JPH0414234Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は筆、ブラシ、鉛筆、油性、水性フエル
トペン等の筆記用具を振動させるための治具に関
する。

〔従来の技術〕

従来は例えば紙面上にカラー鉛筆、カラー油
性、水性フエルトペン等により着色する場合やブ
ラシあるいは筆により濃い・うすいの境目をぼん
やりさせる（ぼかす）場合には、それらの棒状物
を手で持つて小刻みに動かして（振動させて）目
的を達成していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら従来は棒状物を手で振動させるた
め、能率が低下するという問題点がある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記の問題点を解決するため、棒状物
を電気的に振動させる治具を提供しようとするも
のである。

即ち、本考案治具は第１図示のように外筒１内
に内筒２を挿設し、外筒１と内筒２間に圧電振動
子５の両端を支持せしめ、外、内筒１，２の中間
付近の間に振動支点６を設けて内筒２を振動自在
に支持すると共に、内筒先端に縦方向に切り込み
８と径が徐々に縮少するネジ部９を設け、該ネジ
部９に固定用ネジ部材１１を螺嵌して内筒２内に
筆記用具７をその先端部７ａが突出するように挿
入して着脱自在に固定するようにしてなる構成と
したものである。

〔作用〕

このように構成することにより筆記用具７を内
筒２内に固定すると共に圧電振動子５の電極５
ａ，５ｂ間に交流電圧を印加すると、この圧電振
動子５が振動し、この振動により振動支点６を中
心に内筒２が振動せしめられ、内筒２に固定され
た棒状物７の先端部７ａが振動することになる。

〔実施例〕

以下図面に基づいて本考案の一実施例を説明す
る。

第１図は本考案治具の一実施例を示す断面図で
ある。１は外筒で、この外筒１の後端部に後端閉
塞部３が嵌着または螺着されている。２は外筒１
内に挿設された内筒で、その後端は閉塞されて後
端閉塞部４を形成している。図においては弾性体
１２で閉塞されている。この内筒２の前端部は外
筒１の前端より突出していて、第２図のように縦
方向の切り込み８が設けられており、かつ径が
徐々に小さくなるネジ部９を経て筆記用具保持筒
部１０を形成している。１１は内筒２の前端部に
形成されたネジ部９に螺嵌して筆記用具保持筒部
１０を内側に押さえ込む固定用ネジ部材である。

圧電振動子５の一端は外筒１の後端閉塞部３内
面に固定されて支持され、他端は内筒２の後端閉
塞部４の弾性体１２外面に支持されている。

外、内筒１，２の中間付近の間には、振動支点
６が設けられている。この振動支点６は、例えば
第１図示のように弾性体支点でもよいが、第３図
示のように外筒１の中間付近で前方部１ａと後方
部１ｂに２分し、前、後方部１ａ，１ｂ間を嵌
着、または螺着し、当該外筒１の分割部の外面に
窪み１３を形成すると共に、この窪み１３に対向
する内筒２の外面にこの窪み１３に係合する突部
１４を設けて当該窪み１３と突部１４とで振動支
点６を形成してもよい。振動支点６の位置は任意
に選定することができ、必要とする振幅に応じて
一端に片寄せすることもできる。

７は内筒２内にその先端部７ａが突出するよう
に挿入された筆等の筆記用具である。この棒状物
７は内筒２の前端部に形成されたネジ部９に固定
用ネジ部材１１を螺嵌することにより筆記用具保
持筒部１０を内側に押さえ込むことによつて固定
されるようになつている。簡単には筆記用具保持
筒部１０の弾撥力で筆記用具７を保持してもよ
い。

筆記用具７としては筆、ブラシ、鉛筆、油性、
水性フエルトペン等を挙げることができる。第１
図では筆またはブラシの場合を示している。

１５は外、内筒１，２の後端閉塞部３，４間の
空間部内に収めされたスイツチで、外筒１の後端
閉塞部３の側面よりスイツチ１５の操作部１６が
突出している。１７ａは圧電振動子５の一方の電
極５ａに接続されたリード線、１７ｂは他方の電
極５ｂにスイツチ１５を介して接続されたリード
線で、これらのリード線１７ａ，１７ｂは外筒１
の後端閉塞部３より引き出され、電圧調整器１８
を経て電源プラグ１９に接続されている。この電
源プラグ１９は一般に商用電源にコンセントを経
て接続される。スイツチ１５は外部に設けてもよ
いし、電圧調整器１８は外筒１の外面に取付け一
体化してもい。

上記の構成においてスイツチ１５を閉じると、
圧電振動子５の電極５ａ，５ｂ間に交流電圧が加
わり、この圧電振動子５が振動する。この振動に
より振動支点６を中心に内筒２が振動せしめら
れ、内筒２に固定された筆、ブラシ等の筆記用具
７の先端部７ａが小刻みに振動することになる。

筆記用具７として筆やブラシを用いたときは、
先端部７ａである毛先の小刻みの振動により濃
い・うすいの境目をぼんやりさせる（ぼかす）こ
とができる。またカラー鉛筆やカラー油性、水性
フエルトペンを用いたときは着色することがで
き、消ゴムを用いたときには字消しができる。

筆記用具７の交換は固定用ネジ部材１１を緩め
て筆記用具７への押し付けを解除すれば容易に筆
記用具７の引き出し、挿入が簡単にできる。

上述のように本考案によれば、筆記用具７を圧
電振動子５により電気的に小刻みに振動させるこ
とができ、手で小刻みに振動させることによる効
率低下の問題を解決することができる。

また、本考案治具の外形を筆記具と同様に握り
易く、扱い易い形状にでき、かつ全体を軽量にで
きると共に安価な治具を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案治具の一実施例を示す断面図、
第２図は本考案における筆記用具を離脱自在に固
定するための手段の一例を示す斜視図、第３図は
本考案における振動支点の他の例を示す部分断面
図である。 １……外筒、２……内筒、３，４……後端閉塞
部、５……圧電振動子、５ａ，５ｂ……電極、６
……振動支点、７……筆記用具（筆，ブラシ）、
７ａ……先端部（毛先）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外筒内に内筒を挿設し、外筒と内筒間に圧電振
   動子の両端を支持せしめ、外、内筒の中間付近の
   間に振動支点を設けて内筒を振動自在に支持する
   と共に、内筒先端に縦方向に切り込みと径が徐々
   に縮少するネジ部を設け、該ネジ部に固定用ネジ
   部材を螺嵌して内筒内に筆記用具をその先端部が
   突出するように挿入して着脱自在に固定するよう
   にしてなる筆記用具振動治具。