸質を、第１表に示す。

これらのモノフィラメントについて、擦過試験を行い、
白粉スカムの発生量を比較し、白粉スカム判定を行った
。その結果を第１表に示す。

さらに、得られたモノフィラメントを部分整経し、経糸
本数１０，１７７本とし、緯糸は経糸と同じモノフィラ
メントを用いて普通織機を使用して１８０回／分の速度
で３００メツシユのスクリーン紗を製織した。製織した
結果を、紗品位Ａ反率で第１表に併せて示す。

第１表に示すように、本発明を満足する物性のモノフィ
ラメントは、白粉スカムが少なく、かつ紗の品位も良好
なものであり、本発明のモノフィラメントが優れたもの
であることが分かる。

なお、擦過試験（白粉スカム判定）は、糸長２０ｃｍの
モノフィラメントを３０ｃｍの間隔で相対した２本の把
持棒に０．３ｍｍのピッチで平行に３０往復引っ掛け、
３ｇの緊張状態で固定し、このモノフィラメントを中央
部に設置された摺動可能な擦適用筬（ステンレス製）に
通し、４００回／分の速度で１２０分間擦過し、モノフ
ィラメントに付着したスカム量を観察し、次の３段階に
グレード付けした。

◎：白粉がほとんど発生しない。

Ｏ：白粉スカムが少ない。

×：白粉スカムが多い。

また、紗品位Ａ反率は、白粉スカムつまりによる経糸切
れ、生機の経筋斑、製織時の筬擦過による経筋、ゆるみ
などの点数により判定するもので、所定の点数より少な
いものをＡ反といい、合格ラインを示すものである。Ａ
反率は９２％以上を許容ライン（◎）としている。なお
、第１表中、×は紗品位Ａ反率が９２％未満を示す。

■ 〔発明の効果〕本発明のスクリーン紗用ポリエチレンナフタレートモノ
フィラメントは、紗製織時の白粉スカムの発生が少なく
、該モノフィラメントから得られる紗は品位に優れ、高
密度スクリーン紗として高級ＩＣ基板印刷用スクリーン
原版などに用いることができる。

特許出願人　　帝　人　株式会社代理人　弁理士　白　井　重　隆

Claims

【特許請求の範囲】

（１）ポリエチレンナフタレートからなり、下記（ア）
〜（エ）を同時に満足することを特徴とするスクリーン
紗用ポリエステルモノフィラメント。（ア）０．５≦極限粘度≦１．０（イ）４．５≦強度（ｇ／ｄｅ）（ウ）２５≦伸度（％）≦４５（エ）１２０≦弾性率（ｇ／ｄｅ）