JPH04147944A - 耐高温酸化性に優れた高Al含有フェライト系ステンレス鋼 - Google Patents

耐高温酸化性に優れた高Al含有フェライト系ステンレス鋼

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JPH04147944A
JPH04147944A JP27052090A JP27052090A JPH04147944A JP H04147944 A JPH04147944 A JP H04147944A JP 27052090 A JP27052090 A JP 27052090A JP 27052090 A JP27052090 A JP 27052090A JP H04147944 A JPH04147944 A JP H04147944A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は自動車排ガス装置、暖房器具、その他耐熱用途
に使用されるAl含有フェライト系ステンレス鋼に関す
る。
〔従来の技術とその問題点〕
Al含有フェライト系ステンレス鋼は優れた耐高温酸化
特性を有し、ストーブのチムニ−材などの暖房器具また
は電熱用材料として広く使用されてきた。
最近では自動車の排ガス浄化装置の触媒コンバーター用
基材として使用する動きがある。従来、触媒コンバータ
ーにはセラミックを基材としたものが使用されてきたが
、熱衝撃に弱く、また、熱容量が大きいため、触媒反応
温度まで昇温するのに時間がかかるなどの問題点がある
。これに対して、セラミック基材の欠点を改善した金属
を基材としたメタリックコンバーターが注目されている
この基材には板厚50μ閣程度の箔材が用いられるが、
箔材は異常酸化を発生しやすく、また、過酷な酸化条件
である排ガス雰囲気中で使用されるため、非常に優れた
耐高温酸化特性が要求されている。この点から、高Cr
高A1含有フェライト系ステンレス鋼が注目され1例え
ば、20Cr−5A1をベースとして希土類、Yなどを
添加したフェライト系ステンレス鋼が使用されている。
しかし、これらの鋼でも十分な耐高温酸化特性が得られ
ているとはいえず、長時間使用すると、異常酸化が発生
する。
また、エンジンの高出力化にともなって、排ガス温度が
上昇する傾向にあり、さらに、最近では、従来のコンバ
ーターよりもエンジンにより近い場所に設置されるマニ
ホールドコンバーターが検討されており、これらは必然
的に排ガス温度が高く、ますます酸化条件が厳しくなる
。したがって、従来のメタリックコンバーター用鋼の耐
高温酸化特性では十分でなく、従来よりもさらに耐高温
酸化特性に優れた高Al含有フェライト系ステンレス鋼
が必要となってきた。
この種の鋼としては既に特開昭63−76850、同6
3−45351が知られている。然しながら、これらは
1150℃で200時間以内の酸化条件であり、この条
件における耐酸化性ではもはや十分とはいえなくなって
いる。
高Al含有フェライト系ステンレス鋼の耐高温酸化特性
を改善するためには、Cr、 AI、希土類元素、Yな
どの添加量を増加することが有効である。しかし希土類
元素、Y等は非常に高価であり、また、高Al含有フェ
ライト系ステンレス鋼はスラブおよび熱延板の靭性が低
く、製造性に劣るという問題点がある。したがって、耐
高温酸化特性の観点から、Cr、 Al、希土類元素お
よびY量等を多くすると、原料費の増加のみならず、靭
性劣化によって製造性を悪化させ、製造不可もしくは歩
留りの低下による著しいコストの上昇をまねく。そのた
め、あまり添加量を多くすることができず、耐高温酸化
性を改善することが困難であるのが現状である。
以上の実情に鑑み、従来のメタリックコンバーター用ス
テンレス鋼よりAlまたは希土類元素、Yの添加量を増
加させることなく、箔材料でも十分な耐高温酸化特性を
有し、異常酸化を起こさないフェライト系ステンレス鋼
が望まれている。
〔問題解決に関する知見〕
本発明は、メタリックコンバーター用フェライト系ステ
ンレス鋼Fe−Cr−Al−REM、Y系鋼において。
箔材料でも表面に形成されるAl2O,が異常酸化を起
すことなく十分な耐高温酸化性と良好な高温強度を有す
るフェライト系ステンレス鋼を提供することを目的とし
、課題解決に関し、異常酸化が発生する直前にMn系の
酸化物が表層酸化物A1□03中に混入していることを
認め、 Mnが耐高温酸化性に悪影響を及ぼすことを想
到し、Mn量を0.25%未満にすることによって耐高
温酸化性が著しく改善され、さらにV、TiおよびNb
を添加することにより高温強度の良好なフェライト系ス
テンレス鋼が得られることを知見した。
〔発明の構成〕
上記目的は C: 0.03%以下 Si : 0.25〜0.5% Mn : 0.25%未満 P : 0.03%以下 S : 0.001%未満 Cr : 15〜25% N : 0.03%以下 Al:3〜6% REM、 Yもしくはアルカリ土類元素を1種または2
種以上: 0.01〜0.15% を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるフェ
ライト系ステンレス鋼、 または上記成分組成に、さらにNb、 VもしくはTi
を1種または2種以上を0.05〜1%を含有する鋼に
よって構成されるフェライト系ステンレス鋼によって達
成される。
つぎに本発明における鋼組成の限定理由を以下に説明す
る。
C:耐酸化性に対する影響としてC量が増すと異常酸化
を発生しやすくなる。また、高A1含有フェライト系ス
テンレス鋼においてC量が高くなるとスラブまたはホッ
トコイルの靭性が悪化するので上限を0.03%以下と
する。
Si : Siは本系鋼を著しく硬質にし、靭性を劣化
させるので、少ない方が良く、シたがって0.5%以下
とする。下限を0.25%とする理由は、Si量力1低
すぎると高温強度が低下するため、下限を0.25%と
する。
Mn二本発明鋼においてはMnの含有量が非常に重要な
意味を持つ。肚は熱間加工性を改善する効果があるが、
本発明鋼の耐高温酸化特性に対して悪影響を及ぼし、低
減させることによって著しく耐高酸化特性が改善され、
Cr、 A1.希土類元素およびYなどの添加量を従来
より多くすることなく、耐高温酸化特性を改善すること
が可能であり、その効果は0.25%未満であると顕著
である。したがって、その範囲を0.25%未満とする
P:耐高温酸化特性に悪影響を及ぼすため低いほうが好
ましく、また、熱延板の靭性に悪影響を及ぼすため0.
03%以下とする。
S:希土類元素およびY、Caなどと結合し、介在物と
なって鋼の表面性状を悪くする原因となるほか、耐高温
酸化特性に有効な希土類元素およびY、Caなどの有効
量を低減させる。この弊害は0.001%以上であると
顕著であり、0.001%未満とすることによって著し
く耐高温酸化性が良好になる。したがって、本発明鋼に
おいては0.001%未満とする。
Cr:耐高温酸化特性を改善するために必要な基本元素
であるが、その効果を発揮するためには15%以上の添
加が必要である。しかし、25%を超えて添加するとス
ラブおよびホットコイルの靭性を劣化させ、製造性を劣
化させるので上限を25%とする。
N:本系鋼の靭性を低下させ、また、AINを形成し、
異常酸化の起点になるので、 0.003%以下とする
Al : Crと同様に本発明鋼の耐高温酸化特性を維
持させるために不可欠な元素である。表層に^120.
を形成し、本発明鋼の優れた耐高温酸化特性を付与する
。本用途のような箔材料では異常酸化を発生しやすいた
め、十分なAl2O,層を形成させるためには3%以上
の添加を必要とする。しかし、6%を超えると、鋼のス
ラブおよびホットコイルの靭性を劣化させるので上限を
6%までとする。
REM、Y、アルカリ土類元素: Fe−Cr−A1合
金の耐高温酸化特性を改善するために重要な元素である
本発明で形成される酸化皮膜の保護性を著しく改善し、
箔材料で発生しやすい異常酸化を抑制し、また、酸化皮
膜の密着性を良好にする。 0.01%未満ではその効
果はなく、逆に、0.15%を超えて添加すると、熱間
加工性および靭性を悪くし、製造が困難になるほか、介
在物となり、表面性状を悪くする原因になりやすいので
0.01%〜0.15%の範囲とする。
Nb、 V、 Ti :本発明鋼におイテ、V 、 T
i、 Nbを適量添加すると鋼中のCまたはNと結合し
て、鋼の靭性を著しく改善する効果がある。また、本発
明の用途では冷熱サイクルを受けるため、材料が変形し
やすく、したがって、高温強度に優れていることが必要
である。高温強度を改善するためにはこれらの元素を添
加することが非常に有効であり、その効果を得るために
は0.05%以上添加することが必要である。逆に、必
要以上に添加すると、鋼を硬質にするため、最高1%ま
でとする。
〔発明の具体的開示〕
以下に゛本発明を具体的に説明する。
高A1含有フェライト系ステンレス鋼の耐高温酸化性は
表面に形成されるA1□03によって付与されることが
知られている。このAI、0.層を安定にするためには
、Cr含有量を多くすることが有効であることも知られ
ている。しかし、単なるFe−Cr−Al合金では、形
成された酸化皮膜の密着性が良くなく、冷却中に酸化皮
膜が剥離しやすいという欠点があり1本用途のような、
厳しい酸化条件下で使用される場合、異常酸化を発生し
やすい。そこで、第1表に示す成分の板厚50μmの鋼
を用いて、1150℃で酸化試験を行い、異常酸化発生
時間に及ぼす微量添加元素の影響について検討した。そ
の結果をあわせて第1表に示す。この結果より、REM
、CaまたはYを添加することによって、異常酸化が発
生するまでの時間が延長されており、これらの元素が耐
高温酸化特性の改善に有効であることがわかる。
しかし、前述のように、高A1含有フェライト系ステン
レス鋼の使用環境はますます厳しくなっており、第1表
のような鋼では十分な耐高温酸化特性を有しているとは
いえない。
そこで、第2表に示した成分のように、耐高温酸化特性
を改善するために有効であるA1. Yまたは希土類元
素等の含有量を多くした鋼について30kg真空溶解を
行った。しかし、鋼塊を熱間鍛造するときに割れが生じ
、以後の工程を進めることが不可能であった。したがっ
て、耐高温酸化特性を改善することを目的として、A1
. Yまたは希土類元素等の添加量を多くすることは、
製造性の観点から困難であることがわかった。
そこで、本発明者らはAl、 Yまたは希土類元素等の
添加量を従来より、多くせずとも、十分に製造可能であ
る成分範囲内で、従来鋼よりも耐高温酸化特性に優れた
鋼を開発すべく、種々の検討を行った。その結果、異常
酸化が発生する直前に。
Mn系の酸化物が表層酸化物のAlzO,中に混入して
いることが認められることから、Mnが耐高温酸化性に
悪影響を及ぼしていると考えられた。そこで、第3表に
示す成分の板厚50μ層の供試材を用いて1150℃で
酸化試験を行い、異常酸化発生時間に及ぼすMn含有量
の影響を調べた。その結果を図に示す。この図より、M
n量を低減することによって、異常酸化が発生する時間
が長時間側に移行しており、著しく耐高温酸化特性が改
善され、とくに、0.25%未満にすることによってそ
の効果は著しくなることがわかる。したがって、 Fe
−Cr−Al−希土類、Y系鋼の表面に形成されるA1
□0.の皮膜はMnを低減させることによって、酸化に
対する保護性がさらに良好になり、これによって、従来
よりも、耐高温酸化性が著しく改善された鋼が得られる
また、第3表に示す板厚50μmの鋼についてメタリッ
クコンバーターの形状に加工し、900℃と200℃に
それぞれ30分間保持する試験を100サイクル繰返す
試験を行い、変形の有無について調べた結果をあわせて
第3表に示す、この結果より、Ti、■およびNbを添
加することによって、冷熱サイクルによる変形がなくな
り、高温強度が良好な鋼が得られることがわかった。
以上のように、箔材料の耐高温酸化特性の点から、種々
の検討を行った結果、Mn量を低減した高Al含有フェ
ライト系ステンレス鋼によって、Al、Yまたは希土類
元素等を従来よりも、多量に添加せずとも、従来鋼より
非常に優れた耐高温酸化特性を有し、また、さらにTi
、V、Nbを添加することにより、十分な高温強度を有
する鋼の提供が可能になった。
〔実施例〕
第4表に示す鋼を30kg真空溶解し、鍛造、切削、熱
延を行った後、焼鈍および冷間圧延を繰り返して、50
μm厚の板材を製造した。この供試材について1150
℃で酸化試験を行い、異常酸化が発生した時間を第4表
にあわせて示す。この結果より、本発明鋼は比較鋼に対
して、異常酸化が発生する時間が著しく長時間側に移行
しており、耐高温酸化特性が改善されていることがわか
る。
〔発明の効果〕
以上の実験結果が示すように、Mn量を低減した本発明
鋼によって、 Cr、 AIおよび希土類元素Y等を従
来より多量に添加せずども従来鋼よりも非常に優れた耐
高温酸化特性を有し、さらにTi、V、Nbを添加する
ことによって十分な高温強度を有する鋼を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
図は第3表に示す板厚50μ層の各供試材について11
50℃の大気中で酸化試験を行い、異常酸化が発生する
時間とMn量の関係を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、C:0.03%以下 Si:0.25〜0.5% Mn:0.25%未満 P:0.03%以下 S:0.001%未満 Cr:15〜25% N:0.03%以下 Al:3〜6% REM、Yもしくはアルカリ土類元素を1種または2種
    以上:0.01〜0.15% を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるフェ
    ライト系ステンレス鋼。 2、C:0.03%以下 Si:0.25〜0.5% Mn:0.25%未満 P:0.03%以下 S:0.001%未満 Cr:15〜25% N:0.03%以下 Al:3〜6% REM、Yもしくはアルカリ土類元素を1種または2種
    以上:0.01〜0.15% Nb、VもしくはTiを1種または2種以上:0.05
    〜1% を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなるフェ
    ライト系ステンレス鋼。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003160840A (ja) 2001-11-22 2003-06-06 Nisshin Steel Co Ltd 石油系燃料改質器用フェライト系ステンレス鋼
US8500923B2 (en) * 2003-02-28 2013-08-06 Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corporation High aluminum ferritic stainless steel sheet for weight sensor substrate, method for producing the same and weight sensor

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003160840A (ja) 2001-11-22 2003-06-06 Nisshin Steel Co Ltd 石油系燃料改質器用フェライト系ステンレス鋼
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