JPH0414843Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は螢光表示管に関し、表示部と半導体素
子から成る駆動回路部と同一ガラス基板上に一体
形成され、かつ表示部と駆動回路部とが同一真空
外囲器内に設けられた通称「チツプ・オン・グラ
ス（Chip on Glass）」（以下COGと称す）構造を
有する螢光表示管に関するものである。

〔従来の技術〕

従来のCOG構造を有する螢光表示管として第
２図の一部破断斜視図及び第３図の要部切欠平面
図に示す様な構造のものが提供されていた。

図においてガラス基板１上に積層被着された複
数の配線２、絶縁被膜３、セグメント電極４及び
駆動回路部（以下パツド部と称す）５を兼ねた陽
極基板６と、この陽極基板上にパツド部５の入力
端子としての外部引き出しリード７、それに外部
引き出しリード７と一体になつたグリツド８と適
当な距離をおいてフイラメント陰極９を配設され
た通称金属フレーム電極群をおき、更にパツド部
５にICチツプ１１をボンデイング法等により搭
載し、これら基板全体を透光性のある真空気密容
器（カバーガラス）１０にて低融点ガラスで封着
し、外部引き出しリード７の端子に通電し、IC
チツプ１１を介して螢光表示管を駆動する構造の
ものが提供されている。

しかしながらこの様なCOG構造を有する螢光
表示管においては動作中に駆動回路部の誤動作が
時々発生した。この誤動作を生ずる原因は、透光
性カバーガラス１０から入射する外部光２０によ
るICチツプ１１への影響であつた。この光入射
に対しカバーガラスには特別な処理がなされてい
ない為、容易に入射した外部光２０はICチツプ
１１の表面に到達する。光による漏電流が問題と
なるICチツプでは、この外部光によつて電気的
特性が変化する為、時々誤動作を生じていたもの
である。

従つて、このような構造を有する螢光表示管に
於いてはICチツプ１１を外部光２０から防ぐ為
に種々の改良が施されている。その従来例を第４
図と第５図に示した。第４図に示す例において
は、ICチツプをダイボンデイングする基板部分
の前面に相当するカバーガラス部分に非透光性被
膜３０を塗布し、ICチツプ１１への外部光を防
いでいる。又第５図に示す例においては、ICチ
ツプ１１全体を完全に覆う様に金属性カバー３５
が設けられ、このカバー３５はフイラメント陰極
９を支持する金属製支持体４０に溶接接合されて
いる。この金属性カバー３５によりICチツプ１
１への外部光を防いでいる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上述した従来のCOG構造の螢光表示管では、
第４図あるいは第５図の構造を取ることにより、
外部光２０の影響を防ぐことが出来、信頼性上問
題のない表示管が得られる様になつた。

しかしながら、この様な従来の構造を有する
COG螢光表示管においても、商品として見た場
合に、種々の欠点を有していた。それは表示部に
対する表示管外径寸法が大きいこと、即ちデイス
プレイとしての主機能である螢光体層を有するセ
グメント電極部に対して、ICチツプ１１を含む
パツド部５等が表示管長手方向に配置している関
係上、どうしてもCOG構造を取らない一般の表
示管に比べて駆動回路部分だけ外形寸法が大きく
なる欠点を有していた。デイスプレイとして見た
場合、表示部以外はデツドスペースとして存在す
るので、より商品価値を高める為にはCOG構造
の螢光表示管であつても、一般螢光表示管の寸法
まで小さくすることがユーザ側で望まれていた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上述したような従来の問題点を解消
したスペースフアクタの秀れたCOG構造を有す
る螢光表示管を提供せんとするものである。その
主旨とする処は、フイラメント陰極あるいはグリ
ツド電極をサポートする通称金属フレーム電極群
の下側にICチツプ１１を搭載し、かつ金属フレ
ーム電極を外部光に対する防止カバーとしても用
いようとするものである。

このためには金属フレーム電極群にICチツプ
を収容すべく一部形状変更が必要となるが、この
構造を取ることにより、COG構造の欠点であつ
た表示管の長手方向の寸法を、COG構造を取ら
ない一般表示管と同じ寸法迄短かくすることが可
能となる秀れた特徴を有している。

以下本考案を実施例を用いて詳細に説明する。

〔実施例〕

第１図は本考案によるCOG構造を有する螢光
表示管の一実施例を示す一部破断斜視図である。

図において、第２図〜第５図と同じ部材につい
ては同じ符号を用いてあり、これらの基本的役割
は従来法と何ら変りはない。

図において、ガラス基板１上には螢光体層を有
するセグメント電極４及び駆動回路用ICチツプ
１１とワイヤーボンデイング法で電気的接続され
るパツド部５が設けられている。ここでICチツ
プ１１は後工程で取付けられるフイラメント陰極
９を支持する金属製支持体４０の下側に位置する
ところに配置される。

ICチツプ１１は耐熱性ポリイミド樹脂あるい
はAg−ガラスペーストでダイボンドされ、更に
アルミ線による超音波接合法にてパツド５と接続
されている。一方ICチツプ１１全体を覆う様に
金属製支持体４０が設けられている。この支持体
４０はICチツプ１１に相当する部分のみ高さ約
２mm程度の凸部５０が形成されており、ICチツ
プ１１に接触しない様になつている。この凸部５
０が外部光２０に対する保護カバーの役目も持つ
ている。又、この支持体４０はフイラメント陰極
９のサポートの役目を持ち、他のグリツド電極８
と同様通称金属フレーム電極群と云われ、基板１
とカバーガラス１０との間で低融点ガラスにて封
着固定されている。

尚この金属製支持体４０は外部光２０の保護カ
バーの役割の他にフイラメント陰極９から放出さ
れる電子線がICチツプ１１に入らない様にする
保護カバーの役割も合せ持つているものである。
特に本考案の様にICチツプを表示部に極力近ず
けた構造においては電子線入射やフイラメント陰
性９からの蒸着物質のICチツプ１１の表面への
堆積によるICの誤動作を防止することも重要な
課題となつてくる。

〔考案の効果〕

この様に製作された本考案の螢光表示管におい
ては、ICチツプ１１がフレーム電極群の金属支
持体４０の下側に搭載されたことにより、従来長
手方向の寸法を大きく必要としていたCOG螢光
表示管に比較して、従来のCOG構造を取らない
一般表示管と同じスペースフアクターによる
COG化が可能となつた。又外部光２０に対する
保護カバーも兼ねる金属支持体４０となる様、形
状加工されているので光によるIC誤動作を生ず
ることもなく、さらにフイラメント陰性からの蒸
発物質がICチツプの表面に堆積することによる
ICチツプの誤動作、信頼性の低下を防止できる
という秀れた特徴を有するCOG螢光表示管が得
られるようになつた。

尚、本実施例ではICチツプをフイラメント陰
極支持体４０の下側に搭載しているが、他のフレ
ーム電極群（グリツド等）の下側に搭載しても同
様の効果を有することは明らかである。すなわち
第１図のグリツド電極下の右端の日の字セグメン
ト電極を省略または他の小さな記号表示電極とし
て、余白の領域に対応するグリツト電極領域に凸
状の金属カバーを設け、その下へICチツプを配
置する構成も同様の効果を有する。

又、本実施例ではセグメントタイプの螢光表示
管についてIC素子を１チツプ実装する場合につ
いてのみ述べているが、ドツトタイプの螢光表示
管で複数チツプを搭載する場合に於いても有効で
あることは明らかである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるCOG構造を有する螢光
表示管の一実施例を示す一部破断斜視図、第２図
および第３図は従来のCOG構造を有する螢光表
示管の一例を示す一部破断斜視図及び要部切欠き
平面図、第４図および第５図は従来のCOG構造
を有する螢光表示管を示す一部破断斜視図でIC
チツプへの外部光防止策に関するものである。 １……ガラス基板、２……配線被膜、３……絶
縁層、４……セグメント電極、５……パツド部、
６……陽極基板、７……外部引き出しリード、８
……グリツド、９……フイラメント陰極、１０…
…カバーガラス（真空気密外囲器）、１１……IC
チツプ、２０……外部光、３０……非透光性被
膜、３５……金属製カバー、４０……金属製支持
体（フレーム電極群の一つ）、５０……凸部（金
属製支持体４０への加工部分）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 螢光体層を有する表示部と前記表示部を駆動す
   るIC素子から成る回路部が同一基板上に一体形
   成され、かつ前記表示部と回路部が同一外囲器内
   に設けられている構造を有する螢光表示管におい
   て、前記IC素子から成る回路部が前記表示部を
   形成するフイラメント陰極あるいはグリツド電極
   を支持している金属製支持体に形成された凸部の
   下側に配置されている構造を特徴とする螢光表示
   管。