JPH0414292B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この発明は電子体温計、特に最高温度の変化が
所定値以下に達したことにより測定収束を判断す
る電子体温計に関する。

(ロ) 従来の技術 従来の電子体温計には温度測定部でサンプルタ
イミング毎に温度を測定し、最高温度を更新記憶
しつつ表示器に表示し、かつ最高温度の変化度合
を判定し、その変化度が所定値以下に達すると測
定収束地点に達したとする収束判定をなすように
したものがある。この種の測定収束判定手段をも
つ電子体温計は表示のサンプリング周期と収束判
定のサンプリング周期が同時におこなわれてい
た。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 一般に収束判定は各判定毎に、サンプリングｎ
回前のデータとの変化分にて判定を行おうとする
ことが多く、最低ｎ回分のデータは記憶しておく
必要がある。温度の変化に対して表示の変化を追
随よくスムーズに行おうとする場合、表示サンプ
リングの周期は短い方がよい。一方、収束判定を
正確に行おうとする場合、短時間の温度変化の影
響を小さくするために、収束判定に用いる変化率
の算出時間幅は、長い方がよい。

従つて時間幅を長くするために上記ｎを大きく
する必要があり、データ記憶のメモリ容量を大き
くせねばならないという欠点があつた。この発明
は上記従来の問題点を解消し、表示変化がスムー
ズになせ、かつ収束判定が正確であり、データ記
憶のためのメモリが少なくてもすむ電子体温計を
提供することを目的としている。

(ニ) 問題点を解決するための手段 この発明の電子体温計は上記問題点を解決する
ために第１図に示すようにサンプルタイミング毎
に温度を測定する温度測定部１と、この温度測定
部１で測定される温度の最高値をサンプルタイミ
ング毎に更新記憶する最高温度記憶手段２と、こ
の最高温度を表示する表示器３と、前記サンプル
タイミングの所定回毎に前記最高温度記憶手段２
の記憶値を記憶する測定データ記憶手段４と、前
記測定所定回毎のサンプルタイミングに前記最高
温度記憶手段２の記憶値と前記測定データ記憶手
段４の記憶データとから測定収束を判定する収束
判定手段５とから構成されている。

(ホ) 作用 この電子体温計において、測定を開始するとサ
ンプルタイミング毎に温度測定部１で温度測定が
なされ、その測定温度の最高値が毎回更新され、
表示器３に表示される。すなわち、測定温度はサ
ンプルタイミング毎に表示される。一方、収束判
定はサンプルタイミングの数回分に１回の割で、
今回の最高温度と前回の収束判定時の温度が比較
され、測定値が収束状態に入つたか否か判定され
る。

(ヘ) 実施例 以下、実施例によりこの発明をさらに具体的に
説明する。

第２図は、この発明の１実施例を示す電子体温
計の正面図である。この実施例電子体温計１０は
本体ケース１１とプローブ１２とから構成され、
プローブ１２の先端部にはサーミスタ等の温度セ
ンサ１３が設けられており、プローブ１２はリー
ド線１４により本体ケース１１に接続されてい
る。本体ケース１１の外表面に表示器１５、電源
スイツチ１６が設けられ、内部にはCPU等と電
子回路部が設けられている。

第３図は、実施例電子体温計の回路ブロツク図
である。本体ケース１１内に設けられる電子回路
部１７はＡ／Ｄコンバータ１８、CPU１９、メ
モリ２０及び電源電池２１から構成されている。

温度センサ１３は、温度を検出してアナログ電
気信号に変換し、そのアナログ信号をＡ／Ｄコン
バータ１８に入力するようになつている。Ａ／Ｄ
コンバータ１８はサンプルタイミング毎にアナロ
グ信号をデジタル信号に変換し、CPU１９に入
力するようになつている。CPU１９は予め記憶
されるプログラムに従い動作を進行し、サンプル
タイミング毎に温度を測定する機能、各サンプル
タイミング毎にそれまでの最高温度をメモリ２０
に更新記憶する機能、サンプリングがβ（β：整
数）回繰返す毎に、その時点の最高温度をメモリ
２０に記憶し、かつデータをシフトさせる機能、
今回の最高温度とmβ（ｍ：整数）回前のサンプル
タイミング時の最高温度とを比較し、収束を判定
する機能、メモリ２０に記憶される最高温度を表
示器１５に表示させる機能等を備えている。メモ
リ２０は各サンプルタイミング毎に測定される最
高温度を記憶する他、サンプルタイミングがβ回
繰返される毎にその時点の最高温度を記憶し、ｍ
個のデータを記憶するようにしている。

次に第５図に示すフローチヤートを参照して上
記実施例電子体温計の動作について説明する。先
ず、電源スイツチ１６がオンされ、動作がスター
トするとステツプST1でイニシヤライズ処理がな
される。すなわち、収束サンプルタイミングをカ
ウントするためのカウンタtsを０にするとともに
各最高値を記憶するメモリ２０の記憶領域Ｔ（−
１）、Ｔ（−２）、……、Ｔ（−ｍ）を初期値とす
る。初期値としては、例えば−∞の値が記憶され
ることになる。

次にサンプルタイミングの到来がステツプST2
で判定され、周期t0でサンプルタイミングの到来
毎に温度センサ１３で検出される温度値がＡ／Ｄ
コンバータ１８でデジタル信号に変換され、
CPU１９に取込まれ、今回の測定温度としてメ
モリ２０の温度記憶領域Ｔ（０）に記憶される
（ステツプST3）。

続いてステツプST4でそれまでのリアル値の最
高温度が更新記憶され、ピークホールド値Tpと
して表示器１５に表示される。次に続いてステツ
プST5でtsの内容がβよりも大きいか否か判定さ
れる。βは定数であつてここでは例えば３に設定
されている。最初の測定サイクルでは当然この判
定はNOであり、ステツプST6でtsに１加算され
て（ts＝１）、再びステツプST2にリターンし、
次のサンプルタイミングで同様に測定温度の読込
み及び表示がなされる（ステツプST3、ST4）。
そしてステツプST5で再びts≧βが判定される。
この判定は３回のサンプルタイミング繰返される
までは、NOであり上記と同様にステツプST2に
リターンし、温度測定と測定表示のみが繰返され
る。３回の測定サイクルが繰返されると、ts＝３
となるのでステツプST5の判定がYESとなり、
続いてステツプST7でtsを１にもどした後、ステ
ツプST8では今回の温度値Ｔ（０）とmβ回前の記
憶値Ｔ（−１）の差値、すなわち変位Δが算出さ
れる。そしてこの変位Δが定数αよりも等しいか
大きいかが判定される（ステツプST9）。このス
テツプST9における判定は、測定が収束状態に達
したか否かを判定している。測定開始当初であ
り、まだ温度が上昇中の場合にこの判定は、NO
となり続いてメモリ２０のデータのシフトが行わ
れる。すなわち、β−１回前のＴ（−２）のデー
タはＴ（−１）の領域にシフトされ、同様にＴ（−
ｍ）のデータはＴ（−ｍ＋１）に、さらにＴ（−
ｍ）のデータにＴ（０）がそれぞれシフトされる。

そしてステツプST2にリターンし、前回と同様
に３回の温度測定データの読込み及び表示を行つ
た後、サンプルタイミングがβ回繰返す毎にステ
ツプST8で変位Δの算出を行う。この変位Δは現
時点よりmβ回前の時点の最高温度値が減算され
ることになり、この変位Δがαよりも小さくなる
と収束したものとして収束判定処理は終了する。

上記した各サンプルタイミングと測定収束判断
時点と変位Δを算出するタイミングデータとの関
係を第４図に示している。同図において、サンプ
ルタイミングはt0の周期で繰返され、さらにその
周期の３倍すなわちβt0毎に収束判定の判断がな
され、この収束判定の変位Δは現時点よりも
mβt0前の設定値との差が求められることになる。

(ト) 発明の効果 この発明によれば、温度測定及び表示のサンプ
ルタイミングの周期に対し、収束判定の周期を測
定サイクルの周期の数倍にしているので、表示の
変化はスムーズになせるとともに収束判定のデー
タの変化幅も広くとることができ、その上収束判
定のために記憶するデータ数が従来の数分の１
（１／β）となるので非常に少ないメモリで正確
な収束判定をなすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の電子体温計の概略構成を示
すブロツク図、第２図はこの発明の１実施例を示
す電子体温計の正面図、第３図は同電子体温計の
回路ブロツク図、第４図は同電子体温計で測定す
る場合の時間に対する温度変化の一例を示し、サ
ンプルタイミングと収束判定タイミングの関係を
示す図、第５図は、同電子体温計の動作を説明す
るためのフローチヤートである。 １：温度測定部、２：最高温度記憶手段、３：
表示器、４：測定データ記憶手段、５：収束判定
手段。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ サンプルタイミング毎に温度を測定する温度
   測定部と、この温度測定部で測定される温度の最
   高値をサンプルタイミング毎に更新記憶する最高
   温度記憶手段と、この最高温度を表示する表示器
   と、前記サンプルタイミングの所定回毎に、前記
   最高温度記憶手段の記憶値を記憶する測定データ
   記憶手段と、前記所定回毎のサンプルタイミング
   に、前記最高温度記憶手段の記憶値と、前記測定
   データ記憶手段の記憶データとから測定収束を判
   定する収束判定手段とからなる電子体温計。