JPH04141572A - Mn―Cr系非磁性鋼の機械構造部品 - Google Patents

Mn―Cr系非磁性鋼の機械構造部品

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JPH04141572A JP26226890A JP26226890A JPH04141572A JP H04141572 A JPH04141572 A JP H04141572A JP 26226890 A JP26226890 A JP 26226890A JP 26226890 A JP26226890 A JP 26226890A JP H04141572 A JPH04141572 A JP H04141572A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、M n −Cr系オーステナイト非磁性鋼に
よって製作され、浸炭窒化法などの熱処理により表面硬
化された非磁性軸受体その他の非磁性機械構造部品とそ
の製造方法に関する。
(従来の技術) 近年、磁気浮上モータカーや核融合炉の開発が進められ
、強磁場を発生させる超伝導技術が実用化の段階に至る
に伴い、軸受の技術分野においても、強磁場で使用可能
な軸受の開発が要求されている。例えば、上記の磁気浮
上モータガ−は、車体下部の超電導磁石と地上部のコイ
ルとの間の磁気的反発力と推進力とによって、車体を浮
上させて、進行するのであるが、始動時又は減速時には
、浮力が不足するので、車輪をもって車体を支持し、走
行に供するのである。車輪の車軸を軸支する軸受は、車
軸の回転に伴い、超電導磁石からの強い磁界を切って、
回転するため、炭素鋼や合金鋼などの強磁性体によって
製作されている場合、軸受の転動体のみならず、軌道軸
も表面近傍に誘導電流を発生し、この誘導電流の磁気相
互作用により、回転を妨げる反対トルクを生じ、又、渦
電流損失による軸受体の温度上昇を伴って、軸受体は、
焼き付きを生じ、使用不能となる事態も予想される。
強磁場で使用される軸受体の渦電流の発生を防止する技
術には、従来から、軸受体自体を常磁性体で構成する方
法が知られており、軸受に適用可能な非磁性材料として
は、窒化珪素系などのセラミック材料が開発されている
。また、関連分野では、非磁性バネ材について、高マン
ガン高クロム非磁性鋼の表面に窒化処理を施して、高い
表面機械的強度を得る方法(特開昭62−278258
)も、知られている。
(発明が解決しようとする課題) 軸受体を常磁性体で構成する方法は、常磁性体には、軸
受用としての機械的強度と特に表面硬度が要求されるが
、この要件を満たすセラミック材料を利用するとすれば
、軸受用として強度は十分に有するけれど、硬度が高す
ぎるため、研磨加工が著しく困難であり、軸受自体が高
価になるという欠点がある。
鉄鋼材料の中では、常温でオーステナイト相を有するオ
ーステナイト鋼は、非磁性を示し、一般に強度も高いこ
とから、軸受素材に利用できそうであるが、軸受体に要
求される表面硬度を得る方法は実用化されていない。上
述の高マンガン高クロム非磁性鋼の窒化処理は、冷間加
工後に、SC2”Cの温度下のアンモニア雰囲気中で、
高温保持をすることによって、当該鋼の表面に窒化層を
形成し、窒化物による表面硬化を実現したものであって
、非磁性バネ材の耐摩耗性や高応力化での疲労強度を改
善した。しかしながら、硬化は極く表面に限られ、その
窒化層の厚みは0.05mn以下であって、窒化層内部
の母材は、硬度が尚低く、軟質であるから、軸受体には
使用できない。
軸受体は、表面硬度として、ロックウェルC硬さ55、
好ましくは、60以上が要求され、窒化処理などの熱処
理の後には1表面の精密研磨によって表面から0.1m
程度削除されるので、熱処理後の硬化層厚みとしては、
0.2an程度は必要である。従って、高マンガン高ク
ロム系非磁性鋼を単に、窒化処理したのでは、軸受体に
所望される表面硬度は得られない。
本発明は、上記問題に対処すべくなされたものであって
、軸受体の要求する強度を有する非磁性鋼を軸受体に使
用して、これに表面硬度を付与する方法を明らかにして
、強磁場中での使用可能な非磁性軸受体を提供し、また
強磁場中で使用される他の非磁性機械構造部品をも提供
しようとするものである。
(111題を解決するための手段) 本発明の非磁性機械構造部品は、M n −Cr系オー
ステナイト非磁性鋼によって製作され、当該オーステナ
イト鋼に予め窒化処理をして、その後に浸炭窒化処理を
して形成された窒素富化層による表面硬化層を有する非
磁性機械構造部品であり、特に、ロックウェルC硬度5
5以上の硬さを有する当該表面硬化層の厚みが、浸炭窒
化処理後において、0.2mm以上であることを特徴と
するものである。
本発明は、上記非磁性機械構造部品の製造方法に関して
、M n −Cr系オーステナイト非磁性鋼に予め窒化
処理をし、その後に、浸炭窒化処理をして、窒素富化層
を形成せしめることにより、所望の表面硬化層を得るこ
とを特徴とするものである。
以下に、本発明の詳細な説明する。
M n −Cr系オーステナイト鋼には、10〜20%
Mn、3〜20%Crを含有する鋼が使用される。また
、オーステナイト相の安定化のためNiが0〜5%の範
囲で添加される。同様の目的でNが0.25%まで添加
されることがある。この鋼は、あらかじめ鍛造と機械加
工により成型品の粗仕上げ段階まで、最終の精密仕上げ
の削り代を残して、機械構造部品に加工される。
当該M n −Cr系オーステナイト鋼は、第1段階の
熱処理として、窒化処理がされる。この窒化法は、普通
鋼や低合金鋼を対象にされる軟窒化法あるいは、窒化用
鋼を対象とするガス窒化法と同様の方法を採用すること
ができる9軟窒化法を利用する場合は、カリウムもしく
はナトリウムのシアン化塩とシアン酸塩と炭酸塩の混合
浴中に浸漬して、550〜6oo℃の温度範囲で、1〜
2hr保持して後、空冷する。又は、アンモニア性分解
ガス中で、500〜600℃の比較的低温で1〜2hr
の短時間もしくは50hr以内の長時間の加熱保持をし
て実施される。
第2段階の熱処理として、浸炭窒化性雰囲気中で浸炭窒
化処理がされる。この方法は、普通鋼等の浸炭窒化法と
概ね同じで良いが、−酸化炭素を含む炭化水素とアンモ
ニアとの混合ガス中で、700〜900 ’Cの比較的
高温に加熱保持されて後冷却される。この浸炭窒化処理
の加熱時間は、表面からロックウェルC硬度55以上の
硬さを有する当該表面硬化層の厚みが2mm以上になる
ようにするためには、6〜12hrを必要とする。
また、窒化処理と浸炭窒化処理とは、連続工程で行うこ
とができる。この場合は、窒化性雰囲気又は浸炭窒化性
雰囲気の中で、500〜600℃の温度に保持して後、
700〜900℃に昇温して、この温度範囲に長時間保
持して後常温に冷却する。
本発明の非磁性機械構造部品には、軸受体の転動体と軌
道軸があり、また歯車、カムなど、上記表面処理により
、相当表面硬化層を有する非磁性部品が含まれる。
(実施例) 以下に、本発明の詳細な説明する。
供試材は、CO,60%、S i 0.95%、PO2
02%、S O,005%、Mn12.5%、Ni2゜
4%、Cr 10.2%、72.2%の組成を有し、熱
間鍛造により直径12mm、長さ12mmの円筒の形状
に加工し、この供試材を電気炉内で1150℃にlhr
加熱した後、水冷して、溶体化処理を行った。
次いで、当該供試材をK CN −N a CN−炭酸
塩系溶融塩窒化炉中で、580℃で、lhrの浸漬加熱
をおこない、水中冷却した。
窒化処理後の供試材は、ロータリーレトルト炉レトルト
中に装入して、浸炭性ガス(CO20〜25%、H23
o〜50%、N228〜45%、0021%、H2O1
%)にプロパン0.42%、アンモニア7.5%を混合
して混合ガス12N+++”で供給し続け、840’C
で6hrないし12hr加熱保持して後、加熱炉から、
レトルトを引き出して、冷却して、試片Jを得た。その
後は、焼入れ焼戻しをすることなく、切断面の顕微鏡組
織観察とマイクロヴイッカース硬度試験に供すると共に
、また1表面研磨を行って、軸受の転がり寿命試験に供
した。
比較例として、上記の溶体化処理をした供試材を使用し
て、次の熱処理をも行ない、実施例と同様の試験を行っ
た。
(1);700℃、4hrの加熱による時効硬化処理を
した(試片A)。
(2);実施例の窒化処理と同一条件の下で、窒化処理
のみを行った(試片B)。
(3);実施例の浸炭窒化処理と同一条件の下で、浸炭
窒化処理のみを行った(試片C)。
(4);浸炭用ピット炉に装入して、浸炭処理のみを行
った(試片D)。浸炭条件は、940℃、225m1n
(カーボンポテンシャル1.25)の浸炭後、940℃
、135m1n(同1.15)の拡散処理し、焼入れの
ため85C)C1135min(同0.7)の加熱保持
して、120℃油中急冷するものであった。但し、カー
ボンポテンシャルの数値は、炭素鋼に対するもので、単
にC○/CO2組成を間接的に表示しているにすぎない
(5);実施例の窒化処理と同一条件の下で、窒化処理
を行った後、840℃で6hrの真空中加熱又は大気中
加熱を行った(試片K)。
(6);実施例の窒化処理と同一条件の下で、窒化処理
を行った後、比較例(4)の浸炭処理と同一条件の下で
、浸炭処理を行った(試片L)。
(7);実施例の浸炭窒化処理と同一条件の下で、先に
浸炭窒化処理を行ない、その後に実施例の窒化処理と同
一条件の下で、窒化処理を行った(試片M)。
(8);実施例の浸炭窒化処理と同一条件の下で、浸炭
窒化処理を行った後、比較例(4)の浸炭処理と同一条
件の下で、浸炭処理を行った(試片N)。
本実施例の窒化−浸炭窒化の処理試片(J)についての
表面近傍の顕微鏡組織写真とヴイッカース硬度曲線を第
1図に示すが、同図a)の顕微鏡組織は、浸炭窒化処理
時間6hrの場合であって、極く表面に近い部分で、析
出層が見られ、この析出層から内部に向かって、拡散層
が認められ、析出層と拡散層とは、窒素富化層を構成し
ている。
同図b)に示した硬度曲線から、浸炭窒化処理時間6h
rの場合(図中の記号・)は、表面から0゜05〜O、
l mmの位置で、ヴイッカース硬度Hv700であり
、更に内部ではQ、2mmの位置でHv約500に低下
し、内部に至る程硬度は低下する。
この硬度の低下する範囲は、概ね上記の拡散層と対応し
ている。また、浸炭窒化処理時間12hrの場合(図中
の記号O)は、表面から0 、1 ohmの位置で、ヴ
イッカース硬度Hv750の最高値を示し、これはロッ
クウェルC硬度Hrc60以上に当り、また0、311
I11の位置でHv約500に低下している。転がり軸
受体として実用上重要な硬さの下限は、ロックウェルC
硬度Hrc55、ヴイッカース硬度Hνで600を必要
とするから、表面から研削代0.1■を削除した転勤部
表面の硬度は、Hrc60以上で、その表面から0.2
mmの範囲の硬化層では、軸受に要求される相当硬度を
確保することができる。
次に、比較例を検討するに、比較例(1)の時効硬化環
のみを実施しても、第2図b)の試片Aの硬度曲線に示
すように、表面層の硬度は、内芯部の硬度HV330と
変わりなく、軸受体としては軟質であって、利用できな
い。
比較例(2)は、窒化処理のみ行ったものであるが、第
3図b)の試片Bの硬化曲線が示すように、表面から0
.05++onの位置での硬度がHv500程度まで上
昇するが、0 、1 mm以上の内芯部では、硬度はH
v400以下である。この硬化曲線と、同図a)の試片
表層部の顕微鏡J[を対応させると、表面硬化層が、表
面の窒化層もしくは拡散層と概ね一致しており、短時間
の窒化処理のみでは、十分な拡散層は得られず、硬化層
は薄い。
なお、窒化処理時間を10Hrと長くした場合も実施し
たが効果はみられなかった。即ち溶体化処理後窒化処理
のみ実施しても、軸受体用の表面硬度は得られず、研削
代を削除すればもはや軟質材料にすぎない。
比較例(5)は、窒化処理後に大気中と真空中で高温加
熱保持したものであるが、第5図b)に示すように、高
温保持により表面の極く近傍の硬度は減じ、より内芯部
に緩やかな硬度勾配となる。
但し、同図a)に示すように、表面部には、0゜Q 5
+++m以下の薄い拡散層が残存している。
比較例(6)の窒化処理後に浸炭処理をした場合は、第
6図a)、b)に示すように、浸炭処理の効果は認めら
れず、窒化処理のみ実施した場合よりも軟化する。
次に、比較例(3)の浸炭窒化処理のみ行った場合は、
第4図(図中の記号○)に示すように、表面硬化は全く
生ずることはなく、また、比較例(4)の浸炭処理のみ
行った場合は、同図(図中の記号・)に示すように、内
芯部よりも表層部が軟化する挙動さえ示し、何れも単独
の熱処理は効果がないことがわかる。また、比較例(7
)の浸炭窒化処理を行った後に窒化処理を行った場合(
第7図b)中記号・)、及び比較例(8)の浸炭窒化処
理を行った後に浸炭処理を行った場合(第7図b)中記
号0)は、ともに表面硬化を生ぜず、顕微鏡組織を見て
も、表層部と内芯部はほぼ均一な組織を示す。
以上述べた如く、本発明のMn−Crオーステナイト鋼
の窒化後浸炭窒化処理を行うことにより、研削代削除後
の表面硬度と相当深さの硬化層を得ることが可能となる
のであって、窒化、浸炭窒化もしくは浸炭の各処理を単
独で、又は本発明の処理方法とは異なる組合せをしても
十分な表面硬化は得られないのである。
次に、表1に、本発明の熱処理後の試片Jの初透磁率μ
の測定結果を示す。比較例として、時効処理のみ行った
試片Aと、代表的な軸受用マルテンサイト鋼の測定結果
も併記した。
表1  透磁率 このように、M n −Cr系オーステナイト鋼は、本
発明の窒化−浸炭窒化処理を行っても、透磁率は低く、
非磁性鋼として扱うことができる。
表2には、窒化−浸炭窒化処理を行った当該オーステナ
イト鋼を研削して、転勤試験片とし、軸受鋼製の径20
Ill111のころを相手にして、負荷速度202O4
00cp回転速度1010200rpで転動する転がり
寿命試験の結果を示す。
(以下余白) 表2 寿命試験 L5゜;ロットの50%が破損する寿命(ロット数5)
表2から転がり寿命は、車両用の中程度の荷重で使用さ
れる軸受として十分に実用になる数値をしめしている。
(作用) 本発明に適用される材料は、M n −Cr系のオース
テナイト鋼であり、非磁性を示す。このMn−Cr系の
オーステナイト鋼の表面部を硬化するには、1段階の工
程に、窒化処理を行って後、第2段階の工程として、浸
炭窒化処理がなされる。
第1段階の熱気である窒化処理によって、当該鋼の表面
から極薄い窒化層が形成され、表面は硬くなる。しかし
、この層は、5oμ■以下であるので、硬化層も著しく
薄く、表面の精密研磨を行って、機械構造部品に提供さ
れる用途には、この窒化法単独では、実用的ではない。
しかしながら、窒化処理の代りに、浸炭窒化処理や浸炭
処理行っても、何ら表面部には窒化層或いは他の化合物
層を形成することはできず、表面硬化は生じないが、低
温である程、表面窒化物の形成に有利であり、浸炭窒化
性ガスに窒化能があったとしても、浸炭窒化処理の高温
度では、表面に窒化物は形成され難いのである。この傾
向は、炭素鋼における浸炭窒化性ガスの表面層における
炭素−窒素の浸透に及ぼす温度の影響と近似している。
第1段階の窒化処理の後、第2段階の熱処理である浸炭
窒化によって、相当厚みをもって、当該硬化層表面近傍
の化合物層と、その内部にいたる拡散層から成る窒素富
化層によって硬化層が形成される。この第2段階の熱処
理で、浸炭窒化処理に代えて、真空中もしくは大気中で
の高温保持や高温での浸炭処理では表層部の化合物層は
極めて薄く存在するか、もしくは消滅して、はとんど表
面硬化に寄与しないが、これは、気相側から窒素が供給
されることなく、表面部の濃縮した窒素が内芯部に拡散
して、希釈されるからである。これに対して第2段階の
浸炭窒化処理により、気相側からの窒素の補給と、内芯
部への窒素の拡散とによって、化合物層成長と拡散層の
緩やかな濃度勾配が生ずるのである。この場合、前述の
ように窒化処理をすることなく浸炭窒化処理のみを実施
しても、裏面部組織になんら変化を生じないことを考慮
すれば、浸炭窒化処理の際には、表面部には窒化物層が
存在して、この窒化物層を介在して、気相側から内芯部
への窒素の移動を容易にするものと考えられる。
高Mn高Cr含有鋼である当該オーステナイト鋼は、窒
化物生成元素MnとCrを多量に含有し、特に、Cr窒
化物は、鋼を硬化し、窒化−浸炭窒化の2重処理によっ
て、表面から浸透拡散した窒素は、Cr窒化物として固
定されて、表面の近傍に窒化物層を形成して、硬化層と
なり1表面を著しく硬化する。当該オーステナイト鋼に
Vを含有するとき、当該窒化物層に生成したV窒化物は
、−層硬化に寄与する。
本発明の適用鋼種がV含有M n −Cr系オーステナ
イト鋼であるときは、溶体化処理を実施した後、窒化−
浸炭窒化処理により、内芯部は、時効硬化により強化さ
れ、前述の表層部のVによる硬化の効果とともに、表面
硬化層を有する強靭な機械構造部材が形成される。
また、表面硬化の原因となる窒化物は、非磁性であるか
ら、本発明の熱処理方法によって製作された軸受体その
他の構造部材は、非磁性となる。
(発明の効果) 本発明の非磁性構造部品の製造方法を実施すれば次のよ
うな効果を奏する。
1、Mn−Cr系オーステナイト鋼は、窒化−浸炭窒化
の熱処理がなされて、当該鋼の表層部には、硬化した化
合物層と拡散層が形成され、拡散層においても転がり軸
受体に要求されるロックウェルC硬度55以上となる相
当厚みが得られ、精密加工のための削り代を削除した後
においても、転がり軸受体にとり十分な表面硬度が得ら
れる9硬化層の厚みは、浸炭窒化処理時間によって調整
することができる。
2、Mn−Cr系オーステナイト鋼は非磁性鋼であり、
窒化−浸炭窒化処理により形成される窒化物層も非磁性
であるから、表面硬化層を有する非磁性軸受体を製作す
ることができる。
3、本発明の窒化処理と浸炭窒化処理とは、いずれも炭
素鋼もしくは窒化鋼を対象にされる軟窒化法と浸炭窒化
法とを利用することができるから、本発明のM n −
Cr系オーステナイト鋼の表面処理には、既存の表面処
理設備を使用して、従来の表面処理方法をそのまま適用
することができ、従って、多量にかつ安価に熱処理を実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図a)は、に本発明の実施例の窒化−浸炭窒化処理
した後のM n −Cr系オーステナイト鋼の表面近傍
の金属組織の顕微鏡写真と、同図b)は、同実施例の鋼
表面からの各深さにおけるヴイカース硬度を示す硬度曲
線図を、第2図a) 、b)は、溶体化処理のみ行った
比較例(試片A)の第1図同様図を、第3図a)、b)
は、窒化処理のみ行った比較例(試片B)の第1図同様
図を、第4図は、浸炭窒化処理のみ(試片C)と、浸炭
処理のみ(試片D)とを行った比較例のヴイカース硬度
曲線図を、第5図a)、b)は、窒化処理後に真空中も
しくは大気中加熱処理した比較例(試片K)の第1図同
様図を、第6図a)、b)は、窒化処理後に浸炭処理し
た比較例(試片し)の第1図同様図を、第7図a)、b
)は、浸炭窒化処理後に、窒化処理(試片M)もしくは
浸炭処理(試片N)をした比較例の第1図同様図を、そ
れぞれ示す。 (符号の説明) A・・・・・・試片A、B・・・・・・試片B、C・・
・・・・試片C,J・・・・・・試片J、K・・・・・
試片に、L・・・・・・試片り、M・・・・・試片M、
N・・・・・・試片N。 −以上一 第 図 A・・・試片A、 K・・・試片K、 B・・・試片B、 し・・・試片し、 C・・・試片C1 M・・・試片M、 第 図 C0) D・・・試片D、 N・・・試片N J・・・試片J、 第 図 表面かうの深さ[mm)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.Mn−Cr系オーステナイト鋼に、予め窒化処理を
    し、その後に浸炭窒化処理をして形成された窒素富化層
    による表面硬化層を有する非磁性機械構造部品。
  2. 2.ロックウェルC硬度55以上の硬さを有する当該表
    面硬化層の厚みが、浸炭窒化処理後において、0.2m
    m以上である請求項1記載の非磁性機械構造部品。
  3. 3.Mn−Cr系オーステナイト鋼に、予め窒化処理を
    し、その後に浸炭窒化処理をして、窒素富化層を形成さ
    せることにより、所望の表面硬化層を得る非磁性機械構
    造部品の製造方法。
  4. 4.窒化処理をし、引続き、昇温して浸炭窒化処理をす
    る請求項2もしくは3記載の非磁性機械構造部品の製造
    方法。
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