JPH04151345A - 自動車用エアバックドア表皮の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、自動車衝突時の衝撃から乗員を保護するた
めの自動車用エアバッグに用いられるドア表皮の製造方
法に関し、特には熱可塑性プラスチックからなるシート
状表皮材に分割用の■字形溝を形成して所望のエアバッ
グドア表皮を得る製造方法に関する。

（従来技術） 自動車用エアバッグは、自動車衝突時にガスによって瞬
間的に膨張して乗員とフロントガラス間で展開するもの
である。そのエアバッグは、通常運転席側においてはハ
ンドルの中央パネル裏面に、また助手席側においては正
面のインストルメントパネル裏面に折り畳まれた状態で
収納される。

その自動車用エアバッグの収納部には、蓋としてのエア
バッグドアが取り付けられる。エアバッグドアは、平常
時にあっては折り畳まれたエアバッグを隠蔽して車内の
美観を維持する一方、ｆ１７突の際には膨張したエアバ
ッグにより押されて外方へ開き、エアバッグの展ｏｎを
可能にするものである。

またそのエアバッグドアは、車種によっては他の内装部
品と同様にソフトな表面感触が求められる。

従来そのようなエアバッグドアとして、第１２図に示す
ような芯材１２ａと、ポリウレタンフォーム等の合成樹
脂発泡体＋２ｂと、エアバッグドア表皮１２ｃの三層構
造からなるエアバッグドア１２が用いられている。

ところが前記従来品は、可視面になるエアバッグドア表
皮１２ｃ表面に、破断用薄肉部としての分割用７字形溝
１３が分割線として存在するため、その分割線によって
自動車内装のデザインに制約を与える問題がある。

またそのエアバッグドア表皮１２ｃの製造は、従来、真
空成形あるいはパウダースラッシュ成形により所定形状
に成形した熱可塑性プラスチック製のシート状表皮材表
面に、ナイフで分割用Ｖ字形溝を彫って行うものであっ
た。そのため、ナイフの切れ味により７字形溝の深さが
異なったり、７字形溝が蛇行する等の不具合を生じ易く
、一定品質のエアバッグドア表皮を得難い問題があった
。

（発明が解決しようとする課題） この発明は、前記の点に鑑みてなされたもので、分割用
Ｖ字形溝を正しり、シかも容易に形成することができ、
さらに可視面となるエアバッグドア表皮の表面に分割用
Ｖ字形溝からなる分割線が現れないエアバッグドア表皮
の製造方法を提供しようとするものである。

（！！１題を解決するための手段） 前記の目的を達成するため第１の発明は、熱可塑性プラ
スチックからなる所定形状のシート状表皮材に分割用の
７字形溝を形成して自動車用エアバッグドア表皮を製造
する際に、分割線を定める加熱刃により、該シート状表
皮材裏面の分割線予定部を押圧して、該シート状表皮材
裏面に分割用のＶ字形溝を形成することにしたのである
。

また第２の発明は、より一定の分割用Ｖ字形溝を形成す
るため、シート状表皮材を支持台表面に真空吸引しなが
ら該支持台上のシート状表皮材裏面の分割線予定部を加
熱刃で押圧して、該シート状表皮材裏面に分割用の７字
形溝を形成することにしたのである。

（作用） 熱可塑性プラスチックからなる所定形状のシート状表皮
材は、熱により変形する性質を有する。

そのためそのシート状表皮材裏面の分割線予定部を加熱
刃で押圧することにより、シート状表皮材裏面の押圧部
がＶ字形に変形して、分割用のＶ字形溝が形成される。

また、前記シート状表皮材は、通常厚みが１〜２鰭程度
で柔軟性のあるものが用いられるため、前記加熱刃によ
るシート状表皮材裏面の押圧に際して、その表皮材を支
持台表面に載置してその押圧をしようとしても、表皮材
が支持台表面から部分的に浮いたり、ねじれたりし易く
、分割用Ｖ字形溝が正しく形成できない虞がある。特に
、そのシート状表皮材がパウダースラッシュ成形からな
る場合には、真空成形による場合よりも表皮材の厚みが
薄くなるため、前記式は大になる。

ところが第２の発明によれば、加熱刃によるシート状表
皮材裏面の押圧を、シート状表皮材を支持台表面に真空
吸引しながら行うため、そのシート状表皮材が支持台表
面に密着し、加熱刃とそのシート状表皮材表面との間隔
が一定になる。そのため、加熱刃の押圧により形成され
るＶ字形溝が、常に深さ、形状の一定のものになる。

（実施例） はじめに第１の発明の実施例について説明する。

第１図は、第１の発明によりエアバッグドア表皮を製造
する際の一例における装置およびシート状表皮材を示す
但曜面図、第２図はそのＡ−Ａ断面図、第３図は加熱刃
によるシート状表皮材裏面押圧時の部分拡大断面図であ
る。

まず、真空成形あるいはパウダースラッシュ成形等によ
り所定形状に成形した塩化ビニル樹脂等からなる熱可塑
性プラスチック製のシート状表皮材２０を、その裏面が
上になるようにして支持台２２表面に載置する。

支持台２２は、シート状表皮材２ｏより大なる大きさか
らなるもので、そのシート状表皮材２ｏが載置される表
面に、後記する加熱刃２４の押圧■を規制する突起２６
が表皮材２０の外側位置に設けられている。

次に加熱刃２４をヒーター本体２８とともに下降させて
、シート状表皮材２０裏面の分割線予定部を加熱刃２４
で押圧する。

その加熱刃２４は、先端の刃の部分が断面Ｖ字形からな
り、支持台２２上方に位置するヒーター本体２８下面に
、取り付はネジ３０によって下向きに取り付けられて、
ヒーター本体２８により所定温度に加熱される。加熱刃
２４の加熱温度は、シート状表皮材２０の材質あるいは
加熱刃２４の押圧時間等により異なるが、通常、シート
状表皮材２０を構成する熱可塑性プラスチックの溶融温
度にほぼ等しい温度とされる。たとえば、シート状表皮
材２０が、パウダースラッシュ成形により形成された厚
み１．０〜１．２ｓｍの塩化ビニル樹脂製もので、加熱
刃の押圧時間が５〜１５秒の場合には、１８０〜２５０
°Ｃが適当である。また加熱刃２４によるシート状表皮
材２０の押圧量は、その押圧時における加熱刃２４とシ
ート状表皮材２０表面（支持台２２表面）間の距離が０
．４〜０．９■■となるようにするのが好ましい。なお
、その押圧量の調停は、後記するヒーター本体２８下面
の棒状突起３２と前記支持台２２表面の突起２６の高さ
を所定値に選定することによりなされる。

一方、ヒーター本体２８は、該ヒーター本体２８に取り
付けられている加熱刃２４を所定温度に加熱するととも
に、その加熱刃２４を上下動させて、加熱刃２４による
シート状表皮材２０裏面の押圧を可能にするものである
。そのヒーター本体２８には、加熱刃２４を加熱するた
めのニクロム線等の電熱線が配線されるとともに、加熱
刃２４によるシート状表皮材２０裏面の押圧量を一定に
するため、ヒーター本体２８下降時に前記支持台２２表
面の突起２６と当たってヒーター本体２８を所定位置で
止める棒状突起３２が、下面に設けられている。なお、
ヒーター本体２８の上下動は、エアーシリンダー等の上
下動手段３４によりなされる。

加熱刃２４により押圧されたシート状表皮材２０裏面の
分割線予定部は、第３図のように加熱刃２４形状に変形
し、分割用Ｖ字形溝３６が形成される。その際■字形溝
３６の両側には、加熱刃２４によって押されたプラスチ
ックが盛り上がって土手状部３８が形成される。

そしてその加熱刃２４による押圧を所定時間、通常５〜
１５秒行った後、ヒーター本体２８とともに加熱刃２４
を上昇させて加熱刃２４による押圧を解除し、成形品を
支持台２２から外し、所望のエアバッグドア表皮を得る
。

次に第２の発明の実施例について説明する。第４図はそ
の実施例におけるエアバッグドア表皮の製造時に使用す
る装置の側面図、第５図はその日−Ｂ線断面図、第６図
はシート状表皮材を支持台表面に載置し、吸引する際の
断面図、第７図は加熱刃によるシート状表皮材裏面の押
圧時を示す部分拡大断面図である。なお、前記第１の発
明の実施例において示したのと同じものについては、前
記と同一の番号を用いて説明する。

まず、支持台４０、加熱刃２４等について説明する。

支持台４０は内部が中空からなるもので、その中空部４
２と平坦な表面４４とを連通ずる複数の真空吸引孔４６
、および中空部４２と外部の真空ポンプ（図示せず）と
を連結する筒状の吸引０４８を表面あるいは側部にをし
、さらに表面４４には、加熱刃２４の押圧ｍを規制する
突起２６を育する。

一方、加熱刃２４、加熱刃２４をヒーター本体２８に取
り付けるネジ３０．　　加熱刃２４を所定温度に加熱す
るヒーター本体２８、加熱刃２４によるシート状表皮材
２８裏面の押圧ｍを規制する棒状突起３２、およびヒー
ター本体２８の上下動手段３４については前記第１の発
明の実施例と同様である。

次に、この実施例におけるエアバッグドア表皮の製造に
ついて説明する。

まず、第６図のようにパウダースラッシュ成形等により
所定形状に成形したシート状表皮材２ｏを、その裏面が
上向きになるようにし、かつ分割線予定部が加熱刃２４
の真下になるようにして支持台４０表面に載置し、支持
台４０表面の真空吸引孔４６を介してそのシート状表皮
材２ｏを支持台４０表面に真空吸引する。これによって
所定形状のシート状表皮材２０が、支持台４０表面に吸
着、保持されるとともに、支持台４０の表面形状に従っ
て平面状にされる。

次に、ヒーター本体２８下面の棒状突起３２が支持台４
０表面の突起２６に当たってヒーター本体２８の下降が
止まるまで、そのヒーター本体２８を上下動手段３４の
作動により下降させる。これによってシート状表皮材２
０裏面の分割線予定部が第７図のようにヒーター本体２
８下面の加熱刃２４により所定量押圧され、その分割線
予定部に断面Ｖ字形１３６が形成される。その際、シー
ト状表皮材２０が支持台４０表面に真空吸引されている
ため、シート状表皮材２０の表面と支持台４０表面間に
は隙間がなく、該シート状表皮材２００表面と加熱刃２
４間の距Ｗ１ａが常に一定になり、一定深さの分割用７
字形溝３６が形成される。なお３８は、加熱刃２４の押
圧によりシート状表皮材２０裏面の■字形溝３６両側に
形成された土手状部である。

その後、上下動手段３２の作動によりヒーター本体２８
を上昇させて加熱刃２４によるシート状表皮材裏面の押
圧を解除するとともに、シート状表皮材の真空吸引も解
除して、成形品を支持台４０表面から外し、所望のエア
バッグドア表皮を得る。なお、支持台４０表面に真空吸
引されていたシート状表皮材は、真空吸引の解除によっ
て真空吸引前の形状に復元する。

第８図は、前記第１の発明あるいは第２の発明によって
得られたエアバッグドア表皮５ｏの断面図である。この
エアバッグドア表皮５０は、乗員の目に触れない裏面に
分割用の■字形溝３６、およびその７字形溝３６の両側
に土手状部３８を有する。

第９図はそのエアバッグドア表皮５０を用いるエアバッ
グ装置の断面図、第１Ｏ図はその部分拡大断面図、第１
１図はそのエアバッグ装置が取り付けられたインストル
メントパネルを示す斜視図である。

この実施例においてエアバッグドア５２は、芯材５４、
ウレタンフオーム等の合成樹脂製発泡体５６、およびエ
アバッグドア表皮５０の三層から構成されている。芯材
５４は両開きの扉形状をした２つの硬質プラスチック製
品から構成され、その外側端部が助手席側のインストル
メントパネル５８に取り付けられている。

エアバッグＨＩｆ　ｓｏは、エアバッグ６２、エアバッ
グ収納部６４、インフレーク−６６、および前記三層構
造のエアバッグドア５２がら構成されている。そのエア
バッグ装＠６０は、自動車衝突時にインフレータ−６６
の作動によりエアバッグ６２が膨張し、内側からエアバ
ッグドア５２を押し、その押圧力にょってエアバッグド
ア表皮５ｏ裏面の分割用７字形溝３６が破断して該エア
バックドア５２が外側へ開き、それによってエアバッグ
６２が乗員とフロントガラス間で展開し、乗員を保護す
る。またその際、エアバッグドア表皮５０は、分割用Ｖ
字形溝３６の両側にある盛り上がった土手状部３８によ
り、その分割用Ｖ字形溝３６の両側の強度が高くなって
いるため、エアバッグの膨張にょる押圧力が分割用Ｖ字
形溝３６に集中し易く、その７字形溝３６が従来のナイ
フで形成された場合に比べて短時間で破断する。

（効果） 第１の発明は、前記のように加熱刃によりシート状表皮
材の裏面を押圧して分割用Ｖ字形溝を形成するため、そ
のＶ字形溝が蛇行等することがなく、不良品を生じるこ
とがない効果がある。しがもその第１の発明にあっては
、分割用７字形溝が乗員の目に触れないエアバッグドア
表皮の裏側に形成されるため、自動車内のデザインを制
限することもない。

また第２の発明は、前記第１の発明の効果に加えて、シ
ート状表皮材を支持台表面に真空吸引しながら、前記加
熱刃によるシート状表皮材裏面の押圧を行うため、その
押圧時に加熱刃とソート状表皮材表面間の距離を一定に
して、その押圧によって形成されるＶ字形溝を常に一定
の形状にすることができ、設計通りの圧力でＶ字形溝を
破断させることができる効果がある。さらに、第２の発
明はそのシート状表皮材の真空吸引により、加熱刃の押
圧時に表皮材を支持台表面に正しく保持することができ
、正しい位コにＶ字形溝を形成することができる効果も
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、第１の発明によりエアバッグドア表皮を製造
する際の一例における装置およびシート状表皮材の側面
図、第２図はそのＡ−Ａ断面図、第３図は加熱刃による
シート状表皮材裏面押圧時の部分拡大断面図、第４図は
第２発明によりエアバッグドア表皮を製造する際に使用
する装置の一例の側面図、第５図はそのＢ−Ｂ線断面図
、第６図はシート状表皮材を支持台表面に載置し吸引す
る際の断面図、第７図は加熱刃によるシート状表皮材裏
面の押圧時を示す部分拡大断面図、第８図は、第１の発
明あるいは第２の発明によって得られたエアバッグドア
表皮の断面図、第９図は、第１の発明または第２の発明
によって得られたエアバッグドア表皮を用いるエアバッ
グ装置の断面図、第１０図はその部分拡大断面図、第１
１図はそのエアバッグ装置が取り付けられたインストル
メントパネルを示す斜視図、第１２図は従来の方法によ
り製造されたエアバッグドア表皮を用いるエアバッグド
アの断面図である。 ２０・・シート状表皮材、２４・・加熱刃、４０曇・支
持台、４４・・支持台表面、４６−・真空吸引化第 図 ４」 図 第 図 第 図 第 図 第 図 第 図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）熱可塑性プラスチックからなる所定形状のシート
   状表皮材に分割用のＶ字形溝を形成して自動車用エアバ
   ッグドア表皮を製造する際に、分割線を定める加熱刃に
   より、該シート状表皮材裏面の分割線予定部を押圧して
   、該シート状表皮材裏面に分割用のＶ字形溝を形成する
   ことを特徴とする自動車用エアバッグドア表皮の製造方
   法。
2. （２）分割線を定める加熱刃によるシート状表皮材裏面
   の押圧に際して、該シート状表皮材を支持台表面に真空
   吸引しながら、該支持台上のシート状表皮材裏面の分割
   線予定部を加熱刃で押圧することを特徴とする、請求項
   １に記載の自動車用エアバッグドア表皮の製造方法。