JPH04149259A - 四フッ化エチレン樹脂組成物の焼結成形体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野〕 この発明は、摺動部用材料に有用な四フッ化エチレン樹
脂組成物に関するものである。

〔従来の技術〕

四フン化エチレン樹脂（以下これをＰＴＦＥと略称する
）は耐熱性、耐薬品性に優れているばかりでなく、摩擦
係数が小さく自己潤滑性を有するので、軸受、歯車のよ
うな摺動部用材料、管、バルブ、その他の成形品等いわ
ゆるエンジニアリングプラスチックの代表的なものとし
て各方面に広く利用されて来たが、耐摩耗性および耐ク
リープ特性は必ずしも満足できるものではなく、種々の
充填剤を加えてこれを改善しようとする試みが数多くな
されてきた。充填剤としては、ガラス繊維粉末、ガラス
ピーズ、炭素繊維、グラファイト、硫化モリブデンなど
の無機充填剤または、芳香族系ポリエステル、ポリフェ
ニレンサルファイド、芳香族系ポリアミド、ポリアミド
イミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ１′ミドな
どの有機充填剤などが挙げられる。しかし無機充填剤を
添加すると摺動時の相手材がステンレス、アルミニウム
合金、リン青銅などの軟質金属の場合、相手材を損傷し
７てしまい好ましくない。また有機充填剤のうち、Ｐ　
ｉ’　Ｆ　Ｅの成形温度（３２０〜３６０°Ｃ）で溶融
し５ない有機充填材をＰＴＦＥに添加した場合は、耐ク
リープ特性の改善がみられず、さらに耐摩耗性にも劣る
という問題点がある。

また、Ｐ　Ｔ　Ｆ　Ｅの成形温度で）容融する有機充填
剤をＰＴＦＥに添加した場合は、特開昭６３ｉ、１８３
５７号、特開平１−２２３１５０号に示されているよう
に、溶融した有機充填剤がＰ　Ｔ　Ｆ　Ｅ粒子間の間隙
をぬってネットワークを形成するため、ＰＴＦＥの耐ク
リープ特性、耐摩耗性は改善されるが、有機充填剤自体
の摩擦特性が影響してＰＴＦＥ本来の摩擦特性を損なう
という問題点がある。

〔発明が解決しようとする課題〕

この発明の課題は、従来の技術では困難であったＰＴＦ
Ｅ本来の優れた耐熱性、耐薬品性、自己潤滑性等の緒特
性を損うことなく、耐クリープ性、耐摩耗性および摩擦
特性に優れたＰＴＦＥ組成物を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題を解決するために、この発明はＰＴＦＥにポ
リシアノアリールエーテル樹脂を添加するという手段を
採用したのである。以下、その詳細を述べる。

まず、この発明におけるＰＴＦＥはテトラフルオロエチ
レン（四フッ化エチレン）の単独重合体であって、アル
ボフロン（伊国モンテジソン社製）テフロン（米国デュ
ポン社製）、フルオン（英国アイ・シー・アイ社製）、
ポリフロン（ダイキン工業社製）等の商標名で市販され
ているフッ素樹脂であって、圧縮成形および押出成形は
可能であっても通常の射出成形は不可能な樹脂であり、
さらにこの発明においては、粉状のものが好ましい。

つぎにこの発明におけるポリシアノアリールエーテル樹
脂とは、式 で示される繰り返し単位を単独で、 またはこの繰 り返し単位と共に、式 ［０ で示される繰り返し単位をポリシアノアリールエーテル
樹脂本来の特性が失われないように、２０モル％以下の
割合で共存させた重合体である。このようなポリシアノ
アリールエーテル樹脂は、Ｐ−クロルフェノールを溶媒
とする０、２ｇ／ｄｌ濃度溶液の６０°Ｃにおける還元
粘度（ｒｌ　５ｐ１０を０．３ｄｌ／ｇ以上とすること
が好ましい。このような条件を満足するポリシアノアリ
ールエーテル樹脂としては、たとえば出水興産社製、ポ
リエーテルニトリル：　１０３００が挙げられる。なお
、ポリシアノアリールエーテルの製造は、特開昭６３−
３０５９号公報その他に開示された従来周知の手法によ
るものであってもよい。

このようなポリシアノアリールエーテル樹脂は、重合上
りの粉末をそのまま用いても良いが、たとえば冷凍粉砕
機、ハンマーミル、ボールミル、マスコロイザーなどの
粉砕機を用いて微粉砕したものでも良い。そして、この
ポリシアノアリールエーテル樹脂の平均粒径は１〜７０
μであることが望ましい。その平均粒径が１ｎ未満の小
粒であってもまた７０−を越える大きさであっても、い
ずれもＰＴＦＥ中のポリシアノアリールエーテル樹脂の
均一分散が困難となり、耐摩耗性、潤滑特性、耐クリー
プ特性などの著しい改質効果は期待できなくなる。そし
て特に好ましい平均粒径は３〜４０１である。

このポリシアノアリールエーテル樹脂の添加量は、ＰＴ
ＦＥ５０〜９５重景％に対して５重量５重量％とするこ
とが好ましい。なぜなら、ポリシアノアリールエーテル
樹脂が５重量％未溝の少量では、耐摩耗性、耐クリープ
特性を改善することはできず、逆に５０重量％を越える
多量では摩擦特性、成形性などが劣ってしまい好ましく
ない。

以上の配合割合で得られる混合物は、従来から広く行な
われている充填剤入りＰＴＦＨの通常の成形条件で成形
すればよく、たとえばタンブラ−ミキサー　ヘンシェル
ミキサー等の混合機によってＰＴＦＥとポリシアノアリ
ールエーテル樹脂とを乾式混合し、これを金型に入れて
３８０〜６００　ｋｇ／ｃ１２の圧力を加えて予備成型
した後、金型から取り出された圧縮成形体を３７０°Ｃ
で焼結する方法、その他加熱加圧しながら回分式に圧縮
成形する方法またはラム押出し機による連続成形方法な
どのいずれであってもよい。

（作用〕 この発明の四フッ化エチレン樹脂組成物は、組成分のポ
リシアノアリ・〜ルエーテル樹脂がＰＴＦＥの成形温度
で溶融してＰＴＦＥ粒子間の間隙をぬってスットワーク
を形成するので、ＰＴＦＥｉ１成物の耐クリープ特性、
耐摩耗性を大幅に向上させ、しかもポリシアノアリール
エーテル樹脂自体の摺動特性が良好なため、ＰＴＦＥ＆
［１成物の摩擦特性が優れたものとなる。

〔実施例〕

実施例および比較例において使用した原材料を一括して
示すと次のとおりである。なお、（）内にそれぞれの略
号を記入した。

■　ＰＴＦＥ 三井デュポンフロロケミカル社製：　ＴＧ−７Ｊ（ＰＴ
ＦＥ−１） ■　ＰＴＦＥ ヘキスト社製：ＴＦＥ１７００　（ＰＴＦＥ−２）■　
ポリシアノアリールエーテル樹脂 出光興産社製：ポリエーテルニトリルｒＤ３００（冷凍
粉砕機にて微粉砕したもの、平均粒径１０７１１１）（
ＰＥＮ） ■　ポリエーテルエーテルケトン樹脂 英国アイ・シーアイ社製：ピクトレックスＰＥＥＫ−１
５０Ｆ　（冷凍粉砕機にて微粉砕したもの）（ＰＥＥＫ
） ■　芳香剤ポリエステル 住友化学社製：エコノールＥ１０ｉＳＳ（ＯＢＰ） ■　ポリフェニレンサルファイド樹脂 フィリノブスベトロリアム社製：ライトンＰＰ５Ｐ４（
ＰＰＳ） ■　炭素繊維 呉羽化学工業社製：　Ｍ２Ｏ７Ｓ　（ＣＦ　）上記の各
原材料を第１表に示した割合で乾式混合した後、内径３
０ｍ＋の金型に充填し、４５０ｋｇｆ／ｃｄの圧力をか
けて予備成形をｊテない、得られた予備成形体を３６０
°Ｃで３時間加熱して焼結成形体とし、この成形体から
各種試験方法に規定されている寸法、形状のｖ：Ｍ片を
作製した。各物性値を求めるだめの試験方法はつぎのと
おりである。

（１１圧縮クリープ変形率（％）： ＡＳＴＭ　＝Ｄ６２１に準拠し２、荷重１４０ｋｇｆ／
ｃｄ、２４時間の圧縮クリープ変形率（％）を求める。

（２）摩擦係数ニ スラスト型摩擦試験機による滑り速度毎分３０ｍ、荷Ｍ
　５　ｋｇｆ／ｃｒｉ、相手材ステンレス５ＵＳ３０４
またはアルミニウム台金ＡＤＣ−１２、無潤滑の条件下
のＷｌ擦係数を求める。

（３）摩耗係数（ＸＩＯ−”　ｃｄ／ｋｇ　Ｈｍ）　　
ニスラスト型摩耗試験機による滑り速度毎分３０ｍ、荷
重５ｋｇｆ／ｃｄ、相手材ステンレス５ＬＩＳ３０４ま
たはアルミニウム合金ＡＤＣ−１２、無潤滑の条件下の
摩耗係数を求める６ 以上の各試験方法で得られた物性値を第１表に併記した
。

第 表 第１表から明らかなように、実施例１〜３のポリシアノ
アリールエーテル樹脂を添加したＰＴＦＥ組成物は、Ｐ
ＥＮ以外の充填材を用いた比較例１〜４にほぼ同程度の
圧縮クリープ変形率であるほか、摩擦係数および摩耗係
数の値が低く、顕著な摩擦・摩耗特性を示した。これに
対して比較例１においては、ＰＥＥＫの特性が影響して
摩擦・摩耗特性が劣り、比較例２または比較例３では摩
耗係数が極めて高い値を示した。また充填材を炭素繊維
とした比較例４では、相手材のアルミニウム合金に対し
て摩耗係数が極めて高い値を示した。

〔効果］ この発明の四フッ化エチＩ／ン樹脂組成物は四フン化エ
チレン樹脂本来の耐薬品性、ソール特性を有し、さらに
耐クリープ特性、摩擦特性および摩耗特性が優れている
ので、特に軸受などの摺動部用材料またはシールリング
などのシール部用材料には最適で利用価値が高いもので
あるといえる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）四フッ化エチレン樹脂にポリシアノアリールエー
   テル樹脂を添加してなる四フッ化エチレン樹脂組成物。